ソチオリンピック 女子1000m準々決勝

Last-modified: 2017-09-18 (月) 10:26:59

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4名中上位2名が準決勝に進出する。
Q=準決勝進出 Adv=救済措置で準決勝進出 PEN=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード

 

※なんと、競技開始直前になって組み合わせ変更があった!
理由はおそらく、予選を救済措置で通過したはずのヴァルチェピーナが
棄権or救済取り消しor何らかの理由により準々決勝に出てこないことによる。
よって救済選手はテルモルス1人となり、さらにテルモルスは元々ヴァルチェピーナが
入っていた組へと移ることに。なんじゃいそれ…そこ変える意味あるんか…
ついでに、レース順も変更になったようだ。

 

Quarterfinal1⇒2に変更

スタートリスト

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク500m1500m
1Valerie Maltaisヴァレリー・マルテ23歳カナダ7位準々決勝敗退6位
2Yui Sakai酒井裕唯26歳日本28位予選敗退予選敗退
3Martina Valcepinaマルチナ・ヴァルチェピーナ21歳イタリア19位予選敗退予選敗退
43Deanna Lockettディアナ・ロケット18歳オーストラリア33位-予選敗退
54Veronika Windischベロニカ・ウィンディッシュ31歳オーストリア31位予選敗退11位
5Jorien ter Morsヨリエン・テル・モルス24歳オランダ8位6位4位

展望:わお。これ準々決勝としてはかなり緩いと思うぞ!客観的に見ても。
マルテ&酒井選手が予選トップのタイムで滑ったおかげだね。
ロケットとウィンディッシュは予選敗退濃厚だったのが、2人転倒のおかげでここに進んできた選手。
ヴァルチェピーナは実力者だが1000mは500mほど強くない上、今大会明らかに不調である。

 

これは入賞の大チャンスだと思います。だってマルテ以外に関しては
酒井選手が予選で破ったファン・ケルコフ以上の相手が見当たらないんだもの。
もちろん、他の3人も同じように「ラッキー」「いけるかも」と思っているだろうがw

 

⇒直前の組み合わせ変更により、ヴァルチェピーナではなく強豪テルモルスが入ることに…

 

結果

1着Valerie Maltaisヴァレリー・マルテ23歳カナダ1:29.037Q
2着Jorien ter Morsヨリエン・テル・モルス24歳オランダ1:29.119Q
3着Deanna Lockettディアナ・ロケット18歳オーストラリア1:29.256
4着Yui Sakai酒井裕唯26歳日本1:29.328
5着Veronika Windischベロニカ・ウィンディッシュ31歳オーストリア1:30.017

マルテが逃げてペースを徐々に上げ、酒井選手がその後ろにピッタリついていく展開。

 

4番手で力を溜めたテルモルスが残り2周半から外を通って徐々に前へ進出。
酒井選手はよく外をブロックして粘ったが、ラスト半周でついに前に入られてしまった。

 

酒井選手がロケットより着順が下なのは、テルモルスに交わされた時にわずかに接触して
バランスを崩したからであり、実質はテルモルス vs 酒井選手 という組だった。

 

しかし直前になって組み合わせが変更になるなんて不運すぎるでしょう…
3日前に発表されて、選手たちは皆この組み合わせのつもりで戦略を立てて気持ちの準備をしているわけでしょう?
事情は知りませんけど、ヴァルチェピーナの通過が間違いだったなら単にヴァルチェピーナを棄権扱いで良いじゃないですか。
なんでわざわざテルモルスをヴァルチェピーナがいた組に移す必要があるでしょうか。
そりゃ、ヴァルチェピーナをいないものとして基準に合わせて組み合わせを作り直したらこうなるんでしょうけど…

 

条件はみんな同じですから、酒井選手をはじめ負けた選手は言い訳はしないでしょうけど
でも、ずっと元の組み合わせのつもりだったのが直前になって「はい変えます」って言われて
気持ちの整理もつかぬままにレースやらされて、負けて…これじゃ、「力を出し切った、納得の負けだ」と
感じることなんて、できませんよね。応援する側としてもなんだか残念です…
そもそも元は通過できそうな組だったので、二重でがっかり…

 

でも酒井選手としては、それにもめげずに良いレースはしたと思います。
最後テルモルスに競り負けてしまったのは、残念ながら今の力差なのかもしれません。
テルモルスは2時間前にスピードスケートの靴履いて、パシュートで長距離を滑っている中で、
これだけの力を出してきているので。

 

Quarterfinal2⇒4に変更

スタートリスト

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク500m1500m
1Li Jianrou李堅柔27歳中国5位金メダル12位
2Jessica Smithジェシカ・スミス30歳アメリカ24位予選敗退7位
3Kim A-Langキム・アラン18歳韓国2位準々決勝敗退13位
4Patrycja Maliszewskaパトリシア・マリジェフスカ25歳ポーランド44位予選敗退-

展望:金メダル候補の李堅柔とキム・アラン相手に、今大会
世界ランクの割に健闘が目立つアメリカ勢から出るジェシカ・スミスが
どこまで粘れるかというところ。ただでは負けない選手だと思うので熱いレースを期待。

 

結果

1着Jessica Smithジェシカ・スミス30歳アメリカ1:32.088Q
2着Li Jianrou李堅柔27歳中国1:32.129Q
3着Kim A-Langキム・アラン18歳韓国1:32.154
4着Patrycja Maliszewskaパトリシア・マリジェフスカ25歳ポーランド1:32.376

ジェシカ・スミスがやはり積極的にトップを取り、2番手に李堅柔、3番手にキム・アラン。
スミスの作るペースは決して速くなかったが、李堅柔はあえてトップに出ない。

 

一方キム・アランは、李堅柔が先頭に出たら仕掛けるつもりだっただろうが、
なかなか先頭に出てくれないので自分も動けない。あれよあれよという間にラスト1周に。
キム・アランはラストの直線の足出し勝負に賭けるしかなくなり、勢いを付けてインに突っ込むも
李堅柔も外からスピードを上げてゴールラインへ向かい、2番手を守り切った。

 

いやー、やっぱり中国が今後ライバルとなる韓国を落としにいってたんですかねこれはw
ジェシカ・スミスの勝ちタイム遅いもんなぁwスミスとしては先頭に出たことでこんな役得が。
しかしキム・アランは1500mを見ても若干不調だったんかな。このレースに関しても
外から捲ってトップに出れるんじゃないか、ぐらいのイメージだったんですけどね自分は。

 

Quarterfinal3

スタートリスト

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク500m1500m
1Shim Suk-Heeシム・ソクヒ17歳韓国1位準々決勝敗退銀メダル
2Fan Kexin范可新20歳中国なし5位-
3Emily Scottエミリー・スコット24歳アメリカ15位準々決勝敗退5位
4Arianna Fontanaアリアナ・フォンタナ23歳イタリア3位銀メダル銅メダル

展望:金メダルの本命で、3000mリレー決勝ではアンカーとして強烈な印象を残したシムソクヒ。
そして、ここまで500m,1500m,リレーと3種目全てでメダルを獲得しているフォンタナ。
この2人が有力だが、范可新とスコットも強い選手だし粘り強く食らいついてほしいね。

 

結果

1着Shim Suk-Heeシム・ソクヒ17歳韓国1:29.356Q
2着Fan Kexin范可新20歳中国1:29.380Q
3着Emily Scottエミリー・スコット24歳アメリカ1:30.324
-Arianna Fontanaアリアナ・フォンタナ23歳イタリアDSQ

今大会安全策が目立つ韓国勢。ここのシム・ソクヒもまた早めに先頭に立つ。
さらに2番手にフォンタナが入り、このまま前の2人で決まる可能性もあるかと思われた。

 

だが范可新は諦めない。残り3周半で外から仕掛けるもブロックされて失敗したが
残り1周半で今度はインに入って2番手を狙おうとする。
これにフォンタナも抵抗して競り合い横並びの状態でコーナーに突入し、フォンタナが転倒する。

 

フォンタナと范可新、どちらが失格になるか判定が難しい場面だった(と思う)のだが
結果は転倒したフォンタナの方が失格に。つまり、范可新は狭すぎる隙間に入ろうとして
フォンタナを抜ききれずに転倒させたのではなく、ちゃんと存在する隙間に入って正当に
抜いたのであって、そこに改めてフォンタナが外からプレッシャーをかけた、ということなのだろう。

 

Quarterfinal4⇒1に変更

スタートリスト

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク500m1500m
1Elise Christieエリーゼ・クリスティー23歳イギリス6位8位予選失格
2Marie-Eve Droletマリー・イブ・ドロレ32歳カナダなし-8位
3Park Seung-Hiパク・スンヒ21歳韓国4位銅メダル-
4Veronique Pierronベロニク・ピアロン24歳フランス17位予選敗退10位
5Jorien ter Morsヨリエン・テル・モルス24歳オランダ8位6位4位

展望:死の組。パク・スンヒがわずかに筆頭だが、ヨーロッパトップの実力を持つ
クリスティーとテル・モルスもいる。ドロレも侮れないがここは4番手かな。

 

しかし例の騒動の当事者であるパクとクリスティーが同組か…
変なファンがまた騒ぎ立てるような結果にならなければ良いが…

 

⇒直前の組み合わせ変更により、テルモルスが別の組に移ることに。

 

結果

1着Elise Christieエリーゼ・クリスティー23歳イギリス1:30.606Q
2着Park Seung-Hiパク・スンヒ21歳韓国1:30.801Q
3着Marie-Eve Droletマリー・イブ・ドロレ32歳カナダ1:31.668
-Veronique Pierronベロニク・ピアロン24歳フランスDSQ

組み合わせ変更でテルモルスがいなくなったことにより、死の組ではなくなった。
残り6周で早々とパクスンヒが先頭に立ちやはり安全策。
ドロレは一度これを交わすも、パクスンヒがすぐさま先頭を奪い返す。

 

一方クリスティーは最後尾待機で力を溜め、残り2周半から外を通って後方一気を仕掛け
先頭まで向かおうとする豪胆なレースに挑む。少し前に上がるのに手こずっていたのでヒヤヒヤしたが
残り1周でこれに乗じた4番手のピアロンが3番手のドロレを交わそうとして失敗し
ドロレに不利を与えつつ転倒していったことでゲームセット。

 

最後はクリスティーは先頭まで出て1位通過を果たした。思い切ったレースするなぁ。