『ボヘミアン・アイカツ魚のマイキャラ創作物2』

Last-modified: 2015-09-02 (水) 18:08:28

「休日のふたり」


ある休日の日。桜街玉枝は駅前で"友人"を待っていた。
「時間は…10時か。そろそろ来るかな…」
駅の構内にある時計に、ちらちらと落ち着かない様子で視線を向けながらその場に立ち尽くしていた。
今日は二人の休日が偶然重なった日だった。予てから、機会があれば二人でどこか遊びにいこうかと
予定を立てていた大事な日なのである。あまり大々的にはしゃぐ様子を見せない玉枝も、今日ばかりは
はたから見てとても分かりやすいぐらいに落ち着きが無い。腕を組みかえたり、コツコツと足音を立てその場を踏み締めたり。
「おぉ~い!待たせたネ~」
数分後、改札を抜けて大きく手を振りながら彼女はやって来た。
ジェニー・イーグル…桜街玉枝とは、奇妙な縁で繋がっているアイドルの友人だ。
満開の笑顔で現れた彼女を見て、玉枝はふっと柔らかい笑みを浮かべ待ちきれないと言わんばかりに自らも歩み寄っていく。
「2分遅刻だぞ」
「電車がちょっと遅れてたネ。ごめんネ?」
「まぁ良いけどさ」
ごく自然と手を繋ぐ二人。高揚感を抑えきれないといった様子で先導していくジェニーの足取りを追う玉枝の歩みもまた早くなっていく。
「たまえちゃんとお出掛けなんてワクワクして眠れなかったのネ~、フフッ!」
「オイオイ…子供じゃねーんだからしっかり寝ろよなぁ?」
他愛無い話の種には尽きず、二人は談笑しながら目的地へと向かっていくのであった。

 

「今の子、スターライトの…ジェニーちゃん!?」
「隣にはドリームアカデミーのたまえちゃんもいたよね?」
「やっぱり仲良しなんすねぇ~」

当然、目立っていたのか構内では別のざわめきがあったとさ。

 

―――――

 

「いやぁ~それにしてもデカいショッピングモールだな…昔ここで仕事をした事があるが、遊びに来るとは思わなかったぜ」
「ワァ~オ…色んなショップが沢山あるネ~!小さいけど、映画館もあるんだネ」
「おう。色々遊べそうな感じだな」
目的地のモールに着いた二人は早速中を見て回っていた。
特に目当ての店や物がある訳でもなかったが、二人にとって一緒にいる時間こそがとても有意義なものであった。
時折、興味の湧いた専門店に入ってはちょっとした買い物をしたり。
「あ、見て見て~!ペアでセットのアロハシャツ!」
「最近暑いしなぁ…こういう涼しげな格好も良いな」
「買って二人でお揃いにするネ~♪」
「ま…まぁ良いけどよ」
ジェニーが選んだのは、和柄がモチーフのカラフルなアロハシャツのペアだった。
少々気恥ずかしいものの、玉枝はジェニーの提案を受け入れお揃いのシャツを手に入れる事となった。
「ンフフ~♪」
「随分ご機嫌だなぁ、オイ」
「フレンドとお揃いなんて、とっても幸せネ♪」
「本当、お前ってばストレートだなぁ」
嬉しさと楽しさの混じる笑顔を絶やさないジェニーの様子に、玉枝は苦笑を浮かべながらも頷く。
好意を直球的に向けてくるジェニーに対して、玉枝も素直にその好意を受け取るのだった。
「よし!昼ご飯食べたら、今度は映画でも見るか!」
「オッケー!お昼ご飯はロコモコか、ハムカツなのネ~!」
「ははは…その二つがあったらな…」

 

―――――

 

「ジェニーはどの映画見たい?」
「ンー……面白そうな映画ばっかりで悩むネ」
「まぁそうだよな…特にマークもしてなかったし」
モール内に設けられた小さな映画館にやって来た二人。
上映されているタイトル一覧を眺めながら、どうしてものかと相談しあっている。
「『月の砂漠の幻想曲 特別版』…面白そうネ」
「『おしゃれ探検隊 クールエンジェルスR』…これも面白そうネ~」
「なら両方見るか」
「なるほど、その手があったネ!」
時間にまだまだ余裕はある。二人は顔を見合わせ頷くと、早速1本目の映画を鑑賞するのであった。

「…あれ?これ、ゆうみちゃんだネ」
「そう言えば『風沢先輩と映画に出たんだよ~』って前に言ってたな。余り気にしてなかったが…」
「すごい偶然だネ…」

 

「ワァオー!くにこちゃんが出てるネ~!!」
「メインビジュアルでもいただろうが!!」
「映画だとまた一段と格好良いネ~…」
「…い、いいから映画に集中しろ!」

―――――

 

一通り映画を楽しんだ後は、既に夕方。そろそろお別れの時間が近づいて来た様だ。
「ショッピングに映画…何だかデートみたいだったネ?」
「ば、馬鹿ッ!変な事言うんじゃねーよ!」
「ンフフ、たまえちゃん顔が赤いネ~!」
「う…うるせーなー!!」
帰路を二人並び歩く。勿論、手を繋いで。
二人の手には紙袋に入ったお揃いのアロハシャツも握られている。
「今日は楽しかったネ~?」
「当たり前だろ?友達と一緒にいられた時間だ。…楽しいに決まってるさ」
「また大事な思い出がひとつ増えたネ。ありがとう、たまえちゃん」
お互いに手を握り合う力が少し強まる。
「ああ…アタシも楽しかったよ。久し振りに馬鹿騒ぎしたって感じだ」
「また今度…また一緒に遊ぼうネ!」
「言われなくても、そのつもりさ。次は遊園地なんてどうだ?」
遊園地、という単語にジェニーは露骨に反応を示す。
まるでこれから向かうかの如く…
「!! …行く!絶対行きたいネ~!!」
「はっはっは!今度は他の奴も誘って行くか~!」
「フレンドいっぱいでもっと楽しくなるネ~♪」

別れを前にしても二人の笑顔は曇る事が無かった。
再び相見える約束を交わすと二人はそれぞれの居場所へ帰っていく。
次の機会が楽しみだ、と呟きを漏らしたのは二人共だった。

 

~おわり~