絶滅「どうしよう…このままじゃ俺このスレでシャンブレーしちゃうよ…」
『宿命の対決』
皆々様お久しぶりでござる。
拙者はフィル
真の剣の道を極める為修行中の身でござるが最近はちょっとマンネリ気m
ゲフゲフ、道に迷っている次第に候。
紋章町の偉大な剣の先人達相手だと修行する以前にコテンパンにされ
かといってならず者相手に剣を振るっても全く修行にならないのでござる。
そんなことを思いながら道を歩いている途中でござった。
ウード「待てっ!!」
フィル「む…何者でござるか!?」
ウード「ふっ…俺は異なる時間軸より来たる選ばれし戦士。ウードだ!!」
む…なにやら強そうな肩書きでござる…!
フィル「拙者はフィル、修行中の剣士でござる。拙者に何用でござるか?」
ウード「貴様を一目見た瞬間、俺の体に稲光のごとき衝撃を感じた…
貴様こそ幾星霜の古の前世から運命の糸で結ばれた我が好敵手(とも)となる運命の戦士…」
フィル「な、なんと…拙者に前世より続く深き因縁の好敵手(とも)がいたとは…
ウード殿…然らばこの場で一手手合わせを所望する!!」
ウード「ふっ…よかろう、ならばまずは小手調べの一撃といこうか…
必殺 聖魔剣ホーリーデビルソード!!」
微妙に力のある剣撃を受け止めるフィル
フィル「む、先人達には及ばぬものの中々の剣筋…今の拙者にとってはまったりほどよい相手と見た!!」
ウード「な、なんだよ、まったりほどよいって…。
ま、まぁいい、さぁ次は貴様が見せてみろ。貴様に秘められしその強大な呪われた力を解放して見せるがいい!」
フィル「では遠慮なくいくでござる!! ハァ────!!」
ウード「くっ! 絶妙に早い剣速だが…ちょっと待った!!」
フィル「勝負に待ったは無いでござる!!」
ウード「クッ、いいから聞けフィルよ! 確かに貴様の剣は速い…だがその技には魂が篭っていないのだ!」
フィル「な、なんと!! ここ最近感じていた迷いの原因はそれであったか…!!」
動きの止まったフィルにウードは熱っぽく語りかける。
ウード「前世より深き因縁で結ばれた好敵手(とも)たる貴様の力がこの程度では今ここで俺が勝利しても意味は無い…
フィルよ、では聞くが貴様の獲物の名前はなんと言う?」
フィル「獲物…この倭刀でござるか? いや、特に名前は…」
ウード「だから貴様は未熟なのだ!!」
フィル「!!!」
ウード「物は名を持ってはじめて神の力を持ち、無限の可能性を秘めた神器へと生まれ変わることが出来るのだ。
そして神器より放たれる技名…スペリオルネームを放つ時、それはいかなる敵をも粉砕する力へと昇華する…」
フィル「な、なるほど! 今の拙者に足らないものを見つけた気分でござる!!」
ウード「ふっ…だが今すぐに名付けろと言われて付けられるものではあるまい…
しばしの時間を貴様に与えよう。次に会う時が俺たちの雌雄を決する時…
だが俺たちの聖なる戦い…ゴッド・オブ・ウォーのルールは守らねばならん」
フィル「承知!! してルールとはいかなるものでござるか?」
ウード「スペリオルネームを叫ぶときは言い終わるまで必ず待つ! もちろん貴様が放つ時は俺も待つ
それが俺たち運命に縛られし者ロンド・オブ・デスティニーの責務だ!」
フィル「しかと胸に刻んだでござる! …しかし技名を最後まで聞いてくれる戦いが実戦で役に立つのでござるか?」
ウード「ふ…貴様わかっていない、彼奴等は闇に心を奪われし狂戦士だ。
だからこそ、俺たちの聖なる戦いは決してルールを破ってはならないのだ!」
フィル「なるほど…非常に納得したでござる! では拙者も神器の名とスペリオルネームを考案せねばならぬので
これにて御免!! ウード殿、次に会う時が我らの決着を付ける時!!」
ウード「ふっ…期待しているぞ!我が好敵手(とも)よ!!」
そして一週間、拙者は部屋に閉じこもり我が愛刀「」
にふさわしいスペリオルネームを考案することに没頭したのでござる。
仕合に出かけぬ拙者を母上はなにやら安心したような目で見ておられた。
すまぬ…母上、拙者もまた剣の呪いに縛られた一族の身…。
前世より続く宿縁を断ち切る為のしばしの安息の時を過ごしたと思われよ。
───一週間後の日曜日
ウード「…!貴様はフィル!!」
フィル「ウード殿か!!」
フィル「ふっ…ついにこの時がやって来てしまったようだな…生き残るのは俺か…」
フィル「貴殿か…いざ尋常に…」
ウード・フィル「「勝負!!」」
子供「ママー、なにあれー?」
母親「しっ!見ちゃいけません!!」
ウード殿と再会した場所が人混みでごった返す休日のアーケード街であったのは予想外であったが
幸いにも周囲の人々は拙者たちの纏う闘気(オーラ)を敏感に感じ取ったらしく。
拙者性質が戦うに必要なだけのスペースを空けて固唾を呑んで見守っている(とフィルからは見えている)
ウード「ではいくぞフィル!!必殺 蒼炎剣ブルーフレイムソード!!」
フィル「甘いでござる!!」
ウード殿の剣を弾き返し構えを取る。
フィル「今度はこちらの番でござる!奥義「夢限龍閃刃!!」
ウード「くっ!!やるな、それでこそ我が好敵手(とも)…」
フィル「そういえば前回聞くのを忘れたのでござるが…ウード殿の神器の名前は如何なる物であるか?」
ウード「ふっ、良くぞ聞いてくれた。この剣は伝説の神剣『ミステルトゥイン』だ!!」
フィル「む…なんだかどこかで聞いたことのある名前でござるな」
ウード「う、うるさい!そういう貴様は獲物に名を与えることが出来たのか!?」
フィル「この古より我が家に伝わる家宝『禍ヲ断罪セシ極光』(模造刀1200)は真名を与えられ
その力を解放した、いまや貴殿の神器にもひけは取りもうさん!!」
ウード「さすがは俺が認めし運命の相手…だが俺は負ける訳にはいかん!!
スペシャルインパクトアターック!!」
フィル「ふっ真の力を得た拙者にこのような攻撃など当たらぬ!!」
ウード「な、なにっ!?」
フィル「奥義・緋天疾風斬!!」
ウード「遅いっ!!」
フィル「…な! 拙者の奥義をこうも簡単にかわすとは…!!」
ウード「中々に楽しませてくれるな、だがこれで終わりだ!次の一撃で雌雄を決する!!構えろフィル!!」
フィル「承知!! 我が秘中の秘奥義にて決着をつけさてもらうでござる!!」
ウード「重力波逆掌(アンチ・グラビティー・フューリー)!!!」
フィル「秘奥技・千本桜無限華燕魔神剣!!!」
リズ「こらっ! ウード!! こんなとこで何やってんの!!」
ボカッ!!
ウード「いてっ!!、か、母さん!?」
どこにはスーパーで買った野菜を入れた買い物バックを持ったリズが居た。
リズ「はぁ~、まったくあんたって子は…こんなにたくさん人がいるところでよくこんなことができるね
ちょっとは恥ずかしいと思いなさい!」
ウード「いや、母さん…これにはホント深い訳が…」
リズ「問答無用!!」
ウード「あっ、イテテテテ!!耳を引っ張るのはやめて!!」
リズに耳を引っ張られて消えるウードを呆然と見送るフィルだったが
背後に強烈な殺気を感じて恐る恐る後ろを振り向く。
カアラ「フィ~ル~……!!」
フィル「は、母上!! い、いや、これには深い訳が!!」
カアラ「ほほう…ならその説明をこれからゆっくり家でしてもらうことにしようか…」
フィル「イタタタタ!!は、母上!耳を引っ張るのはやめて~~!!」
…………
セレナ「……馬鹿ばっか」
ルキナ「そうでしょうか…私としては続きが見たかったのですが」
セレナ「やっぱりあたし、あんたのセンスは理解できないわ…」
終わり