─アカネイア地区:商店街
カタリナ「最近クライネに友達が出来たのか、明るくなってきたんですよ」
クリス 「それは良い事だな…ん?あれは…」
他愛の無い会話をしながら二人で歩いていると、前方にクリス達の教師でもあるジェイガンが悩んでるかの様に立っていた。
クリス 「…ジェイガン様?珍しいですね。こんな所で何を?」
ジェイガン「おお、クリスにカタリナか。丁度良い所に現れてくれた。今度の休日、何か用事はあるか?」
クリス 「俺は特に無いですね。精々いつもの通りに鍛錬しているだけです」
カタリナ 「私はその鍛錬のお手伝いをしようかと思っていますが、それが何か?」
ジェイガン「それは都合が良い。それならば今度の休日はここでも言ってきたらどうだ?」
そう言いながらジェイガンが懐から取り出したのは二枚の遊園地のチケットだった。
カタリナ 「遊園地のチケット?これは一体どうなされたのですか?」
ジェイガン「商店街の一角で福引きをやっておってな。暇潰しにと一回引いてみたら不覚にも当たってしまってな。
それでこのチケットを貰ってしまい、どうしたものかと途方に暮れておったのだ」
クリス 「なるほど。そんな時に俺達が現れたってわけですね」
ジェイガン「わしの様な老いぼれが行ってもしょうがないのでな。そこでクリス達にと思ったのだが、どうだ?」
カタリナ 「クリス、どうしましょうか?」
クリス 「やる事が無くて鍛錬の予定だったしな。遊園地行くのも悪くない。ジェイガン様、有難く頂戴してもよろしいですか?」
ジェイガン「もちろんだ。クリスならそう言ってくれると信じておったぞ。ではこれが遊園地のチケットだ」
ジェイガンから二枚のチケットを受け取るクリス。受け取った後、二枚の内一枚を無造作にカタリナへと渡す。
カタリナ 「(…あれ?これって…)」
クリス 「しかしジェイガン様、教師が教え子に遊園地のチケットを渡すってよろしいのですか?」
ジェイガン「何、我が校はそこまで校則が厳しくは無いからな。何も考えず、カタリナと一緒に楽しんできなさい」
カタリナ 「(クリスと一緒に…楽しむ…遊園地に…二人っきりで…これってつまり……ッ!!)」
クリス 「ならばよろしいのですが。それじゃあ行くかカタリナ…って、おいカタリナ。顔が茹で蛸みたいに真赤だぞ?」
カタリナ 「え!?…あ、あわわわ!だ、大丈夫です何でもないです気にしないで下さいではクリス今度の休日にっ!!」
言い終わると共に、カタリナはクリスとジェイガンの前から鴉王もビックリな速さで駆け去っていった。
クリス 「…今度の休日にって、まだ休日まで日にちがあるんだが」
ジェイガン「…若いというのは良い事だ。ではわしは失礼する。また明日、学校でな」
クリス 「あ、はい。ジェイガン様、また明日学校で。今日はチケット有難うございます」
ジェイガンが去っていくのを見送りながら、ふとクリスは一つの疑問が思い浮かぶ。
クリス「福引き、か…。商店街は軽く見回ったがそれらしきものは見た記憶は無いんだけどな。…ま、見逃しただけだろう」
─商店街の路地裏
マルス 「…ご苦労様、ジェイガン。上手くいったみたいだね」
ジェイガン「はっ!手筈通り、クリスとカタリナにチケットを渡してきました」
マルス 「僕が直接渡せたら良かったんだけど色々ややこしい事になるからね。助かったよ。演技も上手かったし」
ジェイガン「マルス様の為ならば、喜んで道化すらも演じてみせましょう。それにクリス達にも上手くいってほしいので」
マルス 「そうだね。あの二人は勿論の事、クリス達の仲も進展したら万々歳だよ。…と、そうだ。連絡しないと。
(ピッピッピッ)…もしもしマルスです。はい、上手くいきました。…えぇ、今度の休日が楽しみですね」
─エレミヤの孤児院
クライネ「アイネが帰ってくるなりずっと顔真赤にしてにやけているんだけど。何があったのかしら?正直言ってキモイわ」
ローロー「ウキキ。さぁ?嬉しいことでもあったんじゃないかな?」
カタリナ「(クリスとデートクリスとデートクリスとデートクリスとデートどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!?)」
そして日にちはあっと言う間に過ぎ、休日がやってきた。
─アカネイア地区:遊園地
カタリナ「……あっ!ク、クリス!こっちです!」
クリス 「カタリナ。すまないな、待たせてしまったようだ」
カタリナ「い、いいえ!私も今来た所です!(ドキドキし過ぎて眠れなくて、開園前からいたなんて言えないです…)」
クリス 「そうか、それは良かった。じゃあ早速行くか」
カタリナ「は、はいっ!行きましょうっ!!」
クリス 「うおお!慣性ドリフトォ!!」
カナリナ「いえ、クリス。ゴーカートでドリフトなんか出来ません。…ぁ、クラッシュしちゃった」
オバケ役「う~ら~め~し~」
カタリナ 「あ、危ない!クリス!!」
オバケ役「ギャアアアァァ!!!」
クリス 「カタリナ、流石にオーラはマズイと思うぞ。(司祭に職種変更)とりあえずリライブ…いや、リカバーか」
カタリナ「ここのジェットコースターは速いと聞いてましたが、そこまで速く無かったですね」
クリス 「俺達は飛竜でこのぐらいの速さで飛ぶからな。テリウス地区にある遊園地にはもっと速いのがあると聞くが」
カタリナ「機会があれば行ってみますか?」
クリス 「そうだな。機会があれば一緒に行くか」
カタリナ「はい、一緒に行きましょう(…あ、あれ?さり気無く私、次回のデートの約束、しちゃったような…ッ!)」
クリス 「じゃあ次に…って、おいカタリナ。また顔が茹で蛸になっているが、大丈夫か?」
カタリナ「…き、気持ち悪いです。流石に回し過ぎました…」
クリス 「ま、まさかあそこまでコーヒーカップが回転するとは…。そういえば三半規管の鍛錬はしていなかったな…」
カタリナ「お昼を食べる前で良かったです。本当に…」
それから十数分後…。
クリス 「ふぅ、ようやく落ち着いてきたな。そろそろ昼食を取るか」
カタリナ「そうですね。先程、良い感じのお店がありましたのでそちらで…」
???「…ん?そこにいるのはもしかしてクリスか?」
クリス 「その声は…」
声が聞こえてきた方向にクリスが振り向くと、そこにはアイクと、いつもの格好とは違うがレテの姿がそこにあった。
クリス 「アイク殿。と、確か…レテ殿でしたか?」
レテ 「そうだ。お前はアイクの親戚の…クリスだったか?」
クリス 「はい、そうです。所でどうしてアイク殿とレテ殿がここに?」
アイク 「友人から遊園地のチケットを貰ってな。偶然に通り掛ったレテを誘ったんだ」
レテ 「(どう考えてもライに謀られた気がする。あいつはまた砕破確定だ)」
クリス 「なるほど、そういう事でしたか。俺はてっきりデートかと…」
レテ 「デ…デデデデデートではないっ!私はアイクからチケットを貰ったから来てだけだそれだけだ他意は無いっ!!」
クリス 「………」
カタリナ「………」
顔を真赤にしているレテを見て、クリスとカタリナは思った。何て分かり易い人なんだろう、と。
アイク 「そういうお前達は何でここにいるんだ?」
クリス 「俺達はジェイガン様からチケットを譲って頂いて、ここに来ています」
アイク 「ジェイガン…。確かマルスが通っている所の先生だったか?」
カタリナ「はい。何でも、福引きで当てたからとか…。ペアのチケットを貰って途方に暮れてた所に、私達が通り掛ったので」
アイク 「なるほど、そういう事だったか。俺もてっきりデートかと思ったのだが…」
カタリナ「デ…デデデデートじゃないですっ!私はジェイガン様からクリスと一緒にチケットを譲り受けて来ただけですっ!
それにデートとは恋人と行くもので私とクリスは友達で仲間ですそれ以上でも以下でもないですッ!!」
アイク 「………」
レテ 「………」
顔を真赤にしているカタリナを見て、アイクとレテは思った。何て分かり易いんだろう、と。
アイク 「何だ、二人揃ってデートかと思っていたのか」
クリス 「実際の所は内容の差異はありますが、知人譲って頂いたチケットで遊びに来たと言うオチですからね」
レテ 「そ、そうだ!決してデートではないっ!デートでは!!」
カタリナ「そ、そうです!デートじゃないですっ!クリスと遊びに来ただけなんですから!!」
アイク 「………」
クリス 「………」
顔を真赤にしながらデートを否定している二人を見て、アイクとクリスは同じ事をほぼ同時に思った。
二人「(何で気付かないんだこいつ(この人)は…)」
…何処からかともなく、ひどい有様です、と言う声が聞こえたのはきっと気のせいだろう。
<続く>
実は三年ぐらい前に放置してたネタの続き的なものなのだが、
分かる人はいないと思うのでちと視点変えて、見てない人も分かる様に新作っぽく。
自業自得も良い所だぜ自分w