全裸宴

Last-modified: 2024-05-15 (水) 00:45:02

9月19日の夜、深夜の児童公園内に全裸の美少女たちが大集合していた。
 全裸隊参謀の宇治松千夜の誕生日を祝うパーティーが開かれていた。
「最初はリゼちゃんだけから始まった全裸の輪も大きく広がったわね」

千夜は昔を懐かしんでいた。元々羞恥心に掛けるリゼが全裸で野外活動を始めたのでそれに千夜が悪乗りしていったのが全裸隊の始まりだった。
 だが今、全裸は全裸隊というグループの枠を超えて広く少女たちに広まっていた。

千夜はここしばらく顕著な活動を行って全裸普及に大きな貢献をした四人組を見つめた。
 公園中央では四人の少女たちがプロ顔負けのライブパフォーマンスを披露していた。
「はゆちゃんが全裸ライブの活動を通じて全裸に積極的になってくれたのはとても嬉しい誤算だったわ♡」

全裸隊隊長シャロとご意見番の桜ノ宮苺香。二人に守られた貫井はゆは全裸隊メンバーでありながら全裸から遠かった。
 だが、はゆは全裸ライブ活動を通じて自ら全裸を選んだ。全裸隊の活動ではなかったが、全裸推進派の千夜としては嬉しいことだった。

「義務教育の間は全裸禁止をシャロちゃんに言い渡されていたメグちゃんもおちんちん娘の一員として今は生き生きと全裸している♡」

続いて千夜が目を向けたのは平均年齢十二歳ほどの四人のロリっ子たちだった。
 神野めぐみ、めぐみん、メグ、そしてコッコロ。彼女らはおちんちんに興味津々な年頃でいつかは弄り倒して遊びたいと思っている。耳年増で、男の股間を大きくするには美少女が裸を晒せば簡単という情報から常に全裸で活動する様になった。そんなおちんちん娘にメグはよく馴染んでいた。
「メグちゃんは裸を見られることが大好きだものね♡」
 メグだけは裸を晒す理由が他と違っていた。

「本田未央ちゃんのおかげでプロのアイドルの中にも全裸活動の場が出来たのは非常に大きかったわね」

千夜はJK一人とJS二人という珍しい年齢構成のアイドルユニットへと目を向けた。
「うぬぬ。周りが全裸だらけでちゃん未央さまの極上ボディが目立たない、だとっ!?」
「みんながライバル。面白いじゃない!」
「ハァハァ♡ 千枝は大勢の前で小さな胸を晒してドキドキでいっぱいです~♡」
 佐々木千枝だけは全裸を露出することで性的な興奮を得ていた。
「……やはりメグちゃんか千枝ちゃんね」
 大勢の全裸少女が集まる中、千夜は二人のまだ幼い少女に特に注目していた。

「めがねめがね、めがねどこ~?」

三重あいが全裸のまま公園の中へと入って来た。その様に千夜は感心した。
「めがねと一緒に服も忘れてしまう。これならシャロちゃんも怒れないわね」
 千夜は全裸が進化していることに感心した。不可抗力であれば規律に厳しいシャロや苺香も怒ることはできない。ごく自然に全裸になる方法が少女たちの間で磨かれている。千夜は新時代の到来を感じずにはいられない。千夜の胸は得も言われぬ熱さで満たされていた。
 全裸の裾野は広がった。だが、それは世間の全裸に対する理解度が増したことを意味しなかった。正反対に進んでいた。

「しゃっ、シャロさんと苺香さんにこの宴のことを聞き付けられて凄い剣幕でこっちに向かってきてますぅ~っ!」
「ここは嗅ぎ付けられたと思った方が良い」
 全裸隊小動物のシャミ子が泣きながら公園内に駆け込んできた。シャミ子はお目付け役の千代田桃と共にシャロの動向を探っていた。
 そのシャロはアルバイトの最中に大規模全裸集会が開かれている噂をおばちゃんから聞き付けて苺香と共に公園に進軍中だった。
「もう駄目ですぅ~っ! シャロさんに見つかったら朝までお説教は避けられませぇ~ん」
「舌を噛む準備なら出来ている」
 偵察の二人は既に諦念モードだった。他の参加者にも動揺が走った。

「シャロちゃんは幼馴染みであるこの私が惹き付ける。だからみんな、その間に逃げて」
 千夜は自らが囮となることを申し出た。
「でも、千夜さんは誕生日なのにそんな……」
「シャロちゃんとの付き合いは長い。怒られた回数も誰よりも多い。だから大丈夫よ」
 千夜は己の命を賭して強がってみせた。
「若い子たちの全裸の芽をここで摘むわけにはいかないの。早く逃げて」
 千夜の訴えにより宴参加者たちは足早に公園を去っていった。
「メグちゃん、千枝ちゃん。あなたたちには特に期待しているわよ。見られて興奮するあなたたちには……」

次世代に希望を託し千夜は扇子を片手に優雅に怒れる少女たちへと振り返ったのだった。