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Last-modified: 2014-01-19 (日) 22:21:26

侍エムブレム戦国伝 邂逅編 マルスの章 二つの道

 

人の生き方には幾つもの道があり誰しもがなにがしかの道を選んで生きていく。
それは裏を返せば選択を迫られるという事もある。
好むと好まざるとに関わらず…選ばれなかった道は閉ざされ二度と開ける事は無い。
もっとも選べる者は選べるだけ幸福なのかも知れないが――――――

常に人の往来が耐えないワーレンの街の片隅で露店を商ってもう何年になるだろうか。
齢九つで商いの道に入って以来、この六年間ただの一日たりと言えども休む事なく働いてきた。
常に倹約に努め贅沢もせず酒も飲まず……商人にとっては命や人生そのものといってよい金を必死になって蓄えてきた。
今日も露店に座す少年は愛しげに硬貨を見つめる。
「君たちには頭が下がるよ。僕が大事にすればしただけ恩を返してくれる。
 銅貨は小判に、小判は大判に育って帰ってきてくれるのだから」

炎正十三年春……
商人マルスは十五歳の春を迎えていた……

今日も雑踏の傍らに店を出す。
こうして品物を並べるのもあと幾度だろうか……
マルスの勘定ではあと一月というところであった。
コツコツとため続けてきた銭は億万長者…とはいかないもののかなりの金額になってきている。
なにせ六年も必死になって働いてきたのだ。目標金額まであとわずかだ。
これなら…これなら多額の渡航費用と大陸に二、三年滞在しても間に合うほどの額だ。
船の都合をつけて…護衛を雇って…充分いける。
話では大陸と紋章の国との間に戦が始まるらしいが…それは上の方のごたごただ。
商人には関わりの無い事。彼らは顧客を選ばない。
「と…いけないいけない。この所はそればっかり考えてるなぁ…店を出してる時は商売に集中しないとね」
頭を振って意識を目の前の雑踏に向けると…人ごみの中から一人の少年がこちらへと近づいてきた。
顔見知りだ。彼の事は子供の頃からよく知っている。
「マリク!こんな時間に君がうろついているなんて珍しいね?
 ああ…マリクじゃなくて義兄上と呼んだ方がいいのかな?」
マリクと呼ばれた少年……
緑色の髪をした細身の若者はかるくかぶりをふった。
「やめてくれよマルス…君にそんな呼び方をされるとムズがゆくなる。
 今までどおりマリクでいいよ」
この男マリクが元服を向かえ、マルスの義姉エリスを嫁に娶ったのは昨年の暮れの事であった。
彼はウェンデルという師から妖術を学んでいたが非常に優れた術の使い手に育ち、
幾つかの大名から誘いが来ているという。
エリスが嫁にいき実家はマルス一人となった。それもマルスが渡航を躊躇わない理由の一つだ。
口に出しては言わないがマリクは篤実な青年だ。
婚期を逃しかけながらも彼の元服を待ったエリスの選択は間違っていないと思う。
28 名前: 侍エムブレム戦国伝 邂逅編 マルスの章 二つの道  [sage] 投稿日: 2011/05/11(水) 05:29:56.18 ID:g3jFwQgO
「ところでなにか買い物かい? 今なら聖水が安くなっているよ」
「生憎と財布の紐を女房に握られててねぇ。あまりいらんものは買うなってさ。それよりもさ、米は手に入らないのか?」
ある程度この問いかけは予想がついた。
マルスは多少の食料品も扱っているが………
「無理。大店ならまだしもね…米所のソフィアとリゲルの飢饉で馬鹿みたいに値上がりしてるよ。
 来年くらいまでは米の入荷は諦めて…と、どの道今月一杯で店じまいなんだった」
常に商いの事は頭の中の多くを占めているらしい。
バツの悪そうな顔をする友人に妖術師の若者は笑いかけた。
「商人は君の天職だと思うよ。大陸に渡っても商いを続ける君の姿が目に浮かぶようだよ」
「なんのかんので今までの人生こればっかやってきたからねぇ。
 銭はすでに僕の心の一部さ…ところで何か話があったんじゃないの?」
買い物に来たわけでも無いとしたらなにか用事があるのだろう。
マルスは話を振ってみた。マリクとはとりとめのない世間話をすることもあるがそれにしてもこの時間帯に彼が顔を出すのは珍しい事だ。
「ああ、ちょっとそこで小耳に挟んだんだけどさ。ほら、君がご執心だったタリス屋のお嬢さん」
マリクが言っているのはマルスが毎朝通る道にたつ大店、タリス屋の一人娘シーダの事である。
一度彼と酒を共にしたときにうっかりと話してしまったのだ。
朝、時折窓から顔を出す彼女に魅せられている事を。
「マリク…どうでもいいけどさ。そのご執心って言い方はひっかかるね。
 向こうは僕の名前も存在すらも知らないんだよ。雑踏をいく有象無象の一人でしかない」
「なら聞かない?」
「……聞く……」
不本意だがここは相手の話にあわせておこう。
マルスとて無心ではいられない。淡い初恋はいまだに胸の奥に燻っていた。
「来月祝言なんだってさ?」
「ふぅん」
無関心を装って軽く受け流す。
おそらく彼女は自分とそう年は変わらないだろう。
そろそろそういう話があってもよい年頃だ。
そしてこの友人は自分が衝撃を受けている事に気づいているのだろう。
少しばかりそれが癪に障る。
「相手は最近財力を増してるダーナ屋の主なんだとさ。名は…ブラムセルとかいったかな…
 商人の君の方が詳しいんじゃないか?」
マルスは眉を顰めた。
不快だ。実に不愉快だ。
それは確かに零細商人の自分と大店の娘とでは全く釣り合わないと始めから諦めていたし、そもそも自分には他にやる事がある。
いつかこういう日が来るとは思っていた。
だが……よりにもよって相手があのブラムセルとは……
「今までさ。君から悪い情報を聞いた事は幾度かあったけれど今回は極めつけだね。反吐がでる」
「悪い相手なのか?」
「……好色な成金だよ。囲ってる妾の数は何十人になるやら……」

ダーナ屋の店主ブラムセルはここ数年、強引な金融が当たって伸し上がった男である。
何人かの有力大名に戦費を貸し付けて成功してきた。
ワーレンの長老連も彼の事を無視できなくなり、市内での発言権は拡大の一途を辿っていた。

「…少し前からタリス屋の経営が悪化してるって話は聞いてたんだ。
 多分ダーナ屋から援助をするかわりに…って話じゃないかな…ったく…大陸行きの前に…」
不快ではあるが、マルスにどうにかできる事など何一つない。
なにしろ完全に他人事なのだ。
自分は記憶の片隅にある姉を迎えに海を越えなくてはならない。
マリクが店先を離れた後も、不機嫌な顔をしていたためか売り上げは振るわなかった。

やがて夜の帳が下りる。
人ごみも次第に姿を消し、威勢のよい声を上げていた商人たちも店じまいを始めた。
マルスはその日の売り上げと在庫を確認すると品物を大八車に積み込んでいく。
「ん…駄目だな…ちょっと平静じゃなかったかも…ま、どうせもともと僕には縁の無いお嬢様だしね」
切り替え切り替え…と自らに言い聞かせるとマルスは車を引き始めた。
エリスが嫁に行ったいまや誰一人待つ者のいない彼の家を目指して…………

家に戻る途中でマルスはワーレン市内を流れる川にかかった小さな橋に差し掛かった。
いつもの帰り道だ。人通りも絶えた慣れた景色を眺めながら進んでいると…慣れないものが目に入った。
誰かが橋の欄干を乗り越えようとしているのだ。
何のために? こういう時人間は考える余裕をもたない。
マルスはとっさに駆け出すとその者の体にしがみ付いた。
「ちょ…ちょっと待ってよ! 知らなければともかく目の前で身投げなんてやられたら目覚めが悪いだろう!」
その者は小さくしゃくりあげた。まだ若い娘のようだ。泣いているのだろう。
上質な藍色の着物をまとった娘は涙声で訴えかける。
「どなたかは存じませんが…私を哀れに思うならこのまま好きにさせてくださいませ…」
「だからね…君の命は君の勝手にすればいいが、目の前でやられる方の身にもなってくれよ」
ぶつぶつと呟きつつも無理やり欄干からこちら側に引きずり戻す。
そうして娘の顔を覗き込んで……ドクンと心臓が跳ね上がるようだった……
「シーダ……さん?」
「…何故私の名を? どこかでお会いしましたか?」
「あ…いや…大店の娘さんの名はこの街の商人なら大抵知ってるもんだから……」

マルスが腕を掴んでいる娘はどこかやつれたような顔色をした…
海鮮問屋タリス屋の一人娘シーダであった……

それからが大変だった。
マルスはどうにか口八丁で取り乱しているシーダを宥めすかすとタリス屋まで送っていく事としたのだ。
送り道の傍らシーダはぽつりぽつりと語りだした。
「お察しの通りですマルスさん…タリス屋は…昨年の暮れにもっておりました船が嵐で座礁して以来、
 すっかり商運に見放されてしまいました…借財はかさみ奉公人を養う事も容易ではなくなってしまい…
 そこで父に近寄ってきたのがあのブラムセルです……」
「借財を肩代わりする替わりに…って、わけですか」
娘は小さく頷いた…
これも家のため…多くの奉公人を路頭に迷わせないため…とはいえ…
いまだ十代も半ばの小娘には受け入れがたい事だろう…
あの好色でおぞましい男の嫁として生涯を過ごすなどと。
マルスは深々と溜息をつく。
知らなければ…
あるいは知ってもこうして直に会わなければ自分は初恋を淡い思い出に変えて、
縁の無かった高値の花さ…とでも嘯きながら大陸に向かっただろう。
そして姉を探して…誰か自分と釣り合うような結婚相手でも探して手堅い人生を過ごした事だろうが……
「シーダさん、こみいった事を聞くようですけれどタリス屋さんの借財はいかほどですか?」
「え……?」
「あ…いや…乗りかかった船…って、わけじゃないけれど…話くらいは聞けますし」
「四千五百万Gです……」
……一瞬心臓が止まるかと思った。
だが…予想以上ではない。
「…金では買えない物がある…って、いいますけど…金で買える物も沢山あるんですよね…
 金さえあれば生き方の幅も大きくなる…」
「おっしゃる通りですわ…だから…だから…ごめんなさい。今の私……どこかおかしいんです。
 忘れてくださいな。ありがとうマルスさん。一時の気の迷いでした。もう身投げなんてしませんから」
タリス屋の店先が見えてきた。
軽く会釈をして歩み去る娘の背を見つめながら…マルスはもう一度大きな溜息をついた。
「何年もあの娘と話す機会を持ちたいと思ったもんだけどさ…
 こういう形で縁を作るなんて神様は気紛れだよ…しかもさ…」
四千五百万G……なんとかならないことは無い…かも知れない……

商人としてのマルスは手堅く堅実である。
無謀な投機や一攫千金狙いなどはせずに、確実に手に入る小金をコツコツと拾ってきた男である。
「四千五百万G…人の人生すら左右できる大金…か…これが五千万Gだったら僕ではどうにもならない!
 …と、割り切ってこのまま別れられたのに…どうしてこう…いいところでギリギリ…」
そう…彼には確信があった。
かなりギリギリではあるが…渡航費用と大陸の滞在費として貯めた大切な大切な貯蓄の五百万G。
それに幾ばくかの借金をして元手を作れば一ヶ月で四千五百万Gを作れる計算が彼にはあった。
その方法を使って一気に金を貯めようと思った事も無くはないが…
石橋を叩いても渡らない手堅い考えのマルスは多くの危険が伴うその方法を使う事を選ばなかったのだ。

家に帰ったマルスは無言で布団にもぐりこんだ。
夕飯を食う気も起きない。
今までの自分の人生は姉を探すためにあった…あったのに…
そのための金を使ってあの娘を助けるべきだろうか?
上手くいくとも限らないが……
「知らなければ…知っても会わなければ…結局は他人…っと、割り切って旅立てたのに…姉さん…」
すでに幼い頃に別れた姉の輪郭はおぼろげなものである。
恋焦がれたあの娘の顔ははっきりと思い浮かべられるのに姉の顔は浮かんで来ない。
思い出す事も少なくなった気すらする。
過去に別れた人を取るか、今現在目の前で出会ってしまった人を取るか…
マルスは自らの心に答えの出ない問いかけをして夜をすごした。
結局一睡もする事はできなかった。

「本当に金はなによりも重いよ。この僕に五千万Gあれば…思い人も姉さんもどちらも助ける事ができただろうに…」
結局マルスの下した決断は幾分か半端なものであったかも知れない。
五百万Gの貯蓄と借金を合わせて元手を作り、そこから四千五百万G…可能であれば五千万Gを作り出す…というものであった。
必要な借金はマルスの見積もりでは三百万Gというところだ。
マルスの信用からすれば百万くらいまではなんとかなる…そこから先はかなり強引な借金が必要だろう。
「馬鹿だな僕は…ああ馬鹿だよ! なんだって赤の他人にこんな事をしているんだ!」
本気で自分を殴りつけてやりたいが…もはや自分を止めることはできなかった。
その日からマルスはワーレンの方々を駆け回った。
取引先や顔見知り、両替商や金貸しの間を駆けずり回って金を集める。
百二十万まではトントン拍子で集められたが……そこから先は今までの人生で築いた信用を削りながらの借金になるのだ。
商人たちはマルスの行為を不可思議なものとしてみていた。
いままで手堅くコツコツと稼いできた男が急にまたどうしたのだろうか……
「お願いします!当座の資金がいるんです!必ず…必ずお返ししますから!」
必要であればマルスは平気で土下座すらしてみせた。
「そうはいってもねアンタ…ちゃんと当てがあって言ってるのかね?
 ここんとこアンタが金を借りまくってるってのは評判だよ?
 まさかそのままワーレンからドロンってんじゃないだろうね?」
マルスはそれなりに信用ある商人だったがそれにも限度はある。
何分零細の露天商の身に余るような金を集めようと言うのだ。
無理を言って借金を重ねるうちに次第に評判は広まり…それを聞いた相手はマルスが来ると不愉快げな顔を見せるようになってくる…
中には金は返さなくてもいいからもう二度と来ないでくれ!とまで言う者もいた。
だがそれくらいで引いてはいられない。
なんとか元手をもぎ取らねばならないのだ。

マルスが無茶を始めて三日。
その噂は各所に広まり……
今日もマルスが借金の当てにできるとある商人を尋ねようとワーレンの通りを歩いていると、彼にあの娘が声をかけてきた。
青い髪の可憐な娘…どこか姉エリスに似たマルスの胸を焦がす娘だ。
「マルス…さん」
「奇遇ですねタリス屋のお嬢さん、なにか御用で?」
「最近、すごく評判だったからタリス屋まで噂が届いたんです。
 マルスさんがあちこちでお金を借りてるって」
「ええまぁ…ちょっと商売を大きくしようと思いましてね。その元手がいるんです」
…騙せなかっただろうか…
やれやれ…僕の口先もこういう時はうまくいかないなぁ…
「マルスさん…私の話を聞いたから…」
どうにか誤魔化そうとも思ったが…
まっすぐに自分を見据えるシーダを前に嘘を吐く気にはなれなかった。
「……ええ…そういう事です。
 勘違いはしないでほしいのですが、僕はあくまでも商人です。
 ここでタリス屋さんに恩を売れれば後々までおいしい思いをできますからねぇ」
「傾いてる大店に恩を売って…ですか?」
「苦境にある時こそ恩の売り時なんですよ。立ち直った後だとそれがどれほどの助けになったかって事を人はしっかり覚えてるもんです。
 順境にある時の恩なんて大した有り難味もありませんから」
娘はクスリと微笑んだ。
鈴が鳴るような心地のよい声色だった。
「…マルスさんが心根の優しい方だというのはわかりました。
 ですけどやはり私のために無茶はしないでほしいんです。
 私と貴方は橋の上でふとすれ違った…それだけの間柄なんですから」
「無茶かどうかは僕が決める事ですよ。僕には勝算があるんです」
半分は嘘である。危険はかなり大きいが…
マルスが翻意しないと知るとシーダは彼の手を取った。
自分の事だ…マルス一人に苦労を強いる気は無いのだろう。
一緒にいって頭を下げて回ると言い出した。
大店の娘である自分が保証をすれば幾分かでも借金がしやすいだろうと……

そうしてこの日…必要額まであとわずかという借金を得たマルスとシーダは日没前にとある仲買商の下を訪れた。
マルスが幾度か商売で付き合った事のある相手だ。
ホルスというその男は誠実かつ清廉な商人として周囲の信頼を集めていた。
「…ここで最後です。これで八百万Gが調達できる」
マルスは傍らのシーダを省みると店の軒先にたった。
すでに閉店時間間近だったのだろう。片づけをしている店主の姿が目に入る。
さっそくマルスは駆け寄ると挨拶と共にいくつかの話をした。
ダーナ屋からの妨害を避けるため、真意をかくしてあくまでも自分自身の商売拡大のためと話をする。
どうにかお願いできないかと……

ホルスは大きく嘆息すると小柄なマルスを見下ろした。
「マルスさん…あなたに力を貸す事はやぶさかじゃないんだよ。
 あなたとの商売で何度か儲けさせてもらっているしね」
「それじゃあ!」
色好い返事を期待したマルスが見出したものはどこまでも冷ややかなホルスの瞳だった。
「だがね…商売というものは誠意を持ってするものじゃないのかね…
 人の情けにすがりその力を借りようという時に君は女連れで歩くのかね?
 馬鹿にするのも大概にしたまえ」
はき捨てるような声だった。
軽率と思われたのであろう。なんという事だろうか。
ホルスは傍らにあった水桶を取るとマルスの顔面に冷水を叩き付けて店の扉を閉めた。
閉ざされた戸が再び開く事は無かった。

「ごめん…ごめんなさい…マルスさん…私…」
「ああいいんですよ。こんな事を気にしていたら商売なんてやってません。
 この分はいずれタリス屋さんから儲けさせてもらえばいいんですから…」
水の滴る髪を撫で付けながらマルスは苦笑いする。
この娘が涙を流していると胸が苦しくなる。
彼女の為ならなんでもできると今この時マルスは確信したのかもしれない。
彼の胸の内にこの時姉の影は無かった……
あるいは無意識のうちに選び取っていたのかも知れない。
始めからわかっていた事だ。
マルスがこれから始める商売の利益の見積もりは上手くいって四千五百万を少し超える程度だと。
タリス屋の借財を払ったら…残る物は幾らにもならないと…五千万は無理な相談だと…
姉を迎えにいく為に生きてきたが……
幼い頃に別れた人の面影は年々薄くなっていき、
新たに出会った人々の顔に書き換えられていく。
それは親友であり義兄となったマリクであり、
こうして出会って…会うたびに愛しさの募るシーダであった。

橋の上で出会ってからわずか三日…マルスの六年間はこの三日で塗り替えられたといってもよい。
彼は大陸に渡る事を諦め…変わってより心の中で大きな比重を占めるようになった娘のために身命を投げ打とうとしていた。

次回

侍エムブレム戦国伝 邂逅編 

~ アイクの章 三日月 ~