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Last-modified: 2014-01-22 (水) 23:31:11

リーフ(…は、はじまってしまったァーッ どどどどうする? どうするか考えるんだ!)

広い闘技場の中央に陣取ったガルザスはリーフを見据えている。

リーフ(僕が勝っている点は移動力と使える武器の豊富さ、それ以外は全て負けてると言ってもいい…それなら…)
ガルザスがにじり寄る…

リーフ「戦略的てった…」
踵を返して逃走を図ったリーフ。一目散に闘技場の出口を目指す…が…
ミランダ「メティオ!」
リーフ「うわぁ!?」

リーフの眼前に隕石が着弾した!
ミランダ「この後におよんで逃げるなーーっ!!! 
     いいこと、次は当てるわよ! アンタに退路は無いと思いなさい!」
リーフ「ひどっ!?僕に死ねっていってるようなもんじゃんかー!」

このみっともないやり取りに観客の貴族たちから笑い声が漏れ出した。
レイドリック「わっはっは、なかなか愉快な葉っぱではないか、そちらは芸人で勝負というわけですかな?」
ミランダ「ぐがががががっ!!!言わせておけばなによこのエロ髭男爵!
     終わったあと恥じかいて泣き寝入りすんのはアンタなんだから!」
エスニャ「ミランダはしたないですよ、落ち着いてリーフ君を応援なさい」
ミランダパパ「ああぁ…これも私のしつけがなってなかったから……
       嫁の貰い手がなかったらえらい事だ…心配だ心配だ…
       うう…毛が…毛が抜ける……」

こうして逃げ道は失われた。出口は隕石で塞がってしまっている。
ガルザス「……」
動いた! 鋭い踏み込みでガルザスはリーフとの距離をつめる!
リーフ「ぎゃああああああ!」
悲鳴を上げてリーフは右回りに距離をとる。
観客の嘲笑を浴びながらも、再びガルザスに向き直った。
リーフ(こうなったらヒットアンドアウェイ! 相手の移動範囲ギリギリで待機!
    よってきたら魔法を撃って再移動で距離をとる!幸い相手は直接攻撃しかできないしこれしかない!)

接近するガルザスにリーフはボルガノンをかまして逃げ回る。
そのせせこましさに周囲の貴族たちはあきれ返った。
ルカン「なんと臆病な…見苦しい」
バルテロメ「クスクスクス……平民の戦いぶりに名誉の2文字はないのでしょう」

だが別の見解を持ってる者たちもいた。
ヘクトル「こんだけギャラリーに笑われて平気ってのもすげぇな…気にしてる余裕もないんだろうけどよ」
エフラム「突撃だけが戦法ではないということだ。まともに戦っては勝ち目はないからな」
アイク「ビーフジャーキーを買ってきた…うまい♪」

ガルザス「…………ぬぅ」
リーフ「こ、これで時間はかかるけど僕の勝ちだ! エスニャママーン見てますかー♪」
はしゃいで手を振る。
笑顔で手を振り返すエスニャにリーフのテンションはさらに高まる。
リーフ「━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━」
それを横目にミランダは口の中でブツブツ文句を言うのだった。

ガルザス「……」
今まで高い回避を活かして魔法を避けていたが、それでも何発か食らってダメージを受けている。
このままではらちがあかない。
ガルザスの表情が変わった。

マリータ「あちゃあ、おとん本気になりはったわ。葉っぱの兄やん死んでまうで?」
カゴを抱えて客席を行き来していたマリータが声をあげる。
横から響くフィアナ弁にエフラムが振り向いた。
エフラム「なんだ、あの男は君の父親か?」
マリータ「そや、ところで肉まんどないや? おせんにキャラメルビールもあるで♪
     あ、さっきビーフジャーキー買うてくれはった男前な兄やんやおまへんか!」
アイク「ああ、うまかった」
エフラム「それじゃあそのフランクフルトをもらおう、一番太いヤツをくれ」
マリータ「毎度♪」
ヘクトル「…そんじゃ俺は…」
マリータ「ピザやな毎度♪」
ヘクトル「…ちょ…まだ何も言ってない…」

アイク達が食い気を逞しくしている間にも戦いは進んでいる。
リーフ「勝った! このまま削っていけば勝った! やっはー!」
リーフの馬「はぁ…珍しく無事に終われるかな…」

ガルザス ♪ ピコン

リーフ「( ゚д゚)」

移動後に再行動したガルザスがリーフに肉薄する!
リーフ「あんぎゃあああああああああああああ!!!!!トラキアはこれがあるからいやだあぁあああああああ!!!」
しかもガルザスは緑色に輝いた!

ミランダ「げげっ!? リーフぅぅぅ全部回避よ!命中99%なら不可能じゃないでしょ!」
リーフ「ちょ…そんな無茶な…アッー!コノヒトデナシー!」
見事に前弾命中しさらに、追撃も流星剣、計10回の攻撃は全てヒットした…うち4回は必殺で…
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ミランダパパ「ああぁ終わった…名誉も鉱山もなにもかも無くしてしまった…
       収入の減った我が家は没落するに違いない……やがて屋敷も手放し…
       貧困にあえぎながら妻は内職、娘はマッチ売り…私は失意のうちに病没するんだ…なんてことだ、
       胃が…髪の毛が……うぅぅぅぅぅぅ…」
ミランダ「リーフ、その程度で死んでんじゃないわよ!アンタ今まで何回死んだと思ってんのよ!もう慣れっこでしょうが!」

もはや誰もがくたばったと思っていたリーフがヨレヨレと立ち上がった。
リーフ「その程度ってひどいなぁ…こっちは三途の川が見えたってのに…」
ガルザス「……っ!?」
確かに仕留めたはず、ガルザスの瞳に動揺が走る。

ヘクトル「げっ!? 確かに死んだろアイツ?」(結局ピザ5枚も買わされちまった…美味いけど…)
エフラム「奴はゾンビか!?」
アイク「鍛え方が違うのだ。死んでも死んでも立ち上がり戦う…あのねばりは俺も見習わなければな」
ヘクトル「ちょ…言ってること無茶苦茶なのになんか納得しちまう…」(またダイエットしねぇと…効果ねぇだろうけど…orz)

ガルザス「むん!」
今度は月光剣が炸裂する。必殺で。
リーフ「アッー!コノヒトデナシー!」

こんどこそ決まった…と思いきやリーフは立ち上がった…
リーフ「なんか裁判所みたいなところでアスタルテに説教されたよ、お前はエロ過ぎるってハァハァ…
    ハァハァしてたら追い返された……おねいさんに説教され…たまんねぇハァハァ」
ミランダ「ちょ…なに口走ってんのよ!?敵は目の前よ戦いなさい!」
リーフ「おっとそうだった、そりゃあ光の剣!神器ほしぃ…orz」
ガルザス「…………!?!?!?」
驚愕し動揺したガルザスはリーフの攻撃をまともにくらう。ダメージは大してないが。
レイドリック「な、なにをやっとる! さっさと止めをささんか!」
ガルザス「……!」
再び構えをとり、流星剣月光剣同時発動&前弾必殺&追撃&再行動。
合計20回もの月光剣必殺がリーフに打ち込まれた。

リーフ「アッー!コノヒトデナシー!」
リーフの馬「モウヤダー!」
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ヘクトル「ちょ…よくあそこまで悪い方の確率があたるな…」
エフラム「リー不運…忘れてくれ…」
アイク「苦境を乗り越えてこそ修行になるのだ…モグモグ」(肉まんをほお張る)

レイドリック「ふ…ふはは! これで決まったな!」
ミランダ「ああぁ…リーフぅ…ごめん、無理言って…ぐすっぐすっ」
エスニャ「ほらほら泣かないの、レディーは人前で涙を零すものじゃなくてよ?」
ミランダパパ(気絶中…口から魂が出ている)

リーフ「ちょ……今のはさすがに帰ってこれなくなるとこだったよ……」
ボロ雑巾がむくりと起き上がった…さすがにフラフラしてるが…
ミランダ「!?」
エスニャ「ほらね? 信じていれば王子様は答えてくれるものよ」

ガルザス「……俺の負けだ…」
レイドリック「な、なにを言うか!?」
ガルザスは首を振った。
ガルザス「こいつに勝てる気がせん…」

大男は剣を担いで闘技場を去っていく。
リーフ「と言うことは僕の勝ち!? イヤッホッォォーーーイ やったやったよーーーーー!!!」
歓声を上げて飛び跳ねると、貴賓席のミランダに駆け寄る。
エスニャ「行っておあげなさい。貴女のために頑張ってくれたんだから」
ウインクして娘の背を押してあげる。
ミランダ「リーフ!私のために無茶させてごめん! あ…ありがとう!」
この時ばかりは素直になって、駆け寄るリーフを迎えようと両手を広げ……
リーフ「エスニャママーン褒めて! 僕頑張ったよ!」
………ミランダの横を駆け抜けたリーフはエスニャの胸に飛び込むとここぞとばかりに甘えまくった……
エスニャ「…あ…あらあら…(汗」
ミランダ「…………………………………」

リーフに止めをさしたのは、怒りを通り越して激怒と化した威力10倍のトロンであった……。
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マリータ「あやや…おとん負けてもうた…葉っぱの兄やん根性入っとるわ」
アイク「俺の弟だからな…いい根性だったぞリーフ…」
どこか誇らしげに黒焦げになったリーフを見やったアイクは席を立つ。
エフラム「俺も負けてはおられんな、さっそく帰って修行だ!」
ヘクトル「よし、付き合ってやるぜ!」(気がついたらあんまんも3つ買わされて…全部食っちまった…体動かさねぇと…orz)
マリータ(あのメタボ兄やんは食いもんの誘惑に弱すぎるで…こりゃええお客になりそうや♪)

こうしてこの一件は落着した……アルスター家はお礼にリーフを晩餐に招待しリーフははしゃいでいい物を貪り食らった。
やがて夜も更け…

コノモール「お館様、リーフ様をお送りしました」
ミランダパパ「ああご苦労、しかしよかった…これでレイドリックも諦めるだろう…
       ああ…でも心配だ………まさかうちの娘がリーフ君に気があったとは…」
コノモール(エスニャ様に甘えるリーフ様に、あれだけお嬢様がカリカリしていたらそりゃ気づきますな)
ミランダパパ「リーフ君はよい子だとは思うが…いささか頼りない……心配だ心配だ…
       私が言うのもなんだが我侭で贅沢な暮らしをしてきたミランダが、貧乏なリーフ君の家でやっていけるのだろうか…
       ああぅああぁ……それにリーフ君はなんだか妻に気があるような…
       もしや私は寝取られ男2号になったあげく妻も娘も奪われてしまうんじゃ……
       そうなったらお仕舞いだ…首を吊るしかない…髪が…髪が抜ける……胃薬が欲しい…」
コノモール「お、お館様…いくらなんでもそれは悲観しすぎでございますぞ!?」

一方ミランダの寝室では……
ミランダ「なによなによなによ! あの腐れ葉っぱ! 何が食べさせてママン、はいあーん♪…よ!
     私のこと忘れてるんじゃないのっ!ムガーーーーーーーー!!!!」
枕を壁に叩きつける。室内は無残に破壊されている。
あとでコノモールに叱られるだろうが知ったこっちゃない。
ミランダ「フンだ! 明日学校でフルボッコにしてやる!…そ、それに私だってお母様の娘なんだから…
     将来に期待してくれたって…べ、別に葉っぱのことが好きなわけじゃないんだからね!
     ただスルーされるのはプライドが許さないからで!」
誰も聞いちゃいないのだが、感情の赴くままに口走るとミランダはベッドに突っ伏した。
ミランダ「でも…その…ボロボロになっても頑張って…ちょっとカッコよかったかも…」
本人には絶対に言えない言葉を呟くと、暴れ疲れた姫君は眠りに落ちていくのだった。

終わり