第30話「パルー遺跡」

Last-modified: 2011-08-28 (日) 22:57:22

クルクレ戦線は、膠着状態となっていた。

ジャイアント軍はヘルバ南部の砦に篭り、

エルフは追撃を避け、"山の模様"の西側でジャイアント軍との睨み合いを続けていた。

むー「ふぅ・・・」

砦の屋上で、むーは見張りをしていた。

むー「ったく・・・いつまでこの状態が続くのやら・・・」

カルペンが負傷し、かわりの指揮官が配備されるまで待機せよ、というのが本営の命令だった。

カイエ「こんなんじゃ不安で夜もぐっすり寝られないぜ・・・」


一方、山の模様西部、エルフ軍駐屯地。

ルーデル「くそ・・・いつになったら動くんだよ!」

むと「焦っても仕方ないわ。ここはじっと待ちましょう。」

ここに布陣を張るエルフ軍も、苛立っていた。

先日の戦いでは勝利したが、本営は追撃命令を出さなかったからだ。

その理由は先日のフィリア襲撃にある。再びの襲撃の可能性に備えているからである。

そんなこんなで、2つの軍はじりじりと、睨み合っていた。


そして、ピシス雪原を進むアグアド一行は、バレス東部に差し掛かった。

yasuhiro「ここはジャイアントの村のすぐ傍です。これを着ていきましょう。」

それは、真っ白なローブだった。

アグアド「なるほど。カモフラージュね。」

それを着用し、白いマスクをつける。

志菜「お互いの姿も見えづらいわね・・・しっかり後ろについて、逸れない様にね。」

じりじりと移動し、パルー遺跡を目指す。

道中数人のジャイアントの姿を見かけたが、気づかれることも無く、無事に遺跡へ到達した。

ルーァ「やっと着いたか・・・美しい場所だな。」

パルー遺跡は全体が氷に覆われており、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

べラム「さ・・・行ってみよう。」

アグアド「足元気をつけろよ・・・・」

遺跡は内部も氷に覆われ、足元も滑る。

出現する魔物はどれも氷の動物だったり、雪男のようなものだった。

アグアド「夏にきたら涼しいだろうな~・・・」

志菜「木戸町が夏でもここは冬だし・・・寒いと思うよ?」

アグアド「う・・・そうか・・・ってお!ペンギン!」

目の前をペンギンが、つぃ~っと滑っていった。

アグアド「お、待て待て・・・ってうわあああぁぁぁ!」

走った瞬間足を滑らせ、氷水の中にダイブ。

・・・しそうになったが、間一髪、風を使い宙に浮く。

志菜「アンタが足元気をつけろって言ったばっかじゃないの!」

yasuhiro「アグアド君には、もう少し注意力が必要ですね。」

べラム「ほらほら、ちゃんと気をつけなきゃだよ?」

アグアド「さーせん・・・」

やがて、大扉の前にたどり着く。

ルーァ「さて・・・今回はどんな奴だ・・・?」

扉を開け、中へ。

床は一面氷で覆われており、下部の方にロンガ遺跡の様な闘技場が見える。

天井には太いつららが無数に出来ており、今にも落ちてきそうだ。

その部屋の中心に、毛むくじゃらの雪男がいた。

その肩には、人間の少女のようにも見える、青白い肌の魔物が座っている。

魔女「・・・侵入者か。私は"鏡の魔女"。こいつはウェンディゴだ。」

透き通ったような冷たい声が響く。

アグアド「あ、どうもご丁寧に。アグアドっす。」

魔女「貴様らも鏡を狙いに来たクチか?生憎だが、誰にも鏡は渡さない。」

冷たく言い放つと、立ち上がった。

同時に、周囲の氷の塊が弾け飛び、中から鏡が姿を現す。

魔女「貴様らもこの氷の牢獄で永遠に我が下僕となるがいい!」

yasuhiro「さて・・・いきますか。」

アグアド「上等だ・・・その体が融けていくのが楽しみだぜ。」