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Last-modified: 2014-02-06 (木) 18:01:12

―竜王家―
ユリア 「ようこそ、竜王家へ。遠路遥々ご苦労様でした」
セルジュ「本日はヴィオール公爵家の名代としてやってまいりました。当主不在で申し訳ございません」
ユリア 「あら、当主様がいらっしゃると聞いていたのですが……?」
セルジュ「途中までは一緒だったのですが、ミネルヴァちゃんが振り落としてしまいまして……会合の時間を優先すべく
     単騎駆けつけました」
ユリア 「まぁ、それは……その、探しに行かなくても?」
セルジュ「いない方が会合が進むかと。もし気になるようでしたら、主の存在ごとお忘れになってください」
ユリア 「……そ、そう……ですか。実は、こちらも現代当主が熱で寝込んでしまいましたので、名代として……」
ユリウス「うぉ~い、ユリア~、準備できたぞ~」
ユリア 「ユリウス兄様っ! お客様の前で情けない声出さないでっ! ……失礼致しました。現代当主クルトナーガの
     名代として次期当主のユリウスが会合に出席致します」
セルジュ「あら、かわいい」
ユリア 「……は?」
セルジュ「いつ見てもかわいらしい方ですわね。もちろん、ユリア様もかわいいですわ」
ユリア 「あ、ありがとうございます……(この人の感性、よくわからないわ……)それでは、奥へどうぞ」

―一方その頃・ルネス女学院前―
マリアベル「お姉さま方、ごきげんよう、ですわ!」
リズ   「じゃ~ね~、お姉ちゃんたちっ! また明日~!」
マリアベル「まぁ、リズったら! 上級生は『お姉さま』、挨拶は『ごきげんよう』ですわ! そんなことではエメリナさんの
      ような立派なレディにはなれませんわっ!」
エイリーク「ふふ、ごきげんよう。帰り道、気を付けてくださいね」
ラーチェル「元気ですわね、下級生は。エイリークの笑顔に免じて、失礼は許して差し上げますわ」
ターナ  「さぁ、私たちも帰りましょ」

  屍
 屍ヴ屍 <さて、貴族的に助けを待つとしよう。優雅に、華麗にね。
  屍ノ屍 <ふははははっ! 我は鬼っ! 悪を討つ、心強き鬼よっ!
   屍

ターナ  「……って思ったけど、もう少し生徒会室でお茶してこっか?」クルリ
エイリーク「今すぐお助けします!」つ【ジークリンデ】
ラーチェル「この絶世美王女が助太刀致しますわ!」つ【イーヴァルディ】
ターナ  「二人とも、脊髄反射で動かないでぇっ!」
―竜王家―
ユリウス「……会合といっても何をしていいのか、さっぱりわからん。社交界とか家同士の交流はクルト兄に任せっ放しだからな」
ユリア 「そんなこと、堂々と言わないでください。セルジュさんが呆れてしまいます」
セルジュ「セルジュと呼び捨てで結構です。かくいう私も会合については詳しく知りません。あくまでヴィオールさんの
     お付きですから。ただ……」
ユリア 「ただ?」
セルジュ「ヴィオールさんはよくご婦人を口説いていますね、こういう場に限らずですが。この場にいたら、間違いなくユリア様に
     言い寄っていたでしょう。ちなみに、一度も色好い返事を頂けたことはありません。むしろ、煙たがられます」
ユリウス「……そんなのが当主で大丈夫なのか、ヴィオール公爵家は」
セルジュ「駄目かもしれません」キッパリ
ユリウス「……おい」
ノノ  「あーーーーーっ! セルジュだーーーーーっ! 遊ぼ遊ぼーーーーーっ!」
ンン  「ノノお姉ちゃん、ダメですっ! ユリウスお兄ちゃんたちはとても大事なお話をしてるですぅっ!」
小チキ 「チキも遊ぶー!」
ファ  「ファも―!」
ミルラ 「三人とも、言うことを聞いてください……っ!」
セルジュ「あらあら」
ユリア 「ごめんなさいね、セルジュ。三人とも、今は遊ぶ時間じゃないの。後で私が遊んであげるから、おとなしくしてて。ね?」
セルジュ「私でしたら、一向に構いませんわ。勿論、ユリウス様の許可を頂ければ、ですが」
ユリウス「んー、セルジュさえよければ相手してやってくれ。正直、話すこともやることもない」
セルジュ「ふふ、良かったわね。天気がいいから、お庭に行きましょうか」
ユリウス「セルジュにちゃんとお礼言うんだぞ」
ノノ  「わーーーーーいっ! セルジュ、ありがとーーーーーっ!」
小チキ 「セルジュお姉ちゃん、ありがとー」
ファ  「ありがとなのー」
ンン  「うぅ……お姉ちゃんと妹を止められませんでした……」
ミルラ 「…………」
ユリア 「ンンが責任を感じることはないわ。よく引き止めてくれたわね……ミルラ? どうしたの?」ナデナデ
ミルラ 「……いいえ、何でもありません」
ユリア 「?」

―一方その頃・ルネス女学院前―
ラーチェル「これでっ! 最後ですわっ!」つ【イーヴァルディ】
エイリーク「動きが読みにくいですね……っ! ですがっ!」つ【ジークリンデ】
ターナ  「あーはいはい、やりゃーいーんでしょー、やりゃー」つ【ヴィドフニル】
ノワール 「ひぃぃ……派手で当たったら痛そうな魔法がこんなに近くでっ……」
ヴィオール「なんと美しい女性たちだ! 四人とも我が妻に相応しいではないか! これは困った……誰を選べばいいのだ!?」
ラーチェル「ふう、片付きましたわ。怪我はなくって?」
ノワール 「ひ、ひぃぃぃ~っ! お、お礼が言いたいけれど、言葉が出てこない……お守り、お守り……ふははははっ!
      お主たちの助けがなければ、我はこの地で朽ち果てていただろうっ! 感謝するっ!」
ラーチェル「まあ、そのお守りで自身の弱い心を覆い隠してますのね? あなたがそのお守りを手離す日が来ることを願いますわ」
ノワール 「ふははははっ! その通りだっ! 我は強いから嘘はつかぬぞっ!」
ラーチェル「やっぱり怪我してますわね。さぁ、お見せになって」つ【リライブ】
ノワール 「ふははははっ! 重ねて感謝するっ! ふははははっ!」
ラーチェル「お守りに頼って、元気な振りをしてはいけませんわ」
ターナ  「ねえ、何でそんな冷静に会話できるの?」
エイリーク「もう大丈夫です。お怪我はありませんか?」
ヴィオール「…………」
エイリーク「あの、そんなに見つめられても……?」
ヴィオール「なんと華麗で優雅でエクセレントなのだっ! 貴族的に 結 婚 を前提としたお付き合いを申し込みたい!」
エイリーク「……冗談がお好きみたいですね。たった今出会った人にそう言われても、とても信じられません」
ヴィオール「ふむ、確かに。いささか早計だったようだ……だが、例え君の心が他の男になびいたとしても、私は優雅に華麗に
      君の心を射止めてみせよう。貴族的にね」
エイリーク「……は、はぁ……」
ターナ  「ラーチェル、せっかく助けたんだからイーヴァルディしまって」

―竜王家―
ノノ   「いっくよーーーーーっ! どぉーーーーーんっ!」つ【竜石】
セルジュ 「ぃよっしゃあああああーーーーーっ!」
小チキ  「チキもーーーーーっ! どぉーーーーーんっ!」つ【竜石】
セルジュ 「だぁらっしゃあああああーーーーーっ!」
ファ  「ファもーーーーーっ! どぉーーーーーんっ!」つ【竜石】
セルジュ「バッチ来いやあああああーーーーーっ!」
ユリウス「……まさか化身したチビたち相手に、生身で取っ組み合いするとはな……」
ユリア 「……化身した私たちでさえしんどいのに」
ユリウス「僕なんか化身したって死ぬかもしれないんだが、よく保つな」
ユリア 「あっ、ブレスはだめよ……っ!」
ユリウス「ユリア、杖の準備しとけ。客人を怪我させたまま帰すわけにはいかん」
セルジュ「ハアハア……女の子の竜がこんなに……っ! やはり竜王家は私にとってパラダイス……出来ればミルラとンンにも
     加わってほしい……っ! いっそのことユリア様も……あぁ、ミネルヴァちゃん、ちょっとだけ浮気を許して……ハアハア」
ミルラ 「…………(やっぱり私の目に狂いはありませんでした。セルジュは時々変態さんになります。妹たちに何かあったら、
     お姉ちゃんの私が守ります)」
ユリウス「あっ、ヤバい! あ、あ~……ユリア、クロード呼んでくれ。回復の杖じゃ間に合いそうにない」
ンン  「……DEAぇ~THぅ~!」

終わり

おまけ
―フレリア家―
ヒーニアス「むっ……エイリークフィギュア1/10スケールスク水バージョンの胸にひびが入っているな。むむっ!? エイリーク抱き枕の
      胸の部分が破けている! むむむっ! エイリーク巨大ポスターの胸に穴が開いているではないかっ! もしや、
      彼女の身に何か良からぬことが……斥候部隊……いや、私が直に行ってこの目で確かめるか」
ヴァネッサ「ハアハア……ヒーニアス様、一生そのままでいてください。一生ついていきますから……ハアハア」
シレーネ 「ヴァネッサ、屋上」

今度こそ終わり