抗不安薬info

Last-modified: 2012-02-03 (金) 21:16:27

抗不安薬(ベンゾ系)について
下記ブログより抜粋(減薬指導してる医師のブログ)
http://touyoui.blog98.fc2.com/blog-entry-86.html#more

デパスについて
私の中では最も依存しやすいベンゾ系であり、最も麻薬に近いベンゾ系というイメージである。知識もなく依存しやすい性格の人がこれを使いだすと、まず止まることがない。あっという間に一日量5mgとか6mgとかに達する。ヤクが切れてくる感覚がもっともわかりやすいベンゾ系である。これを睡眠薬に使うという話が昔はあったそうで、私も一時そうしていた時期もあったが、結論を言うとアホな話でしかなかった。導入にはいいかもしれないが一生飲み続ける羽目になるし、飲むことで途中覚醒が増す話もよく見かける。酒を飲んで寝ると途中で起きてしまうのと似たようなもの。もはやどんな譲っても使えないベンゾ系である。それでも欲しがる人にはどうぞと出しているが、ヤク中になりたいのが日本人のサガという代名詞がデパスだろう。

レキソタンについて
とりあえず鎮静作用は強い、ってイメージがレキソタンにはある。しかし禁断症状がまだ出にくい、軽いってイメージを持っているのは私だけなのだろうか。半減期の問題か結合率の問題かは無学なのではっきり分からないが、抜いている

ワイパックスについて
一応力価は弱いはずだと記憶しているのだが、どうも抜きにくい気がするベンゾ系である。これはデパスなどにも通じるものがあると思うし、やはり半減期が関係しているとは思う。
ワイパックスだけでなくソラナックスにも言えるが、筋肉系の離脱症状が多い気がするのはなぜだろうか。これもベンゾばっかり扱っている人なら分かるかもしれないが、結合とかの問題があるのか、どれくらいの脂溶率があるのかとか、無学でよくわからない。睡眠作用が弱いのは確かで、だから昼間には一応使いやすい理屈だが、それを夜に回しているケースを多々みかける。何を基準にベンゾ系を使い分けているのかさえ、精神科医の処方を見ているとよくわからなくなることが多い。

ソラナックス(コンスタン)について
名前は似ていて、ワイパックスよりちょっと眠気が多いってイメージが最初のイメージだったソラナックス。しかしケースが増えてくると、最も重篤な後遺症を残しやすいベンゾ系なのでは?というイメージがついてきた。なんというか0.4という力価の中途半端さがもたらすものなのか、0.8という高力価がもたらすものなのかわからないが、抜きにくいしラリルしどうもいけてない。抜くと動悸が多い気がするが科学的には明らかではない。

メイラックスについて
このベンゾは逆の意味ですごく抜きにくいベンゾ系である。それはおそらく半減期が長いタイプだからだろうが、これはセルシンなんかにも当てはまる。昔はそれを利用してメイラックス0.5mg一日一回なんて処方をしていたように思う。今思えばこれって徐法剤のシャブを微量投与しているようなものだよなあ。デパスとは違った意味でこれを睡眠薬に使っている精神科医も多いが、そうやってしまうと少なくともレンドルミンよりは抜きにくいってイメージがある。

リーゼについて
リーゼは私の中ではレキソタンと並んでまだ「まし」なベンゾの一つである。デパスほど急ではなく、まだ抜きやすい感覚もあるし、かといって頓服の使用にも耐えうる感じがある。とはいえ所詮ベンゾ系なので安定して使えるといった類ではなく、ベンゾ系の中ではというだけに過ぎないとは思う。

セルシン(ホリゾン)について
安全安全といわれているが、私はすごく問題があるベンゾ系だと思っている(でも注射は使える!)。しかしアシュトンマニュアルの影響か、話を聞いてくれる人は少ない(^^ゞ。メイラックスにも通じる部分があるし、もっといえば日本未発売のプロザックにも通じる部分があると思うのだが、半減期が長い薬はすごく依存度が高いのではないか。短時間・高力価が依存強く離脱症状が強いって理屈は、本当に正しいのかいつも疑う。つまりこれに置換してベンゾを抜くのはものすごくドハマリなことをしているのではないか、と常々思っているが、やはり賛同者は少ない。しかしこの話と反精神医学をあわせると、ベンゾ離脱をするのにセルシンをすすめる医師は、実はセルシン販売促進者ではないかと思えるくらいである。タンパク結合率も高いわけだから併用もしにくくて害が出やすい。てんかんにつかえるということは、逆を言えば脳波を狂わせる可能性があるとも言えるわけで、やはり疑問しか出てこない。私は世界中の向精神薬依存を治療している精神科医など、スキマ産業して製薬会社の売れ残りをさばいている手下くらいにしか思っていないが、その代表格の薬がセルシンであると思っている次第だ。

リボトリール(ランドセン)について
この薬も賛否両論渦巻くベンゾ系である。純とは言い難い部分もあり、てんかんにも使えアカシジアにも使いやすいことは否めないが、すごくすごく抜きにくいこともまた確かである。また筋症状が出やすい気がするのも確かである。短時間・高力価は抜きにくいという点でデパスとともにその理屈を地で行っている感はある。

やっぱりこうやってみると全てのベンゾ系が飲んでいいことは何もない。どんなに譲ってもパニック時にリーゼ頓服くらいが関の山である。