葉月巡業 〜ダブルゲート〜

染宮 一二三
仙台１：試合会場
東京女子プロレス 正規軍
染宮 一二三：

やぁ、
久しぶりだねっ。
ボクだよ、
染宮だよっ！！

今日から夏の興行も
本格化！
その始まりが、
ボクたちの試合って
いうのも……
運命的な何かを
感じるね。

どう？ ボク、
変わったように
見えない？
自分で言うのも
何だけど、結構努力
したんだよ？

今なら、前よりいい
試合が出来そうな気
がするな！

試合前

さあ、新しい染宮一二三を見せるよっ！

勝利時
（控え室）

うっはー……
相変わらずだね－。
強いや。

少しは追いついた
と思ったんだけどなー。
あんまり、差が
つまった感じがしない
な……普段から
どんなトレーニング
してるのさ？

これってやっぱり……
アレかな……君たちの
マネージャーの……
その辺りに秘密が？

リザルト

ボクも研究するべきなのかなー

敗北時

これが、ニュー染宮一二三さ！！

琴無 千鶴
仙台２：控え室
桐咲 愛音：

次の対戦相手は、
千鶴さんですね。

桐咲 真梨：

琴無さんかー……
新人なのに、普通に
興行に組み込まれる
ようになったねー。

染宮 一二三：

上達早いよねー、
あの子。

身体能力高そうだし、
可愛いし、咲川さん
にも認められてるみ
たいだし……

将来有望って感じ？
未来のライバルかな！

東京女子プロレス 正規軍 フラワリング・フラッフィ
琴無 千鶴：

あの……そのように
褒められると
出づらいのですが。

染宮 一二三：

おっと、でたね。
でも、調子に
乗ったらだめだよ？
あくまで新人の
割には……だからね！

今なら、まだまだ
ボクの方が強いしね！

琴無 千鶴：

そうですねー。

桐咲 真梨：

そっかー、
今は染宮さんの方が
上かー……

じゃあ、今日の試合も
楽勝かな？

染宮 一二三：

あれ、さりげなくひどい
こと言われてる？

試合前

それでは、お手合わせ願います

勝利時

まだまだ……
でしたね。

お恥ずかしい試合を
お見せしました。

染宮 一二三：

うん。
もっと精進しなきゃ
ダメだよ？

桐咲 真梨：

（なんで一二三さん
 がいうのかな？）

琴無 千鶴：

それはそれとして……
気のせいかも
しれないのですが……

今月に入ってから。
何か団体内が
ピリピリしている
ような？

染宮 一二三：

あー、してるねー。

夏だから
じゃないかなー。

琴無 千鶴：

夏だからですか－。

リザルト

（夏だから……何でしょう？）

敗北時

ご満足、いただけましたか？

ジャスティスＸ
仙台３：控え室
東京女子プロレス 正規軍 サンデーモーニング
ジャスティスＸ：

夏！
それは熱き正義の
季節！！

染宮 一二三：

あ、Ｘさんも今日は
こっちの会場？

ジャスティスＸ：

うむ！
正義は戦場を選ばない！！

琴無 千鶴：

あ、ジャスティスさん。
明日はよろしく
お願いします。

桐咲 真梨：

千鶴さん、
明日はＸさんとやるんだ。

ジャスティスＸ：

こちらこそ、
よろしく頼むっ！

その和風の佇まい、
瑞々しい技の数々、
たまに見せる天然のドジ。
我等、サンデーモーニング
に向いていると
思っていたのだが……

残念だっ！

琴無 千鶴：

恐れ入ります。

（……咲川さんに
 先に声をかけて
 いただいていて
 良かった）

桐咲 愛音：

そろそろ時間です。

ジャスティスＸ：

承知したっ！

では、
リングに正義の風を
吹かそうかっ！！

試合前

エーーーーックス！！

勝利時

熱い試合をありがとう！
また、次の機会があれば
頼む！！

琴無 千鶴：

今日はお客さんも
熱かったですよね。

ジャスティスＸ：

うむ、夏だからな！

琴無 千鶴：

……その、
夏というのは？

染宮 一二三：

夏は色んな団体で
頂点を決める
戦いが行われるんだよ。

（"女帝"神崎 玲子のカットイン）

      東女もその一つでさ。
  必ずタイトル戦が行われるんだけど……
夏のタイトル戦は挑戦権をかけて殺伐としてるから、
       盛り上がるんだ。

お客さんも、
それに当てられて
るんだろうねー。

琴無 千鶴：

なるほど。

ジャスティスＸ：

我々も、早く戦い
に参加できる域に
達しなければな！

リザルト

いつか頂点に立ち、正義を知らしめたいっ！！

敗北時

感じたか！？ 正義の息吹を！！

幌多 みのり
岩手１：試合会場
東京女子プロレス 正規軍 滝沢組
幌多 みのり：

へろへろー。
今日はよろしく～♪

ちょっと雰囲気
悪いけど、気に
しないでね。

桐咲 真梨：

え？

滝沢組
石狩 みな 海江田 潤 キャリア赤城

桐咲 真梨：

あ……
滝沢組のみんな、
なんかピリピリしてる？

幌多 みのり：

そうなんだよー。

（"職人"滝沢 泉vs."静かなるドラゴン"日高 舜のカットイン）

こないだ、神崎さんへの挑戦権かけて、
   ウチの組長と日高さんで
   大一番したんだけど……

それで組長、
負けちゃったからさー。

桐咲 真梨：

あれ、いつ決定戦
やってたの？

染宮 一二三：

今月の頭だよ。

桐咲 愛音：

私たちがＦＷＷＷで
赤ずきんさんを
探していた頃ですね。

幌多 みのり：

ほら、東女の正規軍
ってさ……

正規軍でひとくくりに
されているけど、
その実は小グループ
による弱肉強食でしょ？
私たち滝沢組は
神崎さん側である
けれど……

だからこそ、
神崎さんの介錯は
自分たちで……
って想いがあるわけよ。

石狩 みな：

そろそろ時間だぞ。

いつまでくだらない
お喋りをしている
つもりだ？

幌多 みのり：

へいへい。
行ってきますよ～。

試合前

そんじゃ、行くよ……

勝利時
石狩 みな：

貴様も負けて
帰ってきたか……
この、グズが。

幌多 みのり：

なんだよー。
八つ当たりするなよー。

石狩 みな：

八つ当たりなど
していないっ！

幌多 みのり：

んもー……
みんなピリピリして……

これは、
このみのり様が
手を打たなくては
なるまい……

リザルト

そうと決まれば、早速……

敗北時

悪いね。星もらっとくよ～

佐和 むつみ
岩手２：控え室
東京女子プロレス 正規軍 フラワリング・フラッフィ
佐和 むつみ：

え？ ピリピリ？
してるよっ。
我がフラワリング・
フラッフィも
絶賛ピリピリ中さあっ！

琴無 千鶴：

え？ ウチもですか？

佐和 むつみ：

気づいてなかったのっ！？

ほら、さっちー……
我等がリーダー、
ラズベリー咲川さんってさ、
神崎さんの直弟子じゃん？
女帝直下の一人じゃん？

だから、日高さんを
直下の誰かで止めたかった
らしいんだよねー。
でも、直下のみんな、
蹴散らされちゃって。

最終防衛戦の役割も
滝沢組にとられちゃった
でしょ？ だからもー、
機嫌悪いのなんの。

琴無 千鶴：

そんなに？

佐和 むつみ：

もう、少しも
冗談通じないの！
すぐ怒るの！！

町中でスカートめくり
したらゴミ箱に
ダンクシュート
されたし。

琴無 千鶴：

…………

佐和 むつみ：

事務所でズボン
ずり下ろしたら、
二階から逆さ吊り
にされたんだよ？
余裕ないよね！！

琴無 千鶴：

それ、余裕あっても
許されないのでは？

試合前

今日も元気に、いたずら開始ぃーっ！

勝利時

くあー……
さっちにには怒られるし、
試合には負けるし、
さんざんだー。

琴無 千鶴：

でも、
いい試合でしたよ。

佐和 むつみ：

ううっ、ちづーは
優しい子だねー……

そんな
ちづーのパンツは、
何色かな～？

琴無 千鶴：

は？

     秘技・ずりおろしーっ！
     （ズシャアッ！）

 きゃーっ！！？

   ぬあああっ！
   なんじゃこりゃあーっ！

桐咲 真梨：

（……はいてない）

幌多 みのり：

（ほほう。
 はいてないのかー）

桐咲 愛音：

（たまたま……
 ですよね？）

ジャスティスＸ：

エーックス！

佐和 むつみ：

まさか、
あたしがびっくり
させられるとは……

やるなちづー！

琴無 千鶴：

もう、
むつみさんっ！

リザルト

このドッキリが、醍醐味だよ！

敗北時

にしししし。勝った勝った～♪

社務 さわり
岩手３：控え室
佐和 むつみ：

さっちゃん聞いてよーっ！
こいつら
ひどいんだよーっ！！

東京女子プロレス 正規軍

 「フラワリング・フラッフィ」

社務 さわり：

なに、どうしたの？

佐和 むつみ：

むかれたーっ！
昨日、控え室でっ。
全裸にむかれたーっ！

社務 さわり：

むか……

琴無 千鶴：

昨日、ずりおろしの
被害にあいまして……
皆様が敵討ちを。

幌多 みのり：

目には目を、だよねー。

ジャスティスＸ：

悪には報いを
与えないとなっ！

佐和 むつみ：

ね、ひどいでしょー！？
全員で総掛かりだよ！

社務 さわり：

むっちゃんは
たまに痛い目に
あうくらいが、
丁度いいよ♪

試合前

さて、試合しましょーかっ！

勝利時

ありがとうございましたっ！

うん。前よりは……
がんばれた。
私、前よりはがんばれた！

まだまだ頼りない私だけど、
この調子で咲川さんを
ささえていければ……（背後に忍び寄るむつみ）

     秘技・ずりおろしーっ！
     （ズシャアッ！）

 ふにゃーっ！！

桐咲 真梨：

（……うさぎさんだ）

幌多 みのり：

（あ、みなたんも
 同じの持ってる）

琴無 千鶴：

（かわいい……）

ジャスティスＸ：

エーックス！

社務 さわり：

…………
………………

……みなさん、
「また」お願いします。

        自由への逃走ーっ！

    お、逃げたぞっ！

わ、私も昨日の仇っ！

       正義の回り込みっ！！

桐咲 真梨：

上はピリピリ
してるけど、
みんなはいつも
通りだねー。

桐咲 愛音：

そうね。

でも、やがては
彼女達ももっと上で
戦う時が来るわ。
もちろん、我々も……

桐咲 真梨：

あー……
がんばらないとねー。

桐咲 愛音：

そうよ。

次の特設エリアの開放日までお待ちください。

リザルト

さあ、むっちゃん……覚悟なさいっ！

敗北時

うん。私……強くなった！

小早川 ぽひ
東京１：控え室
桐咲 愛音：

今日から４日は、
ＦＷＷＷの興行に
合流します。

桐咲 真梨：

二団体かけもちかー。

桐咲 愛音：

自団体の大一番に
選手を貸し出せるのも、
大所帯の東女ならばこそね。

ＦＷＷＷ 悪役（ヒール）軍・ナイトメア
小早川 ぽひ：

ようこそ
いらっしゃいましたーっ！

桐咲 真梨：

あ、ぽひちゃん。
こないだぶりー♪

小早川 ぽひ：

はい、
こないだぶりですーっ。

桐咲 真梨：

ってことは……
今日の対戦相手は
ぽひちゃん？

小早川 ぽひ：

はいっ、私ですっ！

おっきな興行で、
外敵を迎え撃つ役目を
まかされるなんて……
私、期待されてるんで
しょうかっ。
キンチョーしますっ。

あっ、外敵といっても、
立場上の話ですからね！
あくまでっ、
立場の上だけですっ！

みなさんのこと、
大好きですよっ！

桐咲 真梨：

わかってるわかってる。

（お持ち帰りしたいなあ）

試合前

小早川ぽひ、いきまーすっ

勝利時

はうーっ！
手も足も出ないーっ！
ううっ……期待に
応えられませんでした。

ＦＷＷＷ 悪役（ヒール）軍・ナイトメア
青鬼 ひとみ：

大丈夫よ、ぽひ。

誰も、あんたに
勝ち星は期待して
ないから。

小早川 ぽひ：

ええーっ？

青鬼 ひとみ：

あんたはほら……アレ。

最初に出て行って
やられる役？
そういうのだから。
負ける所までがワンセット。
カプセル怪獣みたいなもんよ。

だから、
あんたは立派に
役目を果たしたの。

小早川 ぽひ：

え？ あ……
へ？

青鬼 ひとみ：

胸をはって
いいわよ。
えらいえらーい。

小早川 ぽひ：

わ、わーい？
やったー？

リザルト

うれしい……な？

敗北時

や、やりましたっ！ やっちゃいましたっ（がくがく）

青鬼 ひとみ
東京２：控え室

さて、次は私の番だねー。

ＦＷＷＷは旗揚げした
ばっかりだけど……
うん、結構充実してるよ。
元からナイトメア（私たち）の
ファンにあわせて、
ＦＷＷＷのファンも
うまれてきたしね。

そういうファンの前で、
みっともないところ
見せられないじゃない？

それに後輩の仇も
とってやりたいし？

小早川 ぽひ：

わー、がんばって
くださーい！

青鬼 ひとみ：

今の私、
先輩っぽかった？

小早川 ぽひ：

はいっ、とっても
たのもしーですっ！

試合前

ま、ちょっとカッコつけただけなんだけどね

勝利時

あー、くそー……
そう、思い通りには
いかないかー。

ごめんねー、ぽひ。

小早川 ぽひ：

いえ、ひとみさん
かっこよかったですっ！

私の仇をとろうと
してくれただけで……
涙が……

青鬼 ひとみ：

あ、あんま
ピュアなオーラ
出さないで。
浄化しちゃうから……

リザルト

あー、天然には勝てないわ

敗北時

うひょー、こりゃ私の時代来るな

赤鬼 ふたば
東京３：控え室
ＦＷＷＷ 悪役（ヒール）軍・ナイトメア
赤鬼 ふたば：

この世には神も仏もいないんよーっ！

桐咲 真梨：

え……何、いきなり。

赤鬼 ふたば：

会場がっ……
会場がここから
見えてるのに、
興行で身動き
とれないなんてーっ！

桐咲 真梨：

会場……？ ここ？

赤鬼 ふたば：

プロレスの会場じゃ
ないんよっ！

（某コンベンションセンターのカットイン）

   コミケが……
目の前でやってるのにーっ！

桐咲 真梨：

コミケ……
あー、同人誌の？

赤鬼 ふたば：

日本最大の
同人誌即売会なんよーっ！
今年は８月１０日から
１２日なんよーっ！！

目の前でやってるのに
行けないなんて……
なんという生き地獄。

くそーっ、この憤りは
試合でぶつけてやるんよーっ！
地獄にいる鬼は、
強いと知るんよーっ！

試合前

八つ当たりするんよーっ！！

勝利時

うう……
コミケにも行けず、
試合でも負けて……

今日のあたしは、
ボロボロなんよ。
踏んだり蹴ったり
なんよ……

青鬼 ひとみ：

仕事なんだから
あきらめなさいよ。

同人誌って、
通販でもかえるんでしょ？

赤鬼 ふたば：

とらやメロンで
予約はバッチリなんよ！

でも、限定本とか……
並びたかったんよー。

青鬼 ひとみ：

私、そういうジャンルって、
よくわかんないんだけどさー。
ツイッターとかで
「欲しい」とか言ってみれば？

ファンが差入れして
くれるかもよ？

赤鬼 ふたば：

そういう生々しい
アドバイスは
いらないんよーっ！

それに、イメージって
もんがあるし。
自分のジャンルを
ファンに向けて
カミングアウトする度胸は……
ないんよー。

青鬼 ひとみ：

それってあれ？
……ホモホモなやつ？

赤鬼 ふたば：

萌え系なんよー……
それでエロエロな方。

青鬼 ひとみ：

萌えって……
あのロリコンっぽい
やつよね？

赤鬼 ふたば：

語弊があるけど、
間違ってないんよ。

青鬼 ひとみ：

それのエロ？
きっも。死ねば？

赤鬼 ふたば：

リアルで鈴森さんに
ハァハァしてるひとみには
言われたくないんよーっ！

桐咲 真梨：

（何言ってるんだろう、この人たち）

リザルト

二次元は何でもアリアリなんよ！？

敗北時

虚しいんよ……試合に勝っても、心が満たされないんよ……

電撃エレナ
横浜１：控え室
ＦＷＷＷ 正規軍「電撃ガールズ」
電撃エレナ：

はぁい、エレナだよっ！

私、絶賛悩み中なんだ－。
以前からの悩みが
快勝されないというか
……ほら、個性の悩み？

ＦＷＷＷ（こっち）は
キャラクターレスラーが
多いでしょ？

ただのチアキャラだと、
無個性な感じなんだよね－。
他の人たちが濃くて……
どんどん埋没していくのを
感じるというか……

青鬼 ひとみ：

だからね。
鈴森さんは別格なわけよ。
二次元とか三次元とか
いうくくりじゃ
語れないの。

赤鬼 ふたば：

二次元か三次元かは
大切なんよ？
三次元には常に
裏切りが付きまとうんよー。

青鬼 ひとみ：

それって、
単なる逃避じゃん？

赤鬼 ふたば：

三次元アイドルだって
似たようなもんなんよー。
猛進こそ危険なんよ。

桐咲 真梨：

まだ続いてたのか、
あの２人……

電撃エレナ：

ほら、
濃いでしょ？
何かよく分からないけど
濃いでしょ？

私なんか……
誰に相談しても、
「胸の資産を生かせ」
くらいしか
言われなくて……

試合前

何とか個性を見いださないと！

勝利時

うあー、結果も出せないし。
閉塞感ハンパないよー。
うー……何かないかなあ。
私にあう個性（キャラクター）。
チアと胸以外で……

赤鬼 ふたば：

いや待て、待つんよ。
何で今、ナチュラルに
「胸」を除外したんよ？

電撃エレナ：

え？ だって、
胸なんか別に
個性ってもの
じゃ……

赤鬼 ふたば：

がーっ！
世の女性が、
どれだけその個性を
求めてると思ってるんよーっ！

青鬼 ひとみ：

持つ者は持たざる者の
気持ちが分からないって
本当よねー。

ま、別に私は
同性のムネ見て
ハァハァする趣味は
ないけど。

赤鬼 ふたば：

なら、ひとみが
よく鈴森さんの
入浴タイミングを
見計らってるのは
何でなんよ？

青鬼 ひとみ：

アンタ、
鈴森さんのおヌードを
そこらのグラム１５０円の
裸と一緒にすんの！？

電撃エレナ：

…………………………
あの、本当に勝負できると
思います？
その、私の胸（こんなもの）で……

赤鬼 ふたば：

出来る！

青鬼 ひとみ：

いけんじゃない？

桐咲 真梨：

ＦＷＷＷ（こっち）は
平和だなー……

桐咲 愛音：

東女は、今頃
緊張感ＭＡＸよね……

リザルト

い、いけるのかー……

敗北時

ま、まずは実力で生き残らなきゃね

ラヴ・スフィーン
横浜２：控え室
ＦＷＷＷ 正規軍 「ネオ・ジュエリーズ」
ラヴ・スフィーン：

あら？
今日の対戦相手は
あなただっけ？

東女にＦＷＷＷを
行ったり来たり……大変ね。

もう、いっそのこと
ウチで腰
落ち着けちゃえば
いいのに。ねぇ？

桐咲 愛音：

そういうワケにも。

ラヴ・スフィーン：

ま……そうね。
これだけ外に
出されるってことは、
それだけ信頼されてるって
事でもあるものね。

あなたたちは、
対外部向けの戦力として
期待されているということ。
ふむ……東女も手放さないか。

それを受け入れるウチも……
あなたに期待しているんじゃ
ないかしらね。化学反応を
求められている、というか。

桐咲 真梨：

……………
……………

ラヴ・スフィーン：

何よ？

桐咲 真梨：

いや、ジュエリーズの
人たちも真面目なこと
いえるんだなあって……

ラヴ・スフィーン：

あんた、私たちを
何だと思ってるのよ……

試合前

これでも、プロレスにはマジなんだからね！

勝利時

そういえば……今日だっけ？

桐咲 真梨：

何が？

ラヴ・スフィーン：

神崎さんと日高さんの
タイトルマッチ！
何であんたが
分かってないの！？

桐咲 真梨：

あ、いや……
分かってるよー。
でもスフィーンさんの
口から出るとは。

ラヴ・スフィーン：

何でよ？

桐咲 真梨：

いや、他団体の動向に
敏感なんだなあって。

ラヴ・スフィーン：

あんたねぇ……

ああ、いや……
東女にいるから、
かえって外の事を
意識してないのかしら。

あのね、東女は
国内最大団体なのよ？
そこのトップといえば、
日本女子プロレス界の象徴。
興味があって当然でしょ？

時代が動くかどうか……
国内の全女子レスラーが
注目してるわよ。

リザルト

私だって、会場に行きたかったし

敗北時

我、遂に勝てり！

ブル・THE・ブロディア
横浜３：控え室
ＦＷＷＷ 正規軍
ブル・THE・ブロディア：

おーっ、よくきたなーっ！
今日のアタイは
燃えてるぞーっ！！

うおおおーっ、試合はっ！
まだかっ、早くっ、
早くやりたいぞーっ！！

桐咲 真梨：

あ、荒ぶってるねー。

ラヴ・スフィーン：

そりゃ、そうでしょ。
昨日のテレビを見れば……

（"女帝"神崎 玲子vs."静かなるドラゴン"日高 舜のカットイン）

   （そして徐々に苦しげな表情を見せる日高）

神崎さんと日高さんの死闘を見れば……

青鬼 ひとみ：

神崎さんの
完勝だったねー……

赤鬼 ふたば：

久々に、
相手を叩きつぶす
試合を見たんよ……

ラヴ・スフィーン：

時代、動かず……か。

電撃エレナ：

私、リングで
神崎さんと向かい合ったら
漏らしちゃうかも。
ホント怖かったー……

ラヴ・スフィーン：

そうね。迫力だったわ。

私も試合を見て……
勝った神崎さんはもちろん、
日高さんにも……
とても敵わないと思った。
でも……

ブル・THE・ブロディア：

なーなーっ！
アレ、オマエの所で
イチバン強いヤツなんだろ！
やりたいなーっ！
あたい、やりたいなーっ！！

（真梨、苦笑い）

ラヴ・スフィーン：

それでもなお、
ああ言える子に……
ならないと
いけないんじゃ
無いかしら？

電撃エレナ：

う……うう。
そうだね……うぅー……
うん！

ブル・THE・ブロディア：

オマエに勝ったら
やらせてくれるか？
あたいとアイツ、
戦わせてくれるかー！？

試合前

うおおおおーっ、いくぞーっ！

勝利時

くっそー……
くっそ、くっそー！
まけたーっ！

くぅ……カンザキと
やりたかったなー。けど……

アイツはオマエよりも
強いんだよな？
なら、あたいには
戦いたいとかいう
資格はないな……

………………

よしわかった！
あたい、
もっとがんばらなきゃな！
やるからにはイチバンを
目指さなきゃ！！

そしていつかオマエと、
最強決定戦をやるんだっ！

桐咲 真梨：

何かこっちも……
昨日と空気変わった？

桐咲 愛音：

……そうかもね。
人間は、影響し合う
ものだから。

さて、これでＦＷＷＷの
興行も一区切り。
次の興行からは
東女に戻ります。
帰り支度をしておいて
くださいね。

次の特設エリアの開放日までお待ちください。

リザルト

よーし、特訓だ特訓ーっ！！

敗北時

これで、次はカンザキだな！

中津井 珠樹
大阪１：控え室
東京女子プロレス 正規軍
中津井 珠樹：

おかえりー。
あんたたち、
昨日いなかったんだって？

東京女子プロレス 正規軍
ホワイトフェイス：

会場にいなかったのかい？
それは損をしたね。
選手もお客さんも、
大騒ぎだったよ。

桐咲 真梨：

そんなに？

中津井 珠樹：

いつもは、
見せて魅せる
神崎さんが、
一方的だったからねー。

ホワイトフェイス：

あんなに緊迫した会場は
はじめてだよ。
あれは、その場にいないと
わからないね。

お年を召したお客さんや、
昔からいるスタッフが
「昭和の会場みたいな殺気」
と言っていたかな……

中津井 珠樹：

昭和ねー。
よく言われるけど、
わかんないのよね。
生まれる前のことだし。

ホワイトフェイス：

我々は伝え聞くしか無いからね。

まあ、でも……
触発はされたね。

中津井 珠樹：

ええ、されたわね。

試合前

すごく……されたわ

勝利時

はー……
ってまあ、すぐに
結果に結びつく
ワケじゃ無いか。

ホワイトフェイス：

いや、
ナイスファイトだったよ
珠樹。少なくとも、
これまでよりは粘れて
いたと思う。

中津井 珠樹：

そお？
そう言って
くれると
嬉しいけど……

ホワイトフェイス：

どちらかといえば、
冷めてる珠樹で
これだ……

影響を受けやすい子は、
相当な事になって
いそうだね。

中津井 珠樹：

なってるわよー。
めっちゃ、なってるわよ。

試合を見た後、
バカが一人「いても
たってもいられずーっ！」
とか言って、
飛び出してっちゃったもの。

ホワイトフェイス：

ああ、あのバカかい？

中津井 珠樹：

ええ、そのバカよ。

（東女トレーニングジム）

  へっぷち！

東京女子プロレス 正規軍
星空 こがね：

……うー、
だれかこのスターの
噂をしてるな？

中津井 珠樹：

あのバカ……翌朝、
宿泊所の前で
「真っ白に燃え尽きた」
とか言って満足げに
転がってたのを発見されたもの。

ホワイトフェイス：：

あの子らしいね。

中津井 珠樹：

ええ、あのバカらしいわよ。

ただ、そのバカさ
加減がね……前は、
ただウザく感じてただけ
だったんだけど……

最近はね、
ちょっと応援して
やってもいいかな……
と思う程度にはなってきたの。

あんたも
そうなんでしょ？

ホワイトフェイス：

さあ……
何のことやら。

リザルト

ふふ……私たちも、思い切っちゃいましょうか。

敗北時

私も、結構いけるじゃない？

石狩 みな
大阪２：控え室
東京女子プロレス 正規軍「滝沢組」
石狩 みな：

みのりは
どこだーっ！

桐咲 真梨：

どうしたの、み……
何その格好！？

石狩 みな：

うわわっ……
み、見るなっ……

キャリア赤城：

見るなと言っても……
そろそろ出番ですよ？

海江田 潤：

私も、おかしいと
思っていたんです。

桐咲 真梨：

ええと……
事情が見えない
のですが。

キャリア赤城：

いえね、今朝の話
なんですけれど……

（東女事務所）
石狩 みな：

罰ゲーム！？

幌多 みのり：

そ、罰ゲーム。
ほら、こないだ日高さんと
戦って、組長負けちゃった
じゃん？

石狩 みな：

うむ……無念だ。

幌多 みのり：

つまり滝沢組は
大将（神崎さん）にたどり着かれた
わけじゃん？
要するに守れなかった
わけじゃん？
これ、ただの敗戦じゃ
すまないわけよ。
誰かが責任を
とらないと……

石狩 みな：

責任……とは？

幌多 みのり：

だから、
罰ゲームなんだって。
ケジメだよ、ケジメ。

組長の罪は組員の罪。
誰かが代表して、
その責任を取らなく
ちゃって話になってさ－。

石狩 みな：

誰か……とは？

幌多 みのり：

まあ誰かだね。
特に名指しは無かったけど……

でも、まあ……
私がやるよ。組長を
支えきれなかったのは……
私の罪だ。

石狩 みな：

待て、それはおかしいだろう？
支えきれなかったというなら、
私とて同じだ！

幌多 みのり：

いやー、でもなあ……
みなたんは、
組長の大事な
一番弟子だから。

石狩 みな：

何を言う！

一番弟子ならばこそ、
罪を受けるのは私だろう。
それを人に押しつけると
あっては、筋が通らない！

幌多 みのり：

いやでも……

石狩 みな：

でももだってもない！
その罰ゲーム、
私が受けるぞ！！

   といっても……

            くどい！

 でもさー

         ええい、
         私がやると言ったらやる！

キャリア赤城：

……というわけで、
石狩さんが「はずかし
水着で大試合」を受ける
ことになったんですが……

ついさっき幌多さんに
「うっそぴょーん」と
言われた所です。

桐咲 愛音：

それはそれは……

東京女子プロレス 正規軍「滝沢組」
早乙女 菜摘：

石狩さん。
試合の……時間だよ……

石狩 みな：

みのりーっ！
後で覚えてろよ！！

試合前

いつもの……持ってきておけば良かった！

勝利時
東京女子プロレス 正規軍「滝沢組」
滝沢 泉：

石狩……
お前なあ……
ちょっと考えれば
分かるだろう。

そんなの小学生でも
騙されないぞ。
私はお前の将来が心配だ。

石狩 みな：

す、すみません……

桐咲 真梨：

あれ……
修羅場になってるかと思ったら、
別の意味で変な状況になってる……

滝沢 泉：

せめて、私に一言
いってくれれば……

石狩 みな：

た、滝沢さんに
ご心配をかけては
いけないと思いましてっ！

滝沢 いずみ：

……………………はぁ。

そうか……私は……
自分の敗北を、
後輩に押しつける女だと
思われていたのか……

日高さんに
負けたのとは……
別の意味でショックだ。

石狩 みな：

うわあああぁぁっ、
す、すみませんっ！

桐咲 真梨：

あれ……滝沢さん、
マジで言ってる？

幌多 みのり：

まさか。

組長だって、
だれかをからかってウサを
晴らしたくなる時くらいは
あるよ。あんな負けの後だもん。

だったら、
その役割を果たして
もらわないとねー。
自分でやるって
言ったんだから。

桐咲 真梨：

みのりさん……

リザルト

自分はそんなつもりではっ！！

敗北時

早く、控え室に帰らせてくれっ！

星空 こがね
大阪３：控え室
桐咲 愛音：

今日の対戦相手は、
こがねさんですね。

桐咲 真梨：

こないだの話だと、
相当燃えてる
みたいだけど……

桐咲 愛音：

ふふ。
気合い、入っていそうね。

星空 こがね：

このままじゃ、
間に合わない！

中津井 珠樹：

落ち着きなさいって。

星空 こがね：

落ち着いてなんかられないよ！
私は焦ってるんだ！！

桐咲 真梨：

（わー、想像通り） （姉は無言で微笑み）

中津井 珠樹：

焦ってるって、何を？

星空 こがね：

神崎さんだよ、神崎さん！
なかっちだって試合を
見たでしょ！？

私ね、あの試合を見て思ったの。
私はスターになりたい……
大スターになりたいって
目標を持ってるけど……

どうせなるなら、
あの人を倒して
スターになりたいって！

中津井 珠樹：

また大きく出たわね……
こがねの分際で……

星空 こがね：

分かってるよ。
私はまだ若手だって！

でも、私は強くなるよ。
どんどん強くなる！
強くなって、なりまくる！！

けど神崎さんは……
きっとこの先、衰えていく。
衰えた神崎さんを
倒してもしょうがないでしょ。

だから私は焦っているの……
時間がないの！
最短距離で、走りたいの！

試合前

だから、立ち止まってなんかいられない！

勝利時

くっそー！

ダメだ……これまでは、
負けても「これは試練」とか
思ってられたけど……
今はダメだ……
焦りしかないよ……

中津井 珠樹：

もう……
バカの暴走は
見苦しいわよ？

ホワイトフェイス：

深呼吸でもして、
すこし落ち着こうか。

星空 こがね：

でも……

中津井 珠樹：

気持ちは分かるわ。
でもね、
焦っても仕方ないし……
一人でやれることには、
限界があるの。

星空 こがね：

……………………

中津井 珠樹：

だから、
手伝ってあげるわ。

星空 こがね：

！

中津井 珠樹：

一人だと寄り道も
必要になるけど、
仲間がいれば
目的に向かって
突っ走れるでしょ？

これまでみたいな
臨時のパートナー
じゃない。
あんたが本気で上を
目指すなら……
手を貸すわよ。
手伝ってあげる。

ホワイトフェイス：

珠樹がそう言うなら、
私もこがねを
手伝ってあげよう。
掛け持ちで良ければ……
だけどね。

星空 こがね：

なかっち……
シロちゃん……

中津井 珠樹：

そのかわり、
フヌケたら
承知しないわよ？

星空 こがね：

うん……うん！

ありがとう！
二人がいれば
２００人力だよ！！
やれるよ！！

リザルト

よーし、チーム星屑……正式結成だ！！

敗北時

このまま、流れ星のように突き進んでみせる！

カーボン乗杉
京都１：控え室
東京女子プロレス 悪役（ヒール）軍 「凶獣」控え室

凶獣
カーボン乗杉：

こないだのタイトル以来、
リングが荒れてるなあ。

恵比寿 さとり：

そりゃそうだよ。

南城 蛍：

正規軍不動の
ナンバー２が、
ああまで叩きつぶされればね。

シャドゥ細野：

正規軍……
あちこちで……
ガタガタ？

ハロウィン園原：

日高一派も、滝沢組も、
しばらくは勢いないだろうしな。

カーボン乗杉：

なら、
次は私ら「凶獣」の番
だよなあ。

恵比寿 さとり：

ふふっ……
カーボンさん、
貫禄ついてきたよね－。
やっぱり、体格のいい
ヒールがいるとしまるよ。

カーボン乗杉：

恐縮だぜ。

試合前

それじゃ、暴れてくるか！

勝利時
（試合会場）

ちっ……とられたか……

でもなあ……
今日の凶獣はここからが
本領発揮だぜ！

（スパイダー菊池、友野 なるみ、南城 蛍、シャドゥ細野、サタン皆口、ハロウィン園原乱入）

おら、行けテメェらっ！：

桐咲 真梨：

うわ、乱入だーっ！

（田中 えり子、ディアナ・ライアル、赤津 ちか、キャシー・ホワイト、メアリ・ノートン、ジャスティスＸ迎撃）

調子に乗るなよ凶獣っ！

桐咲 愛音：

ソニックファミリーと、
サンデーモーニングも……

桐咲 真梨：

うわあ……
乱闘になっちゃった……

桐咲 愛音：

…………

桐咲 真梨：

…………すご……

これ、
収集つかないね……

桐咲 愛音：

ええ、
せっかくの勝ち試合も……
乱闘で霞んじゃうわね……

リザルト

おらぁ！ 暴れるぞ、お前らぁっ！！

敗北時

おらぁ！ どいつもこいつも、不甲斐ねぇんだよ！！

メアリ・ノートン
京都２：控え室
東京女子プロレス 正規軍「サンデーモーニング」
メアリ・ノートン：

いったぁ……
昨日の乱闘は
きつかったな～。

椅子で殴られたとき、
自分からパイプのトコ
当たりに行っちゃったから、
コブになっちゃったよ……

桐咲 真梨：

お……お疲れ様～。
助っ人、ありがとうねー。

メアリ・ノートン：

なんのなんの！
凶獣の好きなようには
させられないからねー。

ジャスティスＸ：

そのとおり！
世が荒れるときこそ、
正義が必要なのだ！

悔しくも……私たちは
まだ天上の戦いに関われる
ほどの実力は無い。
だからこそ、今は明るく……

メアリ・ノートン：

楽しく正しい役割に
徹しなくっちゃね！

ジャスティスＸ：

それが我々っ！

メアリ・ノートン：

サンデーモーニング！
シャキーン！！

桐咲 真梨：

シャキーンって
口で言ったよ。

桐咲 愛音：

そこはスルーしてあげなさい。

試合前

ボク、参上っ！

勝利時

あたたた……
昨日のコブが……

でも大丈夫！
こんなことでは
へこたれないっ！

ジャスティスＸ：

そのとおり、よく言った！！
そのタンコブも正義の勲章！
タンコブ分、
正義も膨らんだと
思うのだっ！！

メアリ・ノートン：

なるほどっ！
そう考えると、
このコブはちっちゃいかな！

ジャスティスＸ：

小さくても中身が
濃ければＯＫだ！
濃縮還元と言うだろう！！

メアリ・ノートン：

そっか！
カルピスは牛乳で割った方が
濃いもんね！！

桐咲 真梨：

この人たち、
これで会話成立してる
んだもんなあ……    （姉は無言で以下略）

リザルト

いっそ、原液で飲もうかな！

敗北時

正義はぁ、勝ぁーつっ！

あかり
京都３：控え室
東京女子プロレス 正規軍「サンデーモーニング」
あかり：

しっかし……
滝沢組にはやられたなー。

メアリ・ノートン：

やられたって？

あかり：

これこれ。水着！

メアリ・ノートン：

あー、石狩さん？

あかり：

そうそう。
こんなのに乗るの、
私たちかソニックファミリー
くらいだと思ってたのに。

まさか、
質実剛健の滝沢組が
お色気で攻めてくる
なんてねー。

石狩 みな：

好きでやってるわけでは
ありません！

あかり：

あ、みなちゃん。

石狩 みな：

前言を撤回して
いただきたい……
お色気路線などと……
はしたない！

あかり：

えー、
でも似合ってるよー。

石狩 みな：

にあっ……

あかり：

恥ずかしいなら、
何でまだ着てるの？

石狩 みな：

いえ……その……
滝沢さんに……

（東女事務所）
滝沢 泉：

石狩、
やるならやり遂げろ。
冗談から出たこととは
言え、半端は許さんぞ。

石狩 みな：

……と。

あかり：

へぇ。なるほどー。

その意見はもっともだよ。
やっぱり半端は
よくないもんね！

石狩 みな：

そう……でしょうか？

あかり：

うん、流石は滝沢さん！
分かってる～！

（みなちゃんの遊び方、
 分かってるなー。
 見直しちゃった）

試合前

よーし、私も負けないぞー

勝利時

お疲れ様ー。

石狩 みな：

あかりさんは……
その、すっかり
馴染んでますね。その水着。

あかり：

慣れだよ、慣れ。
こういうのは。
ずっと着てれば、
自然と慣れてくるから。

そのうち、
普段着感覚に
なるよ？

石狩 みな：

そこまでは
慣れたくありません……

桐咲 真梨：

そういえば……

メアリ・ノートン：

なに？

桐咲 真梨：

こないだ、
商店街で水着姿の
あかりさんをみかけた
という情報が……

メアリ・ノートン：

夏は過ごしやすいらしいよー。

桐咲 真梨：

ホントに、ずっとアレなの？

メアリ・ノートン：

うん、ずっとアレ。

女子レスラー
じゃなかったら、
アウトだった
かもねー。

桐咲 真梨：

いやー、女子レスラーでも
アウトだと思うなー。

石狩 みな：

うぅ……恥ずかしい……

あかり：

まーまー、リラックス。
リラックスだよ。
滝沢組はこれからが
大変だもんね。
今はのんびりしておきなよ。

石狩 みな：

え？ それはどういう……

あかり：

親・神崎派の人にとったら……

次の最終防衛戦の
役割は自分……って
野望があるんじゃ
ないかな？

石狩 みな：

……！

あかり：

そうなると、
正規軍は弱肉強食。
今回失敗した滝沢組が
ターゲットになるよ。

私の魔法が、
そう告げてるの。

次の特設スカウトは解放日までお待ち下さい。

リザルト

さて、それは誰かなぁ？

敗北時

マジカル・セクシー！

ラズベリー咲川
広島１：日本某所
？？？：

懐かしきかな日本！

東京女子プロレス 正規軍 神崎直下
シュバルツ・ネーベル：

うーん……
やっとかえってこれたーっ！

連れ帰ってくれて、
ありがとね。リリィ。
あんたに迎えに
来てもらわなかったら、
年内に帰れたかどうか。

東京女子プロレス 正規軍
リリィ・ライアン：

気にすんなって。
これからは同じ
団体の仲間だ。

ま、向こうで
アンタに
「日本に帰りたーい」
って泣き付かれた時は
びっくりしけどな！  （註：原文のまま）

シュバルツ・ネーベル：

もー、
それは言わないでよ。

リリィ・ライアン：

とりあえずは
会場へ向かおうぜ。
今、色々面白い事に
なってんだ。

シュバルツ・ネーベル：

へぇ……それは楽しみね。

（控え室）
東京女子プロレス 正規軍 控え室

東京女子プロレス 正規軍 神崎直下
姫小路 由樹：

香澄さんが帰国したとの
連絡が入りました。

神崎直下
ラズベリー咲川：

へ……？
香澄ちゃんって、
あの香澄ちゃん？

ミス・十両：

渡米していた、
シュバルツ・ネーベル殿で
ゴワスか！

久しぶりでゴワスなぁ！
息災であっただろうか！

ラズベリー咲川：

……………………

……あれ？
香澄ちゃん日本に
いなかったの？

ミス・十両：

うおい！

もう半年以上
いなかったであろう！？
その分……我等の陣容が
薄かったのでゴワスざ！？

故に！
悔しくも数で勝る滝沢組に
押され、お役目を取られて
しまったのであろうが！

ラズベリー咲川：

あ、うんうんぞーだった。
思い出した思い出した！

姫小路 由樹：

彼女……
あなたの同期
でしたわよね？

ミス・十両：

冷たくないで
ゴワスか華蘭殿？

ラズベリー咲川：

あ、いや……ほら、
ウチって大所帯だし！
この半年近く色々あったし。
わー、なつかしいなー！！

（顔をしかめる十両と微笑む姫小路）

ラズベリー咲川：

あー……えっと……

し、試合！
そろそろ試合だから、
私いってくるねーっ！

試合前

さあ試合だ－、がんばるぞー！

勝利時

ふぇー、ただいまー。

シュバルツ・ネーベル：

負けてたのに
何ヘラヘラした顔で
帰ってきてんの、バカ華蘭！

ラズベリー咲川：

わっ、香澄ちゃん！
来てたの！？

ひ、ひさしぶりー。
アメリカどうだった？
シンパイしてたんだよ？

シュバルツ・ネーベル：

楽勝よ！
ビッシバシしばいてきたわ。
あと「香澄ちゃん」言うな！

姫小路 由樹：

本当、久々ね。
直下の顔ぶれが
これだけ揃うのも……

今の面子に
なってから、
はじめてじゃない
かしら？

シュバルツ・ネーベル：

なーにが直下よ。

聞いたわよ？
また最終防衛戦の役目、
取られたんだって？
何やってるのよ。
神崎さんを守るのは、
そして神崎さんの首を
かっ切るのは私たちの
役目でしょ？

それができなくて
何のための直下よ！！

（目をそらす咲川）

ミス・十両：

うむ……面目ない。

姫小路 由樹：

それは申し訳ないけれど……
でもあなたも悪いのですわ。

事前の相談もなく
海外遠征に行くから……
女帝直下は現在五人。
そのうち二人も抜けたら、
思うようには動けなくて
当たり前ですわ。

ウチの激しさは、
あなたも知ってる
でしょう？

シュバルツ・ネーベル：

ぬっ……ぐ……
あ、あたしだって
行きたくなかったわよ！

こうなったのには、
事情があるの！！

リザルト

事情？

敗北時

うんっ、よしよし絶好調～。香澄ちゃん、見てくれてるかなー？

プリーステス聖光院
広島２：控え室
ＦＷＷＷ 正規軍
プリーステス聖光院：

今日はよろしく
お願いしますー。

桐咲 真梨：

あれー、聖光院さん。
どうしたの？

プリーステス聖光院：

試合をしに来たんですよー。

桐咲 真梨：

試合？

プリーステス聖光院：

ええ。
皆さんが東女からウチに
来ていただいていたように。
今日は私たちが東女さんに
お邪魔している形です。

ＦＷＷＷここにあり、
という試合を見せられれば
と思っているのです……
……が。

一緒に来てるのが、
この方なんですよね。

ＦＷＷＷ 正規軍
蓮根：

なんですか、
その残念そうな顔は。

見せようではないですか。
ＦＷＷＷ、ここにアリ
という試合を。

プリーステス聖光院：

意気込みは……
頼もしいのですが……

東京女子プロレス 正規軍
中江 いんこ：

ＦＷＷＷの人が
来やがってるん
ですって？

プリーステス聖光院：

あ……
東女のいんこさん。
今日はよろし……

中江 いんこ：

東女のいんこ？
言葉には気をつけるですよ。
リングのいんこは一羽だけです。

そっちの……アレは、
今日は来てねぇんです？

プリーステス聖光院：

い……いえっ、
今日は……

中江 いんこ：

そうですか。
ならしかたねぇです……
代わりのでウサ、
晴らさせてもらうですよ。

プリーステス聖光院：：

（東女……怖いところっ！）

桐咲 真梨：

ははは……
何か最近のいんこさん、
ノってるなぁ。

蓮根：

ちなみに、
そのノってる方の相手が
私なんですが……
今日、私の命日に
なるんですかね？

試合前

み、みんなで生き残りましょう！

勝利時

ありがとうございました。
あー、緊張したー。

でも、いい勉強に
なりました。

桐咲 愛音：

また、いらしてくださいね。

（どんよりと落ち込む蓮根）

桐咲 真梨：

た、大変だったねー。

蓮根：

マスクを前後１８０度
回転させられたら、
打つ手ないですよ……

ヒーローの名乗りの
最中に攻撃された気分と
いいますか……
普通、有効と分かってても
やらないんじゃないかという……

この方、アイドル
なんですよね？

中江 いんこ：

アイドルですよ。

蓮根：

アイドルにしては、
いたいけな食材を
虐待しすぎかと。

中江 いんこ：

オメーもよくやったですよ。
あの状態から粘られるとは
思ってなかったです。

蓮根：

何か、試合前と
違ってフレンドリー
なんですが……

中江 いんこ：

東女には
「タイマン張ったらダチ」
っていう文化がありやがるんですよ。

まあ、戦争になったら
どっちかが潰れるまで
やってやるですけどね。

プリーステス聖光院：

………………

蓮根：

………………

東女の方は、
何というかこう……

プリーステス聖光院：

ええ。
一人一人の覚悟が違いますね。

リザルト

でも、見習うところでは……あります

敗北時

どうですか！ これがＦＷＷＷです！！

早乙女 菜摘
広島３：控え室

はあぁ……今日は、
その……よろしくね。

桐咲 真梨：

あれ、菜摘さん……
一人？

早乙女 菜摘：

う……うん。

だってみんな、
殺気立ってて……
怖いんだもん……

ひ……
一人の方が……
気が楽……

桐咲 真梨：

あ、あいかわらずかー。

桐咲 愛音：

これでもね実力は
滝沢組のナンバー３
なのよね。

試合前

は、早く試合を終わらせて……帰りたい

勝利時

お、……おわった……
か、帰ろう……

幌多 みのり：

お、なつみん発見。
こんなとこにいたー。

早乙女 菜摘：

あ……
ほ……幌多さん……

幌多 みのり：

もー、
何で帰る支度してるの？
これからの打ち合わせ
するって言っといたじゃん。

早乙女 菜摘：

……うん……
そうだった
……そうだったけど……

……ボクなんか
……打ち合わせに、
いても……

幌多 みのり：

んなことないよー。
なつみん、貴重な
戦力なんだから。

早乙女 菜摘：

でも……その……

気乗りしないとい
うか……

幌多 みのり：

んー……
まあ、無理強いは
しないよ。

もー、
相変わらずだな。
なつみんは。

でも……
仲間だから、
一応の忠告はしと
くけどさー。

あんまり逃げてば
かりだと……
居場所、なくなっ
ちゃわない？

早乙女 菜摘：

い……居場所？

幌多 みのり；

そう、居場所。

次の場所が、
行く場所があるなら……
なつみんの人生だし、
うるさく言わないけ
どさ。

じゃ、先行ってる
から……
気が向いたら来て
ねー。

（立ち尽くす早乙女）

早乙女 菜摘：

……………………
…………

リザルト

行くアテなんか……ないよ……

敗北時

も、もう帰っていい？

シュバルツ・ネーベル
沖縄１：控え室
東京女子プロレス 正規軍 控え室

ラズベリー咲川：

そういえば香澄ちゃんさ……
こないだ「したくて海外遠征
してたわけじゃない」
みたいなこと言ってたよね。

あれって、
どういうこと？

シュバルツ・ネーベル：

う……それは……

姫小路 由樹：

確か、神崎さんが
アメリカに行く
用事があるときに
付いていったのよね。

リリィ・ライアン：

ああ。アタシをスカウトに
来たときだな。

神崎自らが誘いに
来てくれたんだ。
東女でやらないかって。
エース自らの勧誘ってな、
悪い気分じゃなかったぜ。

姫小路 由樹：

そうそう。香澄さんも、
それについて
行って……

ミス・十両：

そのまま、
帰ってこなかったでゴワスな。

リリィ・ライアン：

本当に急に決まったんだよ。
アメリカでこいつ、
ご機嫌なことをしでかしてさ。

ラズベリー咲川：

しでかしたって、何を？

シュバルツ・ネーベル：

あの時は……
アメリカの雰囲気に
当てられてたの。
あとお酒が入ってたのも
あったわね……

レスラーとしての
目標とか、野望とか
そういう話しててさ……
それが段々と
エスカレートして……
宣戦布告しちゃったの、
神崎さんに。

将来と言わず、
「今ここでアンタを
ブッ倒してやるわ！」
……って。

（暗闇に包まれる高層ビル群）

      そうしたら……

神崎 玲子：

そうか……
お前も言うように
なったな……

私は……嬉しいぞ。

（満天の星空）

      次の瞬間、
      笑いながら
      叩きのめされて……

（蒼い川底）

      川に叩き込まれたのよ！

シュバルツ・ネーベル：

もー、
死ぬかと思った！！

リリィ・ライアン：

ハドソン川に浮かぶ香澄は、
見物だったぜ。
アタシはそれで、
日本行きを決めたんだ。

シュバルツ・ネーベル：

何とか川から
這い上れたと
思ったら、
もう神崎さんいないし！
迷子になってるウチに、
さっさと日本に帰ってるし！

リリィ・ライアン：

日本行きＯＫしたら、
「善は急げ」って言われてな♪

試合前

このウサ、試合で晴らしてやるんだから！

勝利時

あたしがいない間に、
あんなヤツが出てきてた
なんて……

それもこれも、
神崎さんがあんな
無茶苦茶するから！

ホントにもう……
あの大将……
どうしてやろうかしら！

姫小路 由樹：

大変でしたわねー。

でも……それって、
神崎さんにある程度
認められたという
証なんですわよ？

ミス・十両：

そうでゴワスな。
御大将は、気に入った者にしか
無茶をなさらない。

シュバルツ・ネーベル：

そ、そうなの？

姫小路 由樹：

私も昔……
柔道や柔術の道場破りを
させられましたわ……

それで……ボロボロに
されちゃいまして。
でも、勝つまで
帰ってくるなと……

ミス・十両：

セッシャ、
井上殿に「デブ」と
言って喧嘩を売れと
命じられたで
ゴワスよ……

しばらく凶獣の面々に
ボコボコにされ続けたで
ゴワスなぁ……

ラズベリー咲川：

あれ神崎さんに
言われてたんだ！
すっごい度胸だなあって
思ってた！！

リリィ・ライアン：

くくく……
カリスマってヤツは
どっかイカレてる
モンだからな。

姫小路 由樹：

つまり、
そういうことです。
期待されてるの
ですわ。

ミス・十両：

そうそう、
それくらい乗り越えられねば、
御大将の元で働けぬでござる。

シュバルツ・ネーベル：

そ、そうなんだ……

わ、分かってたけどね！
見込まれてるからこそ
なんだって！
ま、まあしょうがない
わよね。期待されてる
んだから！！

ラズベリー咲川：

あれ……？ え？ え？
じゃ、なに？
まだ無茶振りされてないの
って私だけ？

みんな、ずるいーっ！

シュバルツ・ネーベル：

はっ……これが、
あたしと華蘭の差ってやつよ。

リザルト

まあ、せいぜい追いつくよう努力することね！

敗北時

はぁー……スッとした！！

リリィ・ライアン
沖縄２：控え室
桐咲 愛音：

今日の対戦相手は……
リリィさんですね。

リリィ・ライアン：

よーっす。
またアンタとか。
クレイジーな試合、
しようぜぇ。

桐咲 真梨：

楽しそうですねー。

リリィ・ライアン：

ん……
昨日、面白い話
聞いたからな。
やっぱ、この団体に来て
良かったって思ってた
ところさ♪

桐咲 真梨：

……？

何か知らないけど、
いい話？

リリィ・ライアン：

ああ、ご機嫌な話だぜ。

試合前

常識なんか、ぶっ飛ばした方が面白いってな！

勝利時

っかー……やられた。
どうもアンタとは
相性悪いな。

でもまあ、
暴れられたから
満足としておくか。

なあ。この後、
スシ食いにいこうぜ。
ちっとこの団体の状況を……
色々聞いておきたいし、
話しておきたいんだ。

リザルト

ワリカンでいいぜ！

敗北時

おらおら、立て立て！ スシ食いにいくぞ、スシ！！

アントラー山口
沖縄３：控え室
リリィ・ライアン：

よーう、昨日はお疲れさん。

またスシ食いにいこうぜ、スシ。
そっちのマネージャーの
おごりでさ。

桐咲 愛音：

いいですね。

桐咲 真梨：

いいねー。まねーじゃっ♪

東京女子プロレス 悪役（ヒール）軍"凶獣"
アントラー山口：

鬼かおまえら。

桐咲 真梨：

うわっ、山口さん。

リリィ・ライアン：

ヤマグチ……
凶獣のナンバー２か。

桐咲 愛音：

珍しいですね……
山口さんがこちらの
控え室に来るの。

アントラー山口：

いやー、ちょっと
興味があってね。

あんたらと……リリィに。

桐咲 愛音：

私たちと、リリィさんに
用事……ですか？

アントラー山口：

まぁぶっちゃけ、凶獣（ウチ）に来ない？
……って勧誘なんだけどね。

リリィ・ライアン：

ほう……
アタシをかい？

アントラー山口：

うん。

ほら今回、神崎さんと
日高さんでやったじゃん？
つまり……正規軍の
ナンバー１とナンバー２で
争ったわけじゃん。

じゃあ次は、正規軍とヒールの
対決の番だと思うんだよね。
ちょっと前までナイトメアもいて、
大きな戦争してなかったしさ。

ま、考えといてよ。
試合後にまた聞きに来るから。

試合前

どれ、味見させてもらおうかね……

勝利時

うーん、動けるね、あんた。

やっは、あんたら欲しいわー。 （註：原文のまま）

どう？
リリィも一緒にさ……こない？

リリィ・ライアン：

んー…………

……………………

わり。ヤめとくわ。

アントラー山口：

アンタらと正規軍の戦いも、
興味が無いわけじゃ無いんだ。

けど、正規軍内も……
面白そうな火種が燻ってるし。
アタシ、これでも一応
神崎にギリあるしな。

せっかく東女に入ったって
のもあるし。
しばらくはしがらみにとらわれず、
様子を見るよ。

アントラー山口：

ＯＫ。じゃあ気が向いたら
来てくれ。あんたは悪役に
向いてそうだ。

リリィ・ライアン：

おいおい善良なアタシを
捕まえてひでぇ事言うなよ。

アントラー山口：

じゃ……後は
あんたたちだけど……

返事は今度でいいや。
リリィに続けてあんたらにも
振られたらショックだからね。

……そんじゃ。

（静まりかえる控え室）

桐咲 真梨：

行っちゃった。

リリィ・ライアン：

いやー……
面白くなりそうだな。

軽い口調だったけど、
あいつマジだったな。
この気に正規軍、食うつもりだぞ。 （註：原文のまま）

桐咲 真梨：

え……そ、そうなの？

リリィ・ライアン：

ああ、本当さ。
本当に……

ご機嫌なことになりそうだぜ♪

葉月巡業・完

リザルト

さて、と……どうなるか。

敗北時

あれ……こんなもん？