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Last-modified: 2014-01-22 (水) 10:56:24

兄弟家の休日

 

前回までのあらすじ

不慮の(!?)事故によって乗っていた旅客船が大破してしまった兄弟家一同(ミカヤ、エフラム、セリスは今回休みです)
更に運の悪い事に、流れ着いた先は無人島だった・・・・・
姿を消したマルスを探すアイク&ロイ
やがて2人はマルスを発見するも、マルスに近づいた途端にロイが倒れ、アイクも眩暈を覚える
1人動けるアイクは、なんとか2人を救助するが・・・・・・・

アイクはまずロイを、次いでマルスを砂浜へと運んできた
2人とも運び込まれた時点で意識はなかったようだが、程なくして目を覚ました

「・・・・・・ん、ここは・・・・・・・」
「おっ、やっと起きやがったか!!大丈夫かよ?
 お前、森でぶっ倒れたらしいじゃねーか」

ロイが目を覚ましたとき、そばにいたのはヘクトルだった
日ごろロイと口喧嘩ばかりしているヘクトルだが、こういう時に優しいのは彼の美点である

「僕が・・・・・・倒れた?」
「ああ、アイク兄貴はそう言ってたぜ。
 マルスを見つけた時に突然バタッ・・・てな」
(あの時・・・・・・
そういえば・・・・・・・マルス兄さんを見つけた後の記憶が無い・・・・・・)
記憶に残っているのは、どうやらマルスを見つけて駆け寄った所までのようだ
もう少し倒れる直前の記憶まで思い出そうとすると、軽く脳内に鈍痛が響く

「うっ・・・・・!」

苦痛にゆがんだロイの表情を見てまだ体調が思わしくないと思ったのか、
ヘクトルはロイに心配して声をかけた
「おい、大丈夫か!?
 まだ頭が痛ぇのか!?それとも・・・・・・」
「・・・・・・頭が痛いのは否定しないけど、今痛いのは主にヘクトル兄さんの声のせいなんだけど。
 まったく、これだからピザは・・・・・」
普段口論ばかりしている兄に気遣われた事が気恥ずかしいのか、そっけない態度をとってしまうロイ
もちろん、ヘクトルはそんなロイの心境など分からないので、言われたことを本気にしてしまうのだが

「おい、それが倒れた弟に付き添っていた兄に言うセリフか!?」
「感謝してるよ。・・・・・・3gくらい」
「少ねEEEEEEEEEE!!!
 ってか感謝の単位がグラムってどういうことだよ!?」
ワイワイガヤガヤピザッテジッカイイッテミロブーブー

いつものやりとりが戻ってきたところで、先ほどのヘクトルの大声を聞きつけた他の兄弟家の面子が駆け寄ってくる
・・・もっとも、今の口論も十分周囲の注意を引く音量であったのが

「ほんと、ロイちゃんが目を覚ましてよかった・・・・・・
 マルスちゃんに続いてひょっとしたらロイちゃんまで、って思っちゃって・・・・・」
「まあ、そのマルス兄さんはロイより先に目を覚ましてたんだけどね」
「で、そのマルス兄さんは?」
「ほら、あっちでリン姉さんと戯れてるよ」
リーフが指した方を見ると、確かにいつもの光景が展開されていた

「ほんっとにアンタは毎回人騒がせなんだからッ!!反省しなさい!!」
「ちょ、やっとこさ回復した弟に対する仕打ちがこれって(ry」
「問答無用!!」
「アーーーーッ!!」
バキッメシッグシャッ・・・・・・・
上記のやりとりを展開しながら、リンはマルスに関節技をキメている
マルスは発見された時は特に外傷はなかったが、今はあちこちの関節がありえない方向にねじ曲がる寸前である
明らかに関節技ではない効果音も聞こえるが、細かいことを気にしてはいけない
もっとも、救助された当人のマルスは必至に技から抜け出そうとしつつも、どこか嬉しそうである
どこか嬉しそうなのはリンも同様であったが・・・・・
先ほどのロイとヘクトルのやりとりといい、兄弟家は不器用な人達が多いのかもしれない

騒ぎも一段落した所で、第一回兄弟家・チキチキ、無人島から脱出しよう家族会議(仮称)が始まった
話し合う内に話題は自然と、マルスが何故あんな所で倒れていたのか?ということに移って行った

「そもそもさ、なんでマルス兄さんはあんな森の奥までいったの?」
会議も中盤に差し掛かったころ、頃合いとみたのかリーフがもっともな疑問をマルスにぶつける
対するマルスは質問に答えずに、周囲を見渡しながらこう言った

「・・・・・・ここらへんを観察していて気がついたんだ。
 この島は、ただの無人島じゃないってね」
「・・・・・・・どういう、こと?」

アルムの発した言葉は、のこりの兄弟家一同の心の声を代弁していた

「うん、例えば森のなかの木の生え方や植物の種類1つとってみても、
 明らかに人の手が入ってるんだ。
 だいたい、この規模の島にしては、異様に野生動物が少ないしね」

言われてみれば、たしかに周囲の景色1つ1つをよく見ると、
無人島というより、人工的に作られた無人島っぽい島、といった方がしっくりくる

「・・・・・・それで、あたりを観察しながら島の中心に行くと、森の入口が見えた。
 そして、森の中には、明らかに道のようなものがあった」
「俺とロイがお前を探していた時は。そんなものには気がつかなかったが・・・・・・」
「ああ、2人が入ってきたのは僕が入った入口の反対方向だったからね。
 そこらへんは、自然がそのまま放置されてたって感じだったし」

そこまで説明すると、マルスは話疲れたのか近くに置いてあった果物を齧った
だが口にしたとたんに、顔つきが険しくなる
「うっ・・・・・・!!」
「あ、それは・・・・・・」
「ロイが見つけてきた果物だね。たしか・・・・・“HIGHレモン”だっけ?
 レモンの数倍の栄養価と、数百倍のすっぱさを併せ持つ」
「ちょwwwそんなすっぱかったらまず痛いだけっていうか舌が消滅するってwwwwww」
「割に合わねEEEEEEEE!!!!」
「そうかな・・・・・・僕はいいとおもうけど」
「エリウッド兄さん、体に気を使ってるもんね・・・・・・
 僕の畑でも一回作ったことあるよ」

そんなやりとりを横目に、マルスはせき込みながらもなんとか果物を飲み込んだ

そして涙目ながらに、話の続きを始める
「話を戻すけど・・・・・・ともかく僕は森の中の道に沿って移動してたんだ
 そしたら突然開けた所に出て、その後は・・・・・・」

そこでマルスは一旦言葉を切った
そして、アイクの方を見て再び説明を続けた
「気がついたらここにいてアイク兄さん達に救助されてたってわけなんですよ」
どうやらその開けた場所でマカロフ像を発見し、そこで気絶したようだ
そこからはアイク達の方が詳しいので、2人の方から皆に一通りの説明をした

「で、結局・・・・・・・倒れたのはマカロフ像(仮称)のせいってこと??」
「現時点ではそう判断するしかないね。
 ・・・・・ただ、これは僕の勘だけど、あのあたりを探索できれば、脱出できるかもしれない」

「「「「な、なんだってーーー!!!???」」」」

「倒れる前にあの像の辺り一面をちらっと見たんだけど・・・・・
 どうやらあのへんは、何かの研究施設だったみたいだね。
 ・・・・・・それも、すごく高度な」

「つまり、そこに行けば・・・・・」
「何かしらの連絡手段や移動手段は見つかる可能性がある・・・・・・と思うよ」
話の先を読んで、ロイが口火を切り、リーフが後を引き取る
確かに、可能性はあるかもしれないが、確立は高くはない
しかしこの知らせ以外、現在行動の当てになるものがないのも事実だ

そうとわかれば物怖じする兄弟家ではない
さっそく、マカロフ像周辺調査隊を組織し始めた
しかし、肝心のマカロフ像への対策はどうするのかがまだ議論されていないのだが・・・・・・
兄弟家の休日は、始まったばかりである・・・・・・