第1章 始まりの4人
第1話 チュートリアル
光が収まり、地面に立ったような感覚を感じる。
どうやら、例の世界についたみたいだ。
「えっと、来れたのかな?」
っと、口に出す。自分の声より高い声が響く。
「あっ、声が違うってことはキャラメイクしたやつになってるのかな...」
とりあえず、股間を触る。幸い相棒はそこにあった。
「よかった。TS願望も若干あったから、なくなってないか心配だったんだ。」
顔は見れないけど、性別や服装からキャラメイクしたキャラと同じになっているらしい。
「じゃあ、次は何かを生み出せるって話だよね。何でもできるって言ってたけど...どうするんだろう。」
そういいながら、いつもの癖でホルスターから拳銃を取り出す動作をしながら頭にグロック17を思い浮かべる。
「へっ?」
手に重量を感じた。驚いて手を見るとそこには、Wikipediaやゲームの銃発砲動画でしか見たことがなかったグロック17が自分の手の中にあった。
思わず投げ捨てそうになるのを必死に抑えて、慎重に両手で持つ。
「本物..? エアガン...?」
本物の銃どころか、エアガンすら持ったことのない僕はトリガーに指を変えないようにしながら震えた手で持つ。
すると、突然脳内に実銃のグロック17の使い方が流れてくる。
僕はそれに倣い、マガジンを抜こうとして、取り落とす。
カチャンという音ともにマガジンは地面に落下する。
しかし、僕はそれを拾わずトリガーに気を付けてスライドを引く。
幸い弾は入っていなかったらしい。
「ふう~」
僕は一息つくと地面に落ちたマガジンを見る。マガジンには金色?の弾丸が入っている。恐らくは9mmパラベラム。
「つまり本物......撃ってみたい。」
そう思うと、そのまま、マガジンを入れるとスライドを引き、初弾を装填する。
そして、いつもまねしていた構え方で構えて近くにあった岩に向けて引き金を引く。
バン!という音、キーンとなる耳鳴り。
僕は思わず、片耳をふさぐとそのまましゃがみこんだ。
「うっ、忘れてた。銃声なんてスピーカーの何百倍じゃん。」
自分の敏感な耳のことを思い出す。
「イアーマフほしいな。射撃場とかにあるあれ。」
そう言うと、映画やドラマで見たイアーマフが目の前に落ちてくる。
「すごい、これを付ければましになるかな。」
実際につけて、もう一度引き金を引く。
若干音が収まる。
「よし、これで大丈夫。そういえば、出せるのは銃だけじゃないよね。」
そう言うと僕は脳内にある人物を思い浮かべる。
すると、目の前に金髪の外国人が現れた。
「っと、初めましてかな。チェイス・マケインだ。」
第2話 分隊結成。
チェイス「っと、初めましてかな。チェイス・マケインだ。」
目の前に立っている男性。自分よりも大きく屈強。脳内で様々な戦いに参加し、生還した特殊部隊員にして潜入捜査官。
チェイス・マケインその人だ。
チェイス「DD-183、だったか。呼びずらい名前だな。」
ゆう「あっ、それじゃあ、夕ぐr...衛護ゆうと読んでください。」
自分の脳内創作に幾度もなく登場して人が目の前にいるという興奮から、考えていた自分の呼び名を間違えそうになる。