| エビス分校付近の小さな駅 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| うう……さぶっ!大して離れてないのに、こんな冷えるのか!? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……だから着込めって言ったでしょ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 北側からの寒気が、この地域の山脈にぶつかって雪を降らせてるの。この北部自治区は「山を境に季節が変わる」って言われてるくらいだよ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| とある本では、国境の長いトンネルを抜けると―― |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 雪国ですわーっ! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| こんな美しい景色、初めて見ましたの! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 先生先生!ほら、あそこですの!愛らしいイタチが元気に雪の中を走り回って……! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……鼻水出てる。ほら、ハンカチ。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ふ、不覚でひゅの!ありがとうございますの! |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……綺麗な町だね。大雪原の近くに、こんなところがあったなんて。 |
| [s] "前来た時は、ここを通らなかったの?" |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| あの時はアヤメを探すことに必死で、ひたすら北を目指してたから。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……駅を経由した方が、早く着いてたかな。 |
| [s1] "雪山を徒歩で越えるなんて……すごい。"[s2] "でも、危ないからもうやめようね。" |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| うん、気をつける。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| で、幻魎百物語はどこにいるんだよ?日暮れまで待つのか? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| たしか、ニヤ部長はエビス分校から迎えが来るって言ってたよね。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| こっちは時間通りに着いたし、そろそろ……。 |
| ??? |
| 百花繚乱紛争調停委員会の皆さん、ですか? |
| ??? |
| 初めまして、お待ちしていました。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| あなたがエビス分校の……? |
| アザミ |
| ええ。エビス分校の自治委員会会長――土生アザミと申します。 |
| アザミ |
| 会長といっても、他の生徒は皆、出ていってしまったのですが。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 大変そうだな……。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| たったひとりで学園を守り続けていらっしゃるだなんて、すごいですわ! |
| アザミ |
| ふふっ、恐縮です。 |
| アザミ |
| とはいえ、こんな僻地に仕事と呼べるほどのこともありませんから。時間を持て余しているくらいですよ。 |
| アザミ |
| おや、あなたがシャーレの[USERNAME]先生ですね? |
| アザミ |
| ニヤ部長から伺っております。数えきれないほどの功績をお持ちの方だと。 |
| [s] "大したことはしてないよ。" |
| アザミ |
| そうなのですか?想像を絶するような胆力をお持ちだと伺っておりますが……。 |
| アザミ |
| たしか、一糸まとわぬ姿で野原を疾走したとか―― |
| [s3] "すごいってそっち!?"[s4] "そ、それには理由が……。" |
| アザミ |
| ふふ、ご謙遜なさらずに。 |
| アザミ |
| 大火災を収束させ、百花繚乱をまとめ――百物語を討伐した。その噂は、山を越えてこちらにも伝わっています。 |
| アザミ |
| [USERNAME]先生と百花繚乱の皆さんの手にかかれば、この辺りの怪談も一掃できそうですね。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| その怪異……姿を変えて人を襲う幻魎百物語は―― |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| どこに行けば会えるの? |
| アザミ |
| そうですね……あちこちで目撃されているのですが……。 |
| アザミ |
| いずれにしても、日が暮れるまでは出てこないかと。それまでは、目撃情報があった場所を見て回るのはいかがでしょう? |
| アザミ |
| 自治区の紹介も兼ねて、私がご案内いたします。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そうだな……アタシたちは土地勘もないし。頼んだよ。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 新しい冒険みたいで、身共、うきうきしてきましたの! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| まぁ……これも、任務か。 |
| [ns] "よろしくね、アザミ。" |
| アザミ |
| はい。ではこちらへ―― |
| エビス分校近くの商店街 |
| アザミ |
| ここは北部自治区の住民が利用する商店街です。 |
| アザミ |
| 百鬼夜行の商店街には及びませんが、商会や宿泊施設もありますよ。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| あら?こちらのお花の彫刻はガラス製ですの?きらきらして、まるで宝石みたい……! |
| アザミ |
| こちらのガラス細工は、特産品の一つでして。 |
| アザミ |
| 長年ガラス細工に携わってきた職人たちが、一つ一つ手掛けております。 |
| アザミ |
| 実は……最初に百物語と遭遇したのが、そのガラス職人の方でして。明け方に工房へ出向いた時にかち合ったとか。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そのとき、百物語はどんな姿をしていたの? |
| アザミ |
| 聞くところによれば、白いイタチのような姿だったとかで……。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……イタチ?全然怖くなくないか? |
| アザミ |
| それは……。 |
| アザミ |
| ああ、ちょうどいらっしゃいました。 |
| アザミ |
| おはようございます。 |
| ガラス職人 |
| ……んん?どちらさんかな? |
| アザミ |
| エビス分校の自治委員会会長、土生アザミです。もう、お忘れですか? |
| ガラス職人 |
| あそこにまだ生徒さんがいたのかい?ここんとこ、物覚えが悪くなってねぇ。 |
| アザミ |
| もう、昨日もお会いしましたのに。 |
| アザミ |
| 2週間ほど前、工房付近で目撃したという怪異についてお聞きしたいのですが……。 |
| ガラス職人 |
| 怪異……?ああ!あの白いイタチかい? |
| ガラス職人 |
| もちろん覚えてるとも!そりゃあ凶暴なやつだった。 |
| ガラス職人 |
| 小さい頃、山でイタチに噛まれたのを思い出したよ……本当に、あいつは恐ろしいんだ。 |
| ガラス職人 |
| 明け方頃、工房に入ろうとしたら……「アイツ」が目に入ってな。ビックリして瓶を落としちまったよ。 |
| ガラス職人 |
| 床にガラスが飛び散ったんだが……それでもアイツは、平気な顔で破片の上を歩いてた。 |
| ガラス職人 |
| そこで気付いたんだ。こいつは、本物のイタチじゃないってな。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……子どもの頃に怖がっていたイタチ。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そういうことか……。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そんな……大事なガラス瓶が割れてしまうなんて。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ここに並ぶ品々を見ただけで、こだわりが伝わってきますのに……。 |
| ガラス職人 |
| ああ、それなら気にしないでくれ!あの時に割れたのはただの牛乳瓶さ。 |
| ガラス職人 |
| ……にしてもこいつの価値に気づくとは、お嬢さん見る目あるね! |
| ガラス職人 |
| 中に他のもあるぞ。見てみるかい? |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ええ、喜んで! |
| エビス分校付近の農地 |
| アザミ |
| ここはエビス自治区の農地になります。 |
| アザミ |
| 百鬼夜行のお祭りに使われるトウモロコシやジャガイモ、ニンジンなどは、ここら一帯の畑で採れたものなんですよ。 |
| アザミ |
| 百鬼夜行で食べるエビス産の野菜も美味しいとは思いますが……作物は収穫したそばから糖度が落ちていくもの。やはり一番は採れたてです。 |
| アザミ |
| と、いうことで……こちらに今しがた収穫したトウモロコシがございます。いかがですか? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| じゃあ、せっかくだし……。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……あ、甘い!砂糖でもかかってるみたいだ! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| トウモロコシの風味が全開で、とっても美味しいですの! |
| アザミ |
| ふふっ、この味を皆さんにお届けできて、私も嬉しいです。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……ここにも百物語が出没したの? |
| アザミ |
| ええ。こちらのお方が大きなクマの姿をしたものと遭遇したそうで……。 |
| 農家 |
| ああ、俺はこの目で見た! |
| 農家 |
| 先週末のことだ……畑仕事中に気配を感じて振り向いたら、クマがじっとこっちを見てて……。 |
| 農家 |
| また畑を荒らしに来たのかと思って猟銃をぶっぱなしたんだが、そいつはびくともしねえ! |
| 農家 |
| ……おかげで、本物のクマじゃないって気づいたんだけどな。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 野生のクマでも、猟銃で仕留めきれないヤツはいるんじゃない? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| このあたりじゃ、珍しくないのか? |
| 農家 |
| 今年は日照り続きでどんぐりや栗が少ないからな。冬眠し損ねたやつが、作物を狙って下りてくるんだ。 |
| 農家 |
| なんたって……うちのジャガイモは、サツマイモ顔負けの甘さだからな! |
| 農家 |
| 焚き火で焼き芋をしたら、熊も怪異も匂いに釣られて出てくるってもんよ! |
| 農家 |
| せっかくだ。おやつに持ってきたんだが、お嬢ちゃん達もどうだい? |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ええ、いただきますわ! |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| うおお……一口食べるたびに濃厚な甘さが広がる……これ、ほんとにジャガイモなのか!? |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| もっちりした食感も相まって……これはもう天然のすいーつですの! |
| 農家 |
| はっはっは。そんなに喜んでくれると気持ちがいいな! |
| 農家 |
| ちょっと待ってろ、まだあるからな! |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ここは……。 |
| アザミ |
| 船着場です。ここから海産物をキヴォトス各地に出荷しております。 |
| アザミ |
| 近海で獲れるさまざまな海産物も、エビス自治区の特産品の一つですからね。 |
| アザミ |
| お祭りの屋台で一番人気のイカ焼き。きっと、ここのイカを使っているはずですよ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……ここでも百物語が目撃されたの? |
| アザミ |
| はい。朝の仕事を終えた漁師の方が、巨大なタカアシガニを……。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……タカアシガニ? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 漁師なのに、カニを怖がるの? |
| アザミ |
| 私もそう思ったのですが、クモに似ていると言われまして……。 |
| アザミ |
| 虫が嫌いな方は、だめかもしれませんね。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 今回は目撃者の方とお会いできないのですか? |
| アザミ |
| 残念ながら、今は漁に出ている時間なので……。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| じゃあしょうがないな。あんまりゆっくりもできないし、次の場所に―― |
| アザミ |
| ですが……実はこの近くに、すごく美味しい焼き魚を出すお店があるんです。 |
| アザミ |
| もうすぐお昼時ですし、この辺りでお食事でもいかがでしょう? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……焼き魚? |
| アザミ |
| ええ。エビスの伝統的な調理法がありまして―― |
| アザミ |
| 皮がパリッとなるまで焼いた後、溶いた味噌をかけてホイル蒸しにするんです! |
| アザミ |
| 今が旬のホッケなんかは、肉厚の皮に味噌が絡みついて……本当に絶品なんですよ! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……。 |
| アザミ |
| ですが、時間がないのでしたら致し方ありません。分校の方で軽くおにぎりなど―― |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ずっと歩きづめだったし、この辺で休憩したほうが良いんじゃないかな。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 補給は兵法の基本だよ。そろそろお昼に―― |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ん?そんな歩いてないだろ? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 私は疲れたの。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……とにかく。少し休憩するのはどうかな。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 身共は賛成ですわ! |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| なーんか釈然としないけど……まぁいいや。んじゃ、腹ごしらえしよっか! |
| (その後もエビス分校の近くで聞き込みを続けたけれど、これといった情報はつかめず……) |
| (……気づけば日が暮れていた) |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……暗くなってきたね。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 百物語は、日が暮れてから出るっていってたよね。本格的な調査はこれから―― |
| アザミ |
| いえいえ。お客様に、そんなご無理はさせられません。 |
| アザミ |
| 遠路はるばるいらっしゃって、お疲れでしょう。よろしければ、寮の部屋を好きに使ってください。他に生徒はいないので、数は足りると思います。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| いや、まだそんなには……。 |
| アザミ |
| そうだ、寮には温泉もありますよ? |
| アザミ |
| それはそれは風流で立派な温泉なのですが……もし、よろしければ……。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 温泉!? |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 寮に温泉があるんですの!? |
| アザミ |
| ええ。昔は大浴場として全校生徒で使っていたようですが……今は私専用になってしまっていたので。 |
| アザミ |
| どうぞ旅の疲れを癒やしていってください。その間に、お食事の用意をしてまいりますので。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| くぅ~!委員会のみんなで温泉!これって青春の1ページじゃん!夜は枕投げか!? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| みんな、早く行くよっ! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| はぁ……。水を差すようで悪いけど、あくまでこれは任務。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 私は部屋にいるから、入るならあんた達だけで行ってきて。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| え~?ノリ悪いなぁ。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ぜひキキョウ先輩も一緒に参りましょう!身共は、先輩方と湯浴みをするのが夢だったのです! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そんなこと言われても……。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| これからは歯磨きも忘れませんし、アイスも一日一個にしますから! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| それは元々約束してたでしょ? |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| キ~キョ~ウ~せ~ん~ぱ~い~! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……1時間だけね。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| よし、話はまとまったな?んじゃ、いざ温泉へ! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 身共、お風呂上がりにふる~つ牛乳が飲みたいですの! |
| アザミ |
| お着替えをご用意しましょうか? |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| あ……うん、お願い。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 先生はまだ休まないの? |
| [s5] "うん、ちょっと考え事があってね。"[s6] "私のことは気にしないで。" |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そっか。じゃあお先に。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| はぁぁぁ……極楽極楽ぅ。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 体はポカポカなのに、風が冷たくて気持ちいい~……。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| なんて美しい雪景色!ろまんちっくですの~! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| それに、こんな大きなお風呂に入るのも初めてですし……来られてよかったですの! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| キキョウ、なにモタモタしてんだ? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| もしかして……入るのが怖いのか? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| なっ!?百花繚乱の参謀が水を怖がるわけ――! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……か、勘違いしないで。私はお風呂の入り方を守っているだけ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 足先から少しずつお湯をかけて慣らしていかないと。ヒートショックが怖いからね。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 寒い中飛び込むのも楽しいぞ? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ナグサ先輩もそう思わないか? |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……うん。お風呂、温かくて気持ちいいね。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| なんだか、一日の疲れが流れていくみたい。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……今日は観光してただけな気がするけど。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| だなぁー。……なんだかんだで、どっかの誰かさんが一番楽しんでたけど。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 何か言った? |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 身共も、今日は本当に楽しかったですわ! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 美しい景色に、住民の皆さまとお話するひととき……それに、トウモロコシもジャガイモも焼き魚も、とーってもおいしゅうございました! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ただ……。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ナグサ先輩のお顔が、なんだか暗いように見えて……。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……そう? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| うん。エビス分校に着いてから、ずっと険しい顔してたよ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 大雪原に行った日のことでも思い出してた? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| それか、百物語の気配を感じたり―― |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そんなんじゃないよ。百物語の気配はしなかった。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ただ……。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 相手の恐怖を形にする怪異は、私の前でどんな姿を見せるんだろうって思ったの。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| それが何であっても、「誰」であっても……私は銃口を向けて、引き金を引けるのかなって。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 最も恐れる存在……ね。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 仮にその百物語が現れたとして……レンゲ、あんたならどんな姿になる思う? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| アタシか?アタシが怖いもの……。 |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| うーん……中身が漏れてる弁当かなあ? |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| はあ? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| みんなも一回くらいやっただろ?昼ご飯だ!って弁当を取り出したら……風呂敷きに汁が染みてるやつ……! |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| その日の弁当が豚汁とかカレーだった日には……ううっ! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 身共、恐怖の巨大弁当箱との戦いは少し……。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| もっと根源的な怖いものっていうか……他にないの? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そう言うキキョウは何が怖いんだよ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そうね、私は……。 |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 身共、聞いたことがありますわ! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| へびぃめたるばんどの演奏を聞くと、キキョウ先輩は耳と尻尾がぴーん!となるとか……! |
| ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 百物語も、きっとド派手なろっかぁの姿になりますの! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 私は大きな音が怖いんじゃないの。嫌いなだけ。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| 第一、百花繚乱の参謀が大きな音なんかで―― |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……わっ! |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| !!?!? |
| レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| おお、こんなビックリしたキキョウ初めてかも。 |
| キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| レンゲ!!! |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| ……ふふっ、そうだね。 |
| ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会 |
| そんな風に、分かりやすいものだったのなら……。 |