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Last-modified: 2014-01-26 (日) 23:53:46

幼女の旗の下に

 

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4 サラ様を思う    ………(妄想中)……はっ!?わわ、私はノーマル…

どうしようか悩んでいるとなぜかサラの顔が頭に浮かんでくる。
愛らしい子悪魔…長く艶やかな髪…白皙の美貌……

ターナ  「あれ…なんで今、サラの事が浮かんでくるんだろ…でも…綺麗だもんね……はぅぅ…」
一度頭に浮かんでしまうと、ついついその事ばかり考えてしまう。
食事中も…仕事中もサラの事が思い起こされてしまい、他のことが手につかなくなる。
ターナ  「あぅ……ちっちゃくて…抱き心地よくて……あ、いや変な意味じゃーないのよ。
      これはいわゆるアレよ。そう、保護欲っていうか母性愛っていうか……
      …なんかこのセリフ党のみんな(含むエフラム)みたいね…」

妄想したり、自分で自分に突っ込んだり忙しい…ハタからみるとかなりヤバい……
キャス  (うわ…こりゃアイツ誘ったの失敗だったかも…ま、いいか。返事してくるそぶりもないし、
      脱走する気はないわけね。そんじゃ私だけでおさらばしちゃえ)

妄想とセルフ突っ込みを繰り返すターナ。
脱走計画なんぞ完璧に忘却の彼方だ。

ターナ  「サラには…うん、ゴスロリファッション似合いそうよね…いいなぁ一着プレゼントしたら着てくれるかな…
      うんこれも変な意味じゃないのよ。綺麗で美しいものは男女、年齢問わずみんな好きなんだから。
      決してロリコンじゃーないのよ。だから私はロリコンじゃないわけ。わかる?
      子供にかわいー服を着せたいっていう母親の願望みたいなもんよ。…いや、高校生で母親ってのもアレだけど…」

ことごとく脳内模様が口に出ている…本来ターナは突っ込み役なのだが…
いまやターナはヒーニアスやラーチェルらに突っ込みを入れられるのだろうか…
そこまでは変わり者になっていないと信じたい。

その夜、キャスが刑務所から姿を消した。
所内は厳戒態勢に入り必死の捜索が行われたが、その行方も脱出ルートも知られることはなかった。
ターナ  「妄想に夢中で完璧に計画の事忘れてた……無事だといいけど…」

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エフラムは過酷な労働に耐えながらも数日に一度、セフェランの牢に招かれて紋章町の政治について語り合った。
その時間は濃密なものであり、エフラムにとって強烈な刺激となった。

エフラム 「貴方は賢人だな。俺は貴方ほどの賢者を他に知らない」
セフェラン「私など大した才の持ち主ではありませんよ。ただ人より少し長生きしているだけのことです」
エフラム 「どうだ? 出所したら我が党に入らないか?
      俺はここに来る前、ある幼女からこの地に幼女政権を打ち立てるための力があると予言されていた。
      今はそれが貴方だと確信している」
セフェラン「今はお返事はいたしかねます。私の出所には今しばらく時間がかかりますゆえ」
エフラム 「ああ、いずれよい返事がもらえることを期待している」

軽く天井を見上げると、セフェランは話題を変えた。

セフェラン「…世の中の流れは元老党に傾いています、このままではいずれ元老党の一党支配が完成します」
エフラム 「む…なぜだ?」
セフェラン「唯一の対抗馬が崩れつつあるためですよ。バーハラは間も無く分裂し、大きく議席を減らすでしょう。
      その後にくるのは唯一の巨大政党と、群小の小政党からなる議会…この流れを変えるのは強烈な個性に他なりません」
エフラム 「…一つ聞く。貴方はこのような地にありながら何故かくも政界の事に精通しておられるのか?」
セフェラン「このような辺境にあればこそ、かえって中央にいては見えないものも見えてくるものです。
      この地から移ろい変わる世の中を眺めているのも乙なものです」
エフラム 「ふむ…だが俺は一刻も早く政界に戻らねばならぬ。この地で貴方と知己を得れたのは得がたいことではあるがな」
セフェラン「貴方には目的も行動力もある。なれば今はその思想を纏める時です。
      万人に受け入れやすく伝えやすく…貴方の考えを体系化し、一大思想として打ち立てるかと思います」
エフラム 「む…しかし俺はあまり頭がよくない…」
セフェラン「私がお手伝いしますよ。少しずつでいい。ノートにお考えを纏めるのがよいでしょう」
エフラム 「そうか…そうだな。人々を幼女主義に啓発すつには、まず幼女思想をしっかりと打ち立てねばな」
セフェラン「そのためにも…貴方は死んではならない。一言ご忠告申し上げる。
      貴方の食事に毒が盛られている」
エフラム 「な…なんだと!? 俺は毎食残さず食っているのだぞ!?」

驚愕して立ち上がる。
食った時はなんともなかったのだが…

セフェラン「気づかれぬよう、ほんの少量ずつ盛られているのです。
      それは蓄積してある日突然に貴方を殺すでしょう。死後の解剖でも体内に残らない。
      傍目には急病としか移らないでしょうね。今の重労働はたんなる嫌がらせでしょう」
エフラム 「い…いったいなぜそんな真似をするのだ!誰の仕業だ!」
セフェラン「その敵を除くために貴方の友たちがAKJに働きかけました。
      近く再審が行われます。貴方はしばらく食事を控えるべきでしょうね。
      これを持っていくといい」

傍らの箱よりセフェランは幾つかのパンを取り出して袋に詰め始めた…

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ベルン署の内部ではナーシェン警視が悪徳の限りを尽くしていた。
賄賂はもらうわ、セクハラはするわ…しかしながら彼はそれらの罪を隠蔽することに長けていた。
それゆえゼフィール署長もナーシェンを処断できずにいたのである。
さて…その彼が今当たっている事案はAKJについてである。
ナーシェン「今更刑が確定した犯人をどうしようというのやら…KINSHINで頭の沸いたお嬢様がたには、
      物の道理がわからないようだね」
フレアー 「まったくですな。ですが再審の請求自体は法的手続きに則ったものです」
ナーシェン「ダノミルから連絡はないか?」
フレアー 「誰にでも『病死』はありうると…申しております」
ナーシェン「なるほど、『病死』ね。こりゃあいい!クックククク!
      よし、それなら再審の対策など不要だ。お前はバーハラ党の調査にあたれ」
フレアー 「はっ!」

部下が退去する背を見送ると、ナーシェンは頬を吊り上げて未来を思う。
ナーシェン「くっくくくく…ナーシェン署長…悪くないね…いい響きだとも…
      誰よりも強く…賢く…美しく…正しい私こそが署長の座にふさわしいのさ…
      バルテロメ殿…約束は守っていただきますよ?…くくくくく…」

ナーシェンの部屋を辞したフレアーは、バーハラ党の内情を調査すべく資料室で調べ物をしていた…
フレアー 「…やはりレプトール議員、ランゴバルト議員…このラインで内定をすすめるべきだろうな…
      きっと叩けば埃のひとつやふたつ出るだろう」

ロッカーの隙間から2つの瞳が自らを見ていることを彼はまだ知らない……

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紋章町財界の中でも屈指の位置を占めるグランベル社…
その中をラケシスは歩んでいた。
クルト社長との会談が目的である。
廊下を進んでいると、向こうから見知った顔が歩いてきた。

シグルド 「KINSHINは許さんぞーーー!」
ラケシス 「今日の用事はKINSHINじゃなくてよ。クルト様に用事がありまして」

とたんにシグルドの顔が柔和で穏やかなものになる。
シグルド 「それならいいよ。社長室なら23階だよ。エレベーターを使うといい」
ラケシス 「ありがとうございます」

一礼して歩き去るラケシスを見送るとシグルドは小首をかしげる。
シグルド 「それにしてもうちの社長に何の用なのかな?」

それから数日……
ダノミル所長は焦りを隠せないでいた…エフラムは相変わらずの健康体。
もう再審は明後日だというのに…エフラムを始末できねばナーシェンの怒りを買いかねない。
ダノミル 「ぬぅぅ…なぜ!なぜ!毒が利かん!そろそろ効果が出てもよいころだと言うに!」
明日にはエフラムとターナの身柄は裁判所に引き渡さねばならない。
ダノミル 「こ…こうなったら手段は選べん……理由などどうとでもつけられる…」
彼は数人の子飼いの部下を呼んだ…

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闇夜……
今日も鉱山の仕事が終わる。
一人残業を終えたエフラムは肩をコキコキならした。
エフラム 「ふうっ…よいトレーニングだがたまには休ませてほしいものだ」
監視員A 「………休めるぞ…喜べ」
エフラム 「ん?」
監視員B 「永遠にな!」

風を切って何かが迫る!?
エフラム 「うおっ!?」
とっさに身を捻ってかわしたそれは、槍の矛先だった!
エフラム 「な…何をする貴様ら!?」

5人の監視員が槍の矛先をこちらに向けている!?
こちらは丸腰同然だというのに!?

1 まずは説得する    やめんか!まずは話をしよう!
2 ツルハシで抵抗する なんだか知らんがこのままやられてたまるか!?
3 全力で逃げる     やむをえん!ここは逃げよう!
4 石を投げる       くらえこんちくしょう!
5 神に祈る        神様助けてくれ!

続く