T-90A MBT
車両性能
AB | RB | SB | |
Battle Rating | 14.3 | ||
---|---|---|---|
Rank | IX | ||
車種 | Main Battle Tank |
AB | RB/SB | |
重量(ton) | 46.5 | |
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エンジン出力(ps) | 1000 | |
2,000rpm | ||
出力重量比(ps/t) | 21.51 | |
最高速度(km/h) | 66 | 53 |
後退速度(km/h) | 4 | |
砲塔旋回速度(°/s) | 41.2 | |
仰俯角(°) | -4/14 | |
車体装甲厚(KE) (前/側/後)(mm) | 600/80/45 | |
車体装甲厚(HEAT) (前/側/後)(mm) | 900/80/45 | |
砲塔装甲厚(KE) (前/側/後)(mm) | 800/80/50 | |
砲塔装甲厚(HEAT) (前/側/後)(mm) | 1100/80/50 | |
再装填時間(sec) | 7.5 | |
砲安定化装置 | 有(two-plane) |
基本武装
武装名称 | 搭載弾薬数 | |
主砲 | 125mm 2A46M L/55 cannon | 43 |
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副武装 | 81mm smoke grenade launcher | 12 |
副武装 | 7.62mm PKT machine gun (coaxial) | 2000 |
副武装 | 12.7mm NSVT machine gun (pintle mounted) | 300 |
弾薬*1
名称 | 弾種 | 貫徹力(mm)@衝突角90° | 初速(m/s) | 砲弾重量(kg) | 爆薬量(g) | |||||
10m | 100m | 500m | 1000m | 1500m | 2000m | |||||
名称 | 砲弾標準化(°)@衝突角30° | 信管感度(mm) | 信管延期距離(m) | 跳弾確率(%) | ||||||
0 | 50 | 100 | ||||||||
3BM60 | APDS-FS | 642 | 640 | 635 | 630 | 620 | 610 | 1750 | 4.4 | N/A |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3BK29M | HEATFS | 700 | 915 | 18 | 2,790 | |||||
9M119M | ATGM | 750 | 350 | 17 | 4,720 | |||||
3OF26 | HE | 47 | 850 | 23 | 5,780 | |||||
3BM60 | +1.5 | N/A | N/A | 12 | 10 | 9 | ||||
3BK29M | +0 | 0.1 | 0.0 | 25 | 18 | 15 | ||||
9M119M | +0 | 0.01 | 0.0 | 25 | 18 | 15 | ||||
3OF26 | +0 | 0.1 | 0.5 | 11 | 10 | 9 |
詳しくは砲弾の頁を参照
解説
ソ連(厳密に言えばロシア連邦)のランクIX主力戦車 1992年に正式採用されたT-90の改良型であり、2017年現在でも未だロシア連邦軍の主力戦車である。
火力
ソ連主力戦車の常として、居住性を犠牲にした代わりに高い砲火力を得ている。主砲の125mm 2A46M砲はAPFSDS弾の威力こそ西側諸国の120mm Rheinmetall L/44砲に劣るものの、HEATFS弾の威力ではこちらの方が勝っている*2。また旧東側滑腔砲の最大の特徴として、ガンランチャーとしての性格も備えているため対戦車ミサイルを射出することが出来る。9M119 レフレークスはミサイルであるため飛翔速度こそかなり遅いものの、HEATFS弾より50mm高い貫徹力を持ち、誘導が可能なため側面や天板に直撃させることが出来るといった利点を持つ。装填速度は自動装填装置を備えているものの西側戦車よりも若干遅い。また砲の可動範囲が狭い(-4°/14°)といった弱点も引き継いでしまっている。
装甲
複合装甲が車体前面及び砲塔前面に採用されており、特に化学エネルギー弾に対して高い防御力を発揮する。砲塔正面はHEAT弾及びKE(Kinetic energy=運動エネルギー)弾に対して高い防御力を持つため、ハルダウンをした際にはトップアタックでもされない限り撃破される事はないだろう*3。車体装甲は上面こそ砲塔正面と同等の防御力を持つが、車体下部がかなり薄いため静止して撃ち合うことは避けた方がいい。側背面及び天板、底面は均質圧延鋼装甲(RHA)で構成されている上非常に薄い装甲厚しか持たないため*4少しでも車体に角度を付けてしまうと側面を射貫されてしまう。側面を晒してしまった場合は言わずもがな、甚大な損害は避けられない(ただし砲塔の側面前部のみ、砲塔正面と同等の装甲を有している)。
無理のある設計をしたために車内にはモジュールが所狭しと配置されており、車体前面を抜かれた際には燃料タンクが、砲塔及び車体中央を抜かれた際には弾薬庫が損傷する恐れがある。搭乗員の少なさ(3人)もこの車輛の脆弱性に拍車を掛けており、装甲を抜かれない立ち回りを心掛けなければならないだろう。
機動力
アンダーパワー気味だった840馬力のV-84MSエンジンから1,000馬力のV-92S2に更新され、20を超す出力重量比を手に入れたものの第3.5世代主力戦車の中では低い部類に入る。最高速度66km/hは十分な値だが加速力は若干低く、出だしでは遅れがちになりやすい。更に後退速度が極端に遅く(-4km/h)、うっかり複数の射線が通る場所に出てしまうと後退する事すらできずに撃破されてしまうだろう。立ち回りには注意を払わなければならない。
総論
ソ連特有の生産コスト及び運用コストに重きを置いた設計の戦車であるため、総合性能では他の第3.5世代主力戦車に劣ってしまっていると言わざるを得ない。この戦車で活躍出来るかは特徴的な主砲、小柄な車体と言った西側諸国の戦車にはない長所を如何に引き出せるかに掛かっているだろう。余談ではあるが実際のT-90Aが搭載している主砲は48口径の125mm 2A46M-1を改良した55口径の125mm 2A46M-5である。しかしゲーム内のAPFSDS弾の初速、貫徹力はどう考えても48口径の125mm 2A46M-1のものであり、性能諸元の項にも主武装は125mm 2A46M(-1)とされている。モデリングを見る限りゲーム内でも砲身長自体は125mm 2A46M-5なのだが...
125mm 2A46M-1 L/48...APFSDS弾の初速1750m/s、距離2000mで600mm厚のRHAを貫徹可能
125mm 2A46M-5 L/55...APFSDS弾の初速1800m/s、距離2000mで700mm厚のRHAを貫徹可能
120mm Rh120 L/44...APFSDS弾の初速1670m/s、距離2000mで650mm厚のRHAを貫徹可能
120mm Rh120 L/55...APFSDS弾の初速1750m/s、距離2000mで810mm厚のRHAを貫徹可能
装甲貫徹力がRh120に劣っているのは弾芯重量の差によるもの
史実
2000年代に入るとロシア経済の回復や「強いロシア」をスローガンに掲げるプーチン政権の登場により、ロシアは軍備の再建に本格的に乗り出すようになった。
そして1996年に一旦停止されたT-90戦車の調達が、2004年から再開される運びとなった。
この時生産が始められたのは以前のT-90戦車ではなく、T-90S戦車をベースに更なる改良を加えたT-90A戦車(オブイェークト188A)と呼ばれるタイプである。
T-90A戦車は、T-90S戦車に採用されたものより防御力を強化したフルスペックの「ウラジーミル」砲塔を搭載しており、戦闘重量が48tに増加している。
エンジンについてはT-90S戦車と同じV-92-S2ディーゼル・エンジンを搭載しているため、路上最大速度は60km/hとやや低下している。
ただしT-90A戦車の出力/重量比は21.5hp/tと、T-90戦車の18.1hp/tに比べれば向上している。
主砲は新開発の55口径125mm滑腔砲2A46M5が搭載されており、3BM42 APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)を使用した場合砲口初速1,700m/秒、射距離2,000mで600mm厚のRHA(傾斜角60度)を貫徹可能とされている。
T-90A戦車は複合装甲の防御力についても強化が図られており、「コンタークト5」ERAとの相乗効果によってKE弾に対して砲塔前半部で800~830mm、車体前面上部で830mm厚のRHAに相当する防御力を備えているといわれる。
このようにT-90A戦車は初期のT-90戦車に比べて大幅に性能を向上させているが、旧式なT-72戦車の基本設計を受け継いでいるためこれ以上の性能向上はあまり期待できず、ロシア軍首脳部の評価も芳しくない。
ロシア陸軍のポストニコフ総司令官は2011年3月にT-90A戦車を指して「時代遅れの戦車」、「T-72戦車の17番目の改良型に過ぎない」、「中国軍の最新MBTにすら遅れをとっている」と酷評している。
このためT-90A戦車は最大で約60両/年という遅いペースでしか調達されず、2011年までに約380両が生産された時点で調達が打ち切られてしまった。
現在、ロシア軍はT-90戦車シリーズの後継となる新型MBT T-14「アルマータ」の開発を進めており、T-90戦車シリーズの調達はこれ以上行わず、2015年以降にT-14戦車へ調達を切り替えていく方針のようである。
出典:戦車研究室