第零一話 素直ヒート、愛を叫ぶ!

Last-modified: 2013-08-14 (水) 23:03:40

女「1年○組の男おおお!!」
女「私はァァァァァ…男をォォォォォ……愛してるぅぅゥゥゥ! !」

私は男の事が好きだ
何時から、何故、何処が…そう聞かれてしまうと困る…
気がついた時には
目で男を追って、男の事を考えて、苦しくなり、笑顔が溢れたりしていた
告白?怖くて出来ないんだ、中学に在学中何度試みたことか…だが…
拒否されたら…そう考えると涙が溢れてくる…
だけど…伝えなければ始まらない
伝えなければ届かない
伝えなければ…

決めたんだ
私は、男へ…愛の告白をする…
たとえそれが失敗に終わったとしても…

そこからまた違った私になれる

高校入学式

先生「以上で入学式を終了いたします、起立!」
ガヤガヤガヤガヤ誰だ?何だ?
先生「誰だ!君は!何をしてる!」

すぅ…
女「1年○組の男おおお!!」
女「私はァァァァァ…男をォォォォォ……愛してるぅぅゥゥゥ! !」

先生「何を言ってる!」ガッシ
その生徒は先生数人に身柄を拘束された…しかし諦めてはいないようだ
女「おとkむぐ!!んー!」
抵抗も空しく口を押さえられ壇上から引き摺り下ろされる

男「なんなんだ?一体…」
生徒の視線が痛い…
始めは特定なんかされていなかったが…
流石にクラスの奴は俺しか見ない…それを見て他の生徒も俺を見る…
男「…はぁ」oO(入学早々…どうしたもんか…

男友「男おぉ!愛されてるかああぁ!!」
男「うるさいw」
こいつは男友、小中高と共に学んできた腐れ縁だ
男友「入学初日で一気に有名人だなw」
男「なりたくてなった訳じゃないんだがな…」
男「どこかで見た顔っぽいんだけどなぁ、あの子」
男友「ん~、ちょっと遠くてはっきりとはわからなかったからなぁ…」
昼休みまで俺はその話で人ごみに揉まれた…
昼休み「は」もっと酷かった…

キーンコーンカーンコーン♪
昼休み開始のチャイムが鳴ると同時に私は教室を飛び出した!
そして目当ての1年○組の教室のドアを勢い良く跳ね除け
女「男おおお!!話があるううう!!少々付き合ってもらうぞおおおお!!!」
もぅここまで来れば恥ずかしがってなんていられない
言いたいことは全部言う
男「え!?ちょ…もしかして…女?」
男友「女だなwとりあえず行って来いよw」
女「つべこべ言わず行くぞおおおお!!!」
そう言って私は男の手を取り…とりあえず歩き出したが…何処行こう…

何となくフラフラ歩き回って人が少ない場所へ…
そう思っていたら体育館の裏へ来てしまった…
女「男!!」
男「は!はい!?」
女「愛してる!私と付き合ってくれ!!!」
言い切った!大分はしょった気もするが…まぁいい…
男「うぇえ!?お前女だよな?同じ中学の?」
女「そうだ!判っているなら話は早い!恋人として付き合ってくれるな!?」
男「ちょちょちょ…即答しなきゃならないのか?」
女「男は答えを先延ばしにしてどうする気なんだ!?」
今答えをくれなければ…私が耐えられない…
それに今気がついたが…ギャラリー凄い事になってる…

男「…それじゃ…今の答えはNOだ…」
女「…え?」
その答えを私が認識した瞬間…なんだろう…
体が重くなった気がした…理解できない現象が体の中で起こっている…
女「…な…何故なんだああぁ?」
やっとの事で声がでた…が、涙が…勝手に溢れてくる
男「…嫌いじゃない…それだけなんだ…それじゃ…お前に失礼…だろ?」
女「…」
男「そう言う事だ…後は好きにしてくれ」
そうか…好きにさせてもらう事にする、諦めてたまるか!!
女「おどこおぉぉお!好きだあああああ!!!」
男「ちょ…おま!」
女「諦めないぞおおお!!必ず落として見せるからなああああ!!!」
男「…」
女「覚悟しておけええええ!!!!!!!」
男「何を覚悟すればいいんだ?」
女「………私の愛が毎日男を襲うからなあああああ!!!」
男「…と、とりあえず、判ったから…もぅ良いか?」
女「駄目だ!!!」
男「ちょ、何で?w」
女「これから男は私と弁当を食べるんだ!帰らせるわけにはいかない!!」
もう逃げたりしない…
攻めて攻めて攻めて攻めて、男の心を奪い取ってやる!!

キーンコーンカーンコーン
放課後を知らせるチャイムがなった、そう思った瞬間
ズドドドドド、ガラァ!!
女「男おおおお!!!一緒に帰るぞおおおお!!!」
男「うぇええ?ちょ…」
有無を言う事すら出来ずに俺は拉致された

女「…///」
何今更顔を赤らめて恥ずかしがってるんだ?こいつ
男「なぁ?恥ずかしいのか?」
女「あ!あたりまえだろ!?恥ずかしに決まってる!!」
本当か?
男「入学式をジャックして愛の咆哮の方が恥ずかしいと思うがな?」
女「ああああ!あれはだな!!…」
男「あれは?」
なんか急に静かになったな…
女「あれは…私の決意表明だ…」
女「今の私は中学の時の私じゃない!この男への思いは…」
女「何人たりとも止めることが出来ない!!私ですら止められない!!」
男「俺の何がそんなに良いのかねぇ?」
まぁありきたりだが探りを入れてみる
女「全部!!!」
男「…」
女「もう止められないんだ…理由なんて…私が男の事を好きってだけで十分だ…」
めちゃくちゃな事言ってません?
女「ただそれだけで…私は何でも出来る、何にでもなれる…」

女「それに好きにすれば良いと、男は言ったな?」
私は…確認する
男「ん?あぁ、好きにすれば良いさw」
女「よし!!ありとあらゆる手段を使ってえええ!!!!」
女「私!女はああ!!!男の全てを手に入れるうううう!!!!」
男「こんな道端で叫ぶな!!」
女「逃げられると思うなあああ!!!どこまでも一緒だあああ!!」
男「はぁ…」
なんか…思ったより…すっきりするな
今は駄目かもしれないが…無理ではない…そう思えるだけでも
私は少し変わってたのかもしれない
女「早速ううう!!明日の朝も一緒に学校いくぞおおおお!!!」
笑顔が…溢れ出す
男「本当にか?」
一緒にいるだけで、何気ない会話をするだけで
ここまで心が躍る事があるのか?
女「その投げやりな返事はなんだああ!?嬉しいんだろおおお!?」
もし…手を繋いでくれたら…抱きしめられたら…キスをしたら…
この気持ち…どうなるんだろう?
女「…」ニタァ
男「お前?何を想像したんだ?」
しまった…顔に出てしまったのか?
女「なななな何でもなああああい!!///」

男「そうか?えらい笑顔だったぞ?w」
女「何でもない!ったらなんでもない!!///」
不覚…可愛い…そう思えてしまった…
いや、見た目のことじゃなく…
笑顔が…そして恥ずかしくて顔を赤らめるその仕草が…
男「仕方がないなぁ…」
素直になれない俺がいた…
女「よっしゃあああ!!それじゃ朝迎えに行くからなああああ!!」
男「しかし、お前のせいで俺まで有名人だからなぁ…」
女「…すまん」シュン
とても申し訳なさそうな顔をしている、意地悪してやるか
男「どうしよっかなぁ?」チラリと女を見る
女「…」ジーッと上目使いに俺を見返している
やめろ
男「んー、それじゃぁ…これから叫ばなければ…好きになるかもなぁ?」
女「本当かああああああ!!!??!?」パァ
っと一瞬にして笑顔が咲く
男「すでに叫んでるな?w」
女「ぁぅ…」
これからの学校生活
退屈の二文字だけはなさそうだ

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