アルムは牛を飼っている。
毎日毎朝4時起きして乳を搾る。
エサをやったり牛の体調チェックしたり牛糞片づけたり。
いやもう結構な重労働である。
ブーツはすぐに牛糞まみれだ。
搾乳した乳は毎朝集荷の馬車がやってくる。
紋章町農協のマイセン爺さんが御者をしている。
マイセン「おお、今朝も精が出るのう」
アルム「うん、じっちゃん!」
黙々と土に脚を付けて働くバレンシア農民は口数は決して多く無い。
二人はそれだけをやりとりすると馬車に乳を積み込んでいく。
これから牛乳に加工され、店先に並ぶ事になるのである。
じっちゃんの馬車を見送ったアルムは片付けと着替えをして朝風呂タイムだ。
牛の仕事をした後はあっちゃこっちゃ牛糞やらなにやらくっついたり臭いがついたりするもので。
自分ではある意味慣れきってしまっている臭いだが他の人はそうもいかない。
家族の居住スペースをうろうろしたり朝飯食ったりするときにそれはいかん。
だから風呂。アルム的に当然のエチケットである。
少し前までセリカに背中流してもらったりもしてたがシグルド兄さんが怒り狂って暴れたり、
対抗心燃やしたジャンヌが影の薄さ生かしてタオル姿で背中流しにきて、それに怒ったセリカが暴れたりして風呂が壊れエリウッドが家計簿抱えて血を吐いた。
なので今日は一人風呂でのんびりである。二人湯に慣れてるのでちょっと寂しい。
セリカの湯気に濡れた紅い髪、綺麗だなぁ…ふっとアルムはそんな事を思い出した。
思い出していたら今度はジャンヌの華奢な体つきを包むバスタオル姿を思い出した。
いかん、久々の一人風呂。一人になるとついいろいろ考え事をしてしまう。アルムは頬を赤らめた。
二人の顔が交互に浮かんでくる。これまでの事…セリカと一緒のベッドで手を繋いで眠った事。ジャンヌと肩を並べて語り合っていたら…彼女がキスしてきた事。いろいろあった。
彼も年頃の青年なのだ。このくらい許してやってほしい。ムッツリの称号を得るのはクロムやリーフレベルの話だろう。
アルムッツリは勘弁してほしい。
アルム「でも…それでキャラが立ったら出番…増えるかなぁ…」
彼は呟いた。割と背に腹変えられないのかも知れない。
いかん、いかん、つい馬鹿な事を考えた。
さぁ風呂を上がってエリンシア姐さんの朝飯を食おう。
昨日収穫したピーマンで何か作ると言っていた。
野菜炒めだろうか?楽しみだなぁ。
食ったら次は学校だ。
今日も一日が始まる。