バンクーバーオリンピック 男子1000m準々決勝

Last-modified: 2017-09-29 (金) 20:06:23

バンクーバーオリンピック>男子1000m>予選 - 準々決勝 - 準決勝 - 決勝


4名中上位2名が準決勝に進出する。
Q=準決勝進出 ADV=救済措置で準決勝進出 DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード

 

Quarterfinal1

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Charles Hamelinチャールズ・ハメリン25カナダ3位7位
2Tyson Heungタイソン・ヒュンク30ドイツ19位23位
3Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノ27アメリカ2位銀メダルトリノ銅,世界選手権2位
4Nicolas Beanニコラス・ビーン22イタリア39位26位

ここはカナダのエース・ハメリン(兄)と、アメリカのエース・オーノの力が抜けているか。
他の二人はどこまで抵抗できるだろうか。

 

<レース展開>
スタートで2コースのドイツのヒュンクが前に出る。2番手にハメリン、3番手にオーノ。イタリアのビーンは最後尾から。
残り8周で早くもハメリンが先頭に立つ。残り7周で再びヒュンクが先頭に出るが、すぐさままたハメリンが抜き返す。
やはり格下のヒュンクは積極的に前を取りにいく姿勢を出したが、ハメリンがスピードの違いにモノを言わせ先頭を悠々と確保した。

 

その後はハメリンがペースを作り、ヒュンクがその後ろにぴったりと付ける。
それを交わそうと虎視眈々と3番手からオーノが狙う、という構図でレースが進む。

 

終盤に入り、ハメリンがかなりペースを引き上げても、ヒュンクはなかなか隙を作らない。
だが残り2周あたりでさすがに切れてきた。そこをすかさずオーノが外から捲り、残り1周半で2番手に上がった。
ヒュンクは抵抗するも交わされた上、わずかにバランスを崩し、残り1周で4番手のビーンにも交わされてしまう。

 

その後は前2人と後2人にやや差が広がる。オーノは先頭を狙う気配は見せず
余裕を残して2番手でフィニッシュ。1着のハメリンはガッツポーズ。

 

<結果>

1着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ1.25.300Q
2着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ1.25.502Q
3着Nicolas Beanニコラス・ビーンイタリア1.25.827
4着Tyson Heungタイソン・ヒュンクドイツ1.26.098

ラップ(合計) :12.48-21.92-30.83-39.87-49.21-58.51-67.34-76.29-85.23
ラップ(周ごと):12.48-9.44-8.91-9.04-9.34-9.30-8.83-8.95-8.94

 

ここは順当に決まった。ハメリン、オーノともにメダルの有力候補であり、
次の準決勝にも大いに期待が集まるところ。

 

ちょっと選手によって力差のある組だったが、ヒュンクは積極策を打ち一瞬もしやと思わせた。
一方ビーンは、さすがにこの相手では積極策に出たところで勝ち目がないと判断してか、後方で力を溜める作戦。
結果、最後バテたヒュンクを交わして3番手には上がれたし、まあこの方が賢かったと言えるのかも。
とはいえ、ヒュンクのおかげでレースが面白くなったと言えよう。

 

Quarterfinal2

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Lee Jung-Suイ・ジョンス20韓国1位金メダル
2Sjinkie Knegtシンキー・クネフト20オランダ21位14位
3Han Jialiang韓 佳良22中国13位-
4Thibaut Fauconnetチボー・フォーコネ24フランス8位-欧州選手権2位
5Nicola Rodigariニコラ・ロディガリ28イタリア17位8位トリノ7位,欧州選手権1位

1500mで金メダルを取り、2冠を目指す韓国のイ・ジョンスが登場。
この組はメダルの有力候補と呼べるのはこの人だけである代わりに、
5人という大人数の組であり、残りの4人による激しい2位争いが予想される。

 

ヨーロッパ選手で最も高いランクを持つフランスのフォーコネか、ヨーロッパ選手権チャンプのイタリア・ロディガリか、
伸び盛りの若手・オランダのクネフトか、中国のエース・500mでは世界ランク5位につける韓佳良か。

 

<レース展開>
4コースのフランスのフォーコネが好スタートから先頭。2番手にイ・ジョンスが付けると、残り8周で早くも先頭へ。
やはりイ・ジョンスは韓国勢の中では、積極的なレースを好む方の選手であるように見える。
3番手には韓佳良。一番外枠からのスタートだったロディガリが外外を回って3番手あたりを狙うが
韓佳良に上手くブロックされ、4番手に落ち着く。

 

先頭イ・ジョンス→2番手フォーコネと、世界ランク上位2名が前に出て、このままペースが上がればレースが決してしまいそうだ。
そうはさせじと3番手の韓佳良は残り7周で外から仕掛け、向上面で一気に二人交わして先頭へ出る。
と、このタイミングを狙って4番手のロディガリもフォーコネを交わして3番手に上がるが、これがちょいと強引で
フォーコネと接触。フォーコネはバランスを崩して大きく集団から後れを取る。

 

残り4周半で再びイ・ジョンスが先頭に出る。2番手に落ちた韓佳良としては、あとはイ・ジョンスの真後ろに最後までついていきたいところ。
一方3番手のロディガリ、4番手のクネフトが虎視眈々と2番手に上がる機会を伺う。フォーコネも後れを取り戻し、クネフトの直後に付けて来た。

 

その後は2番手の韓佳良がしっかりとインを締めるスケーティングで2番手をキープ。
残り半周でロディガリやクネフトが前を狙う姿勢を見せるも、韓は逆に先頭のイ・ジョンスに外から並びかける勢いで上がり、
しっかりと2位を守りきってゴールした。

 

<結果>

1着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国1.25.822Q
2着Han Jialiang韓 佳良中国1.25.856Q
3着Sjinkie Knegtシンキー・クネフトオランダ1.26.176
4着Thibaut Fauconnetチボー・フォーコネフランス1.26.213
Nicola Rodigariニコラ・ロディガリイタリアDSQ

ラップ(合計) :12.01-21.30-30.12-39.62-48.90-57.92-67.05-76.33-85.77
ラップ(周ごと):12.01-9.29-8.82-9.50-9.28-9.02-9.13-9.28-9.44

 

やはり隙間の狭いところに入ってフォーコネに不利益を与えたロディガリが失格。
但しフォーコネも、あの時点で敗退圏の3番手であり、また、不利益を受けた後一つも順位を上げられなかったこともあってか
救済措置は与えられなかった。(救済措置を受けるには、もし妨害を受けていなかったとしたら次に進めていたと考えられることが必要らしい)
ちょっと後味の悪い結果となった。まあ2着の韓佳良は終始良いスケーティングをしたし、次に進む資格は十分あるだろうが
もしフォーコネが妨害を受けていなければどうなったかは気になるところ。

 

Quarterfinal3

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Sung Si-Bakソン・シバク22韓国5位5位
2J.R. CelskiJ.R.セルスキー19アメリカ-銅メダル世界選手権3位
3Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトラ23イタリア14位13位欧州選手権4位
4Blake Skjellerupブレーク・スケラーアップ24ニュージーランド30位28位

コンフォルトラにとっては「またかよ!」という組だろう。

 

せっかく予選をトップ通過したのに、セルスキーが予選2位通過だったこともあり
セルスキーとソン・シバクという2人の格上と同組となってしまった。
これは、1500mと全く同じ展開であるw

 

コンフォルトラがこの2人に対してリベンジを果たすのか、はたまた、
またしても1500m銅メダリスト・セルスキーと、韓国のソン・シバクが勝ち上がるのか。
大穴は予選をラッキー通過したスケラーアップ。

 

<レース展開>
スタートは特に競ることなく、2コースのセルスキーが先頭に立つ。
続いてソン・シバク。コンフォルトラは3番手から進めて前をかわそうという作戦。
その後、残り7周でソン・シバクが先頭に立つ。

 

その後は特に誰も前に出ようという姿勢は見せず、
このままの隊列で、ソンシバクが一定のペースを刻む。

 

残り2周ごろから、3番手のコンフォルトラは必死に前を伺い始めるが
2番手のセルスキーがピッタリとソン・シバクの後ろに付いて抜かせる隙間を作らない。
残り半周でコンフォルトラは、ついに抜こうとインに飛び込んだが、やはり全く隙間がなく後退。
(そのまま突っ込んだとしても転倒→失格だ。)

 

惜しかったように見えて、実際は前の2人が余裕を持って通過した印象だった。

<結果>

1着Sung Si-Bakソン・シバク韓国1.24.570Q
2着J.R. CelskiJ.R.セルスキーアメリカ1.24.621Q
3着Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトライタリア1.24.788
4着Blake Skjellerupブレーク・スケラーアップニュージーランド1.27.374

ラップ(合計) :12.02-21.27-30.06-39.38-48.33-57.28-66.34-75.27-84.42
ラップ(周ごと):12.02-9.25-8.79-9.32-8.95-8.95-9.06-8.93-9.15

Quarterfinal4

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Francois Hamelinフランソワ・ハメリン23カナダ4位-
2Lee Ho-Sukイ・ホソク23韓国6位12位トリノ銀,世界選手権1位
3Haralds Silovsハラリド・シロフス23ラトビア15位10位
4Liang Wenhao梁 文豪17中国-6位

1000mでは金メダル本命とも言われる韓国のイ・ホソクが登場。
さらに、地元カナダのフランソワ・ハメリン(ハメリン弟)も登場し会場は盛り上がる。

 

しかし、1500mでサプライズのファイナリストとなった中国17歳の梁もいる。
地元ファンの前で準々決勝で負けるわけにはいかないハメリンだが、正念場である。

 

<レース展開>
フランソワ・ハメリンが積極的に先頭に出る。さらにやや格下のシロフス。
残り7周でシロフスが先頭に出る。梁文豪が3番手で、イ・ホソクは一番後ろから様子見。余裕である。

 

残り5周で外からフランソワ・ハメリンが外からシロフスをかわし、再び先頭を奪ってペースを上げる。
それに乗じて、残り4周半で梁文豪がインから2番手を狙うが、ここはシロフスがブロック。なかなか上がれない。

 

残り4周。ここで最後尾のイ・ホソクが動く!一気に外・外を周り、わずか1周のうちにトップに出る!!
残り2周半。3番手のシロフスが自分で転倒。最後尾という苦しい位置だった梁文豪に希望が見える。
残り1周。3人がひと塊になるが、以前としてハメリンが2番手をキープしている。

 

最後の直線。梁文豪がインへ飛び込んだ!ここで2番手のハメリンがバランスを崩す!
しかし、バランスを崩して上げた左手がたまたま梁の進路にぶつかり、梁も思うように前へ行けない。
もつれた中、ほぼ並んでフィニッシュするも、足の長さの差でハメリンに軍配が上がった。

 

<結果>

1着Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国1.24.980Q
2着Francois Hamelinフランソワ・ハメリンカナダ1.25.037Q
3着Liang Wenhao梁 文豪中国1.25.060
4着Haralds Silovsハラリド・シロフスラトビア1.50.292

ラップ(合計) :11.95-21.36-30.62-39.71-48.56-57.48-66.35-75.44-84.86
ラップ(周ごと):11.95-9.41-9.26-9.09-8.85-8.92-8.87-9.09-9.42

 

イ・ホソクは圧巻のレース。これで韓国3選手はいずれも準々決勝を1位通過。
1500mに引き続き、韓国の独壇場は続くのだろうか。

 

ハメリンと梁はほぼ互角だったと思うが、梁はシロフスが転倒する幸運がありながら
最後まで2番手に上がれなかったのだから、ハメリンがまだ一枚上手だったようだ。
ただやっぱり梁も強い。4年後やったらどうなるかは、わからんね~。

 

Quarterfinals → Semifinals

通過順位選手名選手名(日本語)タイム
1着Sung Si-Bakソン・シバク韓国1.24.570Q
1着Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国1.24.980Q
1着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ1.25.300Q
1着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国1.25.822Q
2着J.R. CelskiJ.R.セルスキーアメリカ1.24.621Q
2着Francois Hamelinフランソワ・ハメリンカナダ1.25.037Q
2着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ1.25.502Q
2着Han Jialiang韓 佳良中国1.25.856Q