今日はくりーにんぐ日和
しとしとしと・・・・・・
降り注ぐ雨音が、雰囲気も気分も憂鬱にさせてくる
ここ紋章町は、一足早く梅雨入りを迎えていた
雨のせいで外出や洗濯などができず、引きこもっているしかない人達もいるだろう
そしてここにも、洗濯物で悩める1人の若者がいた・・・・・・
――――――兄弟家・居間
「洗濯物が乾かないよコノヒトデナシー!」
「のっけから家庭事情を愚痴らないでよリーフ兄さん。
・・・・・・あれ?そもそも我が家の洗濯担当ってリーフ兄さんだっけ?」
「うーん、本当はシア姉さんなんだけど、男物はこないだから僕がやってるよ」
そう言いながら室内干しの準備をするリーフの手際のよさは、
リーフの言ったことが確かな事実であることを告げていた
「25スレもの間まったく知らなかったよ・・・・・・。でもなんでそんな事になってるの?
シア姉さんに限って面倒だからとか、量が多すぎるとかで人に押し付けるなんてことはないだろうし・・・・・・」
「ああ、話すと長くなるんだけど・・・・・・」(回想中
(なんか本当に長そうだなぁ・・・・・・)
普段エリンシアは真面目に洗濯をしていた
しかし時々、アイクの洗濯物だけ鼻血で真っ赤に染まって返ってくる時があった・・・・・・・・・
「・・・・・・というわけなんだよ」
「ふーん・・・・・・・・・って短っ!!
話すと長くなるって言っといてたった二行!?」
「しかもこないだなんか、アイク兄さんの下着の近くに干してあった僕のTシャツまで真っ赤っ赤に・・・・・」
「うわぁ・・・・・姉さんそこは自重しようよ」
ちなみに後日、エリンシアの血液が付着したシャツはジョフレ将軍の手に渡ったが、今は何故かルキノが持っているようだ
どうやら、姉が弟から力づくで取り上げたらしい
・・・・・・人間関係というのは、時々本当に醜い一面を覗かせるものだ
「でも、リーフ兄さんも関係ないのに巻き込まれて災難だったね。
少し手伝おうか?」
「いや、大丈夫。
・・・・・・それに、実はそんなに迷惑に思ってないんだ。
こういう雑用は得意だし、僕はこういう形でしか家族に貢献できないしね」
口にこそ出さなかったが、ロイは内心ため息をつきたい気持ちでいっぱいだった
リーフはロイにとって、多少生活態度に問題はあるが、良い兄であり、尊敬もしている
・・・・・・神器が使えない、あまり戦闘力がないというようなことで自己嫌悪をする癖を除けばだが
そのコンプレックスがこの兄の美点を大きく下げているという認識は、
リーフを知っているものの中では共通の認識であった
「それよりも・・・・・・さっさと良い天気になってほしいね。
ここ一週間ずーーーーーーっとこの通りの雨だからさ」
そう言いながらリーフは辺りを見渡した
その視線の先には、傍から見ても尋常ではない量の衣類の山があちこちに発生していた
今にも雪崩が起きそうに、危なっかしく揺れているものもある
兄弟家は大家族であり、しかもアイクやヘクトルが毎日のように衣服をボロボロに汚してくるので、
一週間で一般の家庭の数十倍の洗濯物が発生してしまうのである
「うわぁ・・・・・
さっきから気付かないふりをしていたけど、これはもう無視できるレベルじゃないね・・・・」
「うん。
男物だけでこの量だからねぇ・・・・・。
明日晴れないと、アイク兄さんは着るものがなくなっちゃうよ」
「そんなことになったらアイク兄さんのことだから裸で仕事にいきかねないよ・・・・・」
「「「「「「「アイクが裸で出勤するときいて(ry」」」」」」」
「「兄さんの嫁’s&シア姉さんマジ自重」」
フクヲヤブレナッナニヲスルイヤーンビリッアッーコノヒトデナシー
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
騒ぎが一段落したところで、リーフがある疑問を挙げた
「ところでさ・・・・・・ずっと不思議に思ってたんだけど・・・・・」
「何が?」
「なんで僕らって服が戦闘で破けないんだろう」
「・・・・・・・・・・・・」
「おかしいよね?
いくら魔防があるからって女賢者がファイアーで服が焦げないってのは変だよね?
そもそもなんでみんな職業ごとに同じ服を(ry」
「お、落ち着いてリーフ兄さん!!
その疑問は心の中に留めておくべきだようん!!!」
弟の制止も、今の覚醒したリーフの耳には入らない
「なんでだ―!!なんで服が破れないんだーー!!
なんで盾は盗めて服は盗めないんだーーー!!」
「メタ発言はそのくらいにしておけ」
「あ、アイク兄さん!!」
「いい加減にしないとエリンシアに「ぶっ飛ばして差し上げますわ!!」されるぞ。
口を動かしながらの作業は非効率だ」
「ご、ごめんなさい・・・・・」
「しかし弱ったな。
天気予報を見てきたがあしたも雨だそうだ」
「えーーーーっ!!もう洗濯物乾かすところないよ!?」
「心配するな。俺に考えがある」
「考えがあるって・・・・・・一体どうするつもりなのアイク兄さん?」
今、リーフ達はアイクにつれられて庭に出てきていた
現在の天気は先ほどから少し回復して曇り・・・・・・とはいえ今にも降ってきそうだ
「降ってくる前に家に入らないと洗濯物が濡れてまた乾かす羽目に・・・・・・」
「まぁ、離れて見ていろ」
そういってリーフ達を下がらせたアイクは、何枚かの洗濯物を手に取った
そして・・・・・・
「よし・・・・・・いくぞっ!」
アイクは洗濯物の端をしっかりと掴み・・・・・
ブゥンブゥンブゥンヌゥンブゥンブゥン!!
ハンマー投げの要領で、すさまじい勢いで振り回し始めた
茫然とするリーフ、ロイを尻目に数分間洗濯物を振り回し続けるアイク
そして回し終わると、それをリーフに手渡した
「ほら、乾いたぞ」
「・・・・ほ、本当に乾いてる・・・・・・・・」
「洗濯物の水気を遠心力で吹き飛ばしたとでもいうのか・・・!?」
「よし、どんどんいくぞ」
ブゥンブゥンブゥンブゥンブゥン・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「はー、でも、これで洗濯物が乾く・・・。
やっとカビ臭い部屋から解放されるよ」
「・・・・・・ん?」
「?どうしたんだい、ロイ」
「・・・・・・この乾かし方ってまずいんじゃないかな」
ブゥンブゥンヌゥンブゥンブゥン・・・・・・
「どうしてさ?こんなに早く乾くのに」
「この乾かし方って、
要するに、洗濯物の中の水分に力を加えて洗濯物の外に出す訳でしょ?
つまり、その分の負荷は洗濯物自体にもかかるわけで・・・・・・」
「ま、まさか・・・・・・!」
ブゥンブゥン・・・・・・ブチッ!
「む。・・・破れてしまった」
「やっぱり・・・・・・」
「アーーーーーーーッ!!コノヒトデナシー!」
後日、破れかけた服で登校するはめになったヘクトルやセリスが大変な目にあうのだが・・・・・
それはまた、別の話
おしまい