シーン3

Last-modified: 2008-05-02 (金) 23:59:06

【本番まで残り 52日】PM12:30


ある日の昼休み。
視聴覚室で録音作業が行われていた。
本番用のナレーションと神様の声の録音である。
録音する為に集まったのは、ナレーション担当の釈迦如来と神様の声担当の桜井、そして部長の湊と音響担当の能登川だ。

湊「準備はいい?」
能登川「OKです」
釈迦如来「うわ~緊張してきた」
湊「練習通りにやれば大丈夫だよ。失敗しても録り直しできるし。間だけは注意して、合図するから」
釈迦如来「はい。頑張ります」
桜井「力抜いていけ」

そうして録音が始まった。

釈迦如来「どこからか声が聞こえて来るようです。子が丑の背を押して歩いて来るところ…………」

録音は順調に進んでいると思い始めた頃、視聴覚室の扉が開き誰かが入ってきた。

天馬「……ナレーション、外に全部流れていますよ……」

入って来たのは演劇部の天馬だった。台本を手にしているところをみると、練習でもしていたのだろう。
既に録音は中断していたが、中にいた4人は状況が掴めていなかった。

天馬「ナレーションの声が外に漏れていますよ。外部スピーカーのスイッチ、入っているんじゃないですか?」

慌てず、マイペースで状況を告げる。
そこで初めて4人は慌ててしまう。その様子もしっかり流れていることに気付かずに。

桜井「マジか!?」
湊「えっ、ちょっと待ってーってこれも流れてるのか?切って切って!!」
能登川「はっ、はい」

急いでマイクのみならずスピーカーやや関係機器をオフにする。
でも廊下では爆笑されているようだ。

釈迦如来「えぇ…全部?まいったなぁ…」
桜井「まぁまぁ。名前は言ってないから大丈夫だろ」
湊「気づいてくれてありがと」
天馬「いえ……別に……。聞き覚えのある声だったので」
湊「僕も焦った……どうする?こんな騒ぎになったし、残りは明日にしようか」
桜井「そうだな」
湊「白雪先生にもう1日部屋借りるって言わないとな」

次の日、録音は無事に終了した。


【本番まで残り 48日】PM4:00


いつもは静かな講堂に演劇部部員が集まっていた。
今日から本格的な立ち稽古が始まるのだ。
と言っても、あるのは簡単な小道具と借りてきた荷車だけで、衣装もセットもないままの練習になる。
全編をチェックするためにビデオカメラをセットする。

湊「まずは【寅は丑から手紙の内容を聞きました】まで通すよ。出番ない人はセリフと立ち位置のチェックをお願いします」


・舞台を観る(D)
・舞台下を観る(E)

(個人分岐・舞台から)
辰編&酉編
子編
丑編
申&午編
・寅編
(個人分岐・舞台下から)
巳編
亥編
卯&未編
裏方編