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Last-modified: 2014-01-19 (日) 20:11:38

花火大会~夜空に舞う天↑空↓

 

アイク達兄弟家は力を合わせ(?)ユンヌの負のオーラを破壊することに成功した
それによって負の気に満ちた会場は本来の姿に戻り始めるのだった

―――中央部
マルス達兄弟家一同は、地に倒れ伏すユンヌの周りに集まっていた
他の人々は会場の整備や怪我人の治療で忙しいようだ

本来、責任者に犯人を突き出すべきなのだろうが・・・・・・
アイク曰く、「身内のことは身内で責任をとる」
ということで、謝罪は後日という事になったのだ

取り囲まれる形で、ユンヌは皆の輪の中にいた
そして、衝撃の告白をする

ユンヌ「ふふ・・・・・・
    やられたのは悔しいけれど・・・・・・・・・・・・
    アイクに攻撃されてた時・・・・・・
    なんていうか・・・・・・こういう形の愛情表現もありかなって(ry」
リーフ「変態女神自重」
マルス「はいはいメダリオンメダry」

下らない口上に付き合う気は無いといわんばかりにメダリオンを取り出すマルス
そしていつもの様に封印しようとしたのだが・・・・・・

アイク「待て」
マルス「・・・・・・・・・アイク兄さん?」

マルスが怪訝そうな顔をするのも無理は無い
倒した張本人のアイクがユンヌの封印を遮ったのだから

アイク「・・・・・・少しユンヌと話したい。構わないか?」
マルス「・・・・・・僕が何を言っても話すつもりでしょう?
    どうぞご自由に」
呆れたように肩をすくめるマルス
しかしその視線は油断なくユンヌに注がれ、目線が外されることはない
今回の件は、多かれ少なかれ兄弟家皆が共通の感情を抱いていた

いくらなんでもやりすぎだ、と・・・・・・

当然アイクも例外には当たらない
アイク「・・・・・・・・・・・・・・・」
ユンヌ「・・・・・・・・・・・・・・・」
ヘクトル(おいおい・・・・・・これはちょっとやばいんじゃねーか・・・・・・?)
リーフ(一発殴ってもおかしくない雰囲気だけど・・・・・・いくらアイク兄さんでも・・・・・・)
エフラム(・・・・・・くっ、例え邪神とは言え、兄上に幼女を殴らせる訳には・・・・・・アーーーーッ)
エイリーク(自重して下さい・・・・・・兄上) つ ジークリンデ

一歩前に進み出たアイクの顔には、普段は滅多に見せない険しい表情が浮かんでいた
その迫力に、家族全員が気圧され、ユンヌは怯えた表情を見せた
確かにユンヌの犯した罪は許されるものではなく、ここでアイクが平手打ちの一つはしてもおかしくはない

だがアイクがユンヌに投げかけたのは・・・・・・
「・・・・・・ユンヌ。今回は幾らなんでもやりすぎだ」
堅い握り拳ではなく、皆の気持ちを代弁する、一握りの言葉であった

アイク「お前はこんな事をしない奴だと思っていたんだが、な・・・・・・」
ユンヌ「・・・・・・ッ。私が・・・・・私が何を考えてるかなんて分かるの?」
アイク「・・・・・・?」
ユンヌ「私は神よ。私が何を考え何をしようと、それは私の勝手だわ」
アイク「あのな・・・・・」
ユンヌ「赤の他人の、ただの人間のあなたに・・・・・・私の事なんか分かる筈がない。
    どうせあなたも思ってるんでしょ?
    邪神、負の女神・・・・・・・ああ、やっぱりこんな奴だったのか、と」

自らを嘲るような口調でユンヌは言葉を紡ぐ
そうやって自らを傷つけ、周りから遠のける
それはつまり、彼女の罪悪感の表れでもあるのだが・・・・・・

アイクはユンヌに話しかけ続ける
ユンヌが投げかける自己嫌悪、罵倒、厭世の叫びをつとめて無視しながら

アイク「・・・・・・少し落ち着け。
    俺はただ・・・・・・」
ユンヌ「ただ・・・・・・何?」
アイク「ただ聞きたいだけだ。
    何でこんな事をした?」

ユンヌ「ふふ・・・・・・そんな事は決まってるわ。
    私が混沌の女神だk」

ズドンッ

ユンヌの偽りの答えは、轟音にかき消された
―――アイクが愛刀を地面に向けて振り下ろした、その轟音で

アイク「・・・・・・話を聞け。
    俺はお前の事は知っているつもりだ。  
    だから・・・・・・お前が単なる遊びでこんな事をしたといっても、誰も信じはしない。
    俺も、マルスも、家族全員・・・・・・・・・な」 

マルス「・・・・・・・・・・・・・」
マルスが複雑そうな顔をするが、別に反対の声を上げたりはしなかった
彼も本心ではアイクの言いたい事が分かっているのだろう

ユンヌ「っ・・・・・・お、お人好しね・・・・・・・。
    ほんとに、馬鹿がつく位・・・・・・・お人好しだわ」 
    (だから私は・・・・・・あなたの事が・・・・・・)
アイク「俺が馬鹿な事は否定しない。
    そしてお前を信じている事もな。
    だからもう、良いだろう?
    理由を話せ。それ次第では、俺がサナキに掛け合って・・・・・・」     
ユンヌ「・・・・・・・・・!」
―――この“ヒト”は・・・・・・・・まだ、庇うのか?
   どうして?なんで?
   私は混沌。平和なんて大嫌い。
   私は謎。人は私を理解できない、されたくもない。
   私は負の女神。人は私を信じない。だから私も信じない。
   そうやって何年も、何十年も・・・・・・・
   
アイク「・・・・・ってな。・・・・・・おい、聞いてるのか?」
ユンヌ「・・・・・・だって・・・・・・・」

ほんの微かな声が、ユンヌの口から洩れる
声量はかなり微弱で、しかも顔を伏せた状態から発せられた為、
長身のアイクには聞き取れない
アイク「ん?何だって・・・・・・?」

ユンヌ「だって・・・・・・だって・・・・・・・」

   「寂しかったんだもん・・・・・・・・・・」

そう言って顔を上げたユンヌ
今にも泣き出しそうな幼子の様な表情が、そこにはあった

悪びれた悪戯好きな混沌の女神
その偽りの仮面が、剥がれ落ちた瞬間だった
ユンヌ「私は混沌の女神・・・・・・平和とは無縁・・・・・・ううん、むしろ真逆の存在。
    人々は平和を欲し、私を疎む。
    ・・・・・・・・・私には居場所がなかったわ。
    いつもミカヤの中かメダリオンに封印されて、
    たまに出てきて皆の平和をかき乱して・・・・・・・・・」

皆が黙って、ユンヌの告白に耳を傾ける
彼女の口調からは、嘘の気配など微塵も感じられなかった
アイク「・・・・・・・・・・」
マルス「・・・・・・・・・・」
兄弟家一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ユンヌ「私がヒトにとって迷惑な存在だって事は分かってた。
    邪神なんて呼ばれてもしかたがない・・・・・・・・・。
    でも、私はそれでも・・・・・・自分の居場所が欲しかった。
    自分の存在を認めて欲しかった。
    褒められて、称えられて、崇められて・・・・・・
    世界が混沌に包まれれば、混沌こそが正常。
    私こそが普通になる。
    私は、私の居場所を手に入れるはずだった」

なおも告白は続く
それを聞いての反応は、皆一様に異なっていた
無表情のもの、考えるもの、同情するもの・・・・・・
そして、自らと重ね合わせるもの

ミカヤ(ユンヌも、私と同じだわ・・・・・・。
    ただ孤独で、何かに縋り付きたくて足掻いている女の子。
    私は家族や友達がいたけれど、この子は・・・・・・・)

ユンヌ「・・・・・私だって分かってる。
    自分が本当はヒトと交わっっちゃいけない存在だって。
    でも、それでも私は・・・・・・・・・・・私だけの居場所が欲しかった!!
    認められ、受け入れられ、仲間に入れて欲しかった!!
    だから・・・・・・私は・・・・・・・・・・」
そしてユンヌは再び俯いてしまった
まるで本心を晒しすぎた己を恥じるかのように

一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そして思いもがけない重い告白に、沈黙に呑まれる一同
普段のおちゃらけている明るい顔の裏には、これ程の心の闇の存在があった
その事実を前に、誰も声が出ない
小さな彼女に、かける言葉が見つからない

そんな重苦しい空気の中、沈黙を破ったのは・・・・・・・
やはり、あの男であった

アイク「・・・・・・・・何を言っている」
ユンヌ「え・・・・・・?」
突然のアイクの発言にユンヌは戸惑う
そのままアイクはスッ・・・と近づいてくる

突然の行動にユンヌは思わず反射的に身構えてしまう
そしてアイクは

がしっ!!

ユンヌ「!!!?!?!?!?!!?」

しっかりと、ユンヌを抱きしめた

ロイ(うーわ・・・・・・・・・)
リーフ(無自覚って一番性質が悪いよね・・・・・・・・・)

そんな周囲の反応をよそに、アイクはそのままユンヌに話し始める

アイク「さっきから言おうとしてたんだが・・・・・・・。
    お前は紛れも無く、俺達家族の一員だ。
    居場所なら・・・・・・・俺達が作ってやる。
    ・・・・・・だから、お前は孤独じゃない。
    今までも、そしてこれからもな」

ユンヌ「・・・・・・・・う・・・・・・・」
今まで顔面に張り付いていた仮面にヒビが入る
最初は少しずつ・・・・・・そして、全てが現れるまでにそう時間はかからなかった

ユンヌ「・・・・・・・・・・ううぅ・・・・・・・うわあああああぁん!!!!」

堰を切ったかのように、彼女は泣き出した
寂しさ、孤独、絶望
その全てが、彼のたった一片の真実で救われた
今までの事を流し去るように、涙は止め処も無く溢れ出る

ユンヌ「うぇ・・・・・ひっく、ぐす・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・!!
    ごめん、な・・・ざい・・・・・・・・・
    ホントは・・・・・・・・・怖くて・・・・・・・嫌われるのが、怖くて・・・・・・・・
    でも寂じぐてぇ、自分じゃどうしようも、なぐて・・・・・・っ!!」
泣きながら喋っているのでかなり聞き取りにくいが・・・・・・
それでもユンヌの言わんとする所は、皆十分に伝わっていた

そしてアイクは、そのままユンヌの叫びを受け止め、優しく背中を摩り続けた
もう苦しまなくても良い。俺達がいる。
そんな当たり前の事を、彼女に実感させる為に・・・・・・

・・・・・・

やがて落ち着いたのか、アイクから離れて皆の方を向くユンヌ
そして彼女の第一声は・・・・・・
ユンヌ「・・・・・・ごめんなさい。
    謝って済む事じゃないのは分かっている。
    許してはもらえない事も・・・・・・・・・・
    それでも、本当に皆・・・・・・ごめんなさい」
泣き過ぎて枯れた声で、震えながら彼女は謝った
それが本心からの謝罪である事を疑うものはいなかった

アイク「皆。俺は、ユンヌを許してやりたい。
    もちろん、迷惑を掛けた分は償わせるし、力が足りなければ俺も・・・・・・」
ミカヤ「私からもお願い。ユンヌを許して、そして・・・・・・・受け入れてあげて欲しい」
セリス「僕も・・・・・・」
ロイ「うん、そうだね・・・・・・・・」

場の空気が急速に弛緩し始める・・・・・・
あの男の一言がなければ

マルス「・・・・・・・・・・まだだよ」
アイク「マルス・・・・・・・・・・・・・?」

マルスはそれだけ言うと、ユンヌの前に移動する

マルス「ユンヌ。アイク兄さん達は許したかもしれないけど、僕は違う。
    確かに君の境遇には同情する。
    でも、君は普段から周りに迷惑をかけ、更に今回は家族に限らず多くの被害を出した。
    それは・・・・・簡単に許せるものじゃない」
静かな、それでいて意思のこもった口調でマルスは言葉を連ねる
ユンヌは、静かにマルスの言葉に聞き入る

マルス「・・・・・・だから、君を封印する」
封じられていた頃の記憶が蘇ったのだろうか
封印、という単語を聞いて、ユンヌの体が強張る

ユンヌ「私・・・・・・また、一人になるの・・・・・・?
    もう・・・・・・一人ぼっちは、いや・・・・・・・!」

チキ「それ・・・・・・私のせりh・・・・・・・もが・・・・・・・」
ミルラ(・・・・・・・・・自重しなさい)

ユンヌ「・・・・・・分かったわ。
    今回は、自分でもやり過ぎたと思うし、反省もしてる。
    封印してちょうだい」
ずずい、と自分からマルスの前に進み出る
そしてメダリオンに近づいていく・・・・・・
が、マルスによって阻まれる

ユンヌ「え・・・・・・・?」
マルス「話は最後まで聞いてくれ。
    誰がメダリオンに封印すると言ったんだい?
    ・・・・・・君をこれから、僕達の家に1ヶ月封印する。
    サナキ社長に結界を張ってもらってね。
    まあ外出禁止兼、力を封印って所さ。
    ・・・・・・・僕達にとっては迷惑な話だけど、
    “家族”が迷惑をかけたんだから連帯責任で仕方なくって所さ」
やれやれ・・・・・といった様子で肩をすくめながら、そう締めくくる

エリンシア(ふふふ・・・・・・・)
ミカヤ(強がっちゃって・・・・・・・・)
リーフ(ツンデレ乙)

ユンヌ「なんで・・・・・・なんでそんな急に、そんな・・・・・・・・う・・・・・うぇ・・・・・・・」
マルス「おやおや、まだ泣き足りないんですか?
    泣き虫女神(笑」
ユンヌ「う・・・・・・この・・・・・・この、腹黒っ!!」
マルス「ちょ、痛い痛い、あっマジでイタイタタタタ」
顔を赤くしながら、ぽかぽかとマルスに殴りかかるユンヌ
それは、傍から見れば妹が兄に八つ当たりしているような、そんな微笑ましい光景であった

ちょうどその時

ヒューーーッ・・・・・・
ドーン

エリンシア「あら・・・・・・・」
エイリーク「花火の方が始まったみたいですね」

ロイ「そういえば本来はこれがメインなんだよね・・・・・・」
エフラム「色々あったせいですっかり忘れていたな」

ヒューーーッ・・・・・・
ドンドンドーン
セリス「わぁ!!綺麗だなぁー」
セリカ「ええ、本当に綺麗ね・・・・・・」
アルム「いや、君の美しさに比べたら、あんなものただの火花さ」
セリカ「アルム・・・・・・」
アルム「セリカ・・・・・・」
シグルド「おやおや、まだ呪いが効いてるのかなぁ~?
     正気にもどしてあげるとしようか」つ ティルファング
2人「チッ」

リーフ(今回はナンナ達が途中からいやに大人しかったなぁ・・・・・・
    何かあったのかな・・・・・・・)
ナンナ「リーフ様!」
リーフ「あ、ナンナ・・・・・それにミランダ達も。
    よかった・・・・・・・」
ミランダ「???よかったって何が・・・・・・?」
リーフ「いや、いやに今回途中から何もしてこないから・・・・・・
    何かに巻き込まれてるんじゃないかって心配してたんだ」
サラ「リーフ・・・・・・・」
ティニー「リーフ様・・・・・・お優しいですね・・・・・・//////」
ミランダ「ふ、ふん!!あんたに心配されるほど私は弱くないわよ!!」
     (し、心配してくれたんだ・・・・・/////」
今回はその優しさに免じてということなのか、罰ゲームを回避したリーフ
ちなみに執行される予定だった罰ゲームは、リーフが人間花火に(ry

ヒュー・・・・・・ドドドーン
ヒューーーー・・・・・・グシャッアッーータスケテエイリーク
ヒューッ・・・・・・ドーン
ヒューーーーーーーーーーーーーッ・・・・・・・・・・
ヒューーー・・・・・・・・・・ドーン

こうして、色々あった花火大会は、何とか無事に(?)終わった
その後、ユンヌは兄弟家に受け入れられ、後日ベニグオン社に正式に謝罪
1ヶ月の間、家に封印される事になった

後に“狂乱の宴”とどこかのライブのような名称で呼ばれるこの事件は、これにて幕を閉じたのだった