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Last-modified: 2014-01-26 (日) 23:17:39

紋章町バスケットボール大会

 

マルス この10分間は、守るんじゃなく、むしろ攻めなきゃいけない。僕らは今負けているし、何より守る方法がわかってないんだから。
エフラム つまり・・・
アイク 当たって砕けろ、だな?
リン 砕けちゃダメでしょ。
リーフ 一本一本大事に決めていこう!ってことでしょ?
マルス そういうこと。



ピーーーーッ!!
再度、試合再開を知らせる笛が鳴った。
兄弟家チームにとって、今までで1番辛く、長い10分間が始まろうとしていた。

マルス (兄弟家ボールから始まるこの10分間、確実に、この一本は入れなきゃいけない・・・!)リン姉さん!

マルスの出したパスは、何事もなく、リンに届いた。

リン (ここからが勝負!)

キュキュッ!

リンは目の前にいたフィオーラをかわし、ゴールにドリブルをつきながら向かっていった。しかし、その瞬間、

ファリナ 行かせないわ!

アイクのディフェンスをしていた、ファリナが目の前に立ち塞がった。

リン アイク兄さん!

リンは、ゴールの真上にボールを放り投げた。まるで、自分の兄の必殺技、天空でもするかのように。

そして、名前を呼ばれたアイクも、妹の意図を理解していた。

アイク ぬぅん!!

ガッシャァァァン!!

ゴールを壊してしまうのではないかと、エリウッドが心配するほどの爆音をたてながら、アイクは2点を獲得した。



ゼロット やはり、ただではいかないようだな。
ノア そう・・・ですね・・・。
ユーノ まぁ、きっと勝ってくれますよ。
トレック zzZZ・・・



マルス (ここからだ。)

マルス(次は、相手の攻撃。防ぐことはできない。けど・・・)

マルス みんな!できるだけ時間を稼ごう!敵の動きについていこうと思わないで!シュートのブロックにだけいくんだ!

その他4人 ? わかった!

マルス (身長は、こっちが勝ってる。圧倒的に。だから、相手はゴールの近くでのシュートはあまり撃とうとしない。)

マルス (逆に、うちのチームは、3ポイントシュートがあまり撃てない。成功率が低いから。だから、相手は3点ずつとって、こっちは2点ずつしかとれなかった。だから、ここまで離された。つまり・・・)

マルス (3ポイントシュートさえ決められなければ、これ以上離されることは無い!)

マルスの作戦は功を奏し、相手の攻撃は勢いを失った。しかし、その直後にイリアチームがした作戦により、兄弟家チームの得点も、動かなくなった。

アイク !!・・・これは・・・!!
ティト もう、あなたには打たせないわ!

イリアチームは、アイクの目の前にティトを、真後ろにファリナを置くことで、アイクの動きを完全に封じたのである。

さらに、

マルス (やられた・・・)

イリアチームの他のメンバーが、3ポイントシュートを兄弟家チームがうてないことにきづき、3ポイントラインより後ろで守り始めたのである。

これにより、2点のシュートが得点源だった兄弟家チームの動きは鈍くなり、その後は両チーム共、大きく動くこともないまま、10分間の終わりを告げる笛が鳴った。



マルス エイリーク姉さん、どうだった?
エイリーク やっぱり、規則性がありました!
アイク 何のだ?
リン ペンタゴン・アタックのこと。
エフラム 相手の動きは一定じゃないと思っていたんだが。
エイリーク はい。実は、その通りなんです。
リーフ どういうこと!?
エイリーク つまり、「動き」ではなく、「パスの順番」が決まっていたんです。
アイク なるほど、通りでわからなかったわけだ。
マルス 僕らにとっては好都合だね。だったら、簡単に崩せる。
ミカヤ どうするの?
マルス パスカット、さ。さっきフィオーラさんがやったみたいにね。
ロイ なるほど・・・
ヘクトル 確かに、次にパスが出る奴さえわかってりゃ、簡単にできるな。

マルス そして、もうひとつ、しなきゃいけないことがある。
エリウッド なんだい?
マルス アイク兄さん、アルムと交代して。

マルス・アイク以外全員 なっなんだってーーーー!?

アイク む・・・わかった。
アルム ち、ち、ちょっと待って!なんで僕なの!?他にもエリウッド兄さんとか最悪ヘクトル兄さんとかいるじゃないか!
ヘクトル 最悪ってなんだてめぇ!
マルス 落ち着いて、アルム、ピザ。アルムにしたのには理由がある。
ロイ ・・・理由って?
マルス まず、影が薄いこと。それを活かしてパスカットをしてもらう。そして、もうひとつ・・・
セリカ もうひとつ?
マルス アルムは、このチームの中で最高の3ポイントシューターだからさ。
アイク・マルス以外全員 ・・・・・・はい?
セリス どういうこと?
マルス そのまんまの意味だよ。アルムはこのチームで1番3ポイントシュートが上手いんだ。
リーフ そういえばそうだった気がしないでもないな・・・でもなんで?
アイク ・・・遠くの的に弓を射ることができる奴は、みんな眼が良いとシノンが言っていた。つまり、そういうことだろう?
マルス 正解。
ヘクトル ???意味わかんねぇぞ?どういうことだ?
マルス つまり、弓を遠くに射ることのできる人は、視力だけじゃなく、空間認識力も優れている。ってこと。
ロイ 空間認識力?
マルス 例えばそうだな・・・ここから僕が観客席にいるドーガを弓で攻撃したいとするよ?
セリス (なんでドーガさん)
マルス その場合、僕はまずドーガとの距離を測る。目視で。そして、その距離にあった角度と力で矢をうちだす。バスケットボールのシュートと同じ様にね。

マルス それに、もうひとつ、理由がある。
アルム ・・・理由?
マルス 君は、ノーマークだ。
エリンシア ノーマーク?
マルス そう。相手はアルムに対して作戦をたてていないはずなんだ。
リーフ アルムに対して?
セリス 影薄いからかな?
マルス その通りだよ。
アルム いくらなんでも酷くない!?
マルス そして、アルムへの対抗策を考えていないということは、うちの3ポイントシュートへの対抗策も考えていないということにもなる。
エフラム !!・・・そうか!
マルス 相手は僕等が3ポイントシュートを撃てないことを前提に動いている。言い換えれば、僕等が3ポイントシュートを撃ったとき、相手チームの作戦は崩壊する!
セリカ 崩・・・壊・・・。
マルス アイク兄さんが止められることはある程度は想像できてたんだ。アイク兄さんの運動能力は紋章町の町民だったらみんな知ってるからね。
エリウッド 確かに、対抗策を講じないほうが不自然だね。
マルス 同じように、パワー型のヘクトル兄さんや、同じくエフラム兄さんにも、対策はたてられていたと思うんだ。相手は パワーはあまりないからね。
エイリーク まさかあの時兄様がパスカットされたのは・・・
アイク おそらく、エフラムにパスを極力出させないこと自体が、作戦だったんだろうな。
全員 ・・・。
マルス ・・・これから、僕らは15点差をひっくり返さなきゃ勝てない。それには、アルムのシュートと、ふたつのルールが必要なんだ。
リン ルールって?
マルス ひとつ目は、僕が合図するまでペンタゴン・アタックのパスカットをしないこと。
ミカヤ え?なんで?
エフラム もし、次にペンタゴン・アタックのパスの順番を変えられたらチェック・メイトだからだろう。
ミカヤ なるほど。
ロイ それで・・・ふたつ目は?
マルス 最後のシュートは、時間ギリギリに決めること、だよ。

マルス もし、残り時間が10秒以上残っている状態で僕らが逆転してしまったら、相手はすぐに順番を変えて、ペンタゴン・アタックをしてくるだろう。そうなったら勝ち目はない。だから、僕らは最後のシュートで逆転しなきゃいけないんだ。
アイク なるほど。わかった。
ミカヤ で、私はどうすればいいの?
マルス 相手チームとうちの点差が一点になったら、アイク兄さんとリーフを交代させて。
ミカヤ わかった。他は全部マルスにまかせていい?
マルス 了解。
エイリーク 他に指示はありますか?
マルス うん。・・・シュートは極力アルムでいくけど、自分が打てると思ったら打ってね。時間ないから。それだけ。
ヘクトル ・・・そろそろ時間だな。
リン 円陣組まない?
エリンシア そうですね。エリウッド じゃあ、みんな集まって!ミカヤ姉さん!お願い!
ミカヤ いくわよ・・・!頑張ろう!!
全員 オーーーーーッ!!!



ピーーーーッ!

兄弟家が円陣を組んだ五秒後に、最後の戦いの開始を告げる笛の音が鳴り響いた。

最後の10分間。運命の10分間。それが今、幕を開けようとしていた。

現在のスコア
兄弟家32-47イリア