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Last-modified: 2014-01-28 (火) 14:50:10

風の輪舞曲1

 

優れた魔導には意思があり、使い手を選ぶという。
使い手に選ばれた者には自由自在に使いこなせるという。
僕の師が使う魔法エクスカリバーもその仲間である。

「マリク、エクスカリバーはお前を選んだようだ。」
半年前、ウェンデル師匠はそういって僕にエクスカリバーを、
ライバルのエルレーンにはトロンをそれぞれ授けてもらった。
エルレーンはエクスカリバーを貰えなかったことにぐれて、
僕と喧嘩しそうになったことがある。けれどもウェンデル師匠が諭し、
僕とエルレーンは互いに切磋琢磨していくよきライバルに戻った。

しかし、半年がたっても僕はエクスカリバーを自在に使いこなせない。
ウェンデル師匠は落ちる葉を斬らずに何度も浮かすことができた。
けど僕はどうしても落ちる葉を斬ってしまう。
ウェンデル師匠に教えを請いに行ったりもした。
「風の意思を感じ、風と対話することだ。」
僕は何度も挑戦したけれどもエクスカリバーは何にも言わない。
教えてくれエクスカリバー…君は何を話したいんだい?

学院に篭りっぱなしでいたらエルレーンに息抜きしろと命令された。
僕は久々にマルス様と会話しに行くことにした。
思えばエクスカリバーを授かって以来会っていない。
エルレーンに感謝しつつ、僕はマルス様の家に向かった。

「風の意思ねぇ…」
マルス様にエクスカリバーのことを話すとマルス様はそう呟いた。
「はい…師匠や先代の継承者は必ず会話できたそうです。」
「僕は魔導には詳しくないからね。力にはなれそうもないね。」
「いえ…マルス様は用兵術とかがお得意ですから…」
「まあね…でもとりあえず自然の意思なら当てはあるよ。」
そういってマルス様は部屋を出ていき、誰かを呼びにいった。

「…で、私を呼び出したの。まあ困ってる人を助けるのはいいけど。」
マルス様はマルス様の姉君、リンディス様を連れてきた。
何でも自然のことなら兄弟一らしい。
「リンディス様なら自然と会話できると伺いました。」
「リンディス様…ってのはやめてくれないかしら?リンでいいわ。」
「ではリン様で…」
「リンでいいってば。」
「わ、わかりました…リン。」
「うん、それでよし。じゃあとりあえず行きましょうか。」
「はい?」
「自然を感じたいなら自然に。サカに行きましょう。」
「リン姉さん、いくら何でもいきなりすぎない?」
「いえ…リンの言うとおりかもしれません。」
自然を感じるなら自然に行く。言われてみたら当たり前だ。
僕はずっと学院に篭っていたしリンの言うとおりかもしれない。
「いや、この人何にも考えてないか…アイタタタ!」
「あんたはいつもいつも余計なことを言うのよ!」
「姉さん、そこ曲がる場所じゃないから!?折れる!折れる!」
大丈夫…だよね…?

続く