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Last-modified: 2014-01-28 (火) 12:10:29

リーフ「ヘ、へクトル兄さん早くしてよ!!」
ドンドン、とトイレのドアを叩きまくる音
随分切羽詰った声でリーフが叫ぶ
へクトル「うるせぇ!!俺だって早く出たいわ!」
こちらも苦しそうな声を出す
ロイ「兄さん、はい、とりあえずこれ飲んで」
つス○ッパ(小中学生用)
リーフ「あ、ありがとうロイ、こ、これで少しは持つかな・・・?」
ロイ「うーん、どうだろ、薬が効き始めるまでは時間かかるし
何より、下してる時は無理に止めない方が良いって、セシリア先生に教わったよ」
リーフ「へぇ~、何で?」
ロイ「えーと、体の防御反応なんだってさ、悪いモノを早く外に出そうとしてるんだって
と言う訳で、へクトル兄さんは薬飲まなくていいよね、っていうか、かっこ悪いよねw
普段あれだけ強気なのに、お腹弱いなんてさw」
ヘクトル「ロ、ロイ、てめー後で覚えてろよ!」
リーフ「はぁ・・・」
ロイ「どうしたの?兄さん」
リーフ「うん、前から思ってたけど、僕とかヘクトル兄さんってこういう役多くない?」
・・・一時間後、二人とも落ち着いたようだ
エリウッド「しかし、珍しいな、二人だけあんなになるなんてな」
そう、一家全員で同じ食事をしたのに、何故か彼らだけ当たったのである
食事はいつも通りエリンシアが作った、勿論食中毒など一度も起こした事が無い
ミカヤ「そうね、みんな無事なのに」
エイリーク「思い当たる事はありますけどね」
リン「え、何かある?」
エイリーク「ええ、二人だけ、アイク兄さんが獲ってきた牛の肉を生で食べたと思います」
セリス「そういえば、そうだね」
シグルド「まぁ、今後気をつければいい事さ、二人共わかったか?」
ヘクトル「流石にこんな目に会えばな・・・」
リーフ「以後、気をつけます・・・」
シグルド「それより問題は、エリンシアだ。
失敗した時こそ、相手を信頼すべきだと私は思っている。
勿論、それはとても難しい事だ
例えば、恋愛で、相手に裏切られたら、もう一度相手を信頼するのは容易ではないだろう
傷つき、苦しみ、辛い状態が何ヶ月も続くかもしれない、しかしそれでも
最後には、相手の事を許すべきだと、私は思う」
マルス「へぇ~、じゃあ、シグルド兄さんは、アルヴィスさんに、ディアドラさんを
取られても、許すんですか?」
シグルド「・・・それとこれとは別問題だ・・・」
ミカヤ「ちょ、貴方言ってる事違いすぎるわよ!」
リン「原作じゃ、バッチリ寝取られてる人があんな事言ってもね・・・」
マルス「アルヴィス!きさま!とか言いそう」
セリカ「多分、あの台詞は自分に言い聞かせてるのね」
アルム「でも、僕はシグルト兄さんを見習いたい」
セリカ「あら、私はアルムを絶対に裏切ったりしないわ」
アルム「勿論、僕だってそうさ」
セリカ「アルム・・・」
アルム「セリカ・・・」
シグルド「・・・今日は、ティルフィングを使うまいと思っていたんだがな」
セリス「に、兄さん落ち着いて!それよりアイク兄さんは?」
アイクはエリンシアと話していた
自分の部屋で、椅子に座り、うつむき加減で黙っている
アイク「どうしたんだ?みんな待っているぞ、姿を見せなくていいのか?」
エリンシア「不安なんです・・・、私は二人を苦しめてしまいました・・・
元々、料理をちゃんと習ったわけじゃない、そんな私が今後もご飯を作っていいんでしょうか?みんなは、私のご飯を食べてくれるでしょうか?」
アイク「何を馬鹿な事を・・・」
エリンシア「ですが、アイク!・・・私は・・・」
アイク「なら聞くが、俺達兄弟を育てる教育を受けていたのか?」
エリンシア「え?それは・・・」
アイク「魚を三枚に卸す教育は?新鮮な野菜を見分ける教育は?」
エリンシア「ですが、それとこれとは!」
違います、と言いかけて、すぐに反論される
今まで立っていたアイクが膝立ちになり、目線をエリンシアに合わせる
優しい口調で言った
アイク「違わないさ、これまで立派にやってきたじゃないか
これからもやっていけるさ」
その一言が、どれだけエリンシアを救ったか、当のアイクにもわからなかった
エリンシアが、静かに、だが自信に満ちた表情でうなずく
エリンシア「「はい」
よし、と軽く呟いてアイクが立ち上がる
アイク「さあ、行こう。皆が待っている、一人が嫌なら俺も一緒に行こう。」
そう言って、手を差し出す
アイクの手を掴み、エリンシアも立ち上がる
目線が合った
柔らかく微笑み、エリンシアは、アイクの手を少し引っ張り両手に包み込んだ
アイク「ありがとう、アイク、私、あなたが弟で本当に良かった」
アイクは驚いた表情をした後、彼女と一緒に歩いていく。
晩御飯が出来上がった
全員が席について、一斉に
「頂きます!」
箸が思い思いの方に伸びていく
エリンシア「あっ!」
兄弟姉妹「?」
視線が一斉にこちらへ向けられる
エリンシア「あっ、ごめんなさい、何でもないわ」
恐かった、みんなはもう私の料理を食べてくれないんじゃないかと
でも、そんな事は杞憂だった
みんな、おいしそうに私のご飯を食べてくれている
ヘクトル「あ~、やっぱエリンシアねーちゃんのメシが一番美味いな」
リーフ「うん、僕もそう思うよ、何て言っても、この味が一番だよね!!」
お世辞で言ってるんじゃない、本気でそう思ってくれている
私は二人の言葉を信じる事が出来た
心の中に暖かい物が満ちていく
エリウッド「どうしたの?エリンシア姉さん?」
セリス「はい、姉さん」
ハンカチが差し出される、訳が分からない
ミカヤ「エリンシア、涙を拭きなさい」
エリンシア「えっ?」
全然気付かなかった・・・、何時の間にか、私は泣いていた
エリンシア「ご、ごめんなさい!」
慌てて、涙を拭う・・・が、止まらない
みんなが、私の料理を躊躇う事無く口に中に入れる度に
涙が止まらないのだ
アイク「わかったか」
エリンシア「え?」
アイク「この家に、エリンシアを疑う奴はいない
エリンシアの料理が最高だって事を、理屈じゃなく
体で分かっている」
エリンシア「・・・」
アイク「そしてそれを、『家族』と言うんじゃないか?」
その言葉聴いた瞬間に、私の中の感情が爆発した
後から後から涙が出てくるが
止められなかったし、止めようと思わなかった
そう、これが私達家族の『絆』なのだ。