ノイン 「さて、第3レースの途中ではありますが、この『ママチャリの系譜』の
メインであるファイアーエムブレム聖戦の系譜15周年記念杯争奪二人乗り自転車レースの
ルールとコースの紹介をおさらいしておきましょう」
エルフ 「どうでもいいという方はスルーして下さいね。それではアインスさん、お願いしますわ」
アインス「御意。大まかなルールは以下の通りである」
・出場資格は『ファイアーエムブレム聖戦の系譜』に登場した人物のみ。
・レース中の妨害、攻撃は基本的には何でもアリ。武器の持ち込みもOK。
ただし、神器、魔法の杖、遠距離攻撃武器(メティオ等)の持ち込みは禁止。持ち込んだ場合は失格。
なお、リターンリング等で移動した場合は逆走したと見なす。
・妨害や攻撃等で図らずも他の選手を殺害してしまったチームは即失格となり、罰金30000G×殺害数。
つまりバルキリーの料金を負担する事。
・服装は自由。公序良俗に反する服装でも面白ければOK。
・各チーム必ず1回以上ピット(サーキットの修理所)に入らなければならず、
必ず2回以上交代しなければならない。
・完走できなかったチームが複数出た場合は、走行距離で順位を決定する。
注:このネタは夏に書き始めた為、季節は夏となっております。実況でも猛暑がどうとか言う事があります。
現実世界で冬将軍が猛威を振るっていようとも、このネタの中では夏真っ盛りです。
アインス「だいたいこんな所か。何か抜けている項目があるやも知れぬが、気にするな。次はコースの確認に移る」
■■■■■■■■■■■■■■■ ◇=スタート ◆=ゴール
■┌→→→→→②→→→→→③■ ■=壁、フェンス、建物などの障害物
■↑■■■■■■■■■■■↓■
■↑◆ ■■■↓■ ①グラウンドオーバルコース
■└┤ ┌◇→→→┐ ■┌→┼→⑤→山┐ ②ダンディライオンロングストレート(たんぽぽ小道)
■□ ↑↑ ① ↓ ■↑泉↓■ ↓ ③たんぽぽカーブ
■ピ ↑ ↓ ■└④┘■ ⑥ ④勇者の泉ウォーターバンク
■ッ ├←←←←┘ ■■■■■ ↓ ⑤ナーガヒル山間ラリーコース
■ト ↑ ■┌←←←←←山┘ ⑥ナーガ神像折り返し地点
■□ ↑ ■■■■■■⑦■■■ ⑦グランベル中央体育館裏ヘアピンカーブ
■ ⑨ ■■体育館■└→┐■ ⑧グランベル中央体育館裏ストレート
■ ↑ ■■■■■■■■↓■ ⑨グラウンド前休憩所(ピットロード)
■ └←←←←⑧←←←←┘■
■■■■■■■■■■■■■■■
アインス「コースの名称はノインが勢いで言い換えている故、参考程度にしかならぬ。
このコースを3周走って、グラウンド1周を最後に走りきり、図の◆の所に到達すればゴールである。
これまでの熾烈なる予選を勝ち抜き、本選にて首脳の座を争うは以下の者達だ」
マシン名 搭乗者
スターダスト・フェアリーズ シグルド&アルヴィス
ダブル・エルダー アルテナ&マナ
【New】ゴリアスティーノ田中 スカサハ&レイリア
【New】大万福丸 トリスタン&ラドネイ
アルテナ 「あなた達のレースを見させてもらったけど、何だか良い雰囲気だったわね」
トリスタン「俺も昨夜、幽体離脱してマナの寝顔見てたけど、なかなか良い雰囲気だったぞ」
マナ 「に、人間は幽体離脱なんてしませんっ! そんな怖い事は全部プラズマなんですっ!!」
ラドネイ 「どんな現象だよ、プラズマって……? それに寝顔が良い雰囲気って、どんなんだよ?」
スカサハ 「冥土の土産を貰って、安らかな眠りについていたな……」
レイリア 「思わず死に化粧を施しそうになったわね……」
マナ 「いーーーーーーーーーーーーーーーーーーやーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!」
アルヴィス「賑やかな連中だな…」
シグルド 「ああ。だが、油断は出来ないぞ」
ノイン 「はい、ありがとうございました。本編での実況解説は、このエルフ&ノインにお任せあれっ!!」
エルフ 「よろしくお願いしますわ。それでは本編をお楽しみ下さいね」
193.5
シグルド 「さて、42章最初の『ママチャリの系譜』が始まるのだが、その前に!
我々の出ている『聖戦の系譜』は5月14日で16周年を迎えるのだ!」
エリンシア「おめでとうございますわ、お兄様。最も、このネタでは15周年のままですけど」
シグルド 「『覚醒』も無事発売された事だし、今年こそはディアドラとの仲をより一層深めたい。
エリンシア、応援してくれるか?」
エリンシア「もちろんですわ、お兄様。ですが、42章も続いていながらディアドラ様との仲が進んでいないのは
お兄様にも原因があると思います」
シグルド 「それは確かに……原作では僅か数ターンで結婚までこぎつけられたのだが」
エリンシア「その時はそれで良かったのかも知れませんが、わたくしに言わせれば『神よ、もし私たちの愛が…』
とか『君にキスできない…』などという生っちょろいセリフでは女性の心を掴む事など
到底出来ませんわ! 女性を惹きつけるにはやはり男性的な魅力……そう、KINNIKUですわ!」
シグルド 「な、なんだってー(AA略)」
エリンシア「…と、その前に、お仕事がありましたわね」
シグルド 「あ…ああ、前回のあらすじを紹介するのだったな。前スレ>>678-684はこんな感じだったかな?」
前回終了時点の状況、順位
ロングストレート
──────────────┃ ┃────────────────────┐
ファ レス デュ- ジャム ┃省┃ |
ロド ラナ ヴォ ブリ ┃略┃ ミデ |
──────────────┃ ┃────────────────┐ |
エリンシア「順位は上の図で一目瞭然ですわ。あとは過去ログを参照して下さいまし」
シグルド 「いいのか!? そんな適当でっ!?」
エリンシア「構いませんわ、そんな事よりお兄様の恋愛事情の方が大事ですもの。
さて、先程女性を惹きつけるにはKINNIKUと申しましたが……」
シグルド (エリンシア……私の為にそこまで……やはり、持つべきものは家族。
十二魔将の人には申し訳ないが、このまま行かせてもらう!)
エリンシア「お兄様にKINNIKUがないとは申しません。そのスマートでありながら剛健さとしなやかさを
併せ持つ素晴らしいKINNIKUは多くの女性達を虜にしてしまうでしょう」
シグルド 「そうなのか?」
エリンシア「ですが、それでもディアドラ様は全く満足しないのです。
何故なら、彼女が求めているのは、至高のKINNIKUだからですわっ!!」
シグルド 「いや、流石にそれは……」
エリンシア「いいえッ!! エフラムちゃんを見て御覧なさい! あの細身ながらも逞しく、引き締まった肉体と、
強くてしなやかでバネのある美しいKINNIKUが幼い少女達を魅了しているのですっ!!」
シグルド 「むぅ……」
エリンシア「そして、ヘクトルちゃんのどっしりとした相撲取りのような力強いKINNIKUは
非力でか弱いペガサスナイトの少女達を惹きつけてやまないのですっ!!」
シグルド 「なるほど……」
エリンシア「そして、アイク。日々の鍛錬によって極限までに鍛えられた究極のKINNIKUッ!!
あの美しさと力強さを兼ね揃えた至高のKINNIKUに包まれたいと願う女性達は後を絶ちませんッ!!」
シグルド 「あの嫁候補の数、確かに納得せざるを得まい……ん? アイクが至高のKINNIKUという事は……」
エリンシア「そうですわ、要するにお兄様もアイクと同等のKINNIKUをつければ、ディアドラ様のハートは
射止めたも同然ですわ! そうと決まれば、早速そのナイスバディを更に鍛え上げますわよっ!!」
シグルド 「アイクと同等……そんな事が私に……。いや、出来る。私にはアイクと同じ血が流れている。
この肉体も鍛え直せば、至高のKINNIKUを手に入れる事だって出来るはずだっ!」
エリンシア「その意気ですわ、お兄様! まずはこのレース中に腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットを各5000回、
100mダッシュ500本行きますわよッ!!」
シグルド 「そんなにやるのか!? いや、しかし、アイクならこれぐらい平然とやってのけるだろうし、
何よりディアドラのハートを掴む為だ! 私はやるぞ、やってやろうではないかッ!!」
フュンフ♂「……ねえ仕事して。……頼むからちゃんと仕事して(涙)」
194
ノイン 「さて、メイドとお姫様が住まう謎のユングヴィ城は、早くもたんぽぽ小道を抜け、
勇者の泉ウォーターバンクに続くたんぽぽカーブに差しかかります。カーブだシュートだX勝ちよ!」
エルフ 「9回表できっちりと抑えてほしいところです」
ミデェール「どうしましょう、エーディン様。大きく引き離しましたし、この辺りで一旦温存と行きますか?
或いは、一気に引き離して皆さんの戦意を殺ぐ作戦で行きましょうか?」
エーディン「ミデェール、一気に終わりにしてやりなさいっ!」
ミデェール「はい、エーディン様!」
エーディン「がんばっ!」
─────────┐ ┌────────┘ │
ミデ─┐ │ | /
──────┐ │ ギュイーーーンッ!! | □□□□□□□ /
│ │ │ | □□□□□□□ /
│ │ │ | □□ ミデ □□□/
│ │ │ |. \__/
│ │ │ └──────ズルッ!!──
ドッパァァァンッ!!
ノイン 「ガンバ、ガンバ、ガンガンガンバ!! 水平線だよ、ガンバ!
ミデェール選手が水平線の下に沈んで行きます!!」
エルフ 「つまり、ドボンですね」
ノイン 「ドボンですっ!! トップ独走の謎のユングヴィ城、ウォーターバンクに散るっ!!
これはもったいないが、後続集団にとってはまたとないチャンスが訪れたぞぉっ!!」
セーラ 「あ~あ、やっちゃったわね…」
ドロシー 「詰めが甘かったですね」
ノイン 「トップが水没の間、後続はたんぽぽロードの後半戦に入っております! ロード島戦記!」
セーラ 「ここからどれだけ差を詰めるかが勝負ね」
ノイン 「島はないけど道はある。だから、俺達は走るんだ。
かつて、この道を走った数多くのライダー達は言いました。そして今、次代を担う若者達が……」
エルフ 「その話は長いんですか?」
ノイン 「終わります。さて、たんぽぽ小道をひた走る集団に動きがあった模様!」
─────────────────────────
レス ジャム
ファ ロド ラナ→☆←デュー ヴォ ブリ
─────────────────────────
ノイン 「5位プリンツェーッサが何やら仕掛けてきた! 撃てー! 撃つー!」
ズガガガガガガッ!!
ユリア 「なっ、何なのっ!?」
パティ 「ラナ、あんた用に持ってきた特注品よ! 覚悟しなさい!」
ラナ 「(カキーン!! NO DAMAGE!!)フン、愚かな…。このようなおもちゃが拳王に通じるとでも?」
パティ 「あら……効いてないの? まあいいや、ソレ!」(ズガガガガガガッ!!)
ノイン 「レオタード怪盗・パティ選手が6位の覇王ナース・ラナ選手に銀玉鉄砲を撃つ! 略してタマ鉄!
ガオガオしてないよ!! しかし、当然ながら銀玉鉄砲は火力が弱い!」
セーラ 「いや、あれ鉄砲……つーか、アサルトライフルじゃない!!」
ドロシー 「銀玉アサルトライフルとか……どこで手に入れて来たんでしょうか?」
ルーテ 「私、優秀ですから」
デュー 「う~ん、所詮豆鉄砲じゃラナオウは倒せないか」
パティ 「そうよね、せいぜい岩にめり込む程度の威力しかないもん。しょうがないわよ」
ユリア 「そんな豆鉄砲がありますか!! ラナが人間離れしているだけよ!!」
ノイン 「中華料理は火力が命! シレジアはザクソン駅の隠れ家中華料理、レーミヤン!!
冷やし担々麺78G! 半餃子付きなら、90Gジャスト!!」
レイミア 「中華食いたくなったらあたしのとこに来な。たらふく食わせてやるよ!」
エルフ 「協賛ありがとうございますわ」
195
ノイン 「ズガガガと弾が当たるも、ラナオウにとってはさしたる驚異にもならず、
特に差は縮まりも開きもしません……んんっ!? いやっ、黒王号スリップ、黒王号スリップだ!」
ラナ 「(ズルッ!!)なッ!?」
パティ 「ふふん、引っかかったわね!」
ノイン 「銀玉ライフルの弾を踏んでしまった模様! 直接攻撃はダミーだ! ダミーだこりゃ!
真の攻撃目的は路面に弾をばらまいてスリップさせる事だった!!」
ユリア 「ちょっと、何やってるのよっ!?」
ラナ 「くっ、これがレースじゃなかったら即剛掌波なのに…」
ノイン 「クラッシュまでには至りませんが、スローダウンもやむ無しっ!
怪盗のトリックが覇王ナースをきりきり舞いっ! この間に集団が2つに分断される!!」
ジャンヌ 「ファバルさん、気をつけて下さい」
ロドルバン「面倒だな…」
レスター 「ったく、パティの奴…」
ノイン 「7位以下のマシンも銀玉を踏まないように進まねばなりません! 生き延びる事が出来るか!?
やわらかファバルの願いは一つ、生き延びたい、生き延びたい!!」
ファバル 「勝手に人の願いを捏造すんなっ!」
ノイン 「きゃっ、ファバルってば、照れちゃって(はぁと)」
パティ 「え、お兄ちゃん。彼女いたの?」
ノイン 「わたくしの中では、もうラブラブかラブラブドールレトリバーかと言うぐらい仲が良いです」
エルフ 「ラブラドールですわ」
ファバル 「おい、勝手に人の恋人を名乗るなっ!」
セーラ 「つーか、何で犬が出てくんのよ?」
ドロシー 「私に聞かないで下さい……」
ノイン 「サーキットの犬達と猫達がコースを駆ける!
犬ちゃんと猫ちゃんを食べちゃったらどうするんだよー!? 無責任な男ねー!!」
セーラ 「それ前にやらなかった?」
ノイン 「人呼んで、無責任実況・ソードマスター・ノイン! 放送とは送りっ放しと読むのであります!
今日も今日とて真剣な程にいい加減に実況して参ります! 真面目に不真面目!」
エルフ 「怪傑○ロリですね」
ノイン 「オチを言われたぁっ!! わたくしの実況を踏み台にしたぁっ!!
伏せる場所がおかしいですよ、マチルダさん!!」
マチルダ 「そんな事を言われましても…」
クレーべ 「こら実況、あんまり彼女を困らせるな!」
アルム 「あの2人も来てたんだ。他のみんなもいるのかな?」
ノイン 「ごめんなさいマチルダさん。さあ、レースの方は、序盤のクレイジー・クライマックス。
たんぽぽ小道ロングストレートという名のビルヂングの後半戦真っ只中!」
ドロシー 「クレイジーなぐらいの妨害合戦でしたね」
セーラ 「こいつら真面目に走る気ねえだろ…?」
ノイン 「真剣シラケ鳥などどこ吹く風、オーバーヒート気味の様相さえ呈しております各マシン!
7位帝王マシン・フェニックスアローが漆黒の覇王・黒王号を狙う!」
────────────────
レス─→ラナ
ファ ロド
────────────────
レスター 「ラナ、ここはいただくぞ!」
ラナ 「そうはさせませんっ!」
ロドルバン「貰ったっ!」
ノイン 「そのバトルの間隙を縫って、更に後方から8位の突撃隊長・ロドルバン選手が
オーバーテイクをかける! バトルに夢中になりすぎたか、レスター選手対応できず!」
レスター 「ッ!?」
ロドルバン「何っ!?」
ノイン 「あっ、いやっ! ブロック! グランベル水鳥拳のレスター選手、不自然な軌道でブロックだ!
これは……コース上の銀玉を踏みましたかね?」
エルフ 「踏みましたね。あっ、と。ロドルバン選手も今、踏みました」
ロドルバン「しまった!」
アサエロ 「ちっ、厄介だな…」
196
ノイン 「防衛軍のアイドルも微スリップ! これが余り続くようですと、
タイヤに与えられるダメージも心配されます。与ダメカンタービレ!」
ファバル 「慎重に、ゆっくりと…」
ジャンヌ 「皆さん、無茶しすぎですよ」
ノイン 「やや慎重になりながら、4台のマシンがほぼ縦一列に並んで、
やや前を行く先行の4台と、水没して未だリカバーならぬ謎のユングヴィ城を追う!」
ジャムカ 「足の引っ張り合いをしている場合じゃないんだがな…」
ブリギッド「バカな連中は遠慮無く置いていけばいいんだよ!」
ノイン 「そして先行4台は騒がしい後方グループとは対照的に、淡々とトップとの差を詰めていきます。
後方4台とはやや離れた状態でたんぽぽ小道を抜け、その先に待つのは難関ウォーターバンク!」
セーラ 「流石にここでの妨害工作はないでしょう」
ドロシー 「前のレース、その前のレースでも何人か水没してますからね」
ノイン 「前方に見ゆるは水の龍王がたゆたう勇者の泉ウォーターバンクッ!
全長約25m×20mの龍の巣が、ドラゴン大海嘯ブレスで阿鼻叫喚となるのか!?」
エルフ 「既に1チームが犠牲になってますわね」
ノイン 「さあ、前方集団は今、たんぽぽ小道の出口、ウォーターバンクへと続く
たんぽぽカーブにに差しかかる!! ああっと、世界ひろし号がスリップだッ!!」
エルフ 「オーバースピードですわ」
────────────────────┐
キキーーッ!! |
デュー ヴォ━━━→ |
────────────────┐ ブリ |
|ジャム ..|
ノイン 「ここから追い上げという時に何というううううっ!?
いやっ、スリップからカウンターステアッ!! これは……これはあああっ!!」
ジャムカ 「ドリフトかっ!?」
ヴォルツ 「その通りだっ!!」
ズザザザザザザザザッ!!!!
ノイン 「最高速からの超高速ドリフトだぁッ!! タイヤが砂塵を巻き上げる!
カメラを覆う土煙を突き抜けて……鮮やかな黄色のマシンが飛び出したッ!!」
セーラ・ドロシー「「ひろしキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」」
ヴォルツ 「あばよっ!」
ブリギッド「やるじゃないか!」
ノイン 「ドリフト体勢から一気にアフターバーナーをかけての鋭角コーナリングだッ!!
姐御を追い抜いた世界ひろし、今度はアニキを吹き飛ばして2位に浮上か!?」
ジャムカ 「フンッ!!」
ギュイーーーンッ!!
ヴォルツ 「何!?」
ノイン 「コーナリングで落ちたスピードを瞬時に回復した燃える漢達『お』、
追い抜かれはしたものの独走は許さないっ、少々差をつけられたが、ひろしの後を追うっ!!」
ミデェール「すみません、エーディン様」
エーディン「過ぎた事を悔やんでも仕方ありません。急いでレースに復帰しましょう」
ノイン 「蟻地獄ならぬ水地獄、その水地獄に飲まれた謎のユングヴィ城が今、ようやくレースに復帰!
しかし、ここまで築き上げてきたアドバンテージは殆ど失われてしまったぞっ!」
セーラ 「あら、随分復帰が遅かったわね」
ドロシー 「必殺武器とか色んな物積んでるみたいですから、その影響では?」
リデール 「よし、このまま首位に浮上だ!」
ヴォルツ 「あったりめえよっ!!」
197
ノイン 「そして今、2番手でウォーターバンクに進入してきたのは世界ひろし号、
ドリフトの勢いもそのままに、ウォーターバンク、インっ!!」
ヴォルツ 「(ズルッ!!)なっ!?」
セーラ 「うわ、滑った!」
ノイン 「いけません! ややバンクに飲まれかける世界ひろし号!
ドリフト直後でグリップ力が低下していたかっ、タイヤに絡みついた砂が滑らせたかっ!」
ドロシー 「もしかしてドボンですかっ、ドボンなんですかっ!?」
ノイン 「さながら、ドーナツにまぶされたシュガーパウダーの如しっ!!
何であれはまぶされてるのっ!? カロリー増やす為の嫌がらせなのっ!?」
エルフ 「味付けじゃないですか? あと、見た目も良くなりますし」
リデール 「ヴォルツ! 泉に落ちるぞ!」
ヴォルツ 「フルパワーで行くっ!」
│ □□□□□□□
│ □□□□□□□
\ ミデ □□□□□□□
│\ □□□□□□□
│  ̄ ̄ ̄ ̄ヴォ
│ギュイーーンッ!! ジャム
└────────────
ノイン 「ほああああっ! 絶体絶命超特急、世界ひろし号!
傾斜バンクを一気に駆け上がり、ピンチ脱出かと思ったがぁっ!!」
ジャムカ 「いや、あれは……」
ベオウルフ「オーバーランだぞっ!!」
ノイン 「勢いがありすぎたっ! 世界ひろしとあろう者が焦ったかっ!? 痛恨のコースアウトだぁっ!!」
リデール 「ヴォルツ!!」
ヴォルツ 「くそっ、こうなったらイチかバチかっ!
奥義!! アイランドプルアウト・ヘリコプターターン!!」
┌──────────
│
│ ミデΣ(゚Д゚ ;)エッ!?
│ヴォ □□□□□
/ □□□□□
クルッ!! | ジャム □□□□□
\ □□□□□
│\ ブリ □□□□□
エーディン「まあ…」
ミデェール「凄い…」
ジャムカ 「何ぃっ!?」
ベオウルフ「マジかよ…」
ブリギッド「こいつぁ驚いたねぇ」
アレク 「ああ、一本取られたな」
198
ノイン 「なんとぉっ!? バンクの外に飛び出したひろし号の車体をっ、
体重移動だけで空中旋回させて強引にコースに引き戻したっ!! 奇跡の生還ですっ!!」
エルフ 「あの技は……」
ノイン 「知っているのか、エルフ解説員っ!?」
エルフ 「サーフィンの技ですわ。陸上であんな事が出来るのは、この世界ひろしと言えども彼ぐらいでしょう」
セーラ・ドロシー「「ひろしキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」」
リデール 「流石は世界ひろしだな。まさかあの窮地を脱するとは!」
ヴォルツ 「あ、ああ……(まさか成功するとは思わなかったけどな)」
ノイン 「あんな事いいな、出来たらいいな!! そしたらきっとモテるっ!! 彼氏も出来るかもっ!!
かーれーしーはーかーいーばーくーだーんー(ドラ○もんの声で)」
アレク・ブリギッド「「破壊するんかいっ!?」」
エルフ 「持ち慣れないものを持とうとするからですわ……」
ノイン 「意外に息がピッタリ、アレク&ブリギッドペア! 突っ込み、ぶっ込み何でも来いっ!!」
エルフ 「ぶっ込みはラナ選手の方が向いてそうですが?」
ラナ 「いえ、そっち方面はブリギッド姉様の方が…」
ブリギッド「ん? あたしがどうしたって?」
ノイン 「実況に戻りましょう! ひろし君が奥義を出す間に、『お』と緑三号がその横を突破っ!
謎のユングヴィ城も多少差をつけたものの、目の前のハプニングに仰天したか、ペース落ちっ!」
┌─────────────
│ ヴォ ブリ ジャム ミデ →
│ □□□□□□□□□□□□
│ □□□□□□□□□□□□
│デュ□□□□□□□□□□□□
│ ラナ□□□□□□□□□□□□
│ レス ロド ファ
└─────────────
ラナ 「パティ、さっきはよくもやってくれたわね!」
ユリア 「覚悟しなさいっ!」
ノイン 「その間に後続との距離はハッとしてグッと縮まった。
先程5位プリンツェーッサに苦汁をなめさされた6位の黒王号が同機にテールトゥノーズっ!」
ユリア 「てぇぇぇいっ!」(ブゥン!!)
パティ 「(Miss!!)きゃっ!」
デュー 「おっとっと」
ノイン 「うおおっ、黒王号の後部座席、ユリア選手がプリンツェーッサの横に並ぶなり、
いきなりお盆トレイを振り回す! この不安定なバンク走行中での直接攻撃は危険だぞっ!!」
エルフ 「お盆とトレイかぶってますよ?」
ノイン 「お盆トイレを振り回す!」
ドロシー 「いや、かぶってなければいいって訳じゃないと思うんですけど」
ノイン 「右へ左へトレイを打ち下ろすメイドお嬢様の攻撃を必死にかわす白い伝説の怪盗プリンツェーッサ!
盗賊だけあって逃げ足は超一流だ!! ここは反撃に出ず、逃げの一手か!?」
エルフ 「流石に泉に落ちないようにする事で精一杯という感じでしょう」
ユリア 「こらっ、避けるんじゃありませんっ!!」
パティ 「バカな事言わないでよっ!」
デュー 「うわっ、ちょっとパティ、暴れないで! バランスが…」
ゴンッ!!
199
ノイン 「ああっと、トレイがデュー選手の肘にヒット性の当たり!
ハンドルを取り損ねたプリンツェーッサがウォーターバンクを滑り落ちるうううううっ!!」
デュー 「うわあぁぁぁぁっ!!」
パティ 「にゃーーーーーーっ!!」(ガシッ!!)
ラナ 「なっ!?」
ノイン 「溺れる者は藁をもつかむ! 溺れかける者はラナをもつかむ! 恐怖のあまり、
プリンツェーッサのナビシートのパティ選手、横に並んだラナ選手をはっしとつかんだ!」
ラナ 「我が生涯に一片の悔い無しいいいぃぃぃーーーっ!!」
ユリア 「道連れにしないでえええぇぇぇーーーっ!!」
ノイン 「ドップラー効果を残して、ラナオウ達4人が勇者の泉の中へと消えて行くぅっ!!
人を呪わば穴二つ! 攻撃を仕掛けた方も巻き込まれてドボンだッ!!」
┌───────────
│
│
│ □□□□□□□
│ ┌┬→□□□□□□
│ ラナ・デュ(゚Д゚ ;)…!?□□
│ □□□□□□□
ドッッッッッッパアアアアアンッ!!
ノイン 「底なし胃袋の水龍が伝説の怪盗と漆黒の覇王を飲み込んだあああぁぁぁーーーっ!!
若い娘をごっくん!! お色気ありそでごっくん!!」
エルフ 「約1名、若い娘じゃない方が混じっていますが」
ドロシー 「やっぱりドボンは外せませんか……」
セーラ 「よりによってラナオウが落ちるとはね……」
ノイン 「浮かんでくる2台を横目に、後続3台が二千年前に通過して行きます!
ここで順位がごっそり入れ替わります! 5位はレスター選手のフェニックスアロー!」
レスター 「あーあ、落ちてしまったか」
デルムッド「これで厄介なのが減ったな」
ノイン 「紋章町の守護神SDL551バゼラート、忍者マスター・影の伝説が6位、7位と連なって続く!
棚からぼた餅!!」
ロドルバン「お気の毒に」
ジャンヌ 「私達はこうならないようにしないとね」
ノイン 「棚ぼたか七夕か、天の川・勇者の泉はこの会場の彦星と織姫を見送るのか、
それとも15周年記念のカーニバルとばかり、一挙にその水底に引きずり込むのでありましょうか!?」
ラナ 「おのれパティ! この私を巻き込むなんていい度胸じゃない!」
パティ 「私は被害者よ! 文句ならユリアに言ってよっ!!」
デュー 「いや、どっちもどっちだろ…」
ノイン 「そして、水から上がるユングヴィ軍団の覇王、ラナ選手、通称カーニバル!
彼女のような世紀末覇者でなければ、百戦錬磨の強者どものリーダーは務まりません!」
エルフ 「そんな通称は聞いた事がありません」
ノイン 「エルフさんの言う通り! 気怠い脱力感に包まれながらも、
自転車を引き上げます、濡れ鼠の2チーム。アンニュイな午後のひとときであります!」
セーラ 「嫌なひとときね…」
続く