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3 ダーレン案を採用する ホテルのベルボーイか…俺に似合うだろうか?
エフラム 「それではダーレン殿の世話になります」
ダーレン 「わかりました。さっそく採用担当の者に話を通しておきましょう」
ターナ 「エフラム…接客なんてできるの? エレブグランドホテルって一流所よ?
貴族の利用者も多いのよ。無作法はすぐ見抜かれちゃうわ」
エフラム 「カナスの言葉ではないが無職になるわけにはいかんからな。その辺は頑張ってみるさ。
家にも金を入れねばならんし…それに、あえて向かない仕事をしてみるのもいい人生経験になるだろう」
本人が決めたのなら…と、周囲の者達はそれ以上言わなかったがターナだけは食い下がった。
なんだかんだいってもフレリアに来てほしいのだろう。
ターナ 「ねぇもう一度考えてみてよ。ベグニオンみたいな大手ほどじゃないけどさ。
フレリアコーポレーションだって給料も待遇もそう悪くはないわよ?」
エフラム 「その点も考えないわけではなかったがな…一つ重大な問題がある」
ターナ 「重大な問題?」
エフラム 「いずれヒーニアスがヘイデン殿の後をついで社長になるのだろう?
そうしたら俺は奴の部下になってしまうではないか!!!」
ターナ 「あー……うん…そりゃ嫌よね…で、でもさ。お父様は私に家督を継がせたがってるし…」
もしかしたら社長業も…だから…と言いかけてやめた。
ターナ自身大学卒業後フレリアで会社経営に関わると決めているわけではないのだ。
これ以上口を出すのは憚られた。それに…四年後どうなっているかなんてわかりはしない。
四年先の事…その先の人生の道がエフラムやサラと交わるよう小さく祈って…ターナは鼻血を噴いた。
エフラム 「……おい…具合でも悪いのか?
サラ、ライブしてやってくれ」
サラ 「ふふっ……何を妄想したのかしら…困った姉さま…」
ターナ 「ちょ……サラのライブにライブしてもらえるとか…鼻血が止まらな…」
(嗚呼……最近はエフラムをロリコンと責められないよ……
この魅力には抗えないよ……こうして堕ちていくのね……)
こうしてエフラムはエレブグランドホテルへの卒業後の就職が内定した。
その日の夜、夕食の席で家族に報告をする。
食卓を囲んだ兄弟たちはエフラムの突然の報告に瞳を丸くした。
エフラム 「……と、いうわけで就職先が決まった。もう卒業試験は終わって式まで授業も無いからな。
当面はバイト扱いで研修して卒業後に正式に社員になる」
ヘクトル 「そうか…お前も決まったか…これで今期卒業の兄弟全員の進路が定まったな」
マルス 「中学生組みもね。僕はアカネイア高、アルムはバレンシア農業高、セリカはミラ神学校、
リーフはトラキア高…セリスはグランベル高にね。しかしありえないほど年の近い兄弟ですね」
ミカヤ 「その辺は突っ込んじゃだめよ。無理があるのは承知だけどあんまりその辺を言い出すとこのスレが成り立たないわ。
10ヶ月おきに独り誕生ってしちゃうとそれはそれでイメージ合わない年齢にずれていきそうだしね。
どうしても気になるなら五つ子って設定にする?このネタ内ならそれも自由よ?
いっそ設定変更してロイも加えて六つ子に……」
マルス 「おそ松くんじゃあるまいし遠慮しておきますよ」
ロイ 「メタ全開の会話はこの辺にしとこうよ。これで中学生は僕だけかぁ……」
セリス 「来年には卒業でしょ。すぐだよ。ロイはエリウッド兄さんたちと同じエレブ高にするの?」
ロイ 「そのつもりだよ。受験勉強もはじめてるよ」
エフラム 「いらん心配だ。ヘクトルですら受かった高校なんだからそこまで真面目にやらんでもロイなら大丈夫だぞ」
ヘクトル 「うるせぇバカ!…だがまあエフラムの言うとおりだぜ、お前は中学の成績もそこそこなんだから今のうち遊んどけよ。
就職しちまったらなかなか遊べる時間もとれなくなんだからよ」
エリウッド「ははは……だけど入学後の成績にも関わるからねえ。将来を考えて勉強するのも大事なことさ」
リン 「ロイ、あんた絶対エレブ受かりなさいよ。まぁヘクトルですら受かったトコだからそんなに心配はしてないけどさ」
毎日エリウッドやヘクトルと3人で登校した学校…
それも上の2人が卒業したら1人で通うようになる。
少しばかりの寂しさを感じていたリンはロイを励ました。
ロイが入学すれば2人で通う事ができる。
313
マルス 「………」
そしてここに何気にロイに嫉妬の視線を向ける弟が1人。
じつは密かに第二志望としてエレブ高を受けてこっちにも合格していたりする。
マルス (アカネイアの方が友人知人が多いしシーダも入学するから決めてたけど…)
若者の進路の悩みは尽きない。
ヘクトル 「けっ…どいつもこいつも俺ばっか引き合いに出しやがって」
エリウッド「入学の時もギリギリだったし卒業ギリギリだったじゃないか。君とエフラムの事はみんな心配したんだよ?」
エフラム 「む…面目ない」
エリンシア「エフラム、お仕事が決まった事。後でシグルドお兄様に電話なさいね。きっとお喜びになるわ」
バーハラ家。
あたらしく支度された夫婦の部屋でシグルドはケイタイにエフラムからの電話を受けていた。
シグルド 「そうか、お前もようやく決まったか。卒業前に決まってよかったな」
エフラム 『ああ兄上。一つ聞いておきたいのだが…仕事をする上でどういったことに気をつければいいか教えてくれ』
シグルド 「そうだな…時間厳守、約束は必ず実行する。ほうれんそうも大事だぞ?」
エフラム 『そうか、わかった。毎日食うようにする』
シグルド 「ああいや野菜じゃなくてな。報告、連絡、相談の事だ。何かあったら周りにすぐに伝えて情報を共有しろってことだな。
仕事は皆でするものだからな。それと下っ端のうちは上司や先輩の言う事をなんでもよく聞いてその指導に従え。
自分の意見や意思表示をするのも大事だがそれも仕事のイロハを覚えてからの事だ。
その点お前の事は心配してないが…最近の若い子はその辺を勘違いしていたりするからなぁ…」
エフラム 『兄上…なにかあったのか?』
シグルド 「ははは、すまんすまん。私も新人だから色々あるのさ。まだ新米課長だからな」
係長の時も部下は持っていたがアレク達は一定の経験のある社員だった。
課長となるとより大きな責任があるし入社して日の浅い社員も部下にいる。
近いうちに新卒社員も来るだろう。何人が自分の課に来るかはわからないが、
彼らが戦力になるまで鍛えないといけない。
これらの重責をしょいながら表情にも出さず涼しい顔でバリバリ仕事をこなしていたアルヴィスを改めて凄い男だと思う。
シグルド 「それじゃ頑張れよ。卒業式には時間を作って顔を出す」
エフラム 『ああ、ありがとう兄上』
電話を切る。傍らでは愛しい妻がハーブティーを淹れてくれていた。
ディアドラ「エフラム君、お仕事決まったそうですわね。おめでとうございます」
話の断片で察しがついたのだろう。
シグルド 「ああ、私は兄弟が多いからね。ある程度の時期になると纏まって進路の心配が出てくる…今年も皆無事に決まってよかったよ」
今年の事が定まっても次の年の事がある。
だが心配事も心労も傍らにディアドラがいてくれるだけでずっと軽くなる。
お茶に口をつけてまったりしたシグルドは改まって口を開いた。
シグルド 「ディアドラ…どこか行きたい所はあるかい?
来週、休暇を取れそうなんだ。新婚旅行ってのもいいかと思ってね」
ディアドラ「まぁ…嬉しいけどよろしいのですか?
課長のお仕事が立て込んでいるものとばかり…」
シグルド 「アレク達が気を使ってくれた。
”一週間くらい自分らでなんとかするから行ってきてください。新婚さんの足引っ張ったと思うと目覚めが悪いじゃないスか。
礼はいずれ形のあるものでいいスよ。それと俺の勤務査定をヨロシクしてください”
…なんてな。アレクらしい物言いだが有り難く心遣いに甘える事にしたんだ」
ディアドラ「ふふふ…部下の方たちにもよくお礼をしないといけませんわね。
私…ヴェルダンに行ってみたいです」
シグルド 「ヴェルダン?…確かにあそこは綺麗な森や湖があるね」
一度左遷された先だからよく知っている。
ディアドラ「ええ、ヴェルダンの森の小道の言い伝えをご存知ですか?
そこで出会った男女のうち男の方が歯の浮いた恥ずかしい口説き文句を並べるとそのカップルは必ず結ばれるそうです。
ふふっ…私たちは結婚と順序が逆ですけど…ロマンチックだと思いません?」
シグルド 「そうだな。わかった。じゃあヴェルダンに行こうか。
恥ずかしい口説き方を考えておかないとな」
それから毎日シグルドは時間を見つけて大沢版聖戦の系譜を読み返したり、
自費出版されてるヨハンポエム集を購入したりして必死に恥ずかしい台詞を考えるようになる。
314
テリウス地区の中心部。
摩天楼の立ち並ぶオフィス街。
夜なおビル郡の放つ光の眩い不夜城の一角にて一際大きなビルの一室。
ベグニオングループ社長室……その中に数人の男女の姿があった……
1人はベグニオン元老党党首にしてベグニオングループ専務たるルカン。
いま1人は小柄な体格に似合わぬ大きな椅子に腰を下ろしてルカンを見据えている。
いまや紋章町一の企業…金の流れの多くを支配するグループ総裁。
サナキ社長その人である。
サナキ 「ルカンよ。私は行政府とはまず自国民、自国の産業をこそ第一に考えるべきと思うがどうか?」
ルカン 「御意にございますな。さっそく働きかけをいたします」
暗に外国製品への関税引き上げを求めたのだ。
首相のヘッツェルは元老党員にしてルカンの傀儡である。
サナキ 「うむ、よろしい」
ルカン 「なれどそうなりますと外圧も考えねばなりませぬ。キノコ王国など先月は外交官を通じて貿易協定案を出してきておりましてな。
それを無視するとなると…」
サナキ 「わかっておる。そのための抑止力ではないか。日頃より軍需産業に投資しておるのはなんのためか?」
ルカン 「無論紋章町住民の安全と財産を守るためですとも。このルカンよく心得ております。
ですが彼らの懸命の努力にも関わらず…どうしても増額が必要と申しておりましてな」
サナキ 「わかった。取り計らおう」
ルカン 「ありがとうございます。これで私めもヘッツェル殿を説得しやすくなります。それではこれにて……」
一礼をしてルカンが退室するとサナキは苦々しく表情を歪めた。
サナキ 「古だぬきが…!」
シグルーン「サナキ様、お言葉遣いがはしたないですわ」
傍らの秘書がそれとなく口をはさむが気にも留めない。
証拠は無いがルカンが軍需産業よりリベートをもらっているのは間違いあるまい。
しかしながらそれを差し引いても政府への影響力は魅力がある。
ゆえにサナキはルカンと一種の取引をしているのだ。
サナキ 「ふん…」
元老院の株式保有率はギリギリのラインでいまだサナキを社長に留めている。
サナキ 「…セフェランがおればルカンなどに好きに振舞わせはせぬのにな…」
シグルーン「お心を強くお持ちくださいませ。セフェラン様の拘留期限もあと、2週間を残すばかりです」
サナキ 「わかっておる。じゃがルカンもそれを指をくわえて見てはおるまい。
なんともうしたか…牙であったか?」
シグルーン「近頃手を結んだとされる裏組織ですね」
サナキ 「”火消し”に連絡をとれ、事と次第によってはあやつの力が必要になるやもしれぬ」
シグルーン「わかりました。取り計らっておきます」
サナキ 「うむ……のうシグルーン、次の休みはいつになるのじゃ?」
シグルーン「来週の日曜になりますわ」
サナキ 「そうか…うむ、そうか!」
久方振りに社長サナキではない、1人の少女サナキの表情が戻る。
おそらくあの筋骨逞しい大男の事を思い浮かべているのだろう。
多少の嫉妬を感じないでもないが、サナキの微笑ましい姿をみていると、
そのような気持ちも晴れやかな物に変わるのをシグルーンは感じていた。
315
デルプレー伯爵家の邸宅ではジョフレが布団につっぷしてぼやいていた。
シグルドの結婚式にかこつけて休暇を取り帰宅したまではよかった。
だが式の会場で出会ったエリンシアにそれとなくアプローチしても…中々よい返事を得られなかったのだ。
軍上層部にはなんとか理由をつけて休暇を引き伸ばしているが……
ジョフレ 「もうやだ…セリノスには戻りたくない…はぁぁ…こんな仕事辞めようかな…」
ルキノ 「あんたねぇ…腐っても少将閣下でしょうが。そんな無責任な事言わないの!」
ジョフレ 「このままでは胃に穴があいてしまうよ……ああ、エリンシア様…」
ルキノ 「そんな風にボヤいているようだから相手にされないのよ。
…上官のロンブローゾ大将から電話よ。いつセリノスに戻るんだって」
ジョフレ 「私は出かけてるって返事しといてくれ」
ルキノ 「…あんたね…有休ももうそんなに無いわよ…」
ジョフレ 「ううぅ……この機にエリンシア様との仲を進展させないと戻りたくないのに…
姉さん…なにかいい転職のアテはないのかい…」
ルキノ 「ないない。知らん…この際エリンシア様に直接告ればいいじゃないの」
ジョフレ 「だって私の事をお友達くらいにしか思ってないんだよ。セリノスにいる間、音沙汰すらなかったし…
今告白してもフラれてしまうよ。その前に仲を進展させないと…」
ルキノ 「その進展させる余裕もないんでしょう。いっそさっさと告白して上手くいけば御の字、ダメならすっぱり諦めもつくでしょ。
今みたいにグダグダしてるよりよっぽどいいし、男らしいわよ」
ジョフレ 「ううっ…そうだよなぁ……よ…よし!」
姉にケツを叩かれてジョフレはついにその気になった。
彼は布団から起き上がると屋敷を後にした。
ルキノ 「まったく…子供のころからああなんだから…はぁ…ちゃんとやりなさいよ…」
その日のエリンシアは日中の家事を終えてコタツでTVを見ていた。
煎餅が美味い。時折コメディアンのボケにクスリと笑みを漏らす。
その時チャイムが鳴り響いた。
エリンシア「はい、今行きますね~」
扉を開くと…その場には花束をもったジョフレがいる。
エリンシア「あら、えーと…ジョフレ?何か御用ですか?」
ジョフレ 「エリンシア様っこれを!」
ずいっと花束を差し出す。
戸惑いながらもエリンシアが受け取るのをみるとジョフレは畳み掛けた。
ここで迷うとまた何も言えなくなりそうだ。
ジョフレ 「エリンシア様!一目見たその日から気高くお美しい貴女をお慕いしておりましたっ!
どうかこのジョフレの愛を受け入れてくださいっ!!!」
エリンシア「はい?」
思わず瞳が点になる。
急にまたこの人は何を言っているのだろうか…
こ、これはいわゆる…昼ドラとかでも見かける愛の告白だろうか…
エリンシア「あ…あの…えっと!?」
咄嗟には言葉が出てこない…
どうしようか…
続く
1 ジョフレの愛を受け入れる …そこまで熱烈に想ってくださるなんて…わたくし、心を動かされました…
2 ごめんなさいする ……KINNIKUの無い方はちょっと……
3 ジョフレを鍛える 頑張ってガチムチになってくれたら…考えてみます
4 ルキノに相談する …少しだけお返事を待ってくださいね。親友でありジョフレの姉のルキノはどう思うでしょうか
430の方に選択お願いします
430 :助けて!名無しさん!:2010/12/28(火) 13:06:57 ID:LXn72Jc6
1!1!1!
ジョフレに幸せになって欲しい