| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ……以上が、これまでの状況です。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 何か質問はありますか? |
| モモイ ゲーム開発部 |
| えっと、ハッカージョーク……とかじゃないよね? |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| お姉ちゃん……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 現実味がないのはとても分かりますが……。 |
| リオ セミナー |
| ――これが事実よ。 |
| リオ セミナー |
| いま、私たちが直面している問題はあの時と同じ。 |
| リオ セミナー |
| 多次元バリアを解除しなければ、全てが始まらない。 |
| [ns1] "だから、みんなを呼んだんだ。"[ns2] "ごめんね。" |
| [ns3] "どうか、力を貸してほしいんだ。"[ns4] "このお礼は、いつか必ず。" |
| モモイ ゲーム開発部 |
| 仕方ないなぁ!そこまで先生に言われたら、やらないわけにはいかないよね! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| そ、そうですよ!それに……そんなに頭を下げないでください! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| そ、そうするしかないんですよね……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……はい、理解しました。アリスのやるべきことも。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスは、先生のためなら何でもします。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ただ……。 |
| [s] "ただ……?" |
| アリス ゲーム開発部 |
| いえ、大丈夫です。魔法も奇跡もありますから、きっと……。 |
| トキ C&C |
| アリス……? |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……でも、アリスだけではダメです。足りません。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| どういうことでしょうか? |
| アリス ゲーム開発部 |
| あの日、アリスは「祝福された」光の剣を持ち上げました。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ですが……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| あれはアリスだけの力ではありません。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ――ケイが必要です。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| ……? |
| モモイ ゲーム開発部 |
| あっ! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| もしかして、あの時もケイちゃんがアリスちゃんのお願いを……? |
| アリス ゲーム開発部 |
| はい、ケイが手伝ってくれました。だから、祝福された光の剣を持ち上げられたのです。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……どうしてアリスだけが残され、ケイがいなくなったのかは分かりません。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ただ、同じように魔王の城を攻略するためにはケイの手助けが必要不可欠です。 |
| [s] "でも、ケイは……。" |
| リオ セミナー |
| ……振り出しに戻ったわね。 |
| リオ セミナー |
| せめて、ケイに関する手がかりがあれば手が打てるのだけれども……。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| ……部長。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ええ、分かっております。 |
| トキ C&C |
| お話しても、よろしいでしょうか? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| これは……研究倫理の問題です。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ですが……そうですね。存在するものを、なかったことにはできませんから。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| ……そうだね。 |
| トキ C&C |
| 分かりました、ヒマリ部長に従います。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| リオ。手がかりなら残っています。 |
| リオ セミナー |
| ……どこに? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ウトナピシュティムの本船で、アトラ・ハシースの箱舟に突入したあの日―― |
| リオ セミナー |
| なるほど……アリスのキーホルダーにケイを移植した、と。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 「Kei」という名のセーブデータをUSBに移した――ただ、それだけです。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| あのデータはわずか2キロバイトでした。そもそもケイかどうかも分かりません。 |
| リオ セミナー |
| ……それは本当に、自然発生したデータだったのかしら? |
| アリス ゲーム開発部 |
| リオ先輩? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 一体何を言っているのですか? |
| リオ セミナー |
| ……。 |
| リオ セミナー |
| 糸口が掴めたわ。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| !? |
| アリス ゲーム開発部 |
| 本当ですか!? |
| [s] "詳細を教えてもらえるかな。" |
| リオ セミナー |
| 私の推測が正しければ、そのデータ―― |
| リオ セミナー |
| 2キロバイトのファイルが突破口になってくれるわ。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ビット単位まで分析しましたが、中身は……。 |
| リオ セミナー |
| ええ、そうでしょうね。「一般的な技術」では解析できないもの。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| それで……どうアプローチするつもりなのです? |
| リオ セミナー |
| それは―― |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……ケイにもう一度会えるんですか!? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 落ち着いてください、アリス。まだ決まったわけでは……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| リオ先輩、アリスは何をすれば良いですか? |
| リオ セミナー |
| ……ごめんなさい、少し先走ってしまったわね。実際のところ、確率で言えば、半々。 |
| リオ セミナー |
| いえ、それよりも低いかもしれない。一か八かの賭けのようなものよ。 |
| リオ セミナー |
| それに……失敗したら、残されていた2キロバイトのデータさえも消えてしまうかもしれない。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| それは……! |
| モモイ ゲーム開発部 |
| アリス……。 |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| アリスちゃん……。 |
| ユズ ゲーム開発部 |
| ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| 今度こそ、ケイを失うかもしれないのですね……? |
| リオ セミナー |
| ……。 |
| リオ セミナー |
| 責任が重たいかもしれないけれど……。 |
| リオ セミナー |
| 貴女の選択に委ねられているわ。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスは、ケイと……。 |
| (アリスと目線を合わせた) |
| [ns] "アリスはどうしたい?" |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスは……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| でも、ケイのことを勝手に決めるのは……。 |
| [s] "私たちには決められないけど……。" |
| [ns5] "他の誰でもない、アリスには……。"[ns6] "……その権利があると思うよ。" |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……! |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスは……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……アリスは、やっぱり。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ケイに、会いたいです。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| もう一度、会いたいです。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ケイならどうするか考えてみましたが……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| 見習い勇者のアリスには、よく分かりませんでした。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| もしかしたら、このまま放っておいてほしいのかもしれません。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| でも、アリスが残されたのは、きっと偶然じゃないと思います。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| だから……アリスが、決めます。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ケイと、またお話がしたいです。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| 今度は仲間として、友達として……一緒に過ごしたいです。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ケイに何を言われたって構いません。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……たとえ、永遠に失ってしまったとしても。絶対、リオ先輩のせいにはしません。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスは、勇者失格です。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| 自分勝手な都合でケイを振り回しています。リオ先輩にも、辛いことをお願いしています。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……ごめんなさい、リオ先輩。 |
| リオ セミナー |
| いえ、私は……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| 先生、ごめんなさい。アリスは勇者になりたいと言いながら、こんなにも欲張りで……。 |
| [s] "……。" |
| アリス ゲーム開発部 |
| それでも……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスは……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ケイを、お願いします。 |
| リオ セミナー |
| ……! |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ええ、分かりました。可愛い後輩の頼みを断るわけにはいきません。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| すぐに始めましょう、リオ。「全知」の超天才病弱美少女の手を借りておいて、失敗なんて許しません。 |
| リオ セミナー |
| さっきも言った通り、成功確率は……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 絶対に成功させます。できないとは言わせませんよ? |
| リオ セミナー |
| ……そうね。今は可能性の話をしている場合じゃなかったわ。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスも……お手伝いしてもいいですか? |
| リオ セミナー |
| アリス? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 急にどうしたのですか? |
| リオ セミナー |
| 残念だけれど……これはとても危険な工程なの。 |
| リオ セミナー |
| 貴女を巻き込むわけには……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| それでも、アリスは……。 |
| (ヒマリが突然、目配せをしてきた) |
| (意図が分からなかったが、視線を追う内に察した) |
| [ns] "アリス、ゲーム開発部のみんな。" |
| アリス ゲーム開発部 |
| は、はい……? |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| なんですか、先生? |
| [ns] "外で一緒に雪合戦でもしない?" |
| ユズ ゲーム開発部 |
| えっ……今からですか? |
| モモイ ゲーム開発部 |
| ……良いよ、先生! |
| モモイ ゲーム開発部 |
| それじゃ、私とアリスは先に行ってるね! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| お姉ちゃん、急にどうしたの!? |
| アリス ゲーム開発部 |
| も、モモイ?アリスはそんなことをしている場合では……! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| モモイ……待って! |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ありがとうございます、先生。 |
| [s] "これくらい、いつでも任せて。" |
| トキ C&C |
| 風邪にはお気をつけください。まあ、発熱した際には一日中おそばで看病しますが。 |
| トキ C&C |
| ……うん、悪くありませんね。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| どっちなの……。 |
| トキ C&C |
| 私にもよく分かりません。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| うーん……。 |
| [ns] "おっ!やってるね!" |
| モモイ ゲーム開発部 |
| ほら、次行くよ!ミドリ! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| 冷たっ……もう、負けないから! |
| アリス ゲーム開発部 |
| モモイ、ミドリ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| どうして急に……?アリスは、まだ……。 |
| [s] "アリス、大丈夫?" |
| アリス ゲーム開発部 |
| よく、分かりません。こういう時間も大切ですが、今は……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……ケイを。 |
| [s] "今だからこそ、じゃないかな。" |
| アリス ゲーム開発部 |
| どういう意味ですか、先生? |
| [s] "ケイにも、こういう楽しい姿を見せたくない?" |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……そうですね。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| こんなに雪がいっぱいの場所があるなんて、思いもしませんでした。あれはペンギンでしょうか? |
| アリス ゲーム開発部 |
| モモイは氷河に着いたらすぐに凍ってしまうと言っていましたが、実際は全然違いました。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ここも……素敵な場所です。 |
| [s7] "それを伝えるためには……。"[s8] "アリスが楽しんでる姿を見せるのが良いんじゃないかな?" |
| [ns] "それに、必ず戻ってくるってアリスは信じてるよね。" |
| アリス ゲーム開発部 |
| ケイは、必ず……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| そうですね、先生。アリスが間違っていました! |
| アリス ゲーム開発部 |
| 世界がどれだけ素敵なのか伝えるためには……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| まずは、アリスが詳しくないといけません!だから……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| わあっ!? |
| ユズ ゲーム開発部 |
| ミドリの雪玉が、アリスちゃんに……! |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリス、分かりました。これはモモイを狙うように見せかけて、アリスを攻撃する作戦ですね! |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリスも負けませんよ! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| ぷわあっ!? |
| モモイ ゲーム開発部 |
| あはは!今のめっちゃ面白……うぉわ! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| 今度はアリスちゃんの雪玉がモモイに……。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| お!アリスもやる気になったんだね!? |
| アリス ゲーム開発部 |
| 今のアリスは無敵モードです!手加減しませんよ! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| 気づかれないように後ろを狙って……。 |
| [ns] "じゃあ、私も参戦するよ!" |
| モモイ ゲーム開発部 |
| うにゃっ!?!? |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| きゃあっ!?!? |
| アリス ゲーム開発部 |
| うわっ!?!? |
| ユズ ゲーム開発部 |
| ひ、ひぃっ!?先生……!? |
| [ns9] "みんな、油断したね!"[ns10] "この戦場において……!"[ns11] "よそ見なんて命取りだよ!" |
| モモイ ゲーム開発部 |
| よーし、絶対負けないんだから! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| 同じ手は何度もくらいません。先生、覚悟はできてますね? |
| アリス ゲーム開発部 |
| アリス、知っています!これは「万人の万人に対する闘争」です! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| そうですね……この戦いの間は、全員敵です……! |
| [ns] "くっ、やられてたまるか!" |
| モモイ ゲーム開発部 |
| わははは! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| 私を捕まえてみてください、先生! |
| アリス ゲーム開発部 |
| 連続技は回数を当てることが大事だと教わりました! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| 私も少し、本気を出します……! |
| (その後も、真剣な雪合戦は続いた) |
| (あの時の私たちには、そういう時間が必要だった) |
| (ゲーム開発部のみんなが楽しく遊んでいる様子を眺めながら) |
| (バレないよう、こっそりベースに戻った) |
| トキ C&C |
| おかえりなさい、先生。まずは雪を落としましょう。お手伝いします。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 良いところに来たね、先生。ちょうどストレージが揃ったところだよ。 |
| トキ C&C |
| できるだけ多くの容量が必要だとリオ様が仰っていたので……。 |
| トキ C&C |
| エイミと手分けして、使えそうなストレージを探していました。 |
| [s] "じゃあ、これから……。" |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| うん。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 先生も一緒に、ケイの復活を見守ってて。 |