Ex-1-1 プロローグ

Last-modified: 2025-09-28 (日) 20:39:40

メインストーリー

エイミ 特異現象捜査部
あっ、先生。来てくれてありがとう。
エイミ 特異現象捜査部
急にごめん、大事なことだから誰にも気づかれるわけにはいかなくて。先生のことを待ってる人がいるの。
エイミ 特異現象捜査部
こっち。
エイミ 特異現象捜査部
部長、[USERNAME]先生が来てくれたよ。
ヒマリ 特異現象捜査部
ありがとう、エイミ。そして……初めまして、先生。
ヒマリ 特異現象捜査部
私の名前はヒマリ。このミレニアムサイエンススクールにおける、天才ハッカーです。
[s] "自分で「天才」って言った!?"
ヒマリ 特異現象捜査部
事実ですから。それに私そこそこ有名人なので、一度くらいは噂など聞いたことがあるのではないでしょうか?
ヒマリ 特異現象捜査部
正体不明なヴェリタスの超美人部長ですとか、病弱美少女のお手本のような存在ですとか……。
ヒマリ 特異現象捜査部
ミレニアムに咲く一輪の花ですとか……ひとつくらい聞いたことありません?
[s1] "ちょっと聞き覚えは……。"[s2] "うん、聞いたことあるかも。"
ヒマリ 特異現象捜査部
なっ……そんな、
ヒマリ 特異現象捜査部
まさか……。
ヒマリ 特異現象捜査部
……。
エイミ 特異現象捜査部
落ち込んじゃった。先生、責任取って慰めて。
ヒマリ 特異現象捜査部
ふぅ……もう少し、イメージ作りが必要みたいですね。
ヒマリ 特異現象捜査部
やはりそうでしたか。ふふっ、ふふふ……。
ヒマリ 特異現象捜査部
ふふふふふっ……。
エイミ 特異現象捜査部
部長が調子に乗った……先生、責任取って元に戻して。
ヒマリ 特異現象捜査部
あら、その言い方は心外ですねエイミ。
ヒマリ 特異現象捜査部
調子に乗ったのではなく、事実確認を通じて全てが順調であることを検証しただけです。
ヒマリ 特異現象捜査部
……とにかく、私は先日「特異現象捜査部」の部長に任命されました。
ヒマリ 特異現象捜査部
本来所属していたヴェリタスのことは一旦、チーちゃんにすべて任せています。
[s] "特異現象捜査部……。"
ヒマリ 特異現象捜査部
はい、この「特異現象捜査部」はミレニアムの生徒会長であるリオが作った特務組織なのですが、うーん……
ヒマリ 特異現象捜査部
エイミ、説明してもらえますか?
エイミ 特異現象捜査部
科学的に解明しがたいとされる現象を追跡・研究することを目的とした、セミナーの傘下にある部活。
エイミ 特異現象捜査部
リオ先輩の命令で作られたんだけど、今まではずっと構成メンバーは私だけだった。明確な活動内容も特に無かったし。
ヒマリ 特異現象捜査部
まさかリオが作ったそんな怪しい部活に、突然私が部長として任命されるなんて……しかも部員はひとり。
エイミ 特異現象捜査部
ヒマリ部長も入れてふたりだよ。
ヒマリ 特異現象捜査部
ええ、そうですね。健康的な路線のエイミと病弱系美少女の私、素敵なコンビになりそうです。
エイミ 特異現象捜査部
……ところでここ、
エイミ 特異現象捜査部
ちょっと暑くない?
ヒマリ 特異現象捜査部
いえ。私にとっては今もむしろ寒気がするほどですので、そのエアコンのリモコンは置いてください、エイミ。
ヒマリ 特異現象捜査部
あの、代わりに服を脱ぐのもやめてください。はい?ファスナー?何を言って……いえ、理解しました。絶対にやめてください。
[s] "私は何を手伝えば良いのかな?"
ヒマリ 特異現象捜査部
ああ、そうですね。そろそろその本題に入りましょうか。
ヒマリ 特異現象捜査部
ご存知かもしれませんが……私はミレニアムの生徒会長である「リオ」と、長い間対立してきました。
ヒマリ 特異現象捜査部
全てを統制しようとするビッグシスターな彼女と、全ての統制に反対するコピーレフト信者の私は、そもそも水と油と言いますか。
ヒマリ 特異現象捜査部
同じ水で例えるとすると、リオが下水道に流れる水だとするならば、私は澄みきった純正のミネラルウォーター……。
ヒマリ 特異現象捜査部
それとも、浄化槽に浮かぶ腐った水と言った方がよろしいでしょうか。私は万年雪の結晶、といったあたりで。
ヒマリ 特異現象捜査部
いえ、汚水、どぶ水……
ヒマリ 特異現象捜査部
何か他にもっと、適切な表現が……。
エイミ 特異現象捜査部
部長、本題。
ヒマリ 特異現象捜査部
あら、そうでしたね。まあとにかく、リオの頼みとあらば「何でも」「絶対に」断るつもりでいたのですが……。
ヒマリ 特異現象捜査部
少々込み入った事情で、断れないようなお願いをされてしまいまして……それで、この「特異現象捜査部」の部長を引き受けることになったのです。
ヒマリ 特異現象捜査部
そしてその「お願い」の内容を果たすためには、「シャーレ」の手助けが必要不可欠でして。
ヒマリ 特異現象捜査部
そういった事情で今回、こうして先生にお越しいただきました。
[s] "その「お願い」って……?"
ヒマリ 特異現象捜査部
……デカグラマトン。
ヒマリ 特異現象捜査部
先生も聞き覚えがあるかと思います。何せこの未曽有のAIと初めて接触したのは、「シャーレ」ですよね?
ヒマリ 特異現象捜査部
『神を研究し、その存在を証明できれば……その構造を分析し、再現できるだろう。すなわちこれは、新たな神を創り出す方法である……』
ヒマリ 特異現象捜査部
その仮説を元に作られた、対・絶対者自律型分析システム。
ヒマリ 特異現象捜査部
つまるところ、「神性を探し出す人工知能」。
ヒマリ 特異現象捜査部
私たちの方でも、色々と調べてはみたのですが……まずもってその仮説すら、先生からの報告書以外のどこにも見つけられませんでした。
ヒマリ 特異現象捜査部
その報告書に書かれていた「ゲマトリア」という集団も、未だにその実在さえ確認できていません。
ヒマリ 特異現象捜査部
つまり「シャーレ」の報告だけをもとに研究を進めるには、あまりにも不確定要素や不明瞭な要素が多すぎたのです。
ヒマリ 特異現象捜査部
これは先生を疑っているというわけではありません。あくまでも、今の状況についてのお話です。
エイミ 特異現象捜査部
先生を疑ってたら、そもそもここに連れてきてない。
ヒマリ 特異現象捜査部
ええ、その通りです。むしろ私たちは、シャーレの手助けが欲しいのです。
ヒマリ 特異現象捜査部
……先日、ミレニアムの通信ユニットAIである「ハブ(hub)」が、正体不明のAIにハッキングされるという事件がありました。
ヒマリ 特異現象捜査部
ハブ(hub)」はミレニアムサイエンススクールの歴史と共に発展してきた、超高性能演算機関です。
ヒマリ 特異現象捜査部
ミレニアムの技術の結晶……そう言っても過言ではないほどの、傑作のひとつ。
ヒマリ 特異現象捜査部
それがその謎のAIのハッキングに対して、たったの0.00000031秒しか耐えられませんでした。
ヒマリ 特異現象捜査部
私は、そしてリオは、そのハッキングを行ったAIが「デカグラマトン」なのではと考えています。
ヒマリ 特異現象捜査部
もちろんただの推測ではなく、きちんとした理由もありまして。
ヒマリ 特異現象捜査部
「ハブ」がハッキングされ、そのAIが消えた後、ミレニアムのネットワークにこのようなテキストが現れました。
竟に、摂理へと至るパス(path)を見つけたり。
嗚呼……我がパス(Path)は「名誉を通じた完成」、
我が異名は「輝きに証明されし栄光」……
我が名はホド(HOD)
聖なる十文字の神を証明し、奇跡を預言する8番目の預言者なり。
ヒマリ 特異現象捜査部
聖なる十文字……これはつまり、デカグラマトンのことでしょう。
ヒマリ 特異現象捜査部
ここからさらに推測できることが二つあります。
ヒマリ 特異現象捜査部
まず一つ、デカグラマトンはAIと接触してそれらを自身の部下……つまり、「預言者」とする。
ヒマリ 特異現象捜査部
リオはこれを、一種の人格モジュールに対するハッキングだと見ているようですが、私の解釈とは異なります。
ヒマリ 特異現象捜査部
これは「洗脳」……より適切に表現するのであればAIを「感化」させている、と私は捉えています。
ヒマリ 特異現象捜査部
そして二つ目、その結果デカグラマトンの預言者たちは「デカグラマトンそのもの」になるのではなく、独立した個体として活動する。
ヒマリ 特異現象捜査部
これは、自身を「聖なる十文字の神を証明する預言者」と宣言していることからも読み取れます。
ヒマリ 特異現象捜査部
デカグラマトンは預言者を「統制」してはいません。何かをするにあたって、もし可能なのであれば対象を「自分自身そのもの」あるいは「自身の一部」にして統制してしまえば、それが一番簡単なはずです。
ヒマリ 特異現象捜査部
しかし実際にはそうではなく、預言者たちを「感化」させ、それぞれが自律的に動くようにしています。
ヒマリ 特異現象捜査部
なぜこのような非効率的で、非合理的な手段を取るのか……。
ヒマリ 特異現象捜査部
それらを含めて、調べなければいけません。
ヒマリ 特異現象捜査部
先生。「デカグラマトン」の研究分析……そのために、「特異現象捜査部」に力を貸していただけませんか?

メインストーリーEx-1-2 「データ収集(1)アビドス砂漠」