- 会話1
- ナレーション「仮面ライダーウィザード。人間の絶望から生まれる怪物『ファントム』に対抗するための力を持つ魔法使いの仮面ライダー。ファントムとの闘いの後世界を旅していたが、日本各地に発生した『次元の歪み』と『集めた者の願いを叶える石』の噂を聞き、不穏な予感を感じたウィザードは日本各地の調査を開始した。」
- ウィザード「どんな願いでも叶う・・・か。そんな話が眉唾物であることは明らかだ。・・・だが、もしその噂に踊らされて絶望する奴がいるなら、俺がそいつらの希望になってやらなきゃあな。」
- 会話2
- ウィザード「あの空の歪みから溢れている力は何なんだ?何も食べていないのに、魔力が充実している・・・魔法使いの俺にとっては好都合と言えるけどな。」
- ミケ「おい、貴様・・・怪しいな。ここで何をしている?」
- ウィザード「・・・なんだ?喋る杖・・・まさかファントムの類じゃあないだろうな?」
- 頼子「・・・・・・ミケ!あれ!あれは・・・聖霊石?次元の歪みからすごい聖霊石の原石が!あんなの見たことないよ!」
- ウィザード「あれは・・・魔宝石か?・・・・・・おい、君は今すぐここから離れろ。あれは俺が確保する!」
- 会話3
- ウィザード「聖霊石っていうのか、この魔宝石。たしかにすごい魔力を感じるな・・・」
- 頼子「あの~・・・その聖霊石の原石、譲ってもらうわけにはいきませんか?どうしても、欲しいんですけど・・・・・・。」
- ウィザード「まさか君、『聖霊石の原石を集めると願いが叶う』って嘘を信じているのか?確かに超常的な力を持つ石ではあるが、因果律を曲げる程ではない。・・・誰か一人の願いを叶えるというのは、そんな簡単にできることじゃあない。」
- ミケ「・・・頼子、そんなつまらん噂を本気で信じていたのか・・・・・・?バカか、貴様は。」
- 会話4
- ウィザード「頼子ちゃん・・・でいいんだよね。どうして俺についてくるんだ?この聖霊石に願いを叶える力は無いのは教えてやっただろう。」
- 頼子「・・・・・・わ、私を貴方の弟子にして下さい!暴れるミケを抑えられるほどの凄腕の魔法使い・・・私の目指す理想の姿なんです!」
- ミケ「おい頼子!我輩という素晴らしい師がありながら、こんな魔法使いの小僧に尻尾を振るとは・・・この恩知らずめ!!」
- 頼子「私、ミケの弟子になった覚えはないよぉ~!!むしろ離れられるなら今すぐにでも離れたいぐらいなのに!!」
- ウィザード「俺が見た所、頼子ちゃんって潜在的な魔力は凄いんだよね。・・・もしかしたら俺以上なのかも。魔法にも適性があって、君にはそのマジックワンド・・・ミケランジェロだっけ?そいつの知っている魔法を学んだ方が、成長は早いと思うんだよね。」
- ミケ「ほほう、若造にしてはこの魔王ミケランジェロのことを良く分かっているではないか。聞いたか?頼子よ。お前は我輩の下で大魔術師を目指す運命なのだ。」
- 頼子「そんなぁ~・・・私はカッコイイ正義の魔法使いになりたいのに・・・あっ、リリカ!」
- リリカ「フッフ~ン、ヨ~リ~コ♪オトコ連れなんて、やるじゃ~ん!一足先にオトナになっちゃった感じ?」
- 頼子「リ、リリカ!何言ってるの!そんなのじゃなくて・・・この人は、私の新しい魔法の先生なんです!!」
- ウィザード「おいおい・・・」
- リリカ「へぇ~、確かに魔力みたいなのは強く感じるけど・・・アンタがホントにヨリコの先生に相応しいか、ちょっと試してみようかな!」
- 会話5
- リリカ「あ~っ、負けちゃった~!・・・でも、ヨリコのとは違う魔法が沢山見れたから・・・ま、満足したかな。」
- ウィザード「風を操る聖霊の力か。ハリケーンスタイルとよく似ているな。」
- リリカ「運動したらお腹すいたな~・・・ねぇねぇヨリコの先生、何か甘いの持ってない?」
- ウィザード「『はんぐり~』のドーナツならあるけど。・・・プレーンシュガー以外ならどれでもどうぞ。」
- ミケ「フレンチクルーラー!フレンチクルーラーは無いのか?」
- 頼子「もう、ミケ!フレンチクルーラーは今日の分はもうあげたでしょ!魔法使いさんのものまで取っちゃダメ!」
- 会話6
- ビースト「おっ、我が永遠のライバルよ!やっぱりお前もこの一件が気になってここに来たか!・・・いや、皆まで言うな!分かってる!」
- ウィザード「仁藤!?お前は確か、キマイラから解放されて魔法使いじゃなくなったはずだろ?」
- 頼子「あの人も魔法使いなんだ・・・ワイルドで、あの人も憧れちゃうなぁ~・・・・・・」
- ミケ「何を言っている!ワイルドさでも我輩の方が上だろう!目を覚ませ頼子!」
- ビースト「詳しいことは俺にも分からん!でもキマイラがもう一度俺と力を合わせて、この事件を解決したがってるんだ!だったらそれに乗らねぇわけには行かねぇだろ?」
- ウィザード「・・・まぁ、そういうことなら勝手にやっててくれ。油断してキマイラに食われるなよ。」
- ビースト「おいおいおい!せっかくのライバル同士の再会なのにスルーはよくないぜ!どっちがこの異変を解決できるか競争と行こうか!・・・まずは、お前の持つその魔宝石を頂くことから始めるぜ!」
- ウィザード「人が手に入れたモノを当てにするのは良くないな。聖霊石が欲しいなら自分で探すんだな。」
- 会話7
- ビースト「まいった!さすがは俺のライバルに相応しい強さだな、お前は!」
- ウィザード「まったく、魔法使いに戻ったばっかりなんだから無茶をするなよ。魔力が切れたら今度こそどうなるか分からないぞ?」
- ビースト「・・・それが、空から溢れているこの力のせいか、ファントムを食ってないのに全然魔力が切れねぇんだ。多分、異変解決までは食われる心配は無いな。俺には分かる!」
- ウィザード「仁藤、この聖霊石については『集めたら願いが叶う』という噂が広まっている。ニセの噂を流してまで石を集めたい連中がいるということだ。お前ももし手に入れたら狙っている奴に気を付けろ。」
- 頼子「・・・・・・え?何かすごく重大な事件に巻き込まれそうな感じ?・・・嫌だなぁ、私はただこの聖霊石をマジックアイテムとして欲しいだけなのに・・・」
- 会話8
- ウィザードは倒れているビーストを発見する。その傍には聖霊石を持つ少女、ヴァイスが居た。
- ウィザード「仁藤!・・・どうした、しっかりしろ!」
- ビースト「お前に負けまいとようやく聖霊石を見つけたんだが・・・あいつに急に襲われて奪われちまった。あの女の子、只者じゃねぇぞ・・・」
- ヴァイス「民間人、警告する。違う‥‥‥貴方たち、お願いです。作戦行動の阻害は強制排除、いえ、私の邪魔をしないでください‥‥‥?」
- ヴァイスはウィザードに警告してきた。
- ヴァイス「‥‥‥一般的な日常会話は失敗率が高い‥‥‥その聖霊石の原石における所有権を放棄、原石を置いて、撤退。立ち去ってほしい。警告に従わない場合、攻撃を行い、強制的に貴方の所有する聖霊石の原石を接収……いや、一般的にこの場合は…」
- ウィザード「要するに、こう言いたいのか?聖霊石を渡さなければ、お前もこいつのように叩きのめすぞ・・・と。」
- ヴァイス「なるほど、参考としよう。では……聖霊石を渡さなければ、お前もこいつのように叩きのめすぞ……できた!」
- 会話9
- ウィザード「彼女の魔力、頼子ちゃんやリリカちゃんに比べると不安定なように感じるな。」
- ミケ「フン、奴らは『戦処女(ウァルキュリア)』などと呼ばれているが、ただの人間に紛い物の聖霊力を植え付けられた存在に過ぎん。」
- ウィザード「・・・そうか。笛木に魔法使いにされた俺たちと似たようなものだな。」
- ヴァイス「‥‥‥よし!殺さないように手加減できた!もう私は機関の戦処女ではない‥‥‥もう敵を殺す必要もない、殺さなくていい」
- ヴァイスは何か呟いていた。
- ヴァイス「民間人の所有する・・・貴方の持っていた聖霊石の原石は譲ってもらった。私は次の任務に向かう」
- ヴァイスは立ち去った。
- 頼子「えーっ!?すごい・・・ミケならともかく、魔法使いさんにも気づかれず聖霊石を持ってっちゃうなんて・・・!・・・って、感心している場合じゃないよ!早く追わないと!」
- 会話10
- ウィザードと頼子はヴァイスを追って種子島に来た。ヴァイスはある人物と出会っていた。
- ヴァイス「シャルラッハロート、ここにいたのか。消息を絶ったのは機関の最後の計画を阻止する為だと予測していたが」
- シャルラッハロート「そう、神霊兵器の起動を阻止する。ソフィー、貴女のいる世界を護るために。私と、貴女の、世界を護るために」
- ヴァイス「何故、単独で動いた?私とふたりで作戦にあたれば、速やかに解決でき」
- シャルラッハロート「私は貴女のためにひとりで行動した!それなのに貴女は追いかけてくれない!私の為に、動かない!私の為に!」
- するとシャルラッハロートはヴァイスを拘束し、聖霊石の原石を全て奪った。
- ヴァイス「シャル‥‥‥ラッハ‥‥‥ロート‥‥‥放せ‥‥‥どうした‥‥‥?聖霊石の原石を‥‥‥どうする気だ‥‥‥?」
- シャルラッハロート「このまま貴女を殺して私も死ねば、私たち、ずっとずぅっと、一緒でしょ?貴女は私のもの、私は貴女のもの‥‥‥それなのに」
- シャルラッハロートはウィザードと頼子を見る。
- シャルラッハロート「邪魔する奴がいる‥‥‥ソフィー、待っててね。先に殺さなきゃいけない奴がいるから」
- ヴァイス「‥‥‥何を言ってる?私たちは機関から解放された。もう誰も殺す必要もない!」
- 頼子「あ、あの人・・・本気なのかな・・・私たちを殺すって・・・!」
- ウィザード「いや、おそらく何らかの精神支配を受けているようだ。彼女自身は魂を失った抜け殻に過ぎない。俺があの子に、再び希望を与えてやるよ。」
- 会話11
- シャルラッハロートはウィザードに敗れた。
- ウィザード「お前にはまだ希望になる友がいる。それを自分から棄てようとするようなバカな真似は止めろ。」
- シャルラッハロート「あはは‥‥‥ふふふ‥‥‥どうして邪魔するの‥‥‥?どうして私とソフィーの邪魔するの?死ねばいいのに。みんな死ねばいいのに。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねうふふ‥‥‥あはははははははは!!」
- 聖霊石の原石は全て何処かに飛んで行く。
- ミケ「…む、聖霊石の原石が引き寄せられている。その先にあるモノは・・・・・・やれやれだな・・・・・・。」
- 会話12
- 5つの聖霊石が集まったエネルギーにより起動した起動した神霊兵器がウィザードの目の前に見えていた。
- ミケ「頼子、そして魔法使いの小僧。よく見るがよい・・・・・・。これが神霊兵器だ。・・・こんなものが現存していたとは笑えんな!」
- ウィザード「超大型のゴーレムか。成程、凄まじい魔力だ・・・!」
- 「聖霊エネルギー供給源、聖霊核接続。1番、2番、3番、4番、5番、接続完了。聖霊エネルギー補給開始」
- 神霊兵器の各部が機動し始める。
- 「特殊聖霊貫通弾「グングニル」起動。推進用聖霊エネルギー充慎開始。弾頭聖霊コーディング起動。8連聖霊クラスターロケット「スレイプニル」起動。推進用聖霊エネルギー充慎開始。」
- 神霊兵器は富士山火山の方角を見る。
- 「日本列島沈没作戦攻撃座標指定、FJ35-2139YM138-4339、富士山火口設定完了。」
- 神霊兵器は起動する。
- 「神霊兵器「ラグナロク」設定完了。グングニル充慎完了までカウント30。スレイプニル充慎完了までカウント60。ラグナロク射出までカウント70。‥‥‥69‥‥‥68‥‥‥67‥‥‥66‥‥‥65‥‥‥64‥‥‥63‥‥‥62‥‥‥61‥‥‥」
- 頼子「日本列島沈没作戦ってなにそれ!?そんなの絶対に嫌だよ!でも、私たちだけでいったいどうしたら・・・!もう、ダメなのかな・・・・・・?」
- ウィザード「頼子ちゃん、絶望なんてするな。どのような絶望的な状況でも、俺はいつだってみんなの最後の希望になってやる。・・・さぁ、ショータイムだ!!」
- 戦闘後
- 「聖霊エネルギー補給源、喪失。聖霊エネルギー補給不能。防衛システム沈黙。」
- ウィザードに聖霊石の原石を破壊された神霊兵器は崩れ始める。
- 「オーディン、スレイプニル、グングニル、聖霊エネルギー充填シークエンス停止。神霊兵器「ラグナロク」射出シークエンス、実行不能、緊急停止」
- ウィザード「ふぃ~、魔力をだいぶ使ってしまったが・・・何とかあいつを止められたようだな。」
- クリア後
- 数日後
- リリカ「・・・で?ヨリコの魔法の先生、どっか行っちゃったの?」
- 頼子「うん。次元の歪みも収まったし、もう居る必要は無いだろうって。・・・でも、残念だったなぁ。魔法使いさんには何も魔法を教えてもらえなかったし、聖霊石も無くなっちゃったし・・・」
- その時、2人の頭上にプラモンスター・レッドガルーダが飛来し、頼子の手元に指輪を落としていった。
- リリカ「うわっ、びっくりした!・・・キレイな指輪・・・しかもこの指輪の5色の石、聖霊石の原石じゃん!」
- 頼子「もしかして、魔法使いさんがこれを・・・?ありがとう、魔法使いさん!この指輪で、貴方のようなカッコいい魔法使いになれるよう頑張るね!」
- リリカ「・・・・・・ねぇ、ミケ。あの指輪で魔法、使えると思う?」
- ミケ「・・・無理だな。聖霊石の原石の砕かれた欠片で作った指輪など、大した力も残っておるまい。まぁ、ただの飾りのようなものだ。全く、あんなオモチャに浮かれおって・・・」
- ナレーション「こうして、次元の歪みを発端とする不可思議な事件は解決し、ドレクスラー機関の日本沈没作戦も阻止された。人々を絶望から救うため、指輪の魔法使い・仮面ライダーウィザードはまた世界の旅を続けるのであった。」