221.5
ヘクトル「んじゃ、45章最初の『ママチャリの系譜』を始めるとすっか。うー、暑ぃ……」
エフラム「心頭滅却すれば火もまた涼し。この程度の暑さで音を上げるなど、修行が足りん証拠だ!」
ヘクトル「やかましい、お前と一緒にすんな!!
涼しい顔しやがって……俺はこのデカい身体を動かすだけで精一杯なんだよ!」
エフラム「己を律する事が出来ないからメタボになるのだろう。悔しかったらダイエットでもするんだな」
ヘクトル「俺はメタボじゃ……もういい、暑くて怒る気にもなんねぇ。さっさと進めてくれ…」
エフラム「仕方がない。では、44章44-598?の様子を解説していくぞ」
前回終了時点の状況、順位
~ロングストレート~
───リデ(リタイア)──アサ(リタイア)────────パテ(リタイア)─────────
アレ →
エーデ ベオ ジャン ラナ デル →
────────────────────────────────────
順位変動 マシン名 搭乗者 現ドライバー 単勝倍率
1位:4 フェニックスアロー レスター&デルムッド デルムッド 8.1倍
6位→2位:2 緑三号 アレク&ブリギッド アレク 12.3倍
9位→3位:8 黒王号 ラナ&ユリア ラナ 3.5倍
3位→4位:1 影の伝説 ファバル&ジャンヌ ジャンヌ 10.9倍
5位:3 お ジャムカ&ベオウルフ ベオウルフ 11.7倍
8位→6位:9 謎のユングヴィ城 エーディン&ミデェール エーディン 3.4倍
2位→7位:7 プリンツェーッサ デュー&パティ
4位→8位:5 SDL551バゼラート アサエロ&ロドルバン
7位→9位:6 世界ひろし号 ヴォルツ&リデール
・交代直後のラナがエンジン全開でかっ飛ばし、エーディン、リデール、アレクを一気に抜き去って6位浮上。
・しかし、アレクはそのままラナについて行き、アサエロ、ベオウルフも追い抜いて4位5位でロングストレートへ。
・ロングストレートに入った所でラナが妨害実況でスローダウンし、アレクに追い抜かれる。
・アレクはそのままロングストレートをブッちぎり、3位ジャンヌをあっさりと追い抜き、2位パティに迫る。
・減速していたラナも復活し、アレク、パティと共に熾烈な2位争いを繰り広げる。
・ここで最下位のエーディンが第5の必殺武器『風の弓』を使用。道の真ん中を走っていた
リデール、アサエロ、パティに命中。3チームともマシンが再起不能となってリタイアした所で前回終了。
エフラム「やや端折ってはいるが、概ねこんな感じだろう」
ヘクトル「……お前に一つ聞きてえんだが、その背中に笑顔のセリスがでかでかとプリントされた法被と、
様々な表情のセリスで埋め尽くされたTシャツとメガホンは何だ?」
エフラム「ルキナがこの日の為に特注で作ってくれた応援グッズなんだが、
何故か誰も着たがらないのでな。丁度いいから俺がこれを着てセリスを応援するつもりだ」
ヘクトル「セリスを応援するのはいいけどよ……その格好はちょっとな……」
エフラム「応援旗や帽子、ジェット風船もある。あと、お前用に学ランもあるぞ」
ヘクトル「何じゃこりゃ!? 背中には法被と同じセリスの笑顔、裏地には凛々しいセリス!
さらにボタン1つ1つにセリスの顔が彫られてて全部表情が違うし、バッジまでセリスかよっ!?」
エフラム「芸が細かいだろう? これでシグルド兄上VerやリーフVerもあるというのだから驚く。
そんな姪が用意してくれた衣装なのだ。お前もコレを着て、次のレースに備えるぞ」
ヘクトル「無理! このクソ暑いのに学ランとか無理! 高校野球の応援団じゃねえんだからよ……」
エフラム「やむを得ん、無理矢理にでも……!」
ヘクトル「や、やめろ。来るなっ……来るんじゃねえっ!!」
エフラム「やらないか?(応援を)」
ヘクトル「アアアアァァァァーーーーッッッ!!!! またこのオチかよ、チキショーーーーーッッッ!!!!」
222
ノイン 「残り6台の戦いとなりました、ファイアーエムブレム聖戦の系譜15周年記念杯予選第3レース!
現在のトップはフェニックスアロー、2位は緑三号と黒王号が並走中!」
レスター 「姉上がアレを使うとなると、我々も何か用意した方がいいな」
デルムッド「ああ、ここぞという時に使うんだぞ」
ノイン 「やや離れて4位につけるのは影の伝説、その後ろを走る『お』は5位!
騒ぎの元凶、謎のユングヴィ城が最後尾から謎の必殺武器をちらつかせております!」
エーディン「ウフフ……次はどのチームにしましょうか」
ミデェール「残る武器は2つ、確実に仕留めましょう」
ノイン 「トップから6位の謎のユングヴィ城まで、その差18秒7!
先頭のフェニックスアローはたんぽぽ小道を抜けていきます!」
アレク 「ちっ、やっぱり世紀末覇者と呼ばれるだけはあるな」
ラナ 「この拳王とここまでやり合えた事、誇りに思うがいいわ」
ブリギッド「何言ってんだい、まだアレクが負けた訳じゃないだろ」
ノイン 「2位グループを形成するラナ・アレク両選手がたんぽぽ小道ロングストレートを全速力で駆ける!!
トップスピードはラナ選手が勝るぞっ!」
エルフ 「やはり地力の差が出てきてしまいましたわね」
┌──────────┘.. | └
│ |
│ □□□□□□□□□ | ┌
│ □□□□□□□□□ | │
│ □□□□□□□□□ | ギュイーン!!
│ □□□□□□□□□ ↓ |
│ デル ラナ |
└─────────────┘
ノイン 「ジリジリとリードを広げる黒王号!! ようやくトップの待つウォーターバンクへ進入するっ!」
レスター 「ラナが来たぞ!」
デルムッド「ちっ、早いな…」
ノイン 「ユングヴィの覇王、トップに立たなければ気が済まない拳王ナース・ラナ選手がまかり通るっ!!
ウォーターバンクも何のそのっ!!」
エルフ 「引っ張られるようにアレク選手のタイムも伸びてはいますが、それでもジリジリ引き離されてますね」
ノイン 「さて、ここでリタイアの3台を回収に向かうピットクルーの姿が見えます。
ピット協力はご存知、グランベル大学自転車部有志!」
エルフ 「自転車部3回生のヤマダさんには、最近歳の離れた弟がお母様のお腹の中にいる事が発覚しましたわ」
セーラ 「どうでもいいでしょ、そんな事っ!!」
ノイン 「何という仲の良いご両親、ヤマダ夫妻に少子化の3文字はありません。レースは中盤、
先頭2台は既にウォーターバンクに足を踏み入れ、間もなくアレク選手が突入するところ!」
ブリギッド「アレク、ここは落ちない様に走っとくれよ!」
アレク 「分かっている!」
エルフ 「速いペースで来ていますから、オーバーランやスリップには注意が必要ですわね」
223
ノイン 「スリップスリップストリップ、エロいシスター二人旅!
ラナ&ユリアペア、トップを行くフェニックスアローに肉薄します!」
レスター 「正直、こんな所で戦いたくはないんだがな…」
デルムッド「腹をくくれ、レスター。サーキットの帝王に逃走はないのだ!」
ノイン 「ここで先程のリプレイです。おー、飛んでます飛んでます。
風の弓に貫かれた世界ひろし号と551のバゼラートとプリンツェーッサがアイキャンフライ、
『さん』をくれろよデコ助野郎であります」
エルフ 「誰がデコ助野郎なんですか?」
ノイン 「ひろし」
ヴォルツ 「違うわっ!! デコなんて出てねえよ!!」
リデール 「その帽子はハゲ隠しじゃなかったのか……」
ヴォルツ 「いや、ファッションだよ、ファッション。……て、何でそんな残念そうな顔してるんだ、お前は!?」
ノイン 「さ、私がたっぷり堪能した所でレースに戻りましょう。勇者の泉ウォーターバンク第2戦!
水の龍がそろそろ頭をもたげて来るぞ!」
┌─────────
│
│. デル □□□□□□
│ ラナ .□□□□□□
│ □□□□□□
│ □□□□□□
│ □□□□□□
│ アレ
└─────────
ラナ 「レスターお兄様、ついに追いつきましたわっ!!」
レスター 「流石は我が妹。かなり、やる」
ユリア 「先手必勝っ!!」(ブゥン!!)
ノイン 「ウォーターバンクを突き進むトップ2台……おおっ、
コーナー半ばで戦闘を仕掛けて来たのは漆黒の覇王・黒王号のナビシート、ユリア選手っ!!」
ユリア 「竜王家メイド48の殺人技の22番、必殺、トレイカッターEX!!」
ノイン 「出ぇぇぇぇぇぇぇぇたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 我ら竜王家使用人に伝わるエクストラスキル、
トレイカッターEX発動っ!! ユリア選手、自慢のピカピカのトレイを振りかざすっ!」
ユリア 「あ」(スルッ!?)
ラナ 「え?」
ノイン 「うあっと、すっぽ抜け! トレイがウォーターバンクコース上に落ちる!
載った! 滑った! ドボンだあああぁぁーーーっ!!」
ドッパアアアアアアアンッ!!
レスター 「あー…」
デルムッド「自滅したな…」
ブリギッド「あーあ、やっちまったねぇ」
アレク 「調子に乗りすぎたみたいだな」
224
ノイン 「思わぬハプニングにレスター&デルムッドペアとアレク&ブリギッドペアが思わず速度を緩めて、
呆然と水面を見つめているが……? 浮上した! 紋章町沈没直後に浮上!」
エルフ 「せわしないですね」
ラナ 「ぶはっ! ちょっとユリアっ! アンタ何邪魔してくれてんのよっ!?」
ユリア 「ちょっとしたミスじゃないのっ! 拳王ならあれぐらい上手く避けなさいよっ!!」
ラナ 「無理言わないでっ、アンタなんかナーガがなければ何にも出来ないくせにっ!!」
ユリア 「ッ!! 上等だわ、今ここで決着をつけましょうっ! 出でよ、ナーガッ!!」(パチィンッ!!)
キュウウウウゥゥゥゥン!!
ユリア (ガシッ!!)←ナーガをキャッチ
ラナ 「望むところよっ!」
ノイン 「おおっと、ユリア選手がここでナーガの魔導書を召喚っ!!
拳王ナース・ラナ選手と光龍メイド・ユリア選手が物凄い闘気をまとって対峙するっ!
レースなんてそっちのけ! 個人の恩讐の戦いだ!」
エルフ 「ちなみに黒王号は神器(ナーガ)を持ち込んでしまったので、この時点で失格となります」
失格 黒王号 ラナ&ユリア
セーラ 「そんな事言ってる場合じゃないわよっ!!」
ドロシー 「下手すると運動公園そのものが壊滅しかねませんよっ!!」
ノイン 「これは前代未聞! これには観客も大フィーバー、覇王と竜王で真の王者を決める戦いが!
今! 始まる!! キング・オブ・キングス!!」
デルムッド「おい、あいつらこんな所でおっ始めやがったぞ…」
レスター 「こうなったら誰にも止められん」
ノイン 「観客スタンドはこれまでになく盛り上がっております!!
実行委員会は頭を抱えているが、観客は大喜びだ!! ユグドラル魂ここにあり!!」
アレク 「何やってんだか…」
ブリギッド「はぁ、全くしょうがない奴らだねぇ…」
ノイン 「光の神は暗黒神に勝つ! さあ、ユングヴィの世紀末覇者と竜王家の光の悪魔、
勝つのはどっちだ!? 負けた方が暗黒神だ!!」
ユリウス 「僕のアイデンティティを奪わないでくれっ!!」
ノイン 「ここで、特別ゲストにいつもラナ&ユリアペアにボコられている
暗黒神の化身・ユリウス様をお呼びしました。ユリウス様、この対決をどうご覧になりますか?」
ユリウス 「あー、本気でやったらどっちが勝つんだろうな?」
ノイン 「常日頃から両者の力を目の当たりにしているユリウス様ですら、この勝負の行方はわからないと
見ていますっ! おっと、ここでイエローフラッグが振られました、レース中断ですっ!」
セーラ 「中断はいいんだけど、この事態を収められるの?」
ドロシー 「ちょっと無理ですよね…」
ノイン 「どうやら実行委員会から最終決戦兵器『【愛ゆえに】愛の世紀末救世主【俺は苦しまねばならぬ】』
の投入が決定されたようです。協賛は兄弟家です」
エルフ 「ありがとうございますわ」
ドロシー 「何ですか? その物凄く嫌な予感がする名前の兵器は…?」
セーラ 「協賛が兄弟家って時点で何を投入するかが予想できるわね」
ユリウス 「あの2人を止めるんだろ? となると、セリス……か?
でも、あいつは世紀末救世主には程遠いしなぁ……」
──────────────
┏━┓
┃愛┃ ワープ!!
┗━┛
ラナ・ユリ
□□□□□□□□□□□□
アイク 「……どうして俺の前に立った」(ゴゴゴゴゴゴゴ…)
ラナ・ユリア「「( ゚д゚)ゑっ…?」」
選手達 「( ゚д゚)ポカーン…」
225
ユリウス 「セリスじゃなかったぁーーーーーっ!!」
セーラ 「やっぱりこいつかァーーーーーーッ!!」
ドロシー 「全然愛じゃなーーーーーーーいッ!!」
ノイン 「ぬぁんと、実行委員会の放った最終決戦兵器とは、兄弟家次男、無敵超人アイク氏でありますっ!!
この最強にして最凶の2人を沈める事ができるのは、この人以外にはいないっ!!」
エルフ 「『愛』ゆえに俺は『苦』しまねばならぬ→『愛苦』→『アイク』でしょうか?」
ユリウス 「たぶんな……」
セーラ 「誰がこんな名前考えたのよ……?」
ドロシー 「でも確かにこの人なら最終決戦兵器と呼べるのも頷けます」
アイク 「レースの邪魔をする奴には容赦はせん、悪いが、あんた達はここまでだ」つ【ラグネル】
ラナ 「あの、アイク様。私達はその…」
ユリア 「そ、そうです。別にレースの邪魔をした訳では…」
アイク 「大 → 天 ↑ 空 ↓ ! !」
ズトガァァァァァンッ!!!!
ラナ 「我が生涯に一片の悔い無しぃッ!!」
ユリア 「あああああっ!! セリス様ぁーーーーーっ!!」
ノイン 「出ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!
アイク氏の伝家の宝刀、ラグネル飛燕ジェノサイドエターナルフォース大→天↑空↓が炸裂ぅっ!!」
エルフ 「そんな必殺技は存在しません」
ノイン 「ユングヴィの世紀末覇者と竜王家の光の悪魔をまとめてノックアウトォッ!!
レースの邪魔をする者に対してはまさにノー愛、ノー慈悲、ノー容赦っ!!
彼の気に障った者は、年末ジャンボ宝くじに外れるよりも高い確率で命を落とします。ご注意をっ!」
ユリウス 「とんでもない強さだな、あの人は…」
ヘクトル 「アイク兄貴、何やってんだよっ!?」
マルス 「有事の際の用心棒として雇われてたみたいだね」
エフラム 「第2レース時のマッサージが効いてるみたいだな。あれ程絶好調の兄上を見るのは久しぶりだ」
ゼクス 「随分と身体が凝っていましたから、マッサージのし甲斐がありましたよ」
マーク♀ 「ついでに私達が全叫びを行ったので、能力が底上げされてますよー!」
マーク♂ 「今のアイクさんは間違いなく地上最強です!」
ノイン 「竜王家使用人、背番号6番、マージファイター・ゼクスちゃんの神をも昇天させるマッサージと、
観客席の中心で七色の愛を叫んだ少年少女達の応援によって、
アイク氏のバイオリズムは絶好調、更に全能力大幅アップの模様です。
今日の私のパンツは縞々模様。いつでも勝負できますっ!!」
エルフ 「男性諸君も引いております」
ノイン 「なんでよぉっ!? 何で私には彼氏できないのっ!? もういいっ、実況に戻るっ!!
レースの方はアイク氏がラナ&ユリア両選手を小脇に抱え、静かにサーキットを去って行きます」
セーラ 「意外とあっさり片付いたわね」
ドロシー 「…というか、今のアイクさんに勝てる人って存在するんですか?」
ユリウス 「ロプトウス持っても勝てる気がしない……。それよりもユリアが心配だから戻るわ」
エルフ 「お疲れ様でした」
ノイン 「順位はイエローフラッグが振られた時のままですが、この間に後続車が追いついてきた為、
トップのアドバンテージは完全に消え去りましたっ!」
レスター 「俺達のアドバンテージが…」
ブリギッド「あたしらも大誤算だよ。こんな所で止められるたぁね」
ジャンヌ 「何にもしてないのにトップに追いついちゃいました」
ファバル 「ブリ姐の前でそれ言うなよ。多分、意識飛ばされるから」
ジャムカ 「何か……どんどん人が減っていくな」
ベオウルフ「最後に立っている者が勝者……ってか」
エーディン「ふふ、ラナのおかげで助かったわ」
続く