花火情景~夜空に舞う天↑空↓
前回までのあらすじ
突然始まった~ドキッ!漢だらけの腕相撲大会~
エリンシアが暴走し、リーフが利に走る中、大会は順調に進み、勝ち残ったのはわずか4名
AブロックのアイクVSバアトルは、まさかのアイク敗退で幕を閉じる
そして次はBブロックのラルゴVSアシュナードだが・・・・・・?
ラルゴ「ぐ、ぅっ・・・・・・・・・あっ!」
アシュナード「弱すぎる・・・・・・つまらん」
ざわ・・・・・・ざわ・・・・・・・
フィル「こ、これはなんということでしょう!
アシュナード選手、ラルゴ選手にわずか2秒で勝利!
準決勝でもその無敵ぶりは健在です!!」
エリンシア「ラルゴさま・・・・・・大丈夫かしら・・・・・・・KINNIKUハァハァ」
リーフ「姉さん、よだれよだれ」
ラルゴ「ぐっ・・・・・・やっちまった」
カリル「あんた・・・・・・!」
エイミ「うわぁぁーーん!!お父さんが・・・・・・・お父さんが死んじゃうよぅ!」
うずくまるラルゴの方に駆け寄るカリル、エイミ
ラルゴ「何・・・・・・死にゃしねえさ・・・・・・・」
エイミを心配させまいと、平静を装うラルゴ
だがその顔色は青く、息は荒い
カリル(小声)「あんた、その腕・・・・・・」
ラルゴ(小声)「ああ・・・・・・・多分、まともに動かすのは無理だな」
カリル(小声)「・・・・・・・・・・・・」
ラルゴ(小声)「あんまり心配すんなって。店での仕事位ならできるさ」
カリル(小声)「フン!別に心配なんざしちゃいないよ。
強盗追っ払う位なら、あたし一人で十分だからね
・・・・・・だから、今はおとなしくしてな」
ラルゴ(小声)「カリル・・・・・・すまねぇな・・・・・・・・・」
カリル「ほら、あんたももう涙を拭いて・・・・・・・」
エイミ「ぐす・・・・・・うん・・・・・・・」
ラルゴ「うっし!心配かけたな。さあ、店に帰るとするか!!」
エイミ「お父さん、お手手つなごう!」
ラルゴ「おう、いいぞ」
カリル「こら、お父さんは今・・・・・・」
言いかけるカリルを目で制するラルゴ
今は何も言うなと
この子を不安にさせるな、と
カリル(やれやれ・・・・・・かっこつけるじゃないか)
そんな所に惚れたんだけどね、と心の中で付け加えるカリルであった
フィル「さあ次はいよいよ決勝戦!
兄弟家最強、アイク選手を倒した主催者・バアトル!
ここまで圧倒的な実力で相手をねじ伏せてきたアシュナード選手!
果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか!!!
・・・・・・なお、台座は頑丈なものに取り替えましたのでご安心くださいませ」
観客「バアトル!!!!バアトル!!!!バアトル!!!!」
観客「アシュナード!!!!アシュナード!!!!アシュナード!!!!」
エリンシア(一番大音量)「( ゚∀゚)o彡°KINNIKU!!!!KINNIKU!!!!」
リーフ「熱っ!ここら辺絶対外気+10℃位あるって!!!」
バアトル「ぬおお!燃える!」
アシュナード「ククク・・・・・・あやつに勝つとは、少しは骨がありそうだな・・・・・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・
リーフ(アシュナードさん、メダリオン化してるような・・・・・・。き、気のせいだよね・・・・・・?)
フィル「さあ両者、位置につきました!
それでは、決勝戦・・・・・・・開始です!」
(父上・・・・・・!!)
GO!
グッ・・・・・・グググッ・・・・・・
アシュナード「ほう・・・・・・少しはやるようだな」
バアトル「ぐっ・・・・・ぬ、うっ・・・・・・!」
一瞬互角に見えたこの勝負
だが少しずつ、しかし確実に押し返されていくバアトル
アシュナード「ククク・・・・・・・よく耐える。だが、これで終わりだ・・・・・・!!」
グン!
突然、アシュナードの腕の力が増す
傍目から見ても、その強化幅は常軌を逸していた
バアトル「!!ぬおおおおっ!!(まだ・・・・・・これ程の力を・・・・・・!!」
アイク「・・・・・正直、俺は今のあいつには勝てる自信がない」
冷や汗をかきながら、淡々とした口調で呟くアイク
リーフ(アイク兄さんに戦意を喪失させるなんて・・・・・・
今日のアシュナードさん、やっぱり“アレ” の影響でおかしくなってる。
だとしたら・・・・・・バアトルさんが危ない!!)
ギリギリの所で踏ん張るバアトル
しかし無情なまでの力で押してくるアシュナード
バアトル「く、そっ・・・・・・・!!」
アシュナード「終わりだ・・・・・・!!」
アシュナードがとどめを刺そうと、力を込めたその時
アシュナード「・・・・・・・・・・・・・!?」
ぐらっ
突然アシュナードがバランスを崩す
もちろん本来なら腕相撲の最中にそんな事はありえない
観客からは、バアトルが火事場の馬鹿力を出したとしか見えないだろう
バアトル(今しかない!!)「オオオオオオオッ!!!!」
グオオッ・・・・・・!
だんっ!
台座に叩きつけられるアシュナードの腕
観客「え・・・・・・・・・・・・?これって・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「「「・・・・・・うおおおおおおおっ!!!」」」
一瞬の沈黙
その後爆発する歓声
今ここに、勝負は決した
フィル「ゆ、優勝は・・・・・・・
大会主催者にして私の父!!!!バアトル選手ですっ!
どうか皆様、大健闘した両者に盛大な拍手を!!!!!!
私・・・・・・涙で・・・・・・涙で前が見えませんっ!!!!」
観客「( ゚∀゚)o彡°バアトル!!!!( ゚∀゚)o彡°バアトル!!!!」
エリンシア「ハァハァ・・・・・・モウシンボウタマラン」
リーフ(姉さんが壊れた!!
ん・・・・・・?待てよ・・・・・・・。
(掛け金計算中)
・・・・・・グハッ!コノヒトデナシー!!)
アイク「・・・・・・・・・・・・」
誰もが会場の中央を見る中、ただ一人で入り口を見据えるアイク
そこには、一人会場をあとにする黒い影
その影を追いかけるかのように外に出る
そして・・・・・・
アイク「・・・・・・おい、待て」
???「・・・・・・・やっぱりあなたにはばれてましたか、アイク」
アイク「・・・・・・セネリオ」
セネリオ「何も言わないでください。
・・・・・・確かに、僕はあの男の・・・・・父の、足に向けてウィンドを使いました。
それも、気付かれないように」
アイク「・・・・・・・・・」
セネリオ「あなたがこの手の不正を嫌うのは知っています。
それに、僕があの男を好きではないという事も」
アイクは、無言
ただ真っ直ぐ、常人には耐えられない程の視線で、セネリオの目を見据え続ける
そして、セネリオも目を逸らさずに、話し続ける
セネリオ「しかし、それが理由ではありません。
・・・・・・今日のあの男は・・・・・・どこか、壊れていた」
アイク「壊れていた・・・・・・?」
セネリオ「準決勝の相手・・・・・・。
いくらあいつが戦闘狂だとしても、相手を腕相撲で再起不能に追いやるなど、
普段ならばありえません。
そして決勝で、殺意が更に増大したのを感じて・・・・・・・
まるで、相手を殺しかねない程に」
アイク「だから、止めたと言う訳か」
セネリオ「僕のした事が、正しい事だとは思っていません。
ただ単に、身内の尻拭いをしただけ。
それも、武人としては最低の方法で・・・・・・・・」
アイク「・・・・・・・俺も強さを追い求める内の一人だ。
正直いって、お前のやり方が良かったと言うことは出来ない。
それにあの2人も、決して認めはしないだろう」
セネリオ「・・・・・・・・・っ」
信頼している者からの批判は、身を切られるより辛い
その事実を改める知らされるセネリオであった
沈黙が、痛い
・・・・・・長い沈黙の後、アイクが唐突に語りだす
アイク「・・・・・・だが、武人ではなく個人として言わせてもらうならば、
あれでよかったと俺は思う。
お前は間違えたのかもしれんが、悪い間違え方ではない。
セネリオなりに、あの2人を助けようとしたのだろう?」
そういって、表情を和らげるアイク
この人にはやっぱり隠し事はできない・・・・・・・
セネリオは改めて、アイクという人間の大きさを知った
セネリオ「・・・・・・あなたには敵いませんね」
アイク「そうでもない。お前の方がずっと頭が良い」
セネリオ「理屈じゃないんです。きっと・・・・・もっと別の何か」
アイク「・・・・・・よくわからん。長話は苦手だ」
ぼりぼりと頭を掻くアイク
そしてそれにつられるかのように、セネリオは苦笑する
セネリオ「あなたはずっと、そのままでいいんだと思います、アイク」
アイク「俺は俺だ。このままの俺で行くしかない。
・・・・・・仲間や家族無しでは、弱い男だ
お前も、俺も、それは変わらん」
セネリオ「そうかも・・・・・・しれませんね」
しばしの、沈黙
しかしそれは、先程とはまるで違う、穏やかな沈黙であった
セネリオ「・・・・・・では、アイク。
最後に一つ言っておくことが・・・・・・・・」
アイク「・・・・・・?」
セネリオ「この辺り一帯に、妙な空気が満ちています。
・・・・・・どうか、お気をつけて。」
アイク「・・・・・・・分かった」
そう一言だけ残し立ち去る背中をみて、やはり敵わない・・・・・と思うセネリオであった
花火情景~夜空に舞う天↑空↓~48:2009/10/13(火) 16:45:48 ID:TH64ziTW
―――上空
???「マルスちゃんにはばれちゃったみたいね・・・・・・」
奇妙な光を身にまといながら、そう呟くょぅじょ・・・・・・もとい、ユンヌ
ユンヌ「まぁいいわ。もう会場中に負の気が満ちた・・・・・・。
この中で私に勝てる者は居はしない
例え何者であっても」
目の前の空虚に、独り言を空しく響かせる
心なしかその姿は、普段よりも大きく見える
ユンヌ「さあ、そろそろ始めましょう・・・・・・・・・もう一つの祭を、ね」
とうとう、動き始めた黒幕・ユンヌ
果たして兄弟家の面子は、この狂神を止められるのか
そして作者は、どうやってオチをつけるつもりなのか
続く