神さびる追憶 第六章/回想

Last-modified: 2014-02-01 (土) 12:01:41

※Flash部分には画像は付けていません。


オープニング

甘綿が消えた喪失を抱えたまま陰陽師は謎の声に導かれて再び過去の都へやってきた。
朝廷から追われる身となってしまった梨子や豆太、行方不明の明と時満・・・一体どうなってしまうのだろうか

甘綿を失ってから心に大きな穴が開いたような気分だった
甘綿「僕はずっとおんみょうじたんと一緒だよぉ」
甘綿にもう一度会いたい・・・
???「まいどはや~(ごめんください)
陰陽師さんはおられっけ?」
黒丸「あぁ、陰陽師さん!」
「先程は荒神から助けてもろて、おかげさまでおらも日本の神も元気やちゃ~」
「陰陽師さん・・・?
陰陽師さんは元気ないが?」
黒丸は荒神に襲われていたところを助けた猫だ
黒丸「今日はおらの仲間と一緒にお礼のお茶会に誘いに来たんやけど、そんな気分じゃなさそうやねぇ・・・」
「陰陽師さん、良ければ元気がない理由話してくれんけ?」
「まずはお天道様浴びて散歩でもすんがやちゃ!」
黒丸に甘綿のことを話すと黒丸は親身になって聞いてくれた
黒丸「なるほどねぇ、そのお供さんは陰陽師さんにとって大事な子やったんやねぇ」
「おらも薬売りの端くれやちゃ
いろんな命が助かったり、失われたりしたのを見てきたんやちゃ」
「おらが一番つらいんは、残された人達が悲しんどる姿を見ることなんやちゃ」
「陰陽師さん、試しに反魂丹を使ってみんけ?」
「反魂丹は染んだ者を蘇らせたいという願いを叶える霊薬なんやちゃ」
「ただ、これは妖怪や神々にしか効かんがんやちゃ・・・そのお供さんの魂が返ってくるかはわからんちゃ」
黒丸に貰った薬を飲んで甘綿のことを強く思った・・・
しかし、何も起こらなかった
「――?聞こえますか?」
「あの子が貴方を待ってます・・・!」
この声は・・・!!
まさか、またあの過去の都へ・・・!?
どうやら過去の都に来てしまったようだ
黒丸「か、かなんけ!?
おらっちゃどこに来てしまったんけ?」
梨子「あ・・・あなたも無事だったんですね!」
「とは言っても、今や私達は朝廷から狙われる身ですし」
「先ほど豆太がここに逃げ込んだのを見かけたのですが・・・」
黒丸「ようわからんがやけど、お嬢さんは困っとるんけ?」
梨子「え?えぇ、そうですね・・・
明も時満も行方不明ですし・・・ところでどちら様でしょう?」
黒丸「あ、おらは黒丸やちゃ
おらに手伝えることがあるなら猫の手でもかすちゃ!」
おそらく豆太が朝廷を裏切ろうとしていたことがあの法師を通して伝わってしまったのだろう
だとすれば今一番危険な目に合っているのは豆太かもしれない
黒丸に豆太を探すのを手伝ってもらおう・・・!
法師「もう逃げられんぞ!!
貴様の仲間は逃がしてしまったが、貴様だけでもこの手で屠ってやろう!!」
豆太「・・・くっ、ここまでなのか
でもお前達に人質にされてた僕の仲間は皆逃げ切れたんだ・・・」
「もう思い残すことなんて・・・」
法師「ふははははは!!
貴様の毛皮を朝廷の手土産にしてやろう!!」
豆太「・・・甘綿・・・ごめん・・・
僕は・・・おいらは・・・君の代わりすらできなくて・・・」
そんなことはさせない!!
法師「貴様は・・・!!」
「・・・くく、ちょうどいい
ここは退いてやろう」
豆太「お、陰陽師の旦那・・・?それに梨子まで・・・」
梨子「話は後にして、今はここから離れましょう!」
この地下への入り口はなんだか嫌な感じがするが・・・
まだ近くに法師や朝廷の追手がいるかもしれない
先に進んで身を隠そう
まずは豆太から話を聞きたい


稚児舞

5:地下入口

件の法師に追われていた豆太を助け、地下に身を潜めることになったが、何だかこの地下へと続く道は嫌な感じがする・・・。
豆太と梨子から事情を聞くと、朝廷に人質にされていた豆太の仲間を逃がすことができたが朝廷に追われ、皆ばらばらになってしまったらしい。
しかし陰陽師でもない梨子までもが朝廷に目を付けられている以上、都にいるのは危険かもしれない。

豆太と梨子から話を聞くと、豆太は明と共に、朝廷に人質にとられていた仲間を解放したとのことだった
豆太「僕が仕事に失敗したから、僕の仲間たちはあの法師の研究材料に使われそうになってたんだ」
「その事を知った明が仲間を逃がすのを手伝ってくれたんだけど」
「僕らが朝廷から逃げる時にはぐれてしまって・・・」
黒丸「えらい目にあっとったんやねぇ・・・
あ、おらはしがない薬売りの黒丸やちゃ」
豆太「僕は豆太だよ」
「まぁ、知っての通り僕は元々朝廷からの間者で、陰陽師の旦那を騙してたんだ」
梨子「でも今は違うでしょう?」
豆太や梨子が大変な目に合っていたというのに、自分は甘綿の事ばかり考えていた・・・
今は梨子と豆太を救うことを第一に考えよう


10:地下入口

地下に続く道を下って行くと稚児舞が現れ行く手を阻んだ。
稚児舞はこの先に行くなというが、引き返して地上で朝廷からの追手に見つかる可能性も高い・・・ここは闘いを避けられない。

【戦闘前】

稚児舞が立ちはだかった!!
nolink「おい、お前達。ここから今すぐ出て行け」
「こんな地下に子供が・・・。
出て行きたいのですが、私達は追われておりまして・・・」
nolink
nolink「ちょっとの間でいいんでここに身を隠させてもらえんけ?」
「そんなの知るか。それに人間は信用できないからな…お前達、さては地下の神社に行くつもりだな!」nolink
稚児舞が襲ってきた・・・!!


【戦闘後】

稚児舞との戦いに勝利した!!
nolink「くっ、陰陽師め・・・!」
「君、さっき"地下の神社"って言ったかい?」nolink
nolink「しまった・・・!僕としたことが・・・!
地下の神社なんて無い!無いぞ!」
「あると言ってるようなものなのですが・・・」nolink
稚児舞は逃げていってしまった・・・。
地上にも神社があって、地下にも神社があるのだろうか。
なんだか変だ・・・。


15:地下入口

【戦闘前】

稚児舞が立ちはだかった!!
nolink「お前達・・・!まだ居たのか!
やっぱり地下の神社に向かっているんだろう!」
「いえ、だから私達は追われているんです。
別に地下の神社に用があるわけではないのですよ」
nolink
nolink「う、嘘に決まってる!
じゃなきゃ陰陽師が何でいるんだよ!」
「陰陽師が向かっちゃ不味いのかい?
陰陽師が神社に行くのはそんなに変なことではないはずだけど・・・まぁ地下っていうのは変か」
nolink
nolink「うぐ・・・と、とにかく今すぐ立ち去るんだ!」
稚児舞が襲ってきた・・・!!
稚児舞は何か隠しているようだ。


【戦闘後】

稚児舞との戦いに勝利した!!
nolink「なんで今更陰陽師が・・・」
「地下の神社についてはよくわからんけど、おらっちゃ悪いことしようと思ってるわけじゃないんがやちゃ~」nolink
nolink「いや、でも・・・じゃなかったらなんで地下への入り口が開いてたんだ・・・?
あそこはいつも銀狐くらいしか出入りしないのに…わいら様がこんな地上近くまで来れるわけないし・・・」
「その銀狐さんとわいらさんがここに住んでいるんですか?」nolink
nolink「・・・っお前には関係ないよ!」
稚児舞は逃げてしまった。
銀狐にわいら・・・地下の住人は他にもいるようだ。


20:地下入口

【戦闘前】

【戦闘後】

25:地下入口

稚児舞との決着が付き、事情を汲み取った稚児舞に地下から都の外への出口を案内してもらうことになったが、そこへ現れた十二天将の勾陣の攻撃よって稚児舞は倒され、都の外に続く道を閉ざされてしまう。

【戦闘前】

【戦闘後】 Flash

稚児舞との決着がついた
稚児舞「はぁ・・・お前達の事情は分かったよ」
「でもやっぱりこの先には行かないでほしい」
「その代り、都の外に続く道に案内する
こっちの道を・・・」
黒丸「む!?
なんけ、この凄まじい力の気配は・・・?」
稚児舞「うわあああっ」
勾陣「貴様らを逃がすわけにはいかない」
十二天将の勾陣・・・!?
しかし自分が知っている勾陣とは何だか纏っている雰囲気が違う
まさか、自分達を狙って・・・
勾陣「さぁ、次は貴様の番だ」
とにかく今は逃げよう!!


【戦闘後】

銀狐

30:地下境内

勾陣から一度は逃げ切ったが、すぐに追いつかれてしまった一行。
勾陣から逃れるべく地下の奥へと進むが、そこはまるで神社の境内のようだった。
境内で待ち受けていた銀狐と名乗る物の怪はあざ笑うかのように梨子を攫い逃げて行った。
梨子を助ける為銀狐を追う一行はさらに地下へと進むこととなる。

【戦闘前】 Flash

勾陣「見つけたぞ
大人しくすれば命だけは奪わない」
何故、勾陣が自分達の命を狙っているんだろう
銀狐「おい十二天将サマよぉ、もっと効率よくこいつらを誘導しろよ」
勾陣「・・・私はそんな命令を受けてはいない」
銀狐「ちっ・・・じゃあ俺は勝手にやらせてもらうぜ」
梨子「きゃあ!?」
しまった・・・!!
梨子が攫われてしまった!!
豆太「梨子・・・!!
旦那、すぐに追おう!!」
勾陣「命令は・・・
陰陽師を捕まえること・・・
"梨子には手をだすな"・・・」
「陰陽師、抵抗すれば貴様の四肢を捥ぐぞ」
勾陣との戦いに備えよう!!


【戦闘前】

【戦闘後】

35:地下境内

【戦闘前】

【戦闘後】

40:地下境内

【戦闘前】

【戦闘後】

45:地下境内

【戦闘前】

【戦闘後】

50:地下境内

ようやく銀狐を追い詰め、梨子を取り返した陰陽師だったが、そこに待ち受けていたのは地下に住まう銀狐の主、わいらという巫女と勾陣だった。
彼らは手を組んでいるようには見えないが、どちらも敵に違いない。
間一髪のところに、明が現れ逃げることができたが、明は浮かない面持ちだった。

【戦闘前】

【戦闘後】 Flash

銀狐「ぐ・・・ぁ・・・!!
くそ、強いな・・・
もう少しだったのによ」
???「銀狐ちゃん、よくやったわ
後はあたしがこいつらをやっつけちゃうので良いのよね?」
銀狐「わいら・・・
お前、こんな地上に近いところまで来て大丈夫なのか」
わいら「今日はなんだか、気分がいいのよ
ふふ、貴方達、外のにおいがする・・・
あぁ、臭くて良いにおい・・・」
勾陣「退け、こいつらは私が捕える」
わいら「邪魔なのは貴方よ・・・
せっかくの獲物を譲る気はないわ!」
玄武「その獲物を前にして油断しすぎだな
明よ、今だ!」
「えぇ!
さぁ、ここは一旦逃げますよ!!」
明と玄武・・・どうしてここに!?
いや、それよりも、勾陣とわいらが睨みあってるうちに逃げよう!!


【戦闘後】

わいら

55:地下境内

再び現れた勾陣との交戦で一行は時満と再会する。
しかし時満は仲間としてではなく、朝廷側の追手として明と明が使役する十二天将を狙っているのだという。
いったい時満に何があったというのだろうか・・・。

【戦闘前】 Flash

勾陣「私から逃れられると思うな」
玄武「勾陣、主は正気ではないな」
勾陣「何を言っている
私は気など狂っていない」
大裳「正気じゃない人はたいていそう言うのよ
明、油断しちゃ駄目よ」
「勾陣は十二天将の中でも一、二を争うくらい神通力が強いわ」
「分かっています
勾陣、貴方の今の主は何処に居るのです」
時満「ここに居るさ、明」
梨子「時満、貴方は一体何をするつもりなんですか・・・!」
やはり時満は朝廷に寝返って、勾陣を自分たちに仕向けたというのだろうか


【戦闘前】

【戦闘後】

60:地下境内

勾陣と時満を退けるも、邪まな巫女、わいらの追迫により苦戦を強いられる陰陽師達は暗い地下へと下って行く。

【戦闘前】

【戦闘後】

65:地下境内

【戦闘前】

【戦闘後】

70:地下境内

【戦闘前】

【戦闘後】

75:地下神社

わいらとの決着がついた時、突如現れた十二天将の騰蛇によってわいらは追撃される。
彼女を庇い犠牲となった銀狐。
銀狐を失い嘆く姿に自分を重ねた陰陽師はわいらに手を差し伸べた。
黒丸の反魂丹の力によって銀狐はその魂を無事に呼び戻すことが出来た。

【戦闘前】

【戦闘後】 Flash

わいらとの決着がついた!
これ以上彼女と戦う必要はないだろう
わいら「どうしてとどめを刺さないの
情けのつもり・・・?」
「貴方、優しいのね・・・」
「ふふ・・・貴方みたいな人にもっと早く会っていればあたしはこんなことにならなかったのかしら?」
騰蛇「わいら、しくじったようだな
貴様はもう用済みだそうだ」
十二天将の騰蛇天!?
まさか、騰蛇も時満の配下なのか・・・!?
銀狐「わいら!!
危ねぇ!!」
わいら「銀狐ちゃん・・・!!
あぁ・・・銀狐ちゃんをよくも・・・」
騰蛇「ふん、自らが陥れた巫女に情でも沸いたか・・・まぁいい
もうその女は使い物にならないからな」
銀狐「わいら・・・お前を騙し、物の怪に陥れた俺が言えることじゃないが・・・」
「お前を守れて、良かった・・・」
わいら「銀狐ちゃん・・・!!
あたしをひとりにしないで・・・
お願いよ!!」
わいらが用済みだから消そうとした・・・
あれも時満の命令なのか?
時満はそんなことをするような人間じゃないはず・・・
・・・わいらと銀狐を見ていて、ふと、甘綿のことを思い出した・・・


【戦闘後】

騰蛇勾陣

80:地下神社

騰蛇と勾陣を従えて攻撃してくる時満に対し、明は彼と対立を既に決意していた。
時満との戦いが始まった。

【戦闘前】 Flash

「・・・貴方は先ほどわいらを許しましたよね
同じように、時満を許せますか?」
梨子「明、時満にもきっと事情があります
それを聞いてからでないと、何とも言えません」
豆太「旦那は優しいからきっと許しちゃうよ・・・」
黒丸「優しいことは悪いことやないちゃ~
でも陰陽師さん、傷つく覚悟はせんとあかんちゃ」
「そういうことですよ
いい加減出てきたらどうなんです、時満!」
時満「なんだ、気付いてたのか
明、お前には悪いけど十二天将を渡して大人しく朝廷に来てくれ」
「朝廷はお前の命まで取るつもりはないし、俺も出来るだけ被害は少ない方がいいと思ってるんだ」
「朝廷に何を吹き込まれたかだいたい想像はつきますが、嫌だと言ったらどうなるんです?」
時満「お前はいつもそうだな
俺が言うことには反対する
分かっていたけど仕方ないか・・・」
時満と戦うなんて・・・
とにかく今は戦闘の準備をしよう!


【戦闘前】

【戦闘後】

85:地下神社

【戦闘前】

【戦闘後】

90:地下神社

【戦闘前】

【戦闘後】

95:地下神社

【戦闘前】

【戦闘後】

100:地下神社

朝廷に取り入って明と十二天将を受け渡してでも、梨子を助けようとした時満だったが、その思いは梨子によって否定された。
失意に呑まれる時満に囁きかける謎の声、そして地下神社には黄泉の瘴気が漂い始めた。
わいらが黄泉との繋がりを閉じる為の手立てを探す間、陰陽師達は周囲の神妖との苦戦を強いられる。

【戦闘前】 Flash

梨子「時満!
貴方には、陰陽師として他に成し遂げるべきことがあるはずです!」
時満「・・・悪いな、梨子
俺は明みたいに真っ当な信念とか器用なことはできないみたいなんだ」
「時満、貴方の意志の強さはわかりました・・・しかし私も簡単に譲るつもりはありません」
時満「だったら、ここで決着を着けよう」
「騰蛇!!」
騰蛇「・・・勾陣を倒したお前を倒せば俺はさらに強くなれるのだろうな?」
騰蛇との戦闘に備えなくては・・・!


【戦闘前】

【戦闘後】 Flash

騰蛇を倒した!!
戦闘の衝撃で騰蛇が時満の支配から解放され正気に戻ったようだ
騰蛇「ぐ、ぅ・・・なんだこれは、ひどい頭痛だ・・・」
時満「なんでだよ・・・
なんでお前達に勝てないんだ!?」
「朝廷に力を借りてまで騰蛇と勾陣を従えたっていうのに・・・!!」
梨子「時満・・・お願いです、こんなことは止めてください
私達は二度と都に戻りませんから・・・」
時満「梨子、違うんだ・・・
俺はお前を助けたくて・・・」
梨子「私が明や十二天将、皆さんを犠牲にしてでも助かりたいと思っているとでも・・・?」
時満「梨子・・・」
「時満、このままでは貴方は朝廷に良いように利用されてしまいます」
「共に戦ってください、時満」
「可愛そうな男よ・・・
楽にしてあげるわ・・・
さぁ闇にその身をゆだねなさい」
勾陣「なんだこの禍々しい瘴気は・・・!!
まさか、黄泉と繋がりかけているのか?」
黄泉と繋がりかけている!?
そんなことを見過ごせない!!
何か阻止する方法はないのか!?
騰蛇「おい、朝廷や俺達に追われたくせにまだ都を救いたいとでも言うのか?」
陰陽師は人々を守りし者だ
自分が陰陽師になったときから、その使命は変わらない
騰蛇「・・・ちっ、暑苦しい奴
誰かさんと似てやがる」
勾陣「喧嘩ならば後で買ってやろう
今はお前の言う通り、この瘴気を止める方法を探そう」


【戦闘後】

エンディング

地下神社が黄泉と繋がり瘴気で溢れかえる中、わいらは地下神社のご神体に祈った
わいら「神様、どうか教えて下さい
このままでは黄泉とこの世が繋がってしまいます・・・!」
その時、自分の懐から甘綿の忘れ形見が飛び出した
わいら「神様はこれを社に捧げよおっしゃってるわ・・・
でもみかんなんてどうするの」
それは甘綿の・・・
いや、そんなことを言っている場合ではないが・・・
「おんみょうじたん
大丈夫、僕を信じて!」
甘綿・・・!?
甘綿の声を信じてみよう!!
「ここは地上の神社の前のようですね
それにしても、まさか甘綿が・・・?」
わいら「あぁ・・・あたし、何で地上に出られたのかしら・・・」
銀狐「あの神社の神がお前の封印を解いて地上に出られるようにしたんだろうな」
梨子「時満は・・・時満はどこですか!」
「残念ながら見つかりませんでした・・・」
梨子「そんな・・・」
時満は本当に死んでしまったのか・・・?
黒丸「陰陽師さん、おら気になったんやけど」
「その果実・・・非時香果(ときじくのかぐのこのみ)じゃないんけ?」
非時香果とは、常世に生る不老不死をもたらすと云われる実のことだ
それがこの実だとは・・・
黒丸「でもその実、中に何か閉じ込められてるみたいやちゃ」
豆太「まさか・・・甘綿が・・・?」
少し心配だが、割ってみよう・・・
甘綿「ぷはぁ!やっと外に出られたよぉ」
豆太「甘綿・・・!!ほ、本当に甘綿なの!?」
甘綿「うん、あまわただよぉ
まめたん久しぶりだねぇ」
黒丸「あれぇ、随分可愛らしいお供さんやねぇ
おら、黒丸やちゃ」
甘綿「くろまる・・・くろちゃん!よろしくね!」
突然の出来事に呆然としてしまった・・・
甘綿が、生き返った・・・?
甘綿「おんみょうじたん?どぉしたの、ぼーっとしてるよぉ」
甘綿・・・
本当に良かった!!
甘綿「わぁっ、おんみょうじたん
そんなにぎゅうしたら僕潰れちゃうよぉ!」
勾陣「そうか・・・
本来、黄泉になる実が黄泉の瘴気を浴びて反応し」
「中に居た甘綿が一時的に力を増してあの黄泉との繋がりを封じたのか」
騰蛇「奇妙な生き物だな」
「・・・しかし、俺達を術で惑わせ、あの時満という男を欺罔した朝廷は一体何を企んでいるんだ」
「その事も含めて、今俺達が目覚めた理由、さらに言えば何故永き眠りについていたか・・・気になるな」
勾陣「朝廷は、私達が目覚めると何か困ることがあるようだな
よほど後ろめたいことがあるのだろう」
「だから十二天将とその力を操ることができる素質を持つ陰陽師をまとめて始末しようとしているのではないか?」
確かに、朝廷は以前と比べ隠すつもりがないかのように、自分達に攻撃してきている
そうとなればこの都に長居するのはやはり危険だろう・・・
でもきっと大丈夫だ
十二天将のほとんどが揃い、甘綿も帰って来てくれた
あとは、時満が無事でいれば・・・
彼とはもう一度話をしなくてはいけない


神さびる追憶 ~第六章~ 完