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Last-modified: 2014-02-01 (土) 23:36:05

相変わらず先の読めない展開、凄い…!次回も気になります、GJ!

そんな素敵展開がおこった中でこんなネタで申し訳ないですが投下
アル←ジャン設定を拝借しているのと、トリスタン捏造してます
それとセリカの口調がちょっときついかも?

――――

ある平日の午後、学校から帰ってきていたセリカは庭にいた。そしていつもならいるはずの人がいないソコを見つめていた
――畑だ
愛しいあの人がいないのだ。と、そこへ…

トリスタン「よっ、セリカさん」
ある一人の男性がやってくる。そして手をあげながら塀越しにセリカに語りかけてきた

セリカ 「貴方ジャンヌのお兄さん…!また来たの?貴方も律義ね」
トリスタン「律義?」
彼はトリスタン。ジャンヌの兄である。ジャンヌが一度セリカに会わせて以来、何かとセリカの前に現れるようになった

セリカ 「ふーん、とぼけるの?ジャンヌに言われて私の所に来ていることくらいわかってるわ」
トリスタン「まぁ、そうだな。なら理由も当然わかってるだろう?」
セリカ 「私が邪魔だからでしょ。他の男と支援組ませてアルムを奪いたい。奪えなくても私を足止めしてもらう。相変わらずの女ね」
トリスタン「妹を悪く言われるのは困るな」
先ほどまで笑顔だったトリスタンの表情が変わる

セリカ 「…妹に言われたくらいでホイホイやってくるくらいだし、貴方ってエフラム兄さんの同士なのね」
トリスタン「よくわからないが、大切な妹だからな」
セリカ 「大切な妹だからって何でも言うことを聞くの?お人よしにしてはおかしくないかしら?それとも妹に逆らえないくらいのヘタレ?」
トリスタン「………」
セリカ 「どうなの?」
いつもよりきつい口調のセリカ。元々物事をはっきり言う彼女ではあるが、それにしてもだ。すると…

トリスタン「……友人のロドルバンはいつも俺のことを口が悪いって言うんだぜ?それでわかるだろ?」
男の雰囲気が変わる。セリカはやはり、と思った
セリカ 「ようやく本性を見せたわね!」
トリスタン「さすがにそれだけ言われて黙ってるのもどうかと思ってな。わざと言ってるだろうことはわかってたけど」
セリカ 「…兄弟揃って性格悪いのね」
トリスタン「きみも中々だよ」
何だが黒い笑みを浮かべながら言い合う

セリカ 「…それで?」
トリスタン「それで?」
セリカ 「そんな貴方がわざわざ私の所に来るのは何?本当に妹のため?」
トリスタン「そうだ」
セリカ 「そうだって…貴方ホントにシスコンなの!?」
トリスタン「シスコン…かどうかはわからないが、そうだな…」
彼は空を仰ぎながら語り出した

トリスタン「俺は今こそはこうしてジャンヌと同じ家に暮らしてるが、数年前は諸事情で別々でな。会うことさえ出来なかった」
セリカ 「だから過保護なわけ?」
トリスタン「……妹は中身こそ積極的だが、人付合いが苦手でいつも避けていた。そうこうしてるうちにスキル・影を習得するくらいになって。リーフ様くらいしか見付けてくれなくなったらしい」
セリカ (…リーフってニオイとかで嗅ぎ取ってるのかしら?)
トリスタン「本人は寂しくないと言っていたが、強がりなのはわかってたさ。そんな友人…ってのもいない妹が出会ったのが」
ここで間をあけるトリスタン。セリカには答えなどわかっていた

セリカ 「アルム」
トリスタン「そう、アルム君だ」
そう言いながらセリカを見つめる。一方のセリカは俯いていた

セリカ 「…それなら友人でいいじゃない」
トリスタン「恋ってそんな単純じゃないだろ」
セリカ 「…だからって奪っていいとは思えないわ」
強く握った拳が震えているのがわかる。なのでトリスタンは諭すように話した

トリスタン「俺はさ、ジャンヌの嬉しそうな顔が忘れられなくてな。少しでも協力してやりたいと思った」
セリカ 「私が笑えなくなっても?」
皮肉めいたセリカの笑み。だが彼は逆に真顔だった
トリスタン「だから来た」
セリカ 「?」
トリスタン「きみに謝りに」
セリカ 「謝って済む問題じゃないわ」
トリスタン「そうじゃなくてな」
セリカ 「なら何なの」
トリスタン「…今まで妹が迷惑をかけてすまない。そして改めて頼みたい」
セリカ 「アルムを渡せって言うの?」
トリスタン「妹と…ジャンヌとこれからも遊んでやってくれ」
セリカ 「遊ぶ…?」
怪訝そうに聞き返すと、トリスタンは言葉を慎重に選びながら言う

トリスタン「ジャンヌは確かにアルム君と会うことを楽しみにしてるがな、その一方でセリカさんとの攻防も楽しんでるんだよ。本人は気付いてないかもだがな」
セリカ 「私は遊びなんてつもりないわ!本気よ!」
トリスタン「それはわかってる。本気だからこそ…妹と本気で向き合ってくれているきみだからこそだ」
セリカ 「私は…」
その真剣な表情に、セリカはどう答えたらいいかわからなくなっていた

トリスタン「セリカさん、妹のこと感謝している」
セリカ 「……もう、どうして御礼を言われるのよ」
トリスタン「駄目か?」
セリカ 「…悪いけど御礼を言われたからって手は抜かないわよ」
トリスタン「…ありがとう」
だから彼の熱意に免じて今日は怒りをおさめることにする

セリカ 「…ねぇ、アルム君やらセリカさんって呼び方、ジャンヌがしてるから?」
トリスタン「そうだけど?」
セリカ 「…貴方絶対エフラム兄さんと仲良くなれるわよ」
トリスタン「よくわからんがありがとう」
セリカ 「褒め言葉じゃないんだけど……――はっ!」
トリスタン「?」
突然何かを思い付いたセリカ。そして勢いよくトリスタンに迫る

セリカ 「そうよ!そうだわ!トリスタンさん、そんなに妹が好きなら貴方がジャンヌとくっつけばいいじゃない!」
トリスタン「は?」
セリカ 「それなら万事解決よ!私もアルムと心置きなくラブラブ出来るし、それならジャンヌと仲良くしてやってもいいわ!」
-同時刻-

キュピーン!
シグルド 「…!」
アルヴィス「どうしたシグルド」
シグルド 「いや、たった今私のKINSHINレーダーに」
アルヴィス「給料減るぞ」
シグルド 「うぐっ……いやしかし…!」

キュピーン!
ラケシス 「…!」
ナンナ 「お姉様どうしました?」
ラケシス 「いえ、たった今どこぞで新たな兄妹愛の誕生を察知したわ」
ナンナ 「お姉様が存じ上げない兄妹などいらっしゃるのですか…?」
ラケシス 「…そういえばそうね。おかしいわ、AKJの同士にはしっかり調べさせてるはずなのだけれど…」

トリスタン「さ、さすが。凄いことを言い出すな」
セリカ 「そうかしら?私なんかとくっつけられるより断然良いと思うのだけれど」
トリスタン「いや、君となら別に」
セリカ 「え…?」
今何かさらりと…

トリスタン「君が一途で優しいことはわかっているし」
セリカ 「ちょっと…!」
トリスタン「妹と同じように可愛いし」
セリカ 「何なの!」
トリスタン「君のような娘――」
セリカ 「待って!」
どんどん赤くなるセリカだったが、

トリスタン「――と妹に愛されたアルム君は幸せものだな」
セリカ 「え?あ、そっち?」
予想と現実は違うもので。彼はセリカの動揺に気付くことなく「ここの家の血筋って恐いな」などと呟いていた
セリカは先ほどしまったばかりの怒りが沸き上がってくるのを感じていた

セリカ 「……そうね」
トリスタン「ん?」
セリカ 「そうよ!アルムは『私』に愛されていて幸せ者なのよっ!」
トリスタン「強調するなぁ」
そのままヒートアップする

セリカ 「そ・れ・に!私と付き合いたいならシグルド兄さんくらいのスペックがないとね!」
トリスタン「ふーん、アルム君じゃないと」
だが、何かをつい口走ってしまう。それに気付いたセリカは直ぐさま必死で弁明した

セリカ 「え!?そ、それは…アルムは…そう完璧!完璧だからよ、越えられないもの!」
トリスタン「まぁ、いいけど」
そうなのよ…と力無く呟いていたら、
トリスタン「俺は?」
と問われた
セリカ 「え?」
トリスタン「顔は自信あるけど」
セリカは自分より高い男を見上げる

セリカ 「…そうね、顔はまあまあ良いかも。ま、アルムのが断然上だけど!」
トリスタン「他は?」
セリカ 「他は…って自信あるの?」
トリスタン「…いや、ない」
セリカ 「なら駄目じゃない。シグルド兄さんってあれでも強いのよ。アルムなんてもーっと!」
トリスタン「つまり俺に相応しいように強くなれと」
セリカ 「何でそうなるのよ!?」
どうもこの男といるとイライラしっぱなしだ。そう、あの女といるみたいに

セリカ「いいからさっさと帰って、ジャンヌと愛を育みなさいっ!貴方妹のために頑張りすぎでしょ!」
トリスタン「兄だからな。君も『兄』が好きみたいだね」
セリカ 「何の話よ!!」
トリスタン「じゃあ、セリカさん。妹とこれからも仲良くしてやってくれな」
セリカ 「嫌よっ!」
やってきた時と同じように手を上げながら去っていった男の背中を見つめながら、セリカは一息ついた

セリカ 「んもう!兄妹揃って何なのあの人たちは!失礼じゃない!?」
それと入れ違いに彼が帰って来た。そう冒頭で待ち焦がれていた彼が

アルム 「あれ?セリカだぁ。ただいまー!もしかして僕を待って――」
セリカ 「うるさいわね!」
そう叫びながら振り返ったセリカは、アルムと向き合う形となる

アルム 「え?」
セリカ 「え?」
一瞬思考が止まる。だが次々と事態が飲み込めてきて…

アルム 「あ、いや、その…ごめん」
セリカ 「あ…」
アルム 「オマ村に行ってただけなんだけど…」
セリカ 「あぁ…」
アルム 「セリカ…」
セリカ 「アルム…」

そして…

アルム 「怒らせてごめんねーっ!!」
アルムは家の中へと走り去って行った

セリカ 「いやぁー!!違うの!違うのよアルムっ!お願い、話を聞いてぇぇ!!」
セリカの絶叫を受けながら
-その夜-

シグルド 「やはり私はあの時KINSHIN成敗に行った方が…」
ブツブツ…
シグルド 「ただいまー…」
エリンシア「お帰りなさいませ」
シグルド 「あぁ、ただいま」
会社から帰って来たシグルドがエリンシアの出迎えを受けていたが、そこへ凄い剣幕でミカヤがやってきた

ミカヤ 「シグルド!」
シグルド 「な、何ですか姉上…」
ミカヤ 「貴方、アルムとセリカにティルフィングしたの!?」
シグルド 「?――話が見えないんですけど」
ミカヤ 「違うの…?てっきりそうかと思ったのだけれど」
シグルド 「二人が何かしたのですか?」
何かあったことを悟る

エリンシア「それが…アルムちゃんが帰ってきてから部屋に篭っちゃって」
ミカヤ 「セリカはセリカで部屋で落ち込んでるし」
シグルド 「それは心配だ!KINSHINは許せんが」
ミカヤ 「一体何をしたのかしら?」
年長三人が心配する中、問題の二人はその日一日部屋に篭り続けた

ところ変わって

トリスタン「ジャンヌー!」
ジャンヌ 「はい、何ですか?」
トリスタン「言われた通りセリカさんに会ってきたぞ」
ジャンヌ 「えぇ、おかげさまで邪魔されることなく畑を耕すアルム君を見続けることができました」
トリスタン「…それ幸せなのか?」
ストーカーのように感じるのだが、と小さく付け足す

ジャンヌ 「えぇ、とても」
トリスタン「そ、そうか…。兄さんは人の趣味に文句は言わないでおくさ」
ジャンヌ 「ありがとう」
トリスタン「…お前も仲良くな」
ジャンヌ 「え?」
トリスタン「いや、何でもない」
どんな形であれ、彼は妹の幸せを祈っていた

おわる

ママチャリの系譜を読んで、「ついにセリカにもフラグが!?」
とたぎって頑張ってみたんだけど、トリスタンの性格と口調がわからなくて力尽きた
でもせっかくだからさらしてみたんだ
作者さん勝手にごめんなさい、いつも続き楽しみにしています

一応タイトルの他称は他人が称したみたいな意味で取ってくれると嬉しいです
セリカは同年代の男子とかは幼い、とか思ちゃう女子だったりするのかなと思った