リン「はぁ~、美味しい物があるとついつい食べ過ぎちゃうわ。やっぱ秋はサンマね!」
ヘクトル「あったかい肉まん美味え~。焼き芋も堪らんぜ!」
ミカヤ「はぅ~、もうこたつの季節かしら。こたつに入って食べるミカンは格別よね~」
セリカ「これが本物のダブルブラックビター・グラスランド(ケーキ)なんだ。美味し~」
セリス「このモンブランも美味しいよ。この時期はやっぱり栗スイーツだね」
兄弟家の方々は食欲の秋を堪能していらっしゃいました。しかし──
マルス「皆さん、食欲の秋だからって食べ過ぎなんじゃないですか? そんなにガンガン食べてると太りますよ?」
「「「「「ピクッ!」」」」」
エフラム「フン、何を恐れる必要がある? 普段から摂生していればそのような心配はないだろう」
エイリーク「兄上の言う通りですね。規則正しい食事をしていれば太る事はありませんよ」
マルス「そうですよね。……よし、じゃあ、ここでベスト体重がキープできてるかどうかテストしましょう」
マルスがパチンと指を鳴らすと、どこからともなくリーフが体重計を持って来た。
リーフ「さあ、量るよみんな。まずは普段から摂生しているとか言ってるエフラム兄さんとエイリーク姉さんからいってみようか」
エフラム「良かろう」
クロム「エフラム、お前のベスト体重は?」
エフラム「(ダキュン!!)kgだ」
そう言ってエフラムは堂々と体重計に載った。
セリス「わ、ベスト体重だよ。流石だね、エフラム兄さん」
エイリーク「次は私ですね。私は大体(ダキュン!!)kgぐらいでしょうか」
続いてエイリークも躊躇なく体重計に載る。
アルム「エイリーク姉さんもベスト体重だ。流石に言うだけはあるなぁ」
マルス「さ、次は誰?」
ミカヤ「お姉ちゃん! お姉ちゃんが載るわ!」
シグルド「姉上……ですか? 意外ですね、嫌がるかと思ったのですが」
ミカヤ「こんなのはね、先にやったもん勝ちよ! 記憶は後の方が残りやすいからねっ!」
エリンシア「分かりました、それではお姉様のベスト体重を教えて下さいませんか?」
ミカヤ「私はいつでも(ダキュン!!)kgをキープしているわ! それじゃ、行くわよ!」
ミカヤが体重計に載り、カラカラカラ……とメーターが回る。
ロイ「(ダキュン!!)kg……あ、1……2……3……4……てん、5」
マルス「キープできてませんね~、ミカヤ姉さん」
ミカヤ「そっ、そんなバカなっ!? こっ、これは何者かの陰謀よっ!!」
エリウッド「何者かの陰謀って、ミカヤ姉さん……」
エフラム「ふむ、500g~1kgは服の分だと考えても、3~4kgオーバーか」
マルス「でも、ミカヤ姉さんは小柄だから、普通の人の4~5kg分ぐらいと考えた方がいいね」
ミカヤ「いーーーーーやーーーーーっっ!!! 見ないでっ、ぷくぷくのお姉ちゃんを見ないでえぇぇぇぇーーーーーーーッッッ!!!」
アイク「こたつを出してから、ゴロゴロと食っちゃ寝してたのが原因だな」
その後も、兄弟家の面々は次々と体重計に載っていく。そして──
勝ち組
アイク、クロム、エリウッド、エフラム、エイリーク、マルス、アルム、リーフ
負け組
ミカヤ、シグルド、エリンシア、ヘクトル、リン、セリカ、セリス、ロイ
マルス「さて、死者に鞭打つつもりもないけど、言いたい事があるなら、敗者の抗弁とやらを聞かせてもらいましょうか」
負け組一同「「「「「「「「@※†¥△☆∽∫∀♯%〒~!!!!」」」」」」」」
アイク「順番に言ってくれ、何を言っているのか分からん」
ミカヤ「これは陰謀なのっ、陰謀なのよっ!!」
エリンシア「2kgオーバー……。く、屈辱ですわ! どうしてわたくしがこのような屈辱を……!!」
ヘクトル「プラス8kgって何だよ、俺はそこまで太ってねえっ!!」
リン「私だって5kgオーバーよ! これは体重計が壊れてたに違いないわっ!!」
セリカ「3kg……フフフ、粛清……血の粛清よっ!! ドーマ、ロプト、ギムレーの3大邪教集団に死の制裁を与えてやるわっ!!」
セリス「ボクはね、太ってる訳じゃないんだよ? 育ち盛りだから、ちょっとぐらい増えても平気だもん!」
エリウッド「シグルド兄さんとロイからは何か言うべき事はないのかい?」
ロイ「だって、僕の0.5kgとか誤差の範囲内でしょ?」
シグルド「私なんか0.2kgだ。さっき飲んだお茶のせいでオーバーしただけだし、しばらくしたらベスト体重に戻っているはずだぞ」
ミカヤ「おばかっ!!」
バシッ、バシィッ!!とミカヤの平手打ちがシグルドとロイの頬に炸裂する。
ロイ「痛っ!!」
シグルド「なっ、何をするんですか、姉上っ!!」
ミカヤ「その0.2kg、0.5kgの油断が大変な事になるのよっ!!
その調子でぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷくぷく太っていっちゃうのよっ!!」
エリンシア「そうですわっ! 誤差なんかじゃありませんっ!! お兄様もロイちゃんもぷくぷく組なのですわっ!!」
リン「でも安心して、シグルド兄さんとロイがぷくぷく組でも、私達は見捨てたりはしないわっ! だって、同じ仲間ですもの!」
セリカ「シグルド兄さんとかいい年なんだから、もうおデブ街道まっしぐらでしょ!」
セリス「一人じゃないって素晴らしい事なんだよ?」
ロイ「姉さん達、仲間が欲しいだけでしょ?」
エフラム「負の方向へ一緒になろうとするのは関心せんな」
ヘクトル「……なあ、アイク兄貴やクロム兄貴は分かる、エリウッドも人一倍身体に気を遣ってるから納得できる。
だがマルス、アルム、特にリーフがベスト体重なのが信じられねえ!」
マルス「僕にはシーダがいるからね。彼女にだらしない姿を見られたくないから、この辺はキッチリしてるよ」
アルム「僕は毎日農作業してるし、野菜をメインに食べてるから太りにくいのかも知れないね」
リーフ「僕としてはさー、体重……もとい体格は増えて欲しいんだけど、何故か太らないんだよね」
マルス「君は毎日、おねいさんモノのAVやエロゲーでご子息を叱咤激励してるからね。消費カロリーも多いんじゃないの?」
ヘクトル「……」
ミカヤ「こうなったらもー、ダイエットするしかないわよ!」
エリンシア「お供しますわ、お姉様!」
ヘクトル「俺もやるぜ、これ以上メタボ扱いはゴメンだ!」
リン「やるわよ、絶対痩せてみせるっ!!」
セリカ「頑張りましょう!」
セリス「うん、ボクも……」
シグルド「待て、セリカ、セリス、ロイには成長こそが望ましい」
エイリーク「ええ、成長期での無理なダイエットは身体に良くありません」
ロイ「じゃあ、僕はパス」
セリス「ボクはやめないよ。……プラス2.5kgだったし」
セリカ「私もプラス3kgは無視できないわ! だからダイエットに参加する!」
ミカヤ「ほら、シグルドも早くこっちに来なさい!」
シグルド「……え、私もするのか?」
ミカヤ「当然よ、シグルド一人を豊満なままにしておけないわっ」
負け組一同(ロイ除く)が円陣を組み、勝利を祈念してシュプレヒコール。
ミカヤ「それじゃあ、行くわよー! 目指せ、ベスト体重!!」
負け組一同「「オオーーッ!!」」
ミカヤ「声が小さ~い!!」
負け組一同「「オオオォォーーーーーーーーッッ!!!」」
リン「心を一つに、頑張るぞーーーーっ!!」
負け組一同「「おおおぉぉーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」」
エリンシア「あわよくば、マイナス1kgですわぁーーーっっ!!」
負け組一同「「うおおぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!」」
セリス「一人はみんなの為に、みんなは一人の為に!」
セリカ「シュプ・レヒ・コーーーーーール!!」
シグルド「えい・えい」
負け組一同「「おーーーーーーーーーーっ!!!!」」
ヘクトル「ウー! ヤー!」
負け組一同「「ターーーーーーーーーーッ!!!!」」
リン「ワン! タン!」
負け組一同「「メーーーーーーーーーーン!!!!」」
ミカヤ「以上解散!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…………
エリウッド「まあ、張り切るのはいいけど、程々にね」
マルス「あっはっはっ、それじゃ僕達勝ち組はのんびりと食欲の秋を満喫しましょうかね~」
リーフ「だね、リン姉さんのサンマと、ヘクトル兄さんの肉まんに焼き芋、
ミカヤ姉さんのミカンにセリカ姉さんとセリス兄さんのスイーツは僕達が責任を持って処理するよ!」
リン「(ピクッ!)ちょっと待って、私達、家族よね? 家族なら、苦しい時も一緒に分かち合うのは当然だと思うの!」
ミカヤ「お姉ちゃん達が減量で辛い時に……目の前で美味しい物をぱくぱくもぐもぐ……そんなの許さないわっ!!」
エリンシア「そうですわね、今日から全員分のご飯を、わたくし達のダイエット食と同等まで減らしますわ!」
セリス「具体的に言うと、今日の晩ごはんはもずくだけ、明日の朝ごはんはお吸い物と梅干しだけ。炭水化物や脂系は一切ナシだよ!」
セリカ「ちなみに、買い食いとか間食とかした場合、その日のご飯は全て抜きになるから、そのつもりでね!」
勝ち組一同「「「「「「コノヒトデナシーーーーーッッッ!!!!!」」」」」」
エフラム「減量……か。ボクサーの減量は壮絶な物だと聞く。精神を鍛えるのにいい修行になるかも知れん」
アイク「なるほど、極限の空腹状態で食べ物の誘惑に打ち勝つだけの精神力を養うという事か。よし、それならば俺も参加しよう」
アルム「こういう事態ですら修行に結びつける兄さん達は凄いと思うよ」
クロム「ある意味、究極にポジティブな考え方だな。これは見習うべきなのかも知れん」
こうして、兄弟家はダイエットの必要のない者達をも巻き込んだ死のダイエット月間を迎えた。
空腹に耐え切れずにこっそりと間食する一部の勝ち組と、それに目を光らせる負け組達との間で静かなる戦争が行われていたのは言うまでも無い───
なお、最も痩せたのはどこぞの世界チャンピオンのように、唾液すら出なくなる程に身体中の水分を出し尽くし、
骨身を削りに削って減量したアイクエフラムだった事をここに明記しておく。
< 終わり >