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Last-modified: 2014-01-25 (土) 23:45:34

幼女の旗の下に

 

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4 ライナスで遊ぶ  このロリコンさんで遊んだことは無かったよね…どんな反応を返してくれるかしら?

そうと決めたサラはライナスのデスクに歩み寄った。
慣れない手つきでパソコンを弄っているライナスに声をかける。

サラ   「ねぇライナス」
ライナス 「ん? なんだ?」
サラ   「私退屈してるの。お仕事終わったら遊んでくれる?」
ライナス 「ああ、かまわねーぜ。ちょっと待ってな」

そのやりとりを見たターナが血相変えて駆け寄ってくる。
ターナ  「さ…サラ! 退屈なら私が遊んで…」
サラ   「うん、それもいいんだけど今日はライナスで遊ぶことにしたから…」
ターナ  「そ…そんなぁ…」
がっくりとうなだれるターナ、これではライナスが「3人で遊んだっていんじゃね?」とか言い出しそうだ。
それも悪くないが今日は初弄りということでライナスを重点的に弄りたかった。
ターナには引き下がってもらおう。

サラ   「ごめんね姉様…また今度遊んであげるから…今日は我慢して…ね?」
凹んでいるターナに歩み寄ると背伸びして耳元で囁く。
軽く首筋をくすぐりながら耳に息をかけるとターナは骨抜きになって崩れ落ちた。
ターナ  「あ…あうぅぅぅ…は…はひ……サラ…様…」
     (あ…あれ? なんで私サラの事、様付けで呼んでるんだろ?
      な…なんだか…それが自然に感じられるよぅ…)
サラ   「うん…いい子」
ライナス 「な…なにやってんだお前ら?」
サラ   「気にしなくてもいいわ。それよりお仕事は終わったのよね?」
ライナス 「おう、そんじゃあ何して遊ぶ? もう夜だから外でってわけにゃいかねぇが
      ここで出来る遊びならなんでも付き合ってやるぜ。
      …あ、そーいや保育園に送るおもちゃがあったな。それで遊ぶか?」
サラ   「……私小6なんだけど……そんなに子供じゃないもん、もうお姉さんだもん」
軽く頬を膨らませてソッポを向いてみせる。
渾身の演技だ。
ライナス 「がっはっは! そうか悪い悪い! 園児扱いはねぇよな!」
大きな手のひらがサラの頭をクシャクシャと撫でる。
サラ   (…いい人ね…そして…無意識下で幼女に萌えてしまったのを豪快な振る舞いで押し隠してるのね…)

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それからしばらくはカードゲームとか当たり障りのない遊びを楽しんだ。
その時もカード交換の時など何気なく手を触れたりして反応を見る。
基本的に大雑把な男だ。さして気にしてる様子もなさそうだが…ちょっと押してみよう。
サラ   「あっと」
カードの受け渡しの時に、カードを取り落としかけた振りをしてライナスの手を強く握ってみる。
ライナス 「おっと」
     (……こいつの手…柔らかいのな…って…なに考えてんだか俺)
顔にすら出してない一瞬の動揺…だが微かな心の隙に悪魔は入り込む。
サラ   「ふふ……ねぇ…私の手にもっと触れていたいの?」
ライナス 「うおぉいっ!? 何の事だ!?」
サラ   「隠さなくてもいいよ? ……それとも…こう呼んで欲しい?
      お兄ちゃん?」
ライナス 「いや俺妹いるし…」
サラ   「知ってるよ…でもその可愛い妹はジャファルに構ってばかり…寂しいのよね?
      だから私が妹になってあげてもいいよ?」
ライナス 「いや、ニノだってもう中学だぜ? 
      そんくらいになりゃ兄貴よりも好きな男にべったりになるのは自然だろ?
      別に寂しいなんて思ってりゃしねえって!」
サラ   「ホントに?」

顔を寄せてじっと瞳を覗き込む。
サラの吸い込まれるような瞳に胸が高鳴った。
ライナス 「い……いやまー…そりゃー兄ちゃん兄ちゃん言って俺の後をついてきたヤツが他に行きゃちょっとは…
      ちょーっとくれぇはそんな気持ちもあるがよ…」
何故か嘘や誤魔化しの言葉が吐けなくなる。
サラ   「やっぱり…ね、だから今日は妹になってあげる」
ライナス (なるほどこれはあれだな…聞けばサラは一人っ子の上、家族もあのじーさん独り…
      さては兄貴が欲しいんだな。なんだ、かわいーもんじゃねーか!)
サラ   (……私が兄妹に憧れてるとか考えてる顔ね…そうして無意識に正当化してるのね…
      私を妹にしたいという本音を…クスクスクス)
ライナス 「よっしそんじゃあいい子のサラは今日は俺の妹だ!
      俺のこたぁ兄ちゃんって呼びな!」
サラ   「うん、お兄ちゃん…じゃあお願いね。馬になって」
ライナス 「しょーがねーなぁ。ほら乗りな」

大きな背中を向けて四つん這いになる姿を見てサラは思った。
サラ   (お兄ちゃん…この言葉で大抵の事は聞いてくれそうね…妹属性なのね…
      ふふ…ニノもこんないい玩具があるのに遊ばないなんてもったいない…)

それからライナスはサラを背に乗せてさんざん走らされた…
幼女に馬扱いとかドMかロリコンでないと耐えられなさそうな屈辱だが…
ライナスの心は妹の我侭を聞いてあげる兄貴の喜びで満たされていた……
やはり最近ニノが構ってくれないのが寂しかったのだろう……

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ベグニオン元老党の祝賀ホールでは煌びやかな貴族たちが祝杯をあげていた。
本日はランゴバルトを中心とする移籍議員達の信任投票の当選祝いだ。
元老党の人脈、財力を持ってすれば容易い選挙であり全員が当選した。
ほとんど労せずして最大の第2党が分裂し、その勢力を取り込めたのだ。
笑いが止まらないというものである。

ルカン  「それでは元老党のますますの発展と諸君の健勝と躍進とを祈って、私の挨拶に代えさせていただきます」
党首の挨拶が済み、思い思いに談笑し始める。
その中心となるのは新参の議員たちだ。彼らは本日のパーティーの主役である。

バルテロメ 「ドズルといえば公爵位を有する名門、その家格は我らに勝るとも劣りませぬ。
       近く党幹部の席が用意されることでしょうな」
ヘッツェル 「まことまこと…全員当選といいまことに幸先のよいことです」
ヌミダ   「いやあ、我らもランゴバルト殿の威光にあやかりとうございますぞ。
       ささ、まずはワシの杯を受けてくだされ」
ランゴバルト「これは…恐縮ですなぁ…いやなに、ワシなどいまだ新参者。
       よろしくご教示のほどを願いたい」
ロンブローゾ「ランゴバルト殿は正しき選択をなさいましたぞ。
       国防軍としましてもドズル重工の製品の品質は高く評価しております。
       今後もますますお互いに協力しあっていきたいものですな」
カヒタリーノ「此度は天馬向けの軽装甲冑を開発しておられるとか…空軍でも導入を検討したく思います。
       つきましては近く担当の者を貴社に派遣したく…」
オリヴァー (……この席も軍高官が増えた……ルカン殿の影響力が軍部に浸透している証明じゃな…)

パーティーの席をランゴバルトが退席したのは23時の事である。
同伴した2人の息子、ダナンとレックスと供に車に乗って帰途についた。
やや酒の勢いもあったのだろうがランゴバルトは饒舌だった。
ランゴバルト「…お前たち…あれを見たか…かつてバイロン殿は元帥としてゆるぎない軍の重鎮だった。
       だがいまや将軍達はこうしてルカン殿の下に集まっておる」
ダナン   「父上?」
ランゴバルト「騎士が騎士であった時代などとうに終わっておる…うぃっく…
       わしは間違ってはおらん…レプトール殿も同じ考えじゃ…」
ダナン   「…レプトール卿は意識を回復したそうですが、いまだ退院できないのでしたな。
       元老党への合流を勧めるおつもりで?」
ランゴバルト「フリージ方の議員は軒並みこちらへ移ったからの…バーハラ党にはもはや居場所はなかろぅ…」

ドズルの紋章を付けた車は夜の街路を駆け抜けて行った。

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真っ暗な森の中、3人の少女が茂みを掻き分けて進んでいた。
ラケシス 「もう! どこなのよここは!?」
クラリーネ「知りませんわよ!」
プリシラ 「クラリーネさんのスカポンタン! 貴女が地図を落としたからじゃありませんか!」
クラリーネ「あれは事故ですわ! 過ぎた事をいつまでも言うのはおやめくださいまし!」
プリシラ 「地図があればワープ先もわかりますのに……」
ラケシス 「むぅぅ…いっそ適当に飛ばしてみて…」
クラリーネ「それをやってさっき河に落ちたじゃありませんの!」

この有様をティニーが見ていたら留守番役でよかったと胸を撫で下ろしただろう。
3人の少女達はキャイキャイ騒ぎながらも森の奥深くに分け入っていった。

AKJの3人が苦闘している頃、セリノスの森に近い宿場町にエフラム達は辿り着いた。
すでに深夜でありここで一泊する事に反対する者はいなかった。
古い木造の宿屋の扉を潜ると、カウンターでうとうとしていた老人があくびまじりに応対してくれた。
エフラム 「6人だ。部屋は空いてるか?」
店主   「へぇございやすが…6人では手狭ですのぅ。2部屋借りられますかぃのう」
エフラム 「…一部屋でいい…それと軽く食い物を出してくれ」
店主   「へいへい…」

一階は宿の受付であると共にいくつか椅子やテーブルが置かれており食事が出来るようになっている。
一行は思い思いの席に腰を下ろした。
カナス  「はふぅぅ……」
ロイド  「大丈夫か?」
カナス  「はは…ちょっとこたえました…」
オグマ  「食ったらさっさと寝よう。明日も早い」
カナス  「アイクさん…ここから白鷺の民の集落は遠いんですか?」
アイク  「セリノスの森の中心だ。それなりに歩く」
カナス  「はは…これは今のうちに筋肉痛を癒さないといけませんね…」

その時店主が簡単な食事を持って戻ってきた。
店主   「おや、お客さん方セリノスへ行かれるので?」
エフラム 「ああ、用があってな」
店主   「先ほどもセリノスへ向かうって娘さんたちが夕食を食っていかれましてな。
      今からでは森の中で真っ暗になっちまうから泊まってくように言ったんですがねぇ。
      一刻も早くKINSHINの支持者を増やさにゃならんとか…最近はよくわからん人らがおるんですのぅ」

どこか聞き覚えのある言葉だ…エフラム達には思い当たる人間がいる。
オグマ  「じいさん…その連中は金髪や赤毛の娘たちで…貴族風じゃなかったか?」
店主   「ああ…言われてみれば旅行者にしては立派なお召し物でしたわい。
      金髪の娘さんが2人と赤毛の娘さんで…赤毛の娘は髪に羽飾りをしておりました」

間違いない…AKJだ。

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エフラム 「…その3人は何をしに行くと言っていた?」
店主   「なんでも…白鷺の族長家の兄妹は兄妹で愛し合うのが正しいから…KINSHINするように説得するとかなんとか…
      ワケのわからん人らでしたわい。…ああ…それと選挙の票集めもするとか言ってましたのう」
オグマ  「なんてこった…先を越されたか」
ロイド  「俺たちと同じことを考える連中がいてもそりゃおかしくないよな…」
シャナン 「うむぅ…だがAKJが彼ら白鷺を説得できるか?」
カナス  「白鷺の方々は戦う力を持たないと聞きますから獣牙の方々の時のように力を示したら支持する…って事はないでしょうが…
      アイクさん、実際どうでしょうか。白鷺族は説得しやすい相手でしょうか」
アイク  「白鷺の族長はロライゼというが…病気がちで息子に族長代理をさせている。
      リュシオンといってな。コイツは俺の顔見知りだが、俺の知る限りラグズ1のベオク嫌いだ。
      簡単に首を縦にはふらんだろう」
オグマ  「なるほど…では今から後を追っても見込みはあるな。AKJも簡単に支持を取り付けられはすまい」
エフラム 「待て、俺はラケシス会長に恩がある。俺の釈放のために力を尽くしてくれたのはAKJではないか。
      そのAKJの邪魔をするのは本意ではない!」
オグマ  「お前の気持ちはわかるがな…俺たちだって支持者を増やす機会を譲ってやれるほど票田を開拓できてるわけじゃないんだぞ?」
エフラム 「しかしな…ここはセリノスには立ち寄らずにフェニキスへ向かうべきではないか?
      一度友好を組んだ政党と対立するのは信義に反するのではないか?」
ロイド  「…別の問題もあるぞ…フェニキスに向かうにしてだ…おそらく獣牙族の時と同じような展開になるんじゃないか?
      その辺はどうだアイク?」
アイク  「ティバーンの気性からいって多分そうなる」
ロイド  「鷹の族長は強いんだろ?」
アイク  「スクリミルよりも実力は高い」
ロイド  「……こういうこった…ビビるわけじゃないが、物事は最悪のケースってやつを想定しなきゃならんぜ。
      進路をフェニキスに向けたとしてだ。道路も完備してないラグズの居住圏を時間をかけて進み、挙句に海まで渡るんだ。
      相当の時間がかかる。その上で負けて手ぶらで帰る羽目になったら目も当てられん。
      市街地に引き上げてラグズ周りの時間をベオク相手の支持者集めに割り当てるって手もあるんだぜ?
      テリウス周りじゃすでにカイネギスの支持を得て充分な成果は出てるんだ」
カナス  「ロイドさんの意見ももっともだと思います。ティバーン氏はテリウスに鳴り響いた強者ですし…
      この間の獣牙の方々との一件を見ても戦うことになる可能性は高いですし、正直勝算は…」
シャナン 「待て! そんな弱気でどうする! 私はセリノスもフェニキスもまわるべきだと思うぞ!
      全ての人民に幼女愛の精神を伝え、支持を訴えるのが我々の党の精神ではないか!」
     (冗談ではない! 鳥羽幼女と仲良くなるチャンスを逃せるか!
      特に白鷺の幼女は目もくらむばかりの美しさと聞く! 絶対に写真に収める!)
エフラム 「うむ…シャナンの言うことももっともだ。しかし俺はAKJへの信義も通したい…」
オグマ  「よく考えてくれ、どう行動すべきなのか…俺たちはお前の決定に従う」
エフラム 「むぅ…」

続く

1 自分の案を採用する  セリノスは諦めてフェニキスに向かおう。AKJの邪魔をしては申し訳ない。
2 シャナン案を採用する 当初の予定通りセリノスへ向かおう。全ての人々に支持を訴えるべきだ!
3 ロイド案を採用する  市街地へ帰るか…消極策だが手堅いかも知れんな