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Last-modified: 2014-01-22 (水) 20:20:29

幼女の旗の下に

 

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2 ディアドラを待つ     今日ばかりはディアドラを優先せねば!!!

シグルド 「きょ…今日だけは…今日だけは駄目だ…こらえるんだ私…
      ぬぐぐぐぐぐぐ………」

あまりにも強く握り締めた拳からは血が滴り落ち、かみ締めた下唇からも流血、
しかも血涙まで流している…
今、こうしている間にもKINSHINが行われていると思うと気が狂いそうになる…
だが、シグルドは駆け出したくなる我が身を鉄の意志で押さえ込んだ。

エフラム 「兄上?」
ミカヤ  「…あー…多分KINSHINセンサーになんかかかったのね…でもよく我慢したわ」
柱の影から覗くエフラム達にもその異様な姿は見て取れる。
サラ   「…正直不気味な姿ね…周りの人もドン引きしてるわ」
エフラム 「大丈夫なのか? ディアドラさんも引くんじゃないのか?」
サラ   「もちろん引くでしょうね。でも大丈夫。私の媚薬は効果テキメン」

そうこうしている内にディアドラがロビーに姿を見せる。
ディナーのご招待とあって、それなりにめかしこんでいる。
ディアドラ「こんばんわシグルド様、今夜はご招待いただいて…ひゃあっ!?」
シグルド 「あ…ああいや、驚かせてしまってすまない。ちょっとだけ血圧が高くなってたようだ!」
焦って血を拭うシグルドだが、どうみてもポイント低下は否めない。
ミカヤ  「あ~もう…どうしてうちの子達はスマートに振舞えないのかしら…」
サラ   「ここまでくるとそれ以前の問題な気もするけどね」

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2人は予約を入れてあったレストランへと入っていった。
結構値段の張る店だ。
エフラム 「ここからだと中の様子がわからんな…どうやって媚薬を盛るつもりなんだ?」
サラ   「ぬかりはないわ…ついてきて」
3人はサラの先導で廊下の奥に進んでいく。従業員用の通路の前に中年の貴族の姿があった。
サラ   「紹介するわ。このホテルのオーナー、ラウス家当主のダーレンさんよ」
ダーレン 「お初にお目にかかるエフラム殿、政治家としてはリキア民主党党員にして
      議会議員と名乗るべきですな。ダーレンと申します」
エフラム 「いや、こちらこそよろしく頼みます。鉄血幼女守護同盟党首エフラムと申します」
いきなり現役の議員を紹介されるとは思わなかった…
どういう知り合いなのだろうか…
サラ   「気付いてない? ダーレンさんはエフラムの演説会に来たことがあるのよ?」
ダーレン 「お互い多忙の身ゆえあの時は挨拶できませなんだが…
      サラたんから本日エフラム殿が当ホテルにおいでになると伺いまして是非ご挨拶したいと思いましてな」
エフラム 「おお、それは恐縮です」
ダーレン 「幼い少女を守るべし、という貴方の考えに共感しましてな…
      いまだ議員の任期があるゆえ今は移籍できませんが、次回の選挙時には是非入党させていただきたい」
エフラム 「喜んで!幼女を守る志をもった方なら我が党はいつでも歓迎します!」
ミカヤ  「ああ……類は友を呼ぶのね…こうしてエフラムの周りではロリコンが普通の事になっていくのね…」
サラ   「…そういうわけなんで、ダーレンさんのご協力でレストランの厨房に入れてもらえるわ。
      ここから様子も伺えるし、媚薬も放り込み放題ってわけ」
エフラム 「しかしサラ…よく俺の演説会に現役議員が来てたって気付いたな…」
サラ   「観察力って大事よ? 周囲をよく見てればいろんな情報が転がってるもの」

こうして3人は厨房に通してもらった。
一応余り目立たないように、シェフの服装を借りて着込んでいる。

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ディアドラ「まぁ…よいワインですね…アグストリア産の678年物はやはり他の物とは芳醇さが違いますね」
シグルド 「あ…ああうん、まったくだね。美味しいね」
     (さ…さっぱりわからん…そもそもこんなところで夕食食ったことなどない…
      く…それよりも未だKINSHINセンサーがビンビンに反応している…ぬおお…気になって気になって…)
ディアドラ「シグルド様? どうかなさいましたか?」
シグルド 「ああいやなんでもないんだ、わはははは!」

庶民のシグルドではあるがビジネスマナーとして、会食の方法をかじっていたので、
どうにか恥ずかしくない程度の作法を守って食事をディアドラと楽しんでいる。

その頃…
AKJのプリシラの控え室…
プリシラ 「兄様…プリシラはいつまでもいつまでも兄様と一緒です…」
レイヴァン「わ…わかっている…だからその痺れ薬はどっかに捨ててくれ」

再びレストラン…
シグルド 「ぬごあ!?」
ディアドラ「きゃあっ!?」
シグルド 「あ…いや、驚かせてすまない。ついこの肉の美味さに声を上げてしまった!
      わははははは、美味いなっと!」
ディアドラ「あ…あのぅ…どこか具合でも悪いんですか?」
シグルド 「心配ない心配ない私は健康さ!」

AKJのプリシラの控え室…
プリシラ 「兄様…プリシラは明日、兄妹愛のために使命を成し遂げます…ですからどうか勇気をくださいね」
レイヴァン「ま…待て…ここは全年齢なんだ……色々と自重しろ!」

再びレストラン…
シグルド 「キョエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」
ディアドラ「シ…シグルド様、やめてください恥ずかしい…皆こっちを見てますから…」
シグルド 「す…すまない…」

その様子を厨房から覗いていた三人はそろって頭を抱えた。
ミカヤ  「もー駄目じゃん!こんなことやってて今まで振られなかった方が不思議よ!」
エフラム 「ええぃ…やむをえん、サラ!」
サラ   「オーライ」
2人のテーブルへ運ぶ料理に、サラが懐から出した怪しい小瓶の液体を振り掛けていく。

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またしてもAKJプリシラの控え室。
レイヴァン「ちぇい!」
プリシラ 「あっ私のレスキューを折るなんて!?」
レイヴァン「これ以上はあらゆる意味で駄目だ!」
全速力で駆け出す兄を必死の形相で妹が追い回す。
プリシラ 「兄様!世間体なら気にすることはありません!」
レイヴァン「いや…世間体とかではなくて…何回も言ってるが兄妹でそういうのは駄目だと…」
プリシラ 「わかってます…世の中が悪いんですよね…
      ですからプリシラは世の中を変えます…私と兄様の愛のために…」
レイヴァン(…何回言って聞かせても聞く耳持たん…俺はいったいどうすればいいんだ…
      とりあえずこのネタが年齢制限かからないためにも逃げねば…)

シグルド 「はっ…KINSHINセンサーの反応が途絶えた…よ…ようやくKINSHINが終わったか…
      だ…だがどこまで進展したんだ…プリシラめ!!!」
ディアドラ「……………なんのお話ですか…」
シグルド 「あ…いやその…なんというか…」
どこかディアドラの視線が冷ややかだ…
思いっきりポカばかりやらかしている…
ディアドラ「シグルド様の脳内がどうなっていたか知りませんが…
      こういう場で他の女性の名を絶叫するのは失礼です」
シグルド 「ちょ…ち…違うんだ!」
明らかにディアドラは不機嫌そうだ。
ディアドラも貴族かつ社長令嬢だけあって相応にプライドが高い。
とても話を切り出せる雰囲気では無くなってきた。

そこに新たな料理が配膳される。

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シグルド (ぬぅぅ…どうしよう…今、実はヴェルダンへ行くことになった…とか切り出したら、
      じゃあさよならですね、とか言われそうだ…)
気まずい雰囲気で食事が進む…
2人の間に会話は無く、かすかな食器の音だけが響く。
ディアドラ「…………?」
なんだろう…口内に不思議な甘味を感じた。
それほど飲んでいないのだが…かすかに酩酊感のようなものがディアドラの身を浸していく。
ディアドラ「……シグルド様…」
シグルド 「へ…な、なんだいディアドラ?」
ディアドラ「い…いえ…なんでもありません…」
     (ど…どうしたのかしら…こういってはなんだけど…
      ちょっと冴えないシグルド様がなんだか素敵に見えてきて…)
シグルド (な…なんかディアドラの雰囲気が変わったような…
      い…言っちゃうか? それにどの道いずれわかることなんだし…)

ミカヤ  「わ…わーディアドラさん、頬が赤くなって…おっしチャンスよシグルド!
      いけ!いったれ!」
エフラム 「これで…よかったのか? 媚薬ってのは未だに釈然とせんが…」
サラ   「ほんのちょっとの後押しよ。結果よければすべてよしじゃない」

シグルド 「ディアドラ…実は今日は話したいことがあるんだ…」
ディアドラ「は…はい……」
心臓が早鐘のように鳴り、軽く体が火照ってくる。
上質の酒に満たされたような心地よさが神経を駆け巡る。

シグルド 「実は…人事異動でヴェルダンへ行くことになってね…」
ディアドラ「えっ!?…それって…」
シグルド 「ああ…うん…でも私は必ず戻ってくるつもりだから…ね。
      ヴェルダンは治安もあまりよくないって言うし、ついてきてくれなんて言えない。
      だが…待っていてはくれないだろうか?」
精一杯の誠意を込めて言葉を紡ぐ。
ここしばらくずっと悩んで考えていたことだ。
この時シグルドは生涯で一番の勇気を振り絞っていた。
シグルド 「今の私では君の相手として相応しいとは言えないかもしれないけど…
      必ず君に見合う男になって帰ってくるつもりだ。だからどうかそれまで待っていてほしい」
ディアドラ「シグルド様…ふふ、私もあまり長くは待てませんよ?
      ですからどうか早く帰ってきてくださいね?」
微笑を浮かべたディアドラは席を立ってシグルドの傍に寄る。
差し出された手の甲。こういう所がディアドラが古い名家に育ったことを思わせる。
一瞬呆然としたシグルドは歓喜の笑みを浮かべると、
片膝を付いて跪き、うやうやしくその手を取ってそっと唇をつけた。

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エフラム 「…これは…上手くいったの…か?」
サラ   「兄様…話聞いてた?」
ミカヤ  「よっしゃよっしゃ!つまりこれは婚約ってなもんよ!
      帰ってきたらオメデトーできるわ!ヒャッホウ!」
マルス  「あーここで僕から一言お知らせです、
      このネタは選択肢と、そこから派生するルートによって色々あるわけです。
      色々設定も独自の部分とかあったり、選択によっては今回みたいな婚約なんて大事件もあったりするわけですが、
      >>4の精神に基づきあくまでもこのネタ内の設定って解釈でヨロです。
      もちろんこのネタの設定に乗ってネタ書いてくれる方は大歓迎です」
エフラム 「どっから沸いてきた…」
マルス  「この手の話は僕の仕事なもんで…それとシグルド兄さん…祝福しますよ」
サラ   「成功…ご褒美期待してるよ?」
エフラム 「ああわかった…とにかくこれで兄上も幸せになれるだろう…」

そんなやりとりが喜びを込めて厨房で繰り広げられた…
おめでとうシグルド兄さん…どうか幸福でありますように…

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翌日…紋章町財界に激震走る…
あらゆる新聞やニュースが第一面扱いで報じたテロ事件の発生である…

財界の要人レプトール氏が出社途上に武装集団に車列を襲撃された。
現場付近では車両が黒煙を吹き上げ、警察が現場を封鎖している。
爆発物やメティオが使用されたと見られ、破壊された道路が戦争さながらの有様だ。

レプトールは瀕死の重態…現在エーディンの病院で手当てを受けているが未だ意識が戻らない…

フリージ家の面々は病院に駆けつけて蒼白な顔色を並べている。
ブルーム 「な…なんということだ…」
ヒルダ  「畜生!どこのどいつの仕業だってんだい!フリージの面子にかけて必ず探し出すよ!」
イシュタル「……お祖父様…トールハンマーを私に継いでいなければこのような不覚をとることも…」
ティニー (こ…これはやはりプリシラさんの仕業でしょうか…ベルン署が現在捜査中とのことですが…)

グランベル社もこの一報に混乱に陥っていた。
クルト  「さし当たって、専務の業務は私が代行する。フリージ社には近くお見舞いの者を遣わすとして…」
リング  「党内のレプトール派の者たちが混乱に陥っておりますぞ!?
      中にはこれが社長派の仕業と主張する者も出ております!」
クルト  「ばかな!?…くだらん流言に踊らされてはならない!
      党員たちには冷静に事態に当たるよう伝えるように!
      近く記者会見を開いて党としての見解を発表し、犯行に批判と遺憾の意を表明する!」
リング  「ははっ…」
そこに荒々しく扉が開け放たれる。
ランゴバルト「お待ちいただきたい!表明だけでよろしいのですか!
       我がドズル、及びフリージの私設警備隊は臨戦態勢に入っております!
       犯行勢力に直ちに報復すると発表していただきたい!」
クルト  「し…しかしな。何者の仕業かも現時点では掴めていないのだ…
      無論かかるテロ行為は許しがたいとの思いは私も一緒だ。
      だが今は警察の捜査に協力し、かつ我が党でも独自に調査するしかあるまい…
      あまり事を荒立てて党内の動揺を大きくしてはならない…」

この事件によって求心力を失ったレプトール派は急速に勢力を衰えさせていく…
だが…ランゴバルトを中心とした一派はもはや理性よりも感情的に反発を強めていった。

AKJ本部では実行の指揮をとったプリシラが一人祝杯を挙げていた。
すでに実行部隊の者たちはキノコ王国など諸外国に脱出させている。
足がつくことはないだろう。

プリシラ 「命までは取れませんでしたが…数ヶ月は公人としては死んだも同然。
      党論はクルト派に大きく傾いています。
      ふふふ……見ていなさい元老党…これで再選挙が実現できます…
      KINSHINの世界に大きく近づいたのです…」

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刑務所の奥深く…セフェランは再び客人を迎えていた。
駒がカツン…と小気味よい音を鳴らす。
セフェラン「A6にソルジャー……ふむ…痛ましい事件ですね」
オリヴァー「率直に申し上げますが…私は現時点ではルカン殿を疑っています。
      一見これで党内は社長派に固まったかに見えますが、
      ランゴバルトらが猛烈に反発しております。
      党からの分離も辞さない勢いですな」
セフェラン「時に感情は判断を誤らせます。
      レプトール殿の仇を討ちたいのでしょうが…実際何者が事をなしたにしても
      現実として難しいと言わざるをえないでしょう。
      レプトール殿ご本人なら落とし所を見つけて矛を収めることも可能でしょうが…」
オリヴァー「……バーハラもこれで…いよいよですかな…元老党の一党独裁が成り立つのは…」
セフェラン「クルト殿も現在の党の舵取りは不可能に近いことは承知でしょう…
      フリージ、ドズル両家の拳の下ろしどころを見つけられない限り、感情的対立や
      犯人への憶測は容易に納められません。悪いことにクルト殿はレプトール殿とは対立していた」
オリヴァー「…F6にスナイパー…」
セフェラン「切り込んでこられましたね」
オリヴァー「ルカン殿がかかる事件を起こして…しかし一つわからないこともあります。
      たしかにバーハラが倒れることは彼の利益に適う…ですが狙うならむしろクルト殿ではないかと…
      レプトール殿はルカン殿との間は決して悪くなかった」
セフェラン「物事は理詰めのみで考えられる物でもありません。
      他者に理解できない理由で動く者もいます。とりわけ狂信者。
      イデオロギーや宗教に酔った人間の存在も視野にいれるべきでしょうね。
      むしろ私が案ずるのは模倣者の存在です。対立する党を崩すのに有効な手段と世の中に示したようなものですからね」
オリヴァー「政治が悪魔の領域に属することだと感じざるを得ませんな…
      運用する者次第なのでしょうが…」
中年の貴族は憂いを秘めて大きく嘆息した……

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シグルドは最近の落ち込みぶりが嘘のような笑顔でヴェルダンへと赴任していった。
必ず帰ってくる…ディアドラのためにも本社に私の手腕を認めさせて…
その時はディアドラと結ばれる時になるだろう。
なお余談だが振られたアルヴィスはショックで寝込んだらしい。

党事務所でエフラムはゆったりした面持ちでつぶやいた。

エフラム 「兄上……よかったな…」
サラ   「さ、だからね…?」
エフラム 「人が浸ってるときにだな…困った奴だ…そもそもキス以上はお前にはまだ早い」
サラ   「…意地悪…キスの上にはディープがあるのに」
エフラム 「だからそれが早いと…」
ターナ  「じゃじゃじゃ…じゃあ代わりに私が……」
エフラム 「ターナ…とりあえず鼻血を拭け」
オグマ  「まったく困った奴らだ…AKJより再び連立の話が来てるぞ?」
エフラム 「そうだな…その話を進めんといかんな。
      まぁラケシス会長には恩があるし一度組んだ連立だ、断る理由はない」
シャナン 「ならばそう返事をしておく」
ジャファル「…だがうまく行くのか?
      俺が集めた情報ではバーハラ党ではランゴバルトに率いられた旧レプトール派が分離する勢いらしい。
      実現すればバーハラは大きく議席を減らすぞ」
エフラム 「そうなれば結局再選挙は不能…か。それならそれで俺たちは支持者に訴えを続けるのみだ。
      2年後の選挙に向けてな」
サラ   「じゃあまとまったね…今度こそ私のご褒美の話」
エフラム 「褒美はいいが…俺にはキス以上はしてやれんぞ…」
サラ   「じゃあデートでいいわ…行き先は任せるから…」
ターナ  「あ…あの…エフラムが忙しいなら代わりに私が連れてってあげてもいいけど…」

エフラム 「ふむ…そうだな…」

続く

1 公園に連れて行く     やはり幼女の遊び場の定番だしな
2 市民プールに連れて行く 最近暑くなってきたからな、きっと楽しいぞ
3 俺の演説会に招待する  党員の側ではなくて会場の最前列の席で俺の演説を聞かせてあげよう
4 ターナに譲る        そこまで言うならご褒美はターナがやってくれ