簡単な説明
本ページではKAX(Kerbal Aircraft Expansion) MODで追加されるプロペラパーツを用いることで、実在したレシプロ各機を再現していきます。
バニラのジェットエンジンと異なり、このMODで追加されるレシプロエンジンは機体前部に取り付けることが可能。そのため、重心を前へとずらしやすく安定性を高めることができます(多分)。また、燃費もバツグンなため、一本の液体燃料缶で数十分も飛び続けることも。
反面 スペースプレーンの動力にするにはいささか無理がありますし、エンジンを回すにはやっぱり酸素が必須(電動除く)。星外に持っていくのはオススメできません。
組み立て時、KAXに加えてMJ(MechJeb)、KAS(Kerbal Attachment System)の2つのMODを適用。MJは画面黒枠で示される諸性能の表示のために常時使用していますが、KASで追加されたパーツを使用する際はその都度注意書きを載せます。
グラフィック設定が最低のため、「自分の爆発と違う!」ということもあるかも。
設計特徴を名前にしていましたが、色々増えると困るのでモデルつきのものはモデル名をプラス。
纏まった数が揃ったため更新終了。少しでもKAXへの理解が深まったのなら幸いです。
以下、KAXで追加される諸パーツについての大雑把な解説。
- Radial Engine
いわゆる"レシプロエンジン"そのもの。
地上付近では低燃費だがパワーがあり、またパーツがインテークを兼ねているため使い勝手がいい。
ボタンひとつで何時でも(飛行中でも!)プロペラの回転方向を反転でき、ケツにも付けられる。 - Turboprop
基本はRadial Engineと変わらないが、より軽くより燃費がいい。但し出力も落ちた。
海抜付近でイオンエンジンと肩を並べるほどの超効率によりどこまでも飛べる。 - Electric Propeller
電力だけで無限に飛べる夢の推進装置だが、イオンエンジン並に電気をバカ食いうえ推力は雀の涙。
また、酸素は不要だが大気は必要。Duna探索用に使えるかもしれないが、太陽光パネルが……。 - Helicopter Main Rotor
ヘリコプター用の巨大なプロペラ。側面に取り付けることができる。
上3つのエンジンもそうだが、回転の反作用なんかは導入されていないためトルクの対処は不要。
どうも高度を調整する機能があるようだが使い方分からず。どなたか教えてください。 - Helicopter Tail Rotor
RCSの仲間みたいなもの。出力が弱いため効果を実感しにくい。 - Heavy Landing Gear
バニラの着陸脚よりデカく頑丈なうえ、無動力ながらステアリング機能が付いている、らしい。
グラフィック上の変化がないためイマイチ実感できないが横に流されやすくなったような……。 - Jump Jet Engine
側面に取り付けることができるジェットエンジン。
バニラでは設計に苦労したVTOL機も、こいつを下向きに取り付ければ解決。 - 2M Aircraft Cockpit
これまでの航空機用ポッド(操縦席)の倍の太さ。つまりオレンジ缶並。
3緑も入れるものの、扉にハシゴが付いていないため乗り降りに非常に苦労する。 - 2M Fuselage (jet fuel)
従来の液体燃料タンクに比べて高さ幅厚みがそれぞれ2倍になった大型サイズ版。もちろん中身は8倍。
新規ポッドに繋げると丁度いい。 - 2M Structural Fuselage (empty)
倍のタンクがあるなら倍の構造体も用意されていました。 - 2M Tail Boom
中身は空だがシュッとしているため尾部につけるとイカすかもしれない。
単発機
低翼単葉機(PV)
ひとつのエンジンに一組の主翼を備えた、最もシンプルな形の航空機のひとつがコレ。
低翼機は主脚が短く済むうえ(これはペラ径大きすぎてパイロンがないと届かないが)、低い位置にある翼は地面効果を大きく受け離陸に有利というがKSPだと怪しいものがある。
反面 重心よりも低い位置にある揚力源は安定性を欠きやすいが、翼の上反角でいくらかカバー。また、不安定は高機動力とも言い換えられる。
かつての単発戦闘機が大抵この形態を採っていたように、操縦が楽で扱いやすい。
見ての通りSASを備えていないにも関わらず軽快に飛び回ることが出来る。
画像は簡易荷物を投下した場面。
機体のモデルはそのままKAXのPVに登場していた機体。
ジェット機体には合い辛いテールパーツがレシプロ機体のシルエットを上手に表している。
いつか自力でこういった機体を設計できるといいのですが……。
先尾翼(推進式)機(J7W1)
エンジンを後方へ付け、尾翼が一番前にあるような奇怪な航空機。
エンテ型とも呼ばれるこの形態は通常の前方エンジンに比べ推進効率が良いとされているが、本MODだと変わらない(まずプロペラの直径よりずっと巨大な物体を牽引しても効率が落ちない)。
その他にも、通常の軍用機はプロペラとエンジンが邪魔で機首に重武装を施し辛く、また機体直下にロケットを積むのに特別な仕掛けが必要になるが、先尾翼型なら平気。もちろん普段のKSPで役に立つことはない。
回転するプロペラは判定もしっかり増えるため、武装さえすれば先尾翼型が有利になるのだが……。
結局 着陸脚にぶつかるため中心を避け翼下に400kgの大型ロケット弾を4発懸架。
どうも形の意味が薄い気もするが、しかし格好良いし動きも俊敏なのでOK。
画像やや、機首近くの光点が発射されたロケット弾。直後に無事命中した。
機体のモデルは旧軍のJ7W1 震電。コクピットにテールパーツを重ねることで雰囲気を再現できた、気がする。
推進式の機体はやたらと創作でジェット化改修されることが多いが、レシプロのままのほうが格好良いと思う。
親子飛行機(XF-85)
航空機に航空機が寄生した世にも奇妙な飛行機。
奇抜さに反して多くの国が試しているが、やはり小型機側の航続距離を延長するために企画されたものが多い。
ところが親子ともに制約が多いうえ、肝心の航続距離は空中給油で誤魔化せるようになったためどれもお役御免となった。
しかし最近では航空機を親、宇宙船を子とした親子飛行機計画がいくつか進行中。ついに時代が追い付いたか?
下にある10発機の巨大な格納スペースを利用し側面デカプラで小型を取り付けるも爆発。
プロペラや翼が格納庫より大きいため分裂直後に引っかかり砕け散るらしい。
元のXF-85はジェット機(+翼折り畳み機能付)。 流石にKAXのエンジンでは大きさ的にも厳しいようだ。
というか、そもそもXF-85はカーゴ内からアームを伸ばし機外に排出する設計……。
そこでKAS MODを使う。
KASのロープで繋がれた宇宙船は離れていても同一の乗り物と扱われるため、互いに接触しないのだ。
これでそろそろと子機を吊り下げ安全圏で切り離せば万事解決となる。
風圧に負けた!
ロープを伸ばした途端、子機は風に煽られ激しく振動。下手に親機に接触しない分重なるようにして暴れまわる。
そのうちロープと機体を結ぶパーツが破損、残骸がカーゴ奥に叩きつけられ終了。
結論は……KAXのエンジンはジェットやロケットエンジンと比べて大型につき親子飛行機は不適……。
双発機
双発中翼機(Ju 88)
双発飛行艇(PBY)
エンジンが水しぶきを浴びるとよろしくない。だから水上機というのは大抵翼とエンジンが上の方に据えられる。
この機体に至っては翼と機体の間に支柱を設けるほどで、こんな形をパラソル翼と呼んだりする。
しかしKSPでは、水を被るリスク以上に前回転の強さが凄まじい。そのため胴体タンクを空にして重心を底上げ。
KSPで水上機を作るにあたって一番大切なのがフロート。
このゲームのインテークは何故かやたらと水に浮くため、底にびっしりと並べます。
ver0.25から追加された側面配置の棒状インテークは白い機体にとても合う。
まさしく空飛ぶ船ともいうべき機体で、どこにでも着陸できる安心感は素晴らしい。再離水も可能。
元ネタは偵察機のPBY。下方の視界の良さを活かし、船を探したり水面に漂う仲間を救い上げたりしていました。
本来は翼下に展開式フロート脚があったんですが、再現できず。ただ上下以外の安定性は良いため不要か。
双発串型機(Do 335)
本機は見ての通り、機体の前後に推力軸が重なるように二基のエンジンを載せた珍しいレイアウトをしている。
当然後部のエンジンは大気を押し出すように逆回転し、(双発機にしては)小柄な機体ながら強力な推進力を得られるという寸法。
重荷となる各パーツが回転軸から離れていないためロール(横転)で有利。逆に縦方向はやや不利となる。
出力でケチがつくTurbopropでありながら双発の威力は凄まじく、加速力はこれまでで一番。
最高速度も低空で200m/s→700km/h以上も出せれば文句なしだろう。
ただ、やはり動きは鈍い。特に水平尾翼の選択を色々と間違え、ヨーが恐ろしく効きにくいのだ(エンジン配置とは関係ないが)。
KSCに隙間があることを知り突っ込むの図。勿論失敗。
ちなみにDo 335は脱出のときには後部プロペラを爆砕したとか。でないと巻き込まれてしまいます。
逆に、エンジンが片方止まってももう片方で飛び続けられたり。将来エンジンが止まりそうな場所を飛行をするときはどうぞ(宇宙人と戦うMODとかが追加されれば……)。
逆親子飛行機
大抵の親子飛行機は大型機と小型機のペアで航続距離を底上げするのを目的としているが、これは上に載っている小型機が母機となる珍しい構造。
その目的は下にくっついた双発機の体当たり攻撃にある。つまり途中まで上の機体でコントロールし、目標の前で切り離し突っ込ませる。
もちろん子機には誰も乗っていないが、実機では遠隔システムで両機のスロットルやラダー他をリンクできたらしい。
KSPでは繋がっているだけで操作可能だが、推力バランスを考慮しひっくり返らないようにエンジンパワーを調整した。
見ての通り、今回は低翼単葉機と双発中翼機(の小改修)を流用。
元が高性能の二機を繋げたのだから飛行は楽々。
SASは切り離しても有効(姿勢制御に限る)であることを利用し、ロケット組立場に向け飛びSASをセット。
ドッキングポートで静的に切り離し親機は巻き込まれないよう離脱する。
見事命中、施設崩壊。
装飾として付けた前面テールパーツ(機首のトンガリ)が硬かったからか子機は消滅せずパーツ単位で飛び散った。
確証はないが、どうも体当たりの威力には接触パーツの硬さも加味されるような気がする?
三発以上
四発中翼機
基本的に、大抵の航空機は主翼同士が機体内部で繋がることで強度を確保している。
そのため、中翼配置の航空機は機体の中央が桁に貫かれ、まとまった容積を稼ぎ辛い。
だから大抵の輸送機や旅客機は翼を上下どちらかに寄せているのが普通。
ただし戦中爆撃機は構造強度のためか中翼配置が多く、その転用機だとタンカーでも中翼だったりする。
追加パーツのひとつである2M Aircraft Cockpitはハシゴがないため、ハシゴを延長して地面まで届かせる手法が通用しない。
しょうがないので専用の昇降機?を制作。よく見るとプロペラ重なっちゃってますね。
追記
小島の飛行場へ到着。満載時だと最大出力で連続3時間飛行できるが、その分動きが鈍い。
何かを見て設計した機体ではないが、その分形がヘンテコかも。
六発輸送機(Me 323)
色々とぶっ飛んでいる巨大輸送機。
本来 カーゴの上側にはパーツを取り付けられないが、強引に主翼とコクピットをつけた。
重量級の輸送機は高い位置に翼がついているが本機も同様。このほうが荷物を載せやすい。
TWRが1を超えるような強力レシプロエンジンを積みまくっているからか曲芸飛行も可能。
但し重心と推力軸のズレが大きくなりやすく荷物運びに向かないという致命的弱点を備えている。
元ネタのMe323ギガントは機首が観音扉のように開閉できるハッチだったが……。
最後列の着陸脚のみ降ろすことで機首を下げ、即席トラックを受け入れることもできる。内部奧のアームでしっかりキャッチし目的地まで運べる予定。
以下、トラックの輸送実験。
一度目
開いたアームにトラックで触れた瞬間、全ての障害物が描写されなくなり亜空間へとダイブ。
そのまま裏の世界の海に突っ込み爆散した。
二度目
しょうがないのでアームは閉じ、トラックを固定することなく海の向こうへ運ぶことに。
いざゆかんとブレーキをかけたままスロットルを全開にした結果、高翼配置が祟って大回転し爆散した。
三度目
走り出すまでは無事に進んだものの、内部で暴れ狂うトラックに負け姿勢制御に失敗。
翼が地面を叩いた途端に機体が分解、頑丈なパーツに守られたトラック操縦席を除き爆散した。
四度目
手動でSASを調整し続けどうにか飛び立つところまでは成功。
しかし速度が一定以上になった瞬間、トラックが空中に固定されたかのようにブレーキがかかりなんやかんやで翼が消滅。そのまま落下し爆散した。
多分不可能と判断し実験凍結。
十発レシプロ+ジェット機(B-36)
レシプロ6基じゃ出力が足りないからと、更に外側に2基ずつジェットエンジンを載せた巨人機。
滅茶苦茶なエンジンの数とサイズを除けば、シルエットは至ってまともだしそれなりに飛べる。
六発輸送機(Me323)すら小さく見えるほどの図体は飛行場をフルに使わないと浮かばない。
出力過小にするためTurbopropを乗せたところ高高度性能アップ。20000mまでは吸気を保障できる。
昇れたからなんだという話ではあるが……。
燃料タンクを前後に振り分け、中央にパカパカベイの最大サイズを乗せることで重心調整を容易に。
元はB-36、超巨大な爆弾を落とせる機体だったが二重の意味でジェット機に駆逐される。
見た目からしてレシプロ→ジェットの過渡期を体現したような機体。
四発飛行艇 (H8K)
水飛沫の当たりにくい上部に翼を寄せた特大飛行艇。
飛行艇の巨大な機体はフロートも兼ねているため底部が開閉するような構造は難しい(多分KSPだとゴリ押せばいける)。
代わりに燃料が詰めることが出来るが、推力軸と重心を少しでも近づけるため本機では空っぽ。
フロート機は嵐のときのために陸に上げることが出来たりするが、素で陸上から離着陸できるかは別。
実は本機のモデルの車輪にそんな機能はないが水上発進を選べないため仕方ない。MODの着陸脚は非常に便利。
上にもあるが、燃料満載時には40万m/sに達するΔVも大して役に立たない。
双発飛行艇と異なり補助フロートがある。
着水時の横転を防げるほか、強引に押し込むことで抵抗の中心を変え舵を切るのにも役立つ。
将来水上ボート競走か何かが開始されたら補助フロートによるブレーキ・舵取りが役に立つかも。
回転翼機
オートジャイロ(カ号観測機)
通常の航空機が固定翼に風を受けて揚力を起こすように、回転翼に風を受けて空を飛ぶのがオートジャイロ。
基本的に回転翼は無動力か、あるいは短時間だけ出力を回すのがヘリコプターとの相違点。
原理としては進まないと浮かばないため空中静止できないが、固定翼機より離着陸距離が短いのがメリット。
というのをやってみたかったのだがKAXでは実装されていないらしい。
というより、本MODのRotorは接触判定がくるくる回るだけの下向きエンジンであるから風を受けようがない。
しょうがないので最低限浮かぶだけの推力に調整したRotorを回転させ見かけの揚力を稼ぐ。
中々それらしいものが完成。40m/s、時速150km/hほどで飛び回るのは心が落ち着く。
しかし上を向くと背中側に引っ張られるなど挙動がヘリに近い。まず設計や構造からしてヘリコプターなので仕方ないが……。
推力を極度に絞り、形だけ回転させたローター+固定翼を機内に埋めこんだ小型航空機のほうが良かったかも?
シングルローター式ヘリ(AH-64)
正直ヘリコプターはよくわからない……。
とは言え、折角ローターが用意されているのにヘリを作らなければKAX MODの紹介にもならないので設計。
本来、メインローターが一つしかないヘリコプターにはプロペラと逆方向に回転する力が加わるためテールローターが不可欠。
でも本MODでは不要。ただ、テールローターは液体燃料を使うRCSモドキであるからあるに越したことはない。
ローターはエンジンの即応性がジェット以上ロケット以下。
スロットルの上げ下げがワンテンポ遅れるが、それがかえって安全装置になっているような気もする。
しかし飛行場からヘリポートまで運ぶだけでも結構な苦労が……。パラシュートは偉大。
4発×4度発射の16連ロケットを搭載。エンジンのパワーはショボいが軽量のものなら乗せることもできる。
後頭部のインテークは吸気+飾り。キャノピーから後ろへ続くラインを再現できたような。
ちなみにキャリアモードでは最近各地の地上サンプルを拐取するミッションが加わった。それに充てるといいかも。
コメント
- はしごが無い件、長はしごパーツをオフセット機能で取り付け面手間に軽く引き出し、引き出した面に立って乗り込める気がする -- 2015-02-10 (火) 20:52:01
- ハシゴ、確かにアドバイス通りにしたところ楽に乗り降りできるようになりました。ありがとうございます。 -- 実験レポ? 2015-02-11 (水) 22:50:33
- 四発中翼機のRCS燃料は何のため? -- 2015-02-10 (火) 22:42:33
- 確かになんだろう。揚力中心を後ろに下げるための胴体と予想。 -- 2015-02-11 (水) 00:24:22
- 四発中翼機のRCS燃料は重心調整の意味もありますが、タンカーを目指したため輸送する燃料の種類を増やしたかったのも理由です。そのため酸化剤も積んでいます。 -- 実験レポ? 2015-02-11 (水) 22:50:33
- それと回転によるジャイロはないのかな? -- 2015-02-11 (水) 00:25:55
- よくわかりませんが、ジャイロ効果はありません。反トルクもないようです。オートジャイロはそれらしいものを作れます。 -- 実験レポ? 2015-02-11 (水) 22:50:33
- デブリ課に入れるほどの記事とは思えない・・・ -- 2015-02-17 (火) 20:20:45
- 初めは航空機開発のいずれかに入れようとしたのですが、「ジェット機でもないし滑空機でもないし」と悩んだ結果デブリ課に……。あまり内容よくないですかね? -- 実験レポ? 2015-02-18 (水) 21:23:00
- デブリ扱いとするのはもったいない、ってことじゃないかと。 -- 2015-02-19 (木) 22:16:33
- 一応デブリ課で残します。どうも間違ったように受けとったようで、申し訳ありません……。 -- 実験レポ? 2015-02-26 (木) 00:40:24
- プロペラ逆回転ってどうやるんですか? -- 2020-06-19 (金) 16:10:37