「DORAG-ON DRAGOON」
![]() | 【WEAPON STORY】 |
| 遥か東の国の都に歌を詠むことで生計を立てて いる歌人がいた。自分の才能に限界を感じ始 めていた彼は、ある日妖怪と契約をしてしまう。 | |
| 妖怪の力により、次々と新しい歌を発表する歌 人。どの歌も素晴らしく、都中の評判となる。 ついには将軍家のご指南役にまで昇進した。 | |
| ある日、妖怪が再びやってきて歌人に言った。 「おまえの一生分の才能はもう使い果たした。お まえは二度と歌を詠むことはできないだろう。」 | |
| 妖怪の言ったとおり、彼は一行の歌も詠めなくな ってしまう。世を儚んだ彼は、自害してしまった。 その剣は今でも彼の血で鈍く光っているという。 |
「DORAG-ON DRAGOON 2」
![]() | 【WEAPON STORY】 |
| 遥か東の国の都に歌を詠むことで生計を立てている歌人がいた。 自分の才能に限界を感じていたある時、 質屋に飾られていた美しい刀を目にした。 赤く輝く刀身に魅入られた歌人は、刀を購入し持ち帰る。 | |
| 傍らに刀を置き、うとうとと寝入ると、 夢枕に一匹の妖怪が現れ、歌人に取引を迫った。 おまえの名をくれれば、万能の才を授けよう、と。 | |
| 歌人は才を得る為に、自らの名を妖怪に与えた。 契約どおり、歌人は優美な肢体と、 卓越した才能を一夜にして手に入れた。 | |
| 才の代わりに名を失った歌人は、次第に人の姿を失っていく。 ついに妖怪と成り果てた歌人は、闇の中へと消えていった。 後に残るは、名を得てさらに輝きを増した刀だけだった。 |
「NieR Replicant」
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| 【ゲーム内での武器説明】 |
| 主君を敬愛する付き人が持っていた剣。 その強い忠義心は刀身の様に曲がることなく今でも主君を守ろうとしている。 |
| 【WEAPON STORY】 |
| 東の果ての都に高名な歌人がいた。 けれど歌人の才は、晩年には一首の歌すら詠めぬ程に枯れ果ててしまう。 落ちぶれて嘆く歌人に、いつの間にやら傍に佇んでいた僧が そっと一振りの刀を握らせ語りかけた。 |
| 「この刀で一人殺せば一首、二人殺せば二首、 この世に二つとあらぬ程素晴らしい歌が詠めましょう」 僧の言葉に縋りつくようにして、歌人は夜の闇に紛れ路傍の男を斬り捨てた。 すると翌日歌人は素晴らしい歌を詠み、再び名声と栄華を手に入れた。 |
| それからも歌人は一人殺して一首詠み、 二人殺して二首詠んでは、目も眩む程の富と名声を手に入れ続ける。 ところがある時、大切な者を殺せばどんなに素晴らしい歌を詠めるのか、 という欲求を抑えきれなくなった。 |
| そして歌人はとうとう自らの妻を殺して一首詠み、子らを殺して子の人数分歌を詠み、 屋敷中の者を殺して歌を詠み 歌を詠み 歌を詠み 歌が追いつかぬ程に 道行くものを殺しては歌を詠み 殺しては歌を詠み 殺して 殺して 殺して 殺し、 やがて最期は歌も詠まずに自害した。残ったのは血に濡れた刀だけだった。 |
「NieR:Automata」
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| 【ゲーム内での武器説明】 |
| 主君を敬愛する付き人が持っていた剣。 その強い忠義心は刀身の様に曲がることなく今でも主君を守ろうとしている。 |
| 【WEAPON STORY】 |
| 遥か東の国の都に歌を詠むことで生計を立てている歌人がいた。 しかし彼の歌は人々の心に届かず金にはならない。 日々の生活は苦しくなるばかりだった。 |
| 己が才の限界を感じた男はやがて筆を折り、畑を耕すようになっていった。 真っ白だった肌は日に焼けて黒くなり、華奢だったその身体は力仕事で逞しくなってゆく。 |
| やがて男は妻を娶る。気立ての優しい穏やかな妻だった。数年後には子宝にも恵まれた。 平和な日々が通り過ぎてゆく。男は知った。これ以上の幸せはないと。 |
| そこまで書くと歌人は筆を置き紙を飲み込んだ。 才は要らない、次はこの様な人生を歩みたいと願いを込めて。 そして自分のモノではない血で汚れた信義を自らの胸に深く沈めた。 |
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