いわゆる「運命」ってやつ
「「「「いってきまーす!」」」」
エリンシア「いってらっしゃーい!」
エリンシア「ふう……」
ミカヤ「今日も我が家の学童たちは元気に登校しましたか」
エリンシア「ええ。シグルドお兄様とアイクもいますから、学童たちというわけでもないですけれど」
ミカヤ「まあ正確にはね」
エリンシア「……」
ミカヤ「どうしたの?」
エリンシア「いえ……私、ずっと気になっていることがあるのですけど」
ミカヤ「なに?」
エリンシア「……今、中学生の子たちは全員公立中学校に通っているのにバラバラの学校ですよね」
ミカヤ「ああ……そのことね。普通は進学する学校って、私立でもない限り学区で決まるものなのに、っていう」
エリンシア「はい。なのに我が家は小学校中学校と、進学するたび何かしら事件があったりして別々の学校に通うことに……」
ミカヤ「不思議よね。これも運命というものなのかしら」
~本当のところはどうだったのか?~
・マルスの場合
マルス 「ユンヌえもん、ユンヌえもん!」
ユンヌ 「はいはい何かしらマルスちゃん……っていうかそれ語呂悪いわよ」
マルス 「そんなのどうでもいいよ! それよりもユンヌえもん、大変なんだよ!」
ユンヌ 「何が?」
マルス 「ぼく、ようちえんのシーダちゃんが好きなんだけど、しょうがっこうはべつべつになるらしいんだ!」
ユンヌ 「あらマルスちゃんったらおませさんね。それで?」
マルス 「だけど、シーダちゃんがいくタリスしょうがっこうってところには、
オグマとかいうクソロリコン教師がいるらしいんだ!
シーダちゃんがしんぱいだよ、ねえユンヌえもん、てんばつでオグマをひみつりにしょりしてよ!」
ユンヌ 「あらマルスちゃんったら末恐ろしいわね。
でもそういう理由で天罰下すわけにはいかないわ。
アスタルテ姉さんにすっげえ怒られるし」
マルス 「そんなー!」
ユンヌ 「でもなんか面白そうだから、知り合いの運命の女神辺りに適当に頼んでおくわ。
これでマルスちゃんも、春からはタリス小学校の一年生よ!」
マルス 「やったぁー!」
ユンヌ 「ふふ……微笑ましいわね。……で、報酬の方は?」
マルス 「はい。秘密裏に盗んできたアイク兄さんのブリーフだよ」
ユンヌ 「いやっほぅー! 生パン、生パン!」
マルス 「……おとなってきたないな……」
・エリウッドの場合
ニニアン 「……アハトさん、アハトさん」
アハト 「おや、なんですかニニアン様」
ニニアン 「あの……きょう、わたくしとまがりかどでぶつかった、あかいかみのお方……」
アハト 「ああ……竜族であるニニアン様とぶつかったショックで5mほど吹っ飛んでいらっしゃったあの方ですか」
ニニアン 「……はい。あのかたのおなまえをごぞんじですか?」
アハト 「無論です。あの方は主人公兄弟さん家のエリウッド君です」
ニニアン 「エリウッドさま……ああ、もうひとめでいいからおあいしたい……」
アハト 「そうですかそうですか。いや、引っ込み思案なニニアン様がそうも仰るとは。
よろしい。このアハト、一肌脱ぎましょう」
ニニアン 「……?」
アハト 「ちょっと知り合いに頼んでいろいろしてもらいましょう。
そうすれば春から、エリウッド様はニニアン様と同じエレブ小学校の生徒です」
ニニアン 「……うれしい……ありがとうございます」
アハト 「ははははは。全てこのアハトにお任せあれ」
・エフラムの場合
ヒーニアス「おい、じい!」
モルダ 「ははーっ、ここに!」
ヒーニアス「きょうのごうどうおゆうぎかいで、わたしよりもめだっていたやつがいたな!」
モルダ 「は。おゆうぎなんてやってられん、みたいなむっつり顔で仁王立ちしていた子ですな?」
ヒーニアス「そうだ! やつのせいでわたしのかんぺきなおゆうぎがだいなしだ! やつのなまえは?」
モルダ 「少々お待ちを……ふむ、エフラムという平民の子のようですな」
ヒーニアス「エフラムか……よし、やつをわたしとおなじしょうがっこうに入学するように根回ししてくのだ!
そつぎょうするまでに必ずや今日のくつじょくをはらしてやる!」
モルダ 「ははーっ! ……ところで、エフラム君には双子の妹君がいるようですが」
ヒーニアス「いもうと? ……おんななんてしょうぶのじゃまだ。ラーチェルみたいにうるさいのもいやだし。
そうだな、ターナと同じ、しょうちゅうこういっかんのルネスじょがくいんにでもほうりこんでおけ!」
モルダ 「ははーっ! 仰せのままに!」
・セリスの場合
ユリウス 「……おい、アハト」
アハト 「なんですか、ユリウス様。ミルクでしたら冷蔵庫に」
ユリウス 「ちがわい! ……あのだな、今日こうえんでユリアとなかよくあそんでいた奴がいただろう」
アハト 「ああ……あの可愛らしい子ですね」
ユリウス 「そうだ! うちきでひっこみじあんなユリアにもやさしかったあのおんなのこだ」
アハト 「そうですね、実に心和む光景でございました」
ユリウス 「……あいつはどこのようちえんのなんてこだ」
アハト 「はいはい……ええと、中央幼稚園のセリスという子らしいですね」
ユリウス 「セリス、か……」
アハト 「可愛い名前ですねえ」
ユリウス 「む。ま、まあユリアにはまけるけどな! しかし、ちゅうおうようちえんということは……」
アハト 「小学校は中央小学校でしょうね」
ユリウス 「ぼく……いやぼくらとおなじゆぐどらるしょうがっこうではないのか」
アハト 「まあ、順当にいけば」
ユリウス 「……それはいかん。いかんぞ。せっかくユリアにともだちができたのだから、はなればなれはいかん」
アハト 「なるほど。ではユリウス様と同じ小学校に通うように根回ししておきましょう」
ユリウス 「ほ、本当か! ……あ、いや。ぼ、ぼくとじゃない、ユリアとだ! まちがえるな!」
アハト 「おお、これは申し訳ございませんでした」
ユリウス 「きをつけろよ! ……ふふ。はるからおなじがっこうか……」
エルフ 「……アハト」
アハト 「なんだいエルフ」
エルフ 「見てたわよ、さっきの」
アハト 「そうかい。いや、実に和やかな光景だったね。ユリウス様もなかなかおませさんでいらっしゃる」
エルフ 「とぼけないの。……あのセリスって子、とびきり可愛いけど男の子でしょうが」
アハト 「そうだね。それがなにか?」
エルフ 「なにかって……ユリウス様明らかに誤解していらっしゃるわよ。目がハートマークだったじゃない」
アハト 「いやだなあエルフ、君ともあろう者が性別の差だなんて些細なことを問題にするのかい? もっと進歩的に行こうよ」
エルフ 「本音は?」
アハト 「面白そうだから!」
エルフ 「……駄目だこいつ……」
~他、大体似たようなパターンが続く~
エリンシア「……不思議なこともあるものですよねえ」
ミカヤ 「そうねえ……ユンヌは何か知らない?」
ユンヌ 「そうね……円環の理……じゃなくって、運命の女神様の悪戯じゃないかな☆」
ミカヤ 「ユンヌ……そのキャラ痛いわ」
ユンヌ 「ひどっ!?」