| オウル |
| おやおや。どこで何をしているのかと思ったら、そこにいたんですか。 |
| [s] "……!" |
| ケイ |
| アリス、こっちへ……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| どうしたのですか、ケイ? |
| ケイ |
| なんだか姿を見せないほうが良い気がしまして。 |
| アイン |
| こ、こん、にちは!そして気をつけて、ください!わ、私たちはこれから―― |
| アイン |
| と、とっても怖いことを、します! |
| オウル |
| はぁ……私はこの通信の必要性を疑っていますが……まぁいいでしょう。 |
| ソフ |
| そう、私たちは……。 |
| ソフ |
| あんたたちに!宣戦布告をしにきたの! |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 宣戦? |
| トキ C&C |
| 布告? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ……ついにネツァクを完成させたのですね。 |
| アイン |
| ち、違いますよ!?ネ、ネツァクちゃんはずっと前に完成していました! |
| ソフ |
| そう!私たちはネツァクが「鋼鉄大陸」になるまで、見つからないように守っていただけ! |
| オウル |
| ああ、これがどれほど素晴らしい偉業なのか、理解できていないのでしょうが。 |
| オウル |
| はぁ……もはや落胆を通り越して同情してしまうくらいです。なんてもったいない。 |
| リオ セミナー |
| 鋼鉄大陸……? |
| ソフ |
| へえ。調月リオでも、ここまでは把握できてなかったのかな?まあ、それも当然だけど。 |
| ソフ |
| さすがアイン!誰も想像すらできなかったことを平然とやってのけるなんて! |
| アイン |
| え、えへへっ。ありがとう、ソフ。これからも頑張ります……! |
| ソフ |
| 鋼鉄大陸とは! |
| アイン |
| ね、ネツァクちゃんの進化した姿そのもので……。 |
| アイン |
| 「禁じられた力」を使って、触れた物質を変換し、領域を広げる金属の大陸……! |
| [s] "拡大する金属の大陸……?" |
| オウル |
| ふふっ、理解力の足りないあなたたちのために、分かりやすく説明してあげましょう。 |
| オウル |
| 鋼鉄大陸を構成しているのは、「名もなき神々の力」です。 |
| アイン |
| そ、その力は……触れた物質の構成を、根本的に変えてしまう……。 |
| ソフ |
| ここで問題!では、その力で作られた構造体が、周囲の物質に接触したらどうなると思う? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| まさか……! |
| リオ セミナー |
| 触れたものを自分と同じ成分に……!? |
| ソフ |
| ご明察。鋼鉄大陸に触れたものは全て大陸の一部となっていく―― |
| ソフ |
| そう、まさに無敵の大陸なんだから! |
| オウル |
| お気をつけて。何の準備もせずに足を踏み入れてしまえば……。 |
| アイン |
| 一瞬で……ネツァクの一部になってしまいますよ? |
| ??? |
| 我にお手伝いできることはありませんか? |
| アイン |
| お、お姉様!?いえ、大丈夫です!お姉様は気にしなくても大丈夫です!私たちが全部やりますから! |
| オウル |
| そうだ!あれがどこまで増大するのか、気になりませんか?一緒に観察しましょう! |
| アイン |
| 鋼鉄大陸……ネツァクちゃんの限界は、私たちにもよく分かってないので……! |
| ソフ |
| どこまで大きくなるんだろうね。楽しみだなぁ。 |
| ソフ |
| 私たちのネツァクは文字通り無限に周囲を喰らい尽くしていくんだから! |
| オウル |
| ゆくゆくは――キヴォトス全土をも飲み込むことでしょう! |
| オウル |
| ふふっ、すごいですよね?驚いて言葉も出ませんよねぇ!? |
| [s] "……質問しても良いかな。" |
| ソフ |
| ん?特別に答えてあげるよ。 |
| [s1] "キヴォトスを鋼鉄大陸にする目的は?"[s2] "消えたデカグラマトンの復活でも企んでいるの?" |
| ソフ |
| あの方の名を軽々しく呼ぶな!それはあんたが口にしてはいけない神聖な十文字の名前なんだよ! |
| オウル |
| ……本当にすごいですね、シャーレの先生。いろいろな意味で。 |
| アイン |
| そ、そのうちに、誰もあの方の事を話せなくなる世界が来るでしょう。 |
| ソフ |
| そう!「信じない」を「信じたくない」に変えるんだから! |
| オウル |
| その時になって後悔しても遅いんですけどね?キヴォトスは、私たちの計算通りであれば……。 |
| アイン&ソフ&オウル |
| ――あと三日で、鋼鉄大陸に変わるのだから。 |
| [ns] "三日……?" |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 普段であれば、ただの誇大妄想だと放って置くのですが……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| デカグラマトンのエンジニアが言うのであれば、聞き流すわけにはいきません。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| でも、具体的にどうするの?鋼鉄大陸に近づいたら一部になっちゃうんだよね? |
| トキ C&C |
| それに、元に戻すのは不可能だとも言っていましたね。 |
| ケイ |
| おそらく、あなた達は大丈夫です。鋼鉄大陸になるのは、無機物だけでしょうから。 |
| [s] "ケイ!" |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| どこに行っていたのですか? |
| ケイ |
| ……あれに見つかったら色々と面倒なことになりそうだったので。 |
| ケイ |
| 話だけは隠れて聞いていましたが……。 |
| ケイ |
| 本当に、馬鹿げた話ですね。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ……どういう意味ですか? |
| ケイ |
| あれは名もなき神の力の劣化版に過ぎません。対処法はあります。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| いやぁ~、強敵が味方になると頼もしいね! |
| ケイ |
| その言い方だと、補正がかかりそうで嫌ですね……。 |
| ユズ ゲーム開発部 |
| そういうの、ケイちゃんも知ってるんだね……嬉しい。 |
| ケイ |
| あ……いえ!違います!忘れてください! |
| ケイ |
| 「名もなき神」の力の中で代表的なのは、物質の再構築です。 |
| リオ セミナー |
| そうね、プロトコルATRAHASISも同じだったわ。 |
| ケイ |
| はい。「名もなき神」の力は、波動と粒子の関係を根本から変化させることができます。 |
| リオ セミナー |
| 私はそれをデータの「収集」と「変形」だと解釈したけれど……。 |
| ケイ |
| 根本的な部分は同じです。粒子はエネルギーと同義であり、情報値が存在します。 |
| ケイ |
| なので、あの鋼鉄大陸――7番目の預言者、ネツァクは無機物の情報値を変換しているだけで、大したことはしていません。 |
| ケイ |
| プロトコルATRAHASISに比べれば、児戯のようなものです。ただ……。 |
| [s] "ただ……?" |
| ケイ |
| ここまで大規模な物質の再構築を起こしているという点は、無視できませんが。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| それに、対抗手段もないし。 |
| ケイ |
| ……そうですね。 |
| トキ C&C |
| どうすれば良いのでしょうか? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 「鋼鉄大陸に変換されるのは無機物だけ」という仮説が正しくとも、問題は残ります。 |
| リオ セミナー |
| そうね。AMASとケイは、鋼鉄大陸に近づけないわ。 |
| トキ C&C |
| 「アビ・エシュフ」も使えないかと。 |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| こういう場合って、服や武器も使えなくなるんじゃないですか……? |
| モモイ ゲーム開発部 |
| えっ!?じゃあ、私たち近づいたら裸になっちゃう? |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| お、お姉ちゃん……!? |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 裸になったら何か問題あるの? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| そう思っているのはあなたくらいですからね……? |
| ユズ ゲーム開発部 |
| わ、わわわわわ、私は無理です……! |
| トキ C&C |
| 私のパーフェクトメイドボディをお見せするチャンスですね。今から楽しみです。ちらっ。 |
| [ns] "わ、私!?" |
| トキ C&C |
| ……先生以外の方に見られるのは困りますね。これは由々しき事態です。 |
| リオ セミナー |
| と、トキ……? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| この極寒の地で清楚系病弱美少女の身体を晒すなんて、たしかに問題ですが……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| それ以前に根本的な問題を忘れてはいませんか? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| そもそも私たちは「多次元バリア」を突破しなければなりません。 |
| リオ セミナー |
| ありがとう、ヒマリ。その通りよ。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| ゲームなら、裏技や突破アイテムが用意されていますが……。 |
| ユズ ゲーム開発部 |
| (裏技……) |
| ユズ ゲーム開発部 |
| ! |
| ユズ ゲーム開発部 |
| あの……バックドアみたいなものが、あったりしませんか? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| バックドアとは、通常ハッキングの際に―― |
| ユズ ゲーム開発部 |
| この場合だと、物理的なバックドアになるんですけど……。 |
| リオ セミナー |
| 詳しく教えてもらえるかしら? |
| ユズ ゲーム開発部 |
| そ、その、えっと、あの子たち、資源を大量に集めているって言ってたんですよね……?それなら……! |
| ヒマリ&リオ |
| ……! |
| リオ セミナー |
| なるほど……たしかに採掘された資源は、ネツァクと同じ座標に運ばれていたわ。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 鉄道と施設を作って資源を加工してたよね? |
| トキ C&C |
| それを守るために、眷属を配置していました。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ネツァクが全ての無機物を鋼鉄大陸に変換できるのなら、資源を集める必要なんてない……。 |
| リオ セミナー |
| そうね。周囲を飲み込んで大きくなるのを待てば良いだけだわ。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| つまり、この表現が適切か分かりませんが……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ネツァクを進化させるために――資源が必要だったのでしょう。 |
| リオ セミナー |
| 工場で加工された資源がネツァクに使われていると仮定すると…… |
| リオ セミナー |
| ――どこかに物質変換の影響を受けないバックドアがあるはず。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| わぁ!さすがユズです!UZQueenは最強です! |
| トキ C&C |
| 資源の搬入ルートを調べれば良いのですね。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| つまり、ネツァクがいる場所へのショートカットを探そうって話だよね? |
| トキ C&C |
| そうです、「賢いモモイ」。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| へへっ。私が本気を出したら、これくらいお茶の子さいさいだよ! |
| トキ C&C |
| ……「賢い残念なモモイ」に訂正します。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| えっ、称号システムなの!? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 次の目標は決まりました。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| まずは資源の搬入ルートを探るために、凍原地帯の調査をしましょう。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 部長、今からでも支援要請したら? |
| リオ セミナー |
| ……一度は考えたけれど、今からでは時間が足りないわ。 |
| リオ セミナー |
| あの子たちの言葉を信じるのであれば、キヴォトスが鋼鉄大陸に変わるまであと三日。 |
| リオ セミナー |
| 機密保持を考慮した人選となると……今から最速で行ったとしても……。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| 私たちがここに来るだけでも、三日くらいかかってるもんね。 |
| リオ セミナー |
| ええ。時間が足りないのよ。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 今すぐにでも対応可能な特殊部隊が必要って話だよね。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| いつも通り、厳しい条件。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| リオ先輩、それならアリスたちは……。 |
| リオ セミナー |
| そうね、貴女の言葉で言うのなら……。 |
| リオ セミナー |
| 私たちで――世界を守るわよ。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| もちろん、リオ先輩も一緒ですよね? |
| リオ セミナー |
| (こういう時はどう答えれば……?) |
| リオ セミナー |
| (……) |
| リオ セミナー |
| ……ええ、その通りよ。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| パンパカパーン!リオ先輩がアリスの正式な仲間になりました! |
| リオ セミナー |
| (良かった、間違っていなかったようね) |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| どう思う、部長? |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| まあ、70点ってところですね。リオにしては上出来かと。 |
| [ns3] "じゃあ、出発しよう!"[ns4] "おやつは忘れずに持った?" |
| リオ セミナー |
| 私たちは、ピクニックに行くわけじゃ……。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| あら、別に良いと思いますよ?過度に緊張しては、能力を発揮できませんから。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| これは冗談ではなく……極論、遠足気分だって構いません。 |
| トキ C&C |
| ヒマリ部長の意見に賛成です。どうせ戦闘が始まれば、気を引き締めざるを得ませんから。 |
| リオ セミナー |
| そ、そういうものかしら……? |
| トキ C&C |
| ええ。ピクニック気分で世界を守る勇者がいても良いのです。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| そうだよ!世界を救った勇者だって、最初は部屋の掃除をしたり庭の雑草を抜くところから始まったんだから! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| ……できれば部屋の掃除は真面目にやってほしいけど。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| な、なんでぇ!?私、今週はちゃんとゴミ捨ててきたよ!? |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| お皿は流しに放置してたし、掃除機もかけてないし。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| うっ。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| 大丈夫です、モモイ!掃除機はアリスがかけておきましたので! |
| ミドリ ゲーム開発部 |
| そうやって、いつも甘やかすんだから……。 |
| アリス ゲーム開発部 |
| あ、アリスが悪いのですか……? |
| ケイ |
| アリス以外、全員悪いです。 |
| ユズ ゲーム開発部 |
| わ、わたしも……? |
| ケイ |
| ……ユズは大目に見ます。 |
| ユズ ゲーム開発部 |
| あ、ありがとう、ケイちゃん……えへへ。 |
| ケイ |
| ケイちゃんと呼ばれる回数が増えていませんか……? |
| [s] "ケイちゃんは、ケイちゃんだから!" |
| ケイ |
| 先生は黙っててください! |
| リオ セミナー |
| 私の輸送船を使うと良いわ。そこまで大きくないかもしれないけど……。 |
| モモイ ゲーム開発部 |
| 十分大きいと思うけど……? |
| リオ セミナー |
| この大きさでは、運べる物資の量が少ないのよ。 |
| トキ C&C |
| 皆さん、迅速に出発しましょう。 |
| エイミ 特異現象捜査部 |
| 車椅子は私が運ぶよ。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| あら、では私は先生におんぶしてもらうとしましょうか。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| もちろん、清楚で可憐な私をお姫様抱っこしたいと言うのなら、私は一向に構いませんが。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ……先生?女性を待たせてはいけませんよ。 |
| リオ セミナー |
| ……。 |
| リオ セミナー |
| トキ、ヒマリを運んであげて。 |
| トキ C&C |
| ……。 |
| トキ C&C |
| はい、リオ様。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| あ、あなたたちにはお願いしていませんよ!? |
| トキ C&C |
| こういう時は、助け合っていくものです。 |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| 私の経験上、トキがまともなことを言う時は何か裏が―― |
| ヒマリ 特異現象捜査部 |
| ひぃっ、せ、先生……! |
| [ns] "……みんな、出発しようか。" |
| モモイ ゲーム開発部 |
| う、うん……じゃあゲーム開発部も出動! |
| アリス ゲーム開発部 |
| はい! |