キヴォトスの怪談を考えましょうよぉ?

Last-modified: 2024-04-20 (土) 18:22:18
 
 

え!?手前動くんですか!?

 
 

ここは手前、箭吹シュ「」が百鬼夜行を超えキヴォトス中を恐怖に陥れる稀代の怪談家になるため腕を磨くべく、キヴォトスの様々を怪談にしていくページですよぉ
手前の「風流」、存分に楽しんでいってくださいねぇ?

 
 
 

おはなし

記録

 
その日は『廃墟』に向かいました
最初は反対しましたが、あの子たちが行くって言って聞かないので仕方なくついて行ったんです
それに、アリスちゃんが見つかった場所だったし、自分でも確認したいなって……
それで向かった矢先、モモイが急に「あっち面白そう!」って走って行っちゃったんです
危ないから1人で飛び出して行くなってあんなに言ったのに……
行った先は、何かショッピングモールの跡だったような建物でした
でも中はがらんどうで
空間の使い方とか、通路と部屋の配置からかろうじて推測してそう考えられる程度
内装も無くてコンクリートが剥き出しになってるだけで、看板とか、旗とか、案内板とか、そういうものの残骸も一切無くて
あるものといえば、シンと止まった空気と、冷たいコンクリートの薄暗さだけ
でもモモイは「ダンジョンみたい!」って臆せずズンズン進んでいって
アリスちゃんも「ここは迷路ですね!」ってさらに上に奥に行っちゃって
そしてあの子たちと進んだ先、
他の店舗より広めの部屋に、細長い通路へ繋がる出入り口がポツンとあって
あぁ、ここ映画館だったんだなって
そのまま先へ先へと探索してたら、ミドリがなんか見つけたって言ってきて
ここまで物1つ無かった建物に、唯一残っていたのがその映写機で
しかもどういう訳かモモイがいじってたら動かせちゃって
……そうね、特異現象捜査部の報告書を思い出せればよかったのに
こんなとこで動くはずが無いって自販機が動いていた話
フィルムも無い映写機が映したのは数秒、まるで思い出をSNSに残すような、たわいない動画で
どこかの、なんでもない生徒が、静かに佇んでるだけの映像がスクリーンに映し出されて
 
ただ、最後の1秒だけ、ヘイローが崩れて半分しかなかったんです
 
その後、先生は、今の
(以下、慟哭により記録不可能)

証言者:早瀬ユウカ
記録者:生塩ノア
備考:以前の証言との矛盾点は無し
   新規の情報も無し

勾留7日目
84回目の証言記録

 

ネタ元:怪談の「首が無かった」みたいなオチもヘイローとか使ったりするのかな

放課後スイーツ部の晩夏

 
「諸君、冒険が、足りないのではないかな?」
また始まった、ナツのトラブルメイキング
ちょっとでも調子に乗せたら絶対ロクなことにならない
「却下、今日はのんびりするの」
そう私は言いつつも、ナツは聞く耳を持ってない
「拳銃回しはやったことあるかな?」
「へぇ、あれやろうって?なんならスイーツ賭けてやる?」
ゲームの話題とあってヨシミは面白そうに話に乗り始めた、まずい……
拳銃回しは爆弾回しのローカル版らしく、威力の弱い弾丸を一発だけ込めた拳銃を使うらしい
お題を決めて、5秒以内にお題に沿った言葉を言って次に回す
言えなかったり被った答えをしたら手首に向かって引き金を引く(しっぺをする)のを繰り返して、自分の番で発砲したら負けのゲームだ
時限式の手榴弾でやるのが有名だけど、拳銃バージョンもあるとは聞いてた
スケバンの間でも度胸試しでやってる連中がいたっけ……
しかしヨシミの獰猛な視線に当てられたナツは、懐から回転式拳銃を出すも、わかってないなぁという顔をしていた
「ノンノン、そんな野蛮な遊びじゃないよ」
ちぇっとでも言いたげなヨシミと、ちょっと安心した表情のアイリ
確かにアイリはこういうタイプの遊びは苦手そうだ
「じゃぁ何やるってのよ!」
ムキになったヨシミが火に油を注いだ、バカ……
「これからやるのはそう、運を天に任せるスイーツ探訪……ずばり『拳銃さんのいう通り』!」
「……えーっと、棒倒しみたいなのってこと?ナツちゃん?」
「その通り!!分かれ道の度に弾の出た方に進んでスイーツに辿り着く冒険の旅!偶然が生むロマン!」
ものすごいドヤ顔のナツ、腹たつ
そして残る2人のまんざらでもない表情を見るに、ここで折らないと平穏が遠のきそうだ
「つまり行き当たりばったりでお店発掘ってこと?……私はパスで」
「そんな……即却下なんて……ぐすっ、うっうぅ……」
「え、えっと……ナツちゃん?私は面白そうだなって……」
「アイリ、いつもの嘘泣きだから同情しない!でも面白そうなのは確かね……」
3対1、これはもう連れ出される流れだ……

 

カチャ、カチッ、カチッ、パン!、進む
カチャ、カチッ、カチッ、カチッ、パン!、進む
カチャ、カチッ、パン!、進む

何回繰り返しただろうか、淡い期待とは裏腹に、かなりの距離を歩かされた
しかもお店のなさそうな住宅街
そこからさらに外れようとしている

カチャ、パン!、進む
カチャ、カチッ、カチッ、パン!、進む
カチャ、カチッ、パン!、進む

と、ナツが止まる
「拳銃さんはここを示したようだね……うーん……」
そこは少し古びた外観の一軒家、明らかに廃墟だった
「え”?ここ~?」
「ふむ、もしかするとこの中に伝説のパティシエが眠っていたり……」
「しないでしょどう見ても!」
すかさずヨシミがツッコむ
「貸して!私が次決めるから!」
そういってナツの手から銃と弾を取ると、ヨシミが撃ち始めた

カチャ、カチッ、カチッ、パン!、右
カチャ、カチッ、パン!、右
カチャ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、パン!、右

「……ナツ、これ仕込んでないでしょうね!?」
何度やっても、始める方向を変えても、拳銃は廃墟を指し示した

カチャ、カチッ、カチッ、カチッ、パン!、こっちへ
カチャ、カチッ、パン!、おいで
カチャ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、パン!、そう言うかのように

「何よこれ……てかこの銃ちょっと古くない?どこで手に入れたのよ!」
「ん~?拾った」
拾ったってなんだ
とはいえ、勘が明らかに面倒な事態の訪れを告げてる
「もう十分でしょナツ、帰ろ」
少しドスを効かせて回れ右させようとするも
「あれ~?カズサちゃん、ビビってるんでちゅか~?」
「そんなわけないじゃん、ただ面倒なことに巻き込まれたくないだけ」
「ソンナワケナイジャン、タダメンドウナコトニマキコマレタクナイダケ~?」
こっの、ヨシミ……!
「ま、まぁまぁ、カズサちゃんもヨシミちゃんも落ち着いて?ナツちゃんも不法侵入なんて……ナツちゃん!?」
私たちに構わず、いつの間にかナツはズンズンと入っていた
ガチャっと、ドアノブをひねる音
「鍵が開いてるということは……探検のロマンからの誘いだよ」
「どう考えても危険か犯罪への誘いでしょ」
突き進むナツを放っておけず私たちは入っていった

 

ギシ、ギシ、と床を軋ませながら進んでいく
ミラクル5000のパティシエが攫われてたこともあるし、もしや、とも思っていたけど
静かな空間に響くのは、私たちの進む音と息遣いだけだった
「ふむ……昔の駄菓子屋というわけでもなく、調理器具もない……」
「そりゃ外観でも分かってたことでしょ!」
ナツとヨシミの漫才を横目に、正直帰りたいという雰囲気を全身から出しながらついて行ってると
不意に、背後に気配を感じた
ふっ と、振り返っても誰もいな……
いや、いた
廊下の角、ゆらりと向こうに消える黒髪が見え……た、はずだ。
分からないが、警戒はしておくべき状況かもしれない
「ヨシミ、ちょっと」
「ありゃカズサちゃん、相変わらず怖がりでちゅか?」
銃口を向けたい気持ちを堪え、2人に、特にアイリに聞こえないよう囁く
「背後、誰かいた、髪の感じだと170cm弱ぐらいの」
「はぁ?ビビって見間違えたんじゃないの?足音もなかったわよ」
「いや、確実に見た」
「はぁ……マジでなの?」
「ひとまず気をつけておいて」
念を押すようにそう言い終わる前に、先に進んでいた2人の、短い叫びが聞こえた

 

「ちょっと!驚かさない……で……」
2人を追って部屋に入ると、そこには火の玉のような何かがふよふよと浮いていた
「ナツちゃん!これ……!」
「うん……なんだろね?」
唖然とする私たちを前に、白いもやのようなそれは、ぐにゃぐにゃと形を変えて浮いている
ケーキ、アイス、パイ、マカロン、パフェ、クッキー……
そんなふうに見えては崩れて、まるで私たちを誘うように
不気味でこそあるが、よく分からないからとりあえず撃とうと銃を構えると

ブワっ

急に大きくなったかと思うと、「それ」は形を変えた
うぞうぞと空中を漂い形を成して……
「「「「せ、先生!?」」」」
宙に浮いているそれは明らかに先生の姿をとっていた
眠っているような表情で、そこに浮いている
嫌なイメージで見えてしまう
まるで、首を吊ったまま宙吊りになっているような……
「これ……どういうこと……?」
アイリの顔は青ざめ、ひどく震えた声が漏れ出ていた
私もヨシミも、そしてナツでさえ表情が恐怖で引きつっていた
ここでコイツを撃つことはきっと造作もない、でも先生に何かあったら……
あるいは、あの先生でさえこいつに……
逡巡してる隙をついて、「それ」は動いた
いや、「それ」の下の空間が、ぐぱぁっと、口を開けた
「ひっ、いやぁぁぁぁ……!」
突然現れた真っ黒な裂け目、その中で蠢く何か
いよいよアイリの恐怖が限界を迎え、完全に腰を抜かしていた
まずいっ!
体が動く、アイリが齧られるなんて許せない
咄嗟に前に飛び出そうとして

 

「何を企んでますか杏山カズサぁ!!!!!!!!」
バリィン!!!と窓を突き破り開口一発、派手に発砲しながらバカが乗り込んできた
「ちょっ、宇沢!?なんで!」
「いくら改心したと聞いても!!こんな廃墟でコソコソしてるなんて!!絶対何か良からぬことを考えてうわああああ!?!?」
そういうと「それ」が目に入ったのか宇沢の目がまん丸になって……
「……私?」
気がつくと、白いそれは私の姿になっていた
一瞬びっくりしたけど
……なるほど、ビビってた私たちは心のどこかで先生に頼りたくなっていて
そしてここにいる単純バカは、今頭の中に目の前の(ライバル)しかないと
「それ」が何かは分からないが、相手に合わせた擬似餌を出すチョウチンアンコウみたいなものなのだ、多分
私の姿をした「それ」相手だったら、もはや迷いは生まれなかった
怒りと鬱憤に任せて愛銃のマシンガンを容赦なくぶっ放す
当たっているのかよく分からなかったが、少なくとも動きは止まっていた
「今!!いくよ!!」
私はアイリを、ヨシミには宇沢を連れさせ、いつものようにナツの盾を殿にしつつ元来た道を戻る
なんとか急いで玄関を出ると同時に、中から女の低く大きな声が響いた
それに気圧された私たちは恐怖のあまり逃げ帰った
結局、何もかもなんだったのか分からないまま……

 

ネタ元:銃を使ったコックリさんみたいなのありそう

梅花園お泊まり会

 
あれは梅花園のお泊まり会の日のことでした
お風呂の時間とお夕飯の時間を終え、夜寝る前のレクリエーションの時間になりました
あいにくシュン姉さんが玄龍門の会議に呼ばれたらしく、その時は私とお手伝いに来てくれた同級生や先輩方と子どもたちの面倒を見ていました

レクリエーションは園内を使った探検ゲームです
向かい合う2部屋を使い、明かりをつけた部屋ではなぞなぞと工作を、明かりを消した部屋では宝探しとプラネタリウムをします
なぞなぞで工作に使う材料を突き止め、宝探しでそれを用意し、工作で紙コップを切って、最後にみんなで紙コップのプラネタリウムを作るという、2部屋を往復して行うゲームをシュン姉さんと考えました
教官やお手伝いの生徒と監督する部屋を分担していて、私は工作の部屋担当でした
ハサミを使うのでケガの無いよう教官が見ないといけませんからね!

はしゃぐみんなを落ち着かせて、ゲーム開始です
はじめは班を分けてなぞなぞを開始、はやく解けた班から順番で暗室の宝探しへ向かいます
はじめの班の出発を見届けて、私は工作の用意をしていました
普段は見ない、暗い園のお部屋だからか、キャっと叫んだり、元気よく発砲してる音も聞こえます
さすがに手榴弾の音が聞こえた時には怒りに行きました

その後、あらかたの園児たちが工作の部屋に来ました
はじめは黙々と作業していたみんなでしたが、人が来るにつれ雰囲気が変わってきました
「みた?」「みた」「やっぱり?」
班が次々到着するにつれ、不穏なこしょこしょ話が漏れ聞こえます
「いたよね」「こわかった」「だれかな」「わかんない」
きっと宝探しの部屋で、お手伝いにきてくれた同級生が怖がらせでもしたんでしょう
そう思っていると、お向かいの部屋の明かりがつきました
最後の班が出て、向こうも一旦お片づけのようです

と、向こうの部屋を担当していた同級生の子が、少し青ざめた表情でこちらに来ました
園児の撃った弾の当たりどころが悪かったのかと、心配になって駆け寄ると
「ちょっと来て」
と向こうの部屋へ引っ張られました
扉を開けて中に入った瞬間、背筋が凍ったのを覚えています
さっきまでは暗かったから気づかなかった
子どもたちはきっと、はしゃいでたわけでも、監督してた子の誰かが驚かせたわけでもない


弾痕や爆発跡がすべて、壁の隅、ある箇所に集中していました
まるで、誰かがそこにへばりついていたかのように


きっと一人前の教官は泣かない、その一心で冷静に振る舞って、なんとか平静を保ちました
あそこで私が怖がったら、きっと収拾がつかなくなるから
でも急いでシュン姉さんを呼び戻して、その日は明るい部屋でみんなを寝かせて過ごしました

後日、シャーレ伝いで百鬼夜行の陰陽部の方にお祓いを頼みましたが、あの日そこに何がいたのか、その話はみんな口をつぐんでいます

 

ネタ元:オリジナル・集団ヒステリーと弾痕

ぺろぺろ

インターネットに出回る画像の一つ
黒背景に白く細いものがのたうっているように見えるノイズまみれの画像

深夜にトリニティのローカル局にて突如放送された、アニメ「モモフレンズ」シリーズの幻の回のものと言われている
タイトルは「禁断の実験!合体するペロロ様とウェーブキャットさん!」であったとされる
内容はタイトル通りペロロとウェーブキャットが合体させられるという物だったが、当該シーンがあまりに衝撃的であったために視聴していたという大半の人が体調不良を訴え視聴をやめたと証言している
また、一緒にいた友人によって最後まで見ていたことが確認されているされるモモフレンズファンは直後から記憶障害を起こし、番組の内容を覚えていないという
しかしながら、肝心の番組そのものが放映された記録はなく、放送したトリニティローカル局内にも一切データは無かったそう
アニメ製作陣も該当する話は作っておらず、そのような話はプロットすら存在しないと公言している
少なくない人数のモモフレンズファンが録画をしたにも関わらず、番組を録画できた人は一人もいなかったとされる
そもそも録画されていなかった、録画データがなくなっていたという人の多い中、映像は壊れていたが録画はされていたという人の映像データを修復して取り出せたのが件の画像だと言われている
録画時間を見るにその画像は番組の終盤のものだったとされているが、この話の真偽はわかっていない
ただし、記憶障害を起こした視聴者が見た瞬間に一時的に発狂したことで全くの無関係な画像ではないことだけは分かっているとされる

ペロロ絡みであり、白く細い何かがまるで長い舌のようにも見えることから「ぺろぺろ」と呼ばれ、「はっきり見えたら発狂する画像」というレッテルと共に拡散された
しかしながら、いつからかインターネット上から悉く画像は消えていた

 

ネタ元:トリニティ七不思議「ぺろぺろ」

 


『おてすと…』

 
ここにおはなし本文がきます
こんなふうに
 
ネタ元:『おせいそ…×テスト』



『444位の傭兵団』

 
これは私がクロノススクールで先生をしていた頃に、ある生徒から聞いた話である。

今では頻繁に行われている戦術対抗戦、昔は実銃や対キヴォトス人向けの兵器を扱う部隊も存在し、生傷も絶えず危険視されていた。

実際に殺傷力の無い競技用の銃に変わったのは、それでこそエデン条約前後の話だそうだ。

さて、ここからが本題だが、その生徒が体験した話と言うのは、
『444位の部隊に会うと災いが降りかかる』
と言う都市伝説である。

…その生徒、仮にAだとしよう、Aはいつものように戦術対抗戦で出たゴミや遮蔽物の残骸等を片付けるべく競技に使われた古い洋館に足を踏み入れた。

必死に掃除をしている内にすっかり時刻は5時を回っていた。
Aはカギを掛けて洋館から立ち去ろうとした。

…しかし、扉は開かなかった。 
…おかしい、カギは自分しか持って無かったし、ここに来たのは『私』だけだった筈だ。

Aは何処かの窓か中庭から抜けて行こう。そう考えたのだった。
…この洋館はかつてワイルドハント芸術学院の旧寮だ、どこかに必ず抜け道はあるだろう。そう願った。

…時刻は6時。暗くなり天窓にはめ込まれたステンドグラスから月の光が差し込んでいた。

Aは美術資料室から出ようと扉に手をかけた時だった。

『ガチャン…ズルル…』 遠くから金属を引きずるような音が聞こえた。
Aは怯えて逃げようとするも、身体が強張って動かない…

引きずる異様な音は近づいてきて、Aの近くで音は止んだ…

音の正体は黒い影で覆われており確認できない…

Aが恐怖で声を潜めた瞬間、月明かりに照らされて『それ』
は姿を現した。

…ヒトだ。しかしただのヒトでは無かった。姿は獣人の様で、それぞれがオオカミ、リス、イヌ等の姿を取っていた。 異様なのはそれだけでは無い。 その誰もが体中を負傷して、血を流している…

オオカミの獣人の首には、ズタズタになった教師のICカードが掛かっていた…名前は掠れているが、学校のマークだけは分かった… かつてのワイルドハント芸術学院のマークだったのだ。

それを確認した直後、オオカミの獣人は血を流しながら口を開き
『…………………エ…』と答えた。

Aは何を言っているのだろうと怯えながらも聞き耳を立てた。

『………………エ………セ……』

少しずつ言葉が聞き取れるようになる。
すると、オオカミの獣人は左腕に持った何かをこちらに向ける。

……それは血で赤く錆び付いたクロスボウであった。
今のキヴォトスでは見られない、異型の武器である。

獣人は、それをAに向けると
『……エ………セ………』
『カ………エ………セ…………』

と、装填した矢を打ち込んできた。

血で錆びていたせいか、放たれた矢は思うように飛ばず、Aのそばの壁に当たり、乾いた音を立てて落ちた。

それと同時に
『………アァアァアァアァアァアァアァアァアaaaAaA!!!!』
 
と怒号とも叫びとも付かない叫びを上げ、獣人はクロスボウを床に叩き付けた。

…それと同時にAは恐ろしさで失神し、気が付いたら保健室にいたそうだ。
何でも、朝に学園の前で倒れていたそうだ。

…その後の話によると、ヴァルキューレの生徒達により試合会場となった旧寮を調べた所、資料室に遺体があったそうだ。 手元にあった遺書には、かつて戦術対抗戦の模倣試合で自分の生徒達が亡くなった事を棚に上げて、平然と戦術対抗戦を行っていた事に対する強い怨みが書かれていて、それは壮絶な死に様だったのだそうだ。

…Aはそれ以来、戦術対抗戦の委員を辞め、私と共にクロノスを離れる事にした。

…それにしてもAが見たのは、件の444位の傭兵団なのだろうか…
…何故クロノスは、その事件を隠蔽してまで、戦術対抗戦を行わなくてはならなかったのか…
…好奇心が人を殺すとはよく聞くが、怨みが人を殺しそうになるとは、中々に皮肉なものである…
 
ネタ元:『クロノス七不思議·444位の傭兵団』




もしページを直接編集できないけどぉ、おはなしは追加したい!って手前はぁ、↓↓↓のテンプレを全てコピペして使って上のフォームにて追加下さいねぇ。
書き換えるのは日本語の部分のみですぅ! カッコなどはそのままでお願いしますねぇ。

#fold(『ここにタイトルを記入』){{
 
ここにおはなし本文をどうぞ
 
ネタ元:『ここにネタ元・発想の書き込み』
}}
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