ソチオリンピック>男子500m>予選 - 準々決勝 - 準決勝 - 決勝
DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード
B Final(順位決定戦)
組み合わせ
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | 1000m |
1 | Han Tianyu | 韓 天宇 | 17歳 | 中国 | なし | 銀メダル | 5位 |
2 | J.R. Celski | J.R.セルスキー | 23歳 | アメリカ | 13位 | 4位 | 準々決勝敗退 |
3 | Jon Eley | ジョン・イーリー | 29歳 | イギリス | 42位 | 予選敗退 | - |
4 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | 24歳 | オランダ | なし | 12位 | 銅メダル |
結果
1着 | Han Tianyu | 韓 天宇 | 17歳 | 中国 | 41.534 |
2着 | J.R. Celski | J.R.セルスキー | 23歳 | アメリカ | 41.786 |
3着 | Jon Eley | ジョン・イーリー | 29歳 | イギリス | 41.870 |
4着 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | 24歳 | オランダ | 42.608 |
この後にリレーが控えている選手も3人おり、モチベーションは人それぞれのB決勝。
クネフトはスタートで挟まれて失速したためあとは無理をせずに流す。
韓天宇が相変わらず速いスタートで先頭に立ち、そのまま後ろを引き離して快勝逃げ切り。
2番手にはイーリーが良いスタートで入り込むも、残り1周でインのわずかな隙をついて
セルスキーが2番手に上がった。
A Final(決勝)
組み合わせ
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | 1000m |
1 | Wu Dajing | 武 大靖 | 19歳 | 中国 | 4位 | - | 4位 |
2 | Charle Cournoyer | シャルル・コルノイエ | 22歳 | カナダ | 10位 | - | 準々決勝敗退 |
3 | Viktor Ahn | ヴィクトル・アン | 28歳 | ロシア | 1位 | 銅メダル | 金メダル |
4 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 21歳 | 中国 | 8位 | - | 予選敗退 |
結果
1着 | Viktor Ahn | ヴィクトル・アン | 28歳 | ロシア | 41.312 |
2着 | Wu Dajing | 武 大靖 | 19歳 | 中国 | 41.516 |
3着 | Charle Cournoyer | シャルル・コルノイエ | 22歳 | カナダ | 41.617 |
4着 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 21歳 | 中国 | 1:13.590 |
今回もピンポイントでスタートに合わせて飛び出しを狙った梁文豪はフライング。
2度目のスタート。やはり梁文豪は先ほどほど思い切って出ることはできない。
…って、え?ヴィクトール・アンが、あきらかにワンテンポ、
いやツーテンポぐらい反応が遅れたぞ!!
たぶんわざとじゃなくて、ふと気を抜いた瞬間だった、とかだと思います…
まあメンバー的に元々スタート4番手になってしまうことは考えられたが、
さすがにこの遅れは不安を感じさせた。
一方、前は武大靖、コルノイエ、梁文豪が一塊となって良いペースで逃げている。
アンはもしここで焦って仕掛けていたら、狭い隙間に入り切れず失敗していたかもしれない。
だが彼は、じっとしていた。仕掛け遅れになる危険を顧みず、じっと、機を伺った。
すると、残り2周のことだった。全てがこの瞬間動き始めた。
3番手の梁文豪が、2番手のコルノイエをインから交わすも、やや無理な体制となり
次のカーブ中に転倒。そしてこの瞬間に一気にヴィクトール・アンの脚が炸裂!!
残り1周半で外からまずは一気にコルノイエを交わし、元々梁文豪がいた隙間に入り込む。
そして直後の残り1周、今度はインに入って武大靖を交わす!なんでこんな滑りができるんだ!
残り半周、アンもさすがにこんな無理をすればインが空くだろうと、武大靖が抜き返しにかかるも
アンはインを空けず、減速もせず、難なくブロック。圧倒的なレースでゴールラインへ飛び込んだ。
4番手で窮地だったのに、梁文豪の転倒からゴールまで、本当に一瞬の出来事だった。
とても美しいレース。それも、ヴィクトール・アンのためにあったようなレースだった。
最終結果
金メダル | Viktor Ahn | ヴィクトル・アン | 28歳 | ロシア |
銀メダル | Wu Dajing | 武 大靖 | 19歳 | 中国 |
銅メダル | Charle Cournoyer | シャルル・コルノイエ | 22歳 | カナダ |
4位入賞 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 21歳 | 中国 |
5位入賞 | Han Tianyu | 韓 天宇 | 17歳 | 中国 |
6位入賞 | J.R. Celski | J.R.セルスキー | 23歳 | アメリカ |
7位入賞 | Jon Eley | ジョン・イーリー | 29歳 | イギリス |
8位入賞 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | 24歳 | オランダ |
9位 | Satoshi Sakashita | 坂下 里士 | 24歳 | 日本 |
10位 | Freek van der Wart | フリーク・ファン・デル・ヴァルト | 24歳 | オランダ |
ヴィクトール・アンは2冠達成、この後の5000mリレー決勝へ弾みをつけた。
これでトリノ五輪で唯一金メダルが取れなかった500mを制し、男女通じて史上初めて
オリンピック4種目全てで金メダルを獲得した選手となった。
おまけに、通算の金メダル数も「5」として、これも男女通じて歴代トップに立った。
武大靖は19歳の初五輪で立派な銀メダルだったが、悔しそうだったな。
中国男子は何度惜しいところまでいっても、金が取れないね~。銀はこれで5つ目なんだが。
一方コルノイエは笑顔の銅メダル。これはプチ波乱。
彼も強いけど、カナダ勢だとやはりハメリンやジャンの方が来ると思っていたからね。