はしりやもの パラレルパラレル

Last-modified: 2018-03-28 (水) 16:16:04

はしりやもの パラレルパラレル 掲載室です。
不定期ですが、掲載していきます。お楽しみに。
 

 

前置き

ーーーここは、何の変哲もない普通の町。まぁ、花咲町とでも。
主人公「うん、試運転も快調だわ。」
彼女は岡山サヨ。主人公。・・・って、書いてあるからわかるか((
なんやかんやありまして、ボロボロのDMC-12を引き取り、実戦対応までに復元。今は試運転中。
でも、バトルすることあるのかしら。まぁいいか。
 
ゴロゴロゴロ・・・
 
雷落ちるかも。・・・あ、そうそう、実は彼女は静電気体質。体に電気がたまります。大丈夫?
サヨ「大丈夫大丈夫!最近、静電気防止シューズも買ったし、いろいろ対策してるからね!しかも今は車の中!」
 
 
 
サヨ「もう静電気だろうがEF200だろうが万丈目サンダーだろうが怖いものなしだわっ!
 
 
 
あらあら・・・そんなバチ当たりなこと言うものだから・・・
 
ドシャャァン!!
 
・・・こんな感じで雷が落ちる。自業自得、インガオホー。
地面と絶縁してようが車に乗ってようが何しようが雷は落ちる。
朝ラッシュの中央特快にだって飛んでいる航空機にだって落ちる。
 
 
 
サヨ「・・・あれ?さっきまでいた場所と全然違うような・・・。ここどこよ?」
 
 
 
・・・ここからサヨはパラレルパラレルを飛び回るわけですが・・・
はてさて、どうなることやら・・・。
 
 
 

1話

World 1
魔法使いも素敵だけど。
 
 
 
・・・サヨ、DMC-12に乗ってたら雷が落ちて、気が付くとまるで別世界。訳わからんでしょうが、まずは状況整理。
自分は?
サヨ「大丈夫。」
車は?
サヨ「大丈夫。」
周りは?
サヨ「お城?」
 
さて、一通り確認を済ませたところで・・・って、お城?
 
 
 
ざわざわ・・・ざわざわ・・・
 
車を降りると、なんだかRPGにいそうな人たちに囲まれる。
サヨ「・・・あの~。」
お城の人「は、はいっ!」
サヨ「ここ、お城みたいですけど、どこなんですか?」
お城の人「・・・へ?あなたは反乱阻止の為に現れた魔法使いでは・・・?ほら、その奇妙な箱にも乗ってましたし・・・。」
サヨ「・・・え?」
 
 
 
いろいろあって隠れていた王様が戻ってきた。
 
 
 
どうやら、
サヨ「・・・ってことは、反乱の人(?)に襲われかけたところに私が降ってきて捕まえた、と、そういうことですね?」
王様「そうじゃ。・・・しかし、お主が魔法使いでもなく、助けに来た訳でもないとなると・・・何者なのだ?」
サヨ「何者と言われましても・・・もしかしたら、別世界から来てるのかもしれません。」
王様「何?別世界から来れるのならば魔法使いではないのか?」
サヨ「え、いや、どうなんでしょう?」
 
 
 
まぁ、なんだかんだで外へ。・・・勿論車ごとなんだけど。
 
サヨ「う~ん、周りからすごい珍しそうな物を見る目が~・・・。」
でも今は、そんなことどうでもいいんだ。重要なことじゃない。
なんで、DMC-12と雷の組み合わせで、別世界に飛ぶことになったのか。どうやって帰ればいいかもわからないし。
サヨ「ま、このまま魔法使いとして生活するのもいいかもね。でも魔法使えないか。」
順応力高いね・・・って、向こうに見えるのは・・・車?あの車にも人だかりが。もしかすると仲間かも。
 
 
 
近くに車を停めてみたが、やっぱり人だかり。ちなみに、その車は黒のスパイカー C8。
トントントン
サヨ「あの~。」
窓ガラスが開く。
C8の人「やっと会えましたか。岡山サヨさん、で、合ってますね?」
サヨ「え、えぇ、そうだけど・・・。」
C8の人「私は平行警察の山形です。詳しくは移動しながら話しますので、こちらを。」
渡されたのはよくある無線通信機。
山形「そのデロリアンでついてきてください。」
 
なんだかんだ、ついていくことに。
 
移動中、いろいろな説明を受ける。要約すると、
・この世には様々な並行世界があり、それらを世界線とも呼ぶ。
・平行警察は、世界線間での大きなエネルギーの動きを監視している。
・今回のエネルギーの動きはかなりイレギュラーで、実際に確認しなくてはならなかった。
・原因不明。今のところ、帰れるかも不明。そして、サヨは時空のひずみというものを引きずっているとか・・・。
・もしかすると更に別の世界線に飛ぶ可能性もある。
 
サヨ「あら~、私結構大変な立ち位置なのね~。」
山形「状況の深刻さ、ちゃんt」
サヨ「大丈夫大丈夫。心配ないわイケメン君☆」
山形「は、はぁ、い、イケメン・・・あ、つきました。」
 
 
 
ついたのはガレージっぽいところ。いろいろな検査機器がある。
山形「岡山さんのデロリアンに原因があるかもしれませんので検査しますね。」
 
 
 
検査後
 
山形「・・・。」
サヨ「どうしたの?・・・って手紙?」
山形「エンジンの下側に隠されてました。中身を要約すると、一定の時空間的エネルギーがある時、特定の搭乗者がスイッチを押すと、別世界線に移動できるとのことです。ご丁寧にも説明書もありました。しかも、その特定の登場者に、あなたも含まれるようですよ。」
まさか、というか十中八九、静電気体質も含めて転移ギミックってことじゃ・・・。
サヨ「でもそれだと・・・」
山形「恐らくはあの落雷で誤作動したのかと。安全に使えるようにはしましたし、エネルギーのたまり具合もメーター化してあります。。ただ、時空のひずみがあなたにたまらなければなりませんが。」
サヨ「ま、大丈夫でしょ。山形くん、ありがとね。」
山形「山形くんって・・・。まぁ、いざという時の為、その無線機は持っていてください。それは世界線をまたいでも使えますから。では、きっとすぐ会うことになるでしょうが、健闘を祈ります。」
山形くんはガレージをキューブ型の何かにして回収。C8で立ち去った。科学の力ってすごい。
 
サヨ「さてと、私も出発ね。なるべく早く戻りたいんだけど・・・どれくらいかかるかしら。」
 
 
 
かくして、パラレルパラレルな長旅が始まるのでした。
サヨ「そんな不吉な~。」
 
 
 
World 1 おわり
 
 
 

2話

World 2
だいなでだいな
 
 
 
・・・さて、前回の最後、お城の世界から移動。次の世界はどんなかな、と。
 
サヨ「え~と、見た目普通の町なんだけど・・・。」
山形「あ、岡山さんも来てましたか。きっとすぐ会うと言いましたが、数分もしないうちに現実になるとは・・・。」
サヨ「山形くん、ここはどんな世界なの?」
山形「ここは・・・恐竜と生きる世界です。」
サヨ「恐竜って・・・あのブラキオサウルスとかプレシオサウルスとかプテラノドンとかの恐竜?」
山形「概ねそのイメージであってますがいろいろツッコミさせてください。」
 
山形「1:陸海空って揃える必要あります?2:プレシオサウルスとプテラノドンは恐竜じゃなくて首長竜と翼竜です。3:もしかして戦隊観てました?」
 
サヨ「あー、うー、えーと、とにかく、その恐竜が絶滅せずに生きてるの?しかも人間と共生?」
山形「逃げましたね。まぁいいでしょう。すぐにわかりますよ。」
 
ずしーん ずしーん   ポロロロロ~ンポロロ~ン ポロロロロ~ンポロロ~ン
 
サヨ「足音と・・・ハープの音?」
山形「えぇ、この世界では、音楽や歌で恐竜を操れることがわかっているそうです。もっとも、人間の生演奏や肉声に限ってですが。で、彼らに荷物運びやら土木工事やらを手伝わせてるんだと。」
サヨ「もしかして猛獣使いならぬ恐竜使いの育成学校が南の島にあったりする?」
山形「さ、さぁ・・・どうなんでしょう・・・?・・・って、あなたはそれ以前に自分の世界に戻らないといけないのでは?」
サヨ「あ、そうですた。」
山形「全ての世界で時間の流れが同じとは限らないんですよ。極端な話、ある世界での一日が別の世界では5000年、なんてこともあるかもしれませんよ?」
 
当然ハッタリ。でも数分~数時間くらいの差はあるかも。塵積もを考えれば数日くらい?
 
サヨ「まっ、ひずみのエネルギーがたまらないことには出発できないし、焦ることもないわ。」
山形「それもそうですね。それでは、私は用事があるので。」
サヨ「じゃ~ね~。」
 
サヨ「さて、どうしよ?この当たりで走れそうなところってあるかしら・・・。」
 
行ったところが観光案内所。地図によれば、廃線(峠道の)を走れるという自動車専用線があるそう。この世界もストリートレーサーに優しい様子。当然GO。
 
 
 
そいで、行ってみた。
 
サヨ「ほえ~、まぁまぁにぎわってるのね~。」
ただ、そんなに峠車が多いってわけでもない。むしろ外車多い。そろそろ走ろうかという時、車の近くで喧嘩が・・・というか、挑戦状叩き付け?
ジャガーXJSの人「今日こそどっちが速いかケッチャコ(決着)よ!恵美!」
ダッヂ・チャレンジャーの人「え~安寿またやるの~。もう引き分けでいいでしょ~。」
安寿「一度どっちが上か決めるとなったら、絶対決着をつけるものよ!」
恵美「そんなこと思ってる人、この中じゃあんた一人だよ・・・。」
安寿「とにかく始めるわよ!」
恵美「え~。」
安寿「あ、丁度良いところにデロリアン。ちょっとそこのデロリアンの人、せっかくだから私たちと走りましょ。」
彼女はマキコ=マレタン(1832~1895)だ!((誰
サヨ「え、あ、はい。」
安寿「そこのいつもの人、カウントお願いね~。」
いつもの人「へいへい・・・。」
いつもの人(ん?なんでデロリアンまでバトルに参加してるんだ?まぁいいか、あの双子のバトルに誰か巻き込まれるなんてよくあることだし。)
双子なのね。というか、いつも誰か巻き込んでるんだ・・・。
 
 
 
3   2   1   GO!
 
 
 
各車加速する。チャレンジャーが大きくリードした。XJS、DMC-12の順で、いい加速勝負で後ろに続く。その光景は、さながら仁Dの拓海の初バトルのよう。安寿ボロ負けするんじゃないかな。というか、いつも負けてて、負けず嫌いで何度も恵美に挑戦してるって感じかな?
安寿「そろそろ黙った方が身の為よ。」
アッハイ。
 
 
 
その後もストレートで安寿が引き離し、コーナーで恵美とサヨが追いつくというあからさまにDな展開が繰り広げられる。終盤、タイヤのグリップ低下の隙を付いて恵美が外からパス、そのままゴールしたという以外に見せ場はなかった。ちなみにサヨはびびってパスできなかった。
K「バトル描写下手ですみませんね。どうしたら上手くなりますかね?」
 
 
 
安寿「また負けた~。これで何連敗だっけ~・・・。」
サヨ「『負け組の星』ハルウララ。」(ボソッ)
恵美「え~と、巻き込んでしまってごめんなさい。喧嘩っ早い性格なもので・・・。」
サヨ「あ、大丈夫大丈夫。丁度走ろっかな~って思ってたところだったし~。」
まぁ、何事もなく解決できそうで良かった良かった。・・・あ、そろそろゲージたまってるんじゃない?
サヨ「・・・あ、本当だ。ってことで、ではでは~。」
 
 
 
余談
実はBGM制を採用したかったんですけど、そもそもバトル書けないし、選曲が妙になりそうなのでやめました。アドバイスあれば是非ともお願いします。
 
 
 
World 2 おわり
 
 
 

3話

World 3
大阪パラレルコンタクト
 
 
 
サヨ「ここは・・・どこ?結構都会なんだけど・・・。」
都会。田舎から出てきた若者が夢見て上ってくる世界。
都会。そんな若者が現実を叩き付けられ、人生を分ける二択を迫られる世界。
厳しい世界で生きるのか。元の世界に帰るのか。
サヨ「何言ってるんだあんたは。」
いや、まあ、その。・・・さて、ここはどこやら。夜の大都市って感じ。さっきの世界の時間では昼だったみたいだけど。
サヨ「・・・駅っぽいところの方からわいわいがやがや声が聞こえるわね。」
え、何駅?(っていうか、車の中なのに外の声聞こえるとかどんだけ盛り上がってるんだ・・・。)
 
サヨ「『JR大阪』って書いてある。」
大阪。それはかつて天下のだ
サヨ「うっさい。それにしても、ちょっとお祭りみたいなの気になるし、行ってみようかしら。」
 
JR大阪駅大阪環状線ホーム
サヨ「これから何が始まるんです?」
紅い人「おいおい、まさか知らねぇで来たのか?」
サヨ「いや、まあ、その。」
紅い人「・・・ん?見た感じ、D仕業(dシギョウ)初心者みたいだから状況を解説してやる。最き」
サヨ「いやいやいやいや、まずD仕業ってなんです?そもそもなんで駅のホームに?」
紅い人「あ~、そっから説明してやらねぇとダメか・・・。D仕業ってのは、終電~始発の時間に行われる電車レースのことだ。」
サヨ「走り屋バトルみたいな?」
紅い人「そのイメージがわかるのはありがたい。もっとも、D仕業にはD仕業用の特殊ライセンスがいるけどな。」
 
紅い人「じゃあ本題だ。今からここでD仕業がある。最近ここらで話題になってる323系のニューフェイスが、221系のベテランドライバー(この場合はD仕業運転士のこと)に吹っ掛けたバトルだ。大阪から環状線で西九条経由天王寺、そこから大和路線で奈良までだ。元々は天王寺からだったんだが、ベテランの余裕なのか、担当車両の運転区間の差なのか、323のホームコースの環状線も含めた大阪からってことになった。」
 
 
 
K「ここからは自動車小説からかけ離れますし、本編と関係ないのではしょりますね。本当は2年振りの電車バトルなんで書きたかったんですけど、ここで書くようなものじゃないですしね。あくまでメインはパラレルパラレルってことで。」
 
 
 
紅い人「いや~こんな結果になるとはな~。ま、なかなか良いバトルだったって感じか。」
サヨ「ところで質問。結構あなたD仕業に詳しそうね。しかも、走り屋のこともわかると。ダリナンダイッタイ!?」
紅い人「・・・『時空のひずみでパラレルパラレルを飛び回るデロリアン』って聞いたことあるか?」
サヨ「え?知ってんの?」
紅い人「・・・どうやら岡山サヨってのはあんたのことだったみたいだな。俺は八雲 紅魔(ヤクモ コウマ)、走り屋で元ドライバーだ。」
サヨ「元?」
紅魔「2年前までは圏外遠征チームの頭だったんだが、制覇後いろいろあって身を引いた。今はD免許こそあれ、近ミハ(網干総合車両所宮原支所)の単なる運転士だ。」
サヨ「まぁ詳しくは聞かないけど、なんで私のことを?」
紅魔「伝言する形だが平行警察の山形ってやつから聞いた。『事故でパラレルパラレルに入ったから、元の世界に戻りたいってことらしいから手伝ってやれ』って。」
サヨ「ん?パラレルパラレルって平行世界のことじゃ?何かの領域?」
紅魔「知らん。そんなことは俺の管轄外だ。・・・ま、何かあったら無線機で呼んでくれ。自分で出没してばったり会うくらいには移動手段あるからな。」
サヨ「無線機のことまで・・・山形くんなんでもかんでもしゃべりまくっちゃって・・・。」
紅魔「ま、そいつは仕事の話くらいしかしない真面目なやつみたいだけどな。」
 
キュゥゥゥゥゥゥゥンフゥゥゥゥゥゥゥンウゥゥゥゥゥンキュリリリリリリリィ…
 
 
 
「・・・お、迎えが来た。そんなこんなで、俺は用があるんで失礼するぜ。」
 
 
 
キュイァァァァンフォォォォォォンフォォォォォォォンオォォォォォォォォン…
 
 
 
サヨ「・・・まぁ、手伝ってくれるんならいいけどさ。」
 
 
 
ツー、ツッツッツー、ツー、ツッツッツー。
山形くんからもらった(借りた?)通信機が鳴る。携帯みたいというか、着信音が発車ブザーみたい。
 
サヨ「・・・もしもし・・・わたしメリーさん・・・い」
山形「やっと繋がりましたか。岡山さん、そちらの通信機、何か異常ありましたか?」
サヨ「え?いや、何も。」
山形「そうですか。さっきまで繋がらなくて、繋がってもノイズしか聞こえない状態でした。直ったみたいなので大丈夫ですが。」
サヨ「ありま。それより、あの八雲紅魔って人、謎だわ。」
山形「八雲さんと会ってましたか。彼は私の上司の知り合いの知り合いの部下らしいです。謎なのはわかりますが、大きな助けになるかと。」
サヨ「まぁ、山形くんが言うなら大丈夫よね。」
山形「私のこと買い被りすぎではないですかね・・・。それからもう1つ、私の後ろには誰もいませんよ。」
サヨ「うっさい。」
山形「こちらから掛けていながらですが、そろそろ次の仕事があるので切ります。では。」
 
 
 
サヨ「・・・あ、パラレルパラレルについて聞くの忘れた。まぁいっか。」
 
 
 
まぁなんだかんだで車に戻ってきた。ひずみチャージできてない。やっぱり走ったほうがいいかも。
サヨ「関西の峠で有名所っていうと・・・六甲かな。」
次回、六甲です。
 
 
 
World 3 おわり
 
 
 

4話

World 4
関西クロスオーバーエリア
 
 
 
表六甲に到着。頂上付近に付くと、何やら何人か集まっているようで。…と、3人が近付いてきた。
 
サヨ「あの~何か御用で?」
白い人「『DMC-12に乗った赤い人』…間違いないな。」
爺さん「そうだな、紅魔の言ってた客人ってのにピッタリ合致する。」
サヨ「…紅魔?客人?もしかして八雲紅魔って人から私のこと聞いたり?」
優しそうな男の人「…え、え~と、岡山サヨさんで合ってますよね?」
サヨ「えぇ、そうよ。」
優しそうな男の人「やっぱりそうでしたか。サヨさんの言う通り、紅魔から『ここにDMC-12の客が来るからテキトーに1戦分くらい走っとけ』って言われました。」
サヨ「本当意味不明な人だわ…。」
 
優しそうな男の人「…あ、自己紹介遅れました。桜井 神霊(サクライ カグレ)です。」
爺さん「チューナー石津屋の石津 玄(イシヅ ゲン)だ。」
白い人「紅魔の弟、八雲 妖々(ヤクモ ヨウヨウ)だぜ。意味不明みたいに思われがちな兄だけど、一応考えあっての行動だから、許してクレボンス。」
 
サヨ「…んで、バトルしろってことなんだろうけど、どうするの?」
玄「そのことだが、今、石津屋デモカーの試運転をしようって話になってたんだ。せっかくだから試運転も兼ねてバトルでどうだ?」
サヨ「おk。」
神霊「それはおkじゃなくて…OKかと…」
サヨ「んで、私は自分のでいいのね?」
神霊「そうです。それで、私は石津屋デモカー3号機、石津3号、カプチーノです。…でも、なんで石津さんは走らないんですか?」
玄「わしはもうジジイ! もうムリはできん!」

サヨ「ツッコミどころが3つある。1つ、デモカーの名前が安直。2つ、玄さんの台詞がOKD博士。3つ、この私の台詞がVRAINS。」
神霊「いや、まあ、その。」(^^;)
 
玄「…あ、ところで岡山ちゃんや。走り込みはできてんのか?」
サヨ「(できて)ないです。」
玄「じゃあ行ってこい。30分待ってやる。」
サヨ「一体何スカ大佐なんだ…?」
 
 
 
走り込み中
神霊「30分で本当に走り込みできるんですか…?初めて来た人には難しいかと…。」
玄「紅魔の見込みが正しければすぐ適応して戻ってくる。」
妖々「…兄ちゃん曰く『本人は車好きでしかも走り屋気質だが、全部自覚がない。どうにかして気付かせれば、後々大きな助けになるはずだ。』とか。何が何だか。」
玄「身内がわからなくてどうする…。」
神霊「…まるで…物語に出てくる伏線役みたいですね。」
玄「まさか。ここは小説の世界じゃなくて現実だぞ?」
妖々「そうそう。そんな訳でしょうに。」
神霊「まぁ…そうですね。」
 
 
 
サヨ「終わりますた~。」
神霊「…では、よろしくお願いします。」
 
推奨BGM:NJK Record/Sympathy take me to darkness
 
妖々「それじゃあカウント始めっぞ!」(電D風)
5!4!3!2!1! GO!!
 
玄「DMC-12が先行したか。」
妖々「追いかけるぜ。玄さんは神霊さんのスカイラインを回送してくれ。」
玄「わかった。」
 
最初の左ヘアピン
神霊「制御の難しいRRのDMC-12でここをこんな速さで抜けるなんて…!!序盤からやる気十分ですね…。」
サヨ「速い!こっちはギリギリなのに向こうは余裕のあるコーナリング!チューンがしっかりされてるからなのかコース熟練度の問題なのか…。」
 
3つ目のヘアピンで3号がDMC-12をパス!
神霊「たった30分でここまで速くなる人、今まで空想の世界でしか見たことがありませんでしたが…やはり紅魔の異様な見込みは正しい…?」
サヨ「やっぱ抜かれるか…。いや、もしかしたら抜けるチャンスがあるかも…!!」
 
ヘアピンスイッチバック~第6ヘアピン
サヨ「…そういえば次のヘアピンの先は比較的長いストレート…もしかするともしかするかも…!?」
 
第6ヘアピン
サヨ「立ち上がり重視で曲がれば…!!」
神霊「このライン…まさかこのコースを走り始めて30分でそれができるように!?…まるで『風英』みたい…!」
 
終盤の連続コーナー区間に突入!!
 
サヨ「…外から!?」
神霊「切り返しの多いこの区間で、軽量FRのカプチーノだからこその技、カウンターアタックです!」
 
 
 
FINISH!!
 
 
 
玄「どうなった!?」
サヨ「序盤に抜かされて、一度はまた前に出たけど、終盤に抜き返されたわ…。いや~残念。…悔しいですッ!!」
神霊「それ…何ブングルです?」
妖々「…あ、そうだ。兄ちゃんから伝言あったんだった。『もし今回のバトルで本格的に走り屋したいなら連絡してくれ。』…ってさ。これ番号。」
サヨ「気が向いたら…ね。それじゃ。」
 
 
 
サヨ「車で走るの好きだし、走り屋にも結構興味あるし、連絡取ってみようかしら…。まぁ、それは次の世界に渡ってからだけどね。」
 
…大変長らくお待たせしました。次回、クロスオーバー回です。
 
 
 
World 4 おわり
 
 
 

5話

World 5
パラレル・エンコード
 
 
 
サヨが次に来たのは、今までと大きく違う世界のようで。
 
サヨ(ここは…『白根山』って書いてあるけど…あれ?何か違和感が…。まぁいっか。)
と言って、志賀草津の白根火山ルートの道を上る。しかしその道中、違和感の正体を知ることになる。
 
サヨ(…う~ん?区間旗もないし、コーナー手前の距離看板もないし、安全柵もないし…)
今までの世界のサーキット化された峠には、サーキットに準ずる設備が整ってきた。しかし、この世界のこの峠にはそれが一切ない。それはつまり…
サヨ「ここ、本物の公道の峠!?」
サヨの世界では、公道としての峠道はほぼ全廃していて珍しいのだそう。
サヨ(つまり、今までは保険はあったけど、これからは完全な危険地域ってことね。まさに昔見た走り屋漫画の世界だわ。)
 
サヨ「でもやっぱりそうなるとちょっと怖いかも…。」
 
とかそんなことを思っていると、後ろから2台の車が。1台目は橙のZ33。デロリアンをスルーして追い越していく。2台目は赤のR32。こっちはデロリアンの後ろについてパッシングライトを当てる。やけにチカチカ光らせている。
サヨ「何それ!?チカチカ鬱陶しいったらありゃしない。・・・まぁいいわ。勝負してやろうじゃないのさ!!」
 
デロリアンが加速し、スカイラインも後を追う。
 
山麓側ロープウェイ乗り場から、しばらく進んで大旋回まで。デロリアンは初走行にもかかわらず、上手く立ち回る。しかしスカイラインもしっかり真後ろに。
サヨ「きっちり真後ろにいるわね…GT-Rだから立ち上がりは当然として、突っ込みもきっちり合わせてくる!」
???(だいぶ速くなったな。目標ができると人間はその方向に強くなるというが…間違いはなさそうだな。)
 
大旋回からヘアピンにかけて、スカイラインがデロリアンと横並びに。デロリアンがインベタでヘアピンへアプローチ。スカイラインはアウト奥側へブレーキング、外から抑える。
サヨ「外からだとォ!?」
???「初走行のくせして上手く立ち回ってたな。何処かのとうふ屋を連想させる…ってのは言い過ぎだが、やっぱり才能は間違いない!」
 
ヘアピンの立ち上がり、抑えられインベタで回ることを強いられたデロリアンは加速が大きく遅れる。一方スカイラインには妨害がないため、立ち上がりでデロリアンをパス。そしてデロリアンの真ん前に出た。Rのバッジは無し。
サヨ(あ、GT-Rじゃなかったのね。)
すると減速、ハザードランプを付けた。
サヨ(え、どゆこと?)
 
ツー、ツッツッツー、ツー、ツッツッツー。
 
サヨ(無線?)
 
サヨ「もしもし。」
???「ハ~イ、サヨガール。」
サヨ「紅魔ね。何その話し方?」
紅魔「遊戯王のぺ」
サヨ「わかるかァ!!…で、要件は?」
紅魔「俺今お前の目の前にいるんだが、そ」
サヨ「待てぇい!!一旦車停めろォ!!」
紅魔「…ふぁい。」
 
サヨ「さっきのやけにチカチカするパッシングライトは何なのさ!?喧嘩売ってるつもり!?」
紅魔「…あ~、もしかしてお前モールス信号知らないな?だから急にバトル加速してたんだな。あれはモールス信号で『コチラコウマ チョウジョウニ ジモトノハシリヤ マツ』って打ってたんだよ。」
サヨ「わかるかァ!!(2度目) そもそもどうやって世界渡った!?」
紅魔「乙女に秘密の1つや2つ、あるもんでしょ?」
サヨ「あんたオッサン!しかも謎しかない!…っと、それより、上で人待たせてるのよね私たち。だったらこうしてる暇はないわ。」
紅魔「んじゃ出発ってことで。」
 
 
 
白根火山ルート頂上
白黒のハチロクトレノと、さっきの橙のZ33が停まっていた。
Zのドライバー「ちょっと、八雲さん、途中でバトル放棄したでしょう?しかもいつの間にか他の人も引き連れて…。どういうことです?」
紅魔「まぁまぁまぁ、説明してやるからちょっと待て。まぁまずは自己紹介を。こっちのデロリアンの真っ赤なやつは岡」
サヨ「あんたも真っ赤でしょうが。…っと、岡山サヨです。」
Zのドライバー「笹川 風英(ササガワ カザエ)です。」
トレノのドライバー「あ、俺も。望野 春樹(モチノ ハルキ)だ。俺も話の流れが全くわからんから説明してくれ。」
 
紅魔「麓で自己紹介した直後いきなり『おい、バトルしろよ。』っつったのは頂上に移動してもらう為ってことで置いといて。お前、俺のことを知ってるような気はするか?」
風英「唐突に何を言うかと思えば…まぁ、なんとなく良く知っているような…でも初対面ですよね?」
紅魔「じゃあ…『RBO』『HGT』『K』この3つの言葉にも覚えはないか?」
風英「知っているような知らないような…。」
紅魔「駄目か~。」
風英「まぁでも、『この世界は実際は物語の中の世界で、八雲紅魔は現実世界から乗り込んできた作者の分身の1人である』なんてことが真実だったとしても、納得しそうな見た目してますけどね。」
紅魔「…俺の服装か?」
風英「他に誰がいるんです?そんな真っ赤な服着てる人なんて。」
 
望野「今の会話、意味わかるか?」
サヨ「全く。2人とも、超理解というかメタ視点持ちというか、ホントなんなのかしら。紅魔の方は運転上手いっぽいけどいつも謎ばっかだし。」
望野「うちの風英も、理論派ってことで頭良いんだろうけどねぇ…会話する相手によっては丁度今みたいに変な方向に暴走するから。少なくとも周りからしたらそう見える。…ただ、俺自身もなんとなく八雲君のことを知っているような気も、しないではないんだよなぁ…。」
 
 
 
そうこうして、これまでの経緯を話す紅魔。
紅魔「…ってなわけで、岡山に何か技術を教えてもらいたいってわけだ。」
風英「そうは言っても私たちから教えられるものって…そこまで特別ではないと思いますよ。」
紅魔「そうか…。確かに、お前のどんな状況にもすぐ対応できるようになる能力は、教えて習得できるものじゃないしな。」
望野「Fなら、もしかすると…でも迷惑になるかもねぇ…。遠征チームだからしっかり調べないと会えなそうだし。」
紅魔「じゃあ本拠地に直接乗り込んでくるぜ。」
サヨ「え、今から?私今眠いんだけど。」
紅魔「じゃあ遅れてこい。場所は追って連絡する。それじゃ。」
 
 
 
サヨ(え~。まぁ、文脈からすると凄腕の人たちみたいだし、そんな人たちに技術教えてもらえるならいっか。…でも、何か大事なことを忘れているような…。)
 
 
 
World 5 おわり
 
 
 

6話

クロスオーバー回は2話1セットの予定。またしばらくお待たせすると思います。
 
 
 
7・8話について
情報不足のため、原作と異なる部分が多くなる可能性が高くなります。ご了承ください。