5-2-9 百花繚乱の委員長

Last-modified: 2025-09-29 (月) 01:01:42

メインストーリー5-2-8 悪夢

エビス分校学生寮・宴会場
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ん~っ、美味しい!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
久しぶりの温かい食事はいいねぇ~!芯からあったまるよ!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ごめん、もう一杯おかわりしていい?
アザミ
もちろんです!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ありがと!できればお味噌汁も……!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
みんなどうしたの?幽霊でも見たような顔して……。
レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会
いや、幽霊じゃないんだろうけど……。
レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会
ここにいるのが、びっくりっていうか……。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
……アヤメ委員長、無事でよかったよ。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
でも、百花繚乱の参謀としてこれは聞かせて。……今まで、どこで何をしていたの?
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
前から掴み所がない人だとは思ってたよ。けど……あなたがいきなり雲隠れしたことで、百花繚乱は解散寸前だった。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
正直、「委員長」と呼んでいいのか疑問に思ってる。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
なにか言い訳があるなら、聞くけど?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
……キキョウは変わらないね。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
百花繚乱の委員長の責任を放棄した……そのことについて、私が弁解できることはない。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
特に、突然委員長代理をすることになったナグサ……本当にごめんなさい。辛かったよね?寂しかったよね?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
ううん、私はアヤメが帰ってきてくれただけでじゅうぶ――
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
ナグサ先輩、静かにして。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
私が知りたいのは、あなたが突然姿を消した理由。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
それと、ナグサ先輩の右腕のことも。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
……少し長くなるけど、いいかな?
ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会
ええ、もちろん。
ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会
先輩への誤解が解けるのでしたら、どれだけかかっても大丈夫ですわ。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
1年生のユカリ……だったよね?ありがとう。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
……まず、話の前に一つ聞かせて。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
百花繚乱の「委員長」の資格って、何かな?
ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会
はいはーいっ!身共知っていますの!
ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会
先代の委員長との継承戦で勝利すると、資格を得ることができますの!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ふふっ、よく知ってるね。でも、それだけじゃないんだよ?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
継承戦の勝者が得られるのは「委員長の肩書き」じゃない。大預言者クズノハから引き継がれる「資格の証」の方だね。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
つまり、継承戦は「百蓮」を継承する儀式なんだよ。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
だから、百花繚乱の委員長なら、「百蓮」を手足のように扱えないとね。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
でも……それならなおさら、アヤメ以上に委員長にふさわしい生徒なんて……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
射撃の腕だって、アヤメに並ぶ子は……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
人が相手、ならね。
レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会
……何を相手にしてたんだよ、委員長は?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
百花繚乱を離れる数日前、私はいつも通り百鬼夜行を見て回ってた。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
祭りの後だからか街には人ひとり居なかった。しかもなぜか、この日だけは街の灯りが不規則にチカチカしてて。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
そんな中で見回りを続けて、橋に差し掛かった時――向かい側に、一人の生徒が立っていたんだ。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
明るい金色の髪と紫色の瞳。そして、白い制服に水色の羽織……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
彼女は、私と同じ姿をしていたの。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
「ソレ」は顔まで私と同じだった。まるで、鏡でも見てるみたいに。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
姿形は同じでも、いや、同じだからこそ――「ソレ」が私とは違う存在だって、直感で悟った。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
「ソレ」は私を見て――待ってたと言わんばかりに、笑顔を見せた。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
この手の存在に、普通の銃弾は通じない。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
でも、私の手には「百蓮」があった。委員長になって初めて、怪異相手に銃口を向けたの。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
でも……効果はなかった。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
「ソレ」は、撃たれる前と変わらない様子で近づいてきて……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
……そのまま、夜闇に溶けていった。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
あれは、一夜の夢だった……そう片づけることもできたかもしれない。でも、あのときの私には無理だった。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
「どうして百蓮が通じなかったのだろう」
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
「私には資格がない?それとも、百蓮は偽物?」
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
「そもそも、大預言者クズノハ様は……実在するの?」
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
不安に押しつぶされそうだった私は、クズノハ様を一目見るために、黄昏の寺院があったと伝えられる大雪原に向かった。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
馬鹿みたいだよね。でも……そうでもしないと自分を許せそうになかったんだ。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
そして私は……失敗した。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
見つけたのは「黄昏の寺院」らしき廃墟だけ。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
結局クズノハ様は、私の前に姿を現さなかった。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
……話はそれで全部?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
うん。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
まだ大事な話が残っているでしょう?
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
ナグサ先輩の腕のこと……それに、花鳥風月部と消えたときに言った言葉。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ナグサの腕……?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
あっ……その包帯、どうしたの?ケガでもした?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
これは……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
アヤメ、覚えてないの?私と大雪原で会ったんだよ?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ナグサが大雪原に……?あのときは、すごい吹雪だったから……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
…………。
レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会
本当に覚えてないのか?
レンゲ 百花繚乱紛争調停委員会
ナグサ先輩の手を振り払って「友達だと思ったことなんてない」って……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
そんなことしないよ!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
ご、ごめん……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
でも、そんなこと、私が言うわけないよ。いつだって、ナグサは大事な友達。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
聞き間違えたんじゃない?それか、人違いとか……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
そ、そうだよね……?アヤメはそんなこと絶対……。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
いくらナグサ先輩が納得しても、私は信じたわけじゃない。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
私の知るアヤメ委員長も、絶対にそんなことは言わない……でも、あなたがいない間、いろいろなことがあった。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
何も言わずに姿を消した委員長と、百鬼夜行の危機に立ち向かった副委員長……私は後者を信じる。
キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
これまで通りに付き合いたいのなら、雪原であったことを全部話して。
ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会
先輩……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
分かったよ。ま、最初から隠すつもりなんてないし!
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
でも、ご飯食べ終わってからでもいい?
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
残すとバチが当たっちゃうからね!

メインストーリー5-2-10 不完全な記憶