「処刑台の記憶」WEAPON STORY

Last-modified: 2021-10-07 (木) 23:45:34
DORAG-ON DRAGOON

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WEAPON STORY
帝国軍の牢獄にある処刑台で使われていた斧。
この斧で幾千もの首がはねられた。初めは処刑に
使われていた、ただの疎むべき存在であった。
製作者自らがこの斧に倒れたことをきっかけに、
斧がただの斧でなくなった。斧は何かを求めるよ
うに、小枝を落とすように次々と首を狩っていく。
民からの人望も厚い王国の将軍も断頭台に頭を乗
せられ、民衆が見つめる中、その血を流していく。
処刑者に善悪はなく、あるのは首の無い骸だけ。
幾百年の時を経て、斧はさまざまな首を狩り続け
る。数十の王国の処刑を執行し更なる受刑者を
求め、歴史の中を彷徨う。
DORAG-ON DRAGOON 2

DORAG-ON DRAGOON 2

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WEAPON STORY
“斧”は考えていた……。「私は…幾人の首を刎ねただろう」
悪人、反逆者、革命家、政治家……中には全く罪のない人間もいた…。
もう何も覚えていない。
ただ一人、あの男……いや、男というには早い、あの少年を除いて…。
その少年は、断頭台に頭を置いても全く動じる気配がなかった。
どんな屈強な男でも卑劣な悪人でも死を目前にすると、
わずかな希望や行き場のない絶望が精神を支配する。
それは刎ねる瞬間、わが刀身から直接伝わってくるのだ。
しかし!彼は他の誰とも違った!彼の精神はただ希望が溢れていた。
それは狂信的に心酔する者の持つ偽りの希望ではなく、
彼自身が望み、悟り、己が意志でこの場にいるということ!
彼の、その清らかな精神は物言わぬこの私が叫びたくなる程であった。
彼の刑は執行された……。
処刑を見に来た多くの群衆の中に、隠れながら涙する若者達がいた。
その涙の意味は、私にはわからぬ。
ただ、彼の希望と、そして未来は、若者の涙と共に語り継がれる……。
それだけは私にも確実にわかった。