ソレイユ「じゃあ、今日はもう行くんだね」
ララ「ごめんなさい、今日は大事なお客さんの来る公演だから……」
ソレイユ「仕事だから仕方ないよ、だからこそ夕べはあんなに愛し合ったんだからさ」
ララ「も、もうソレイユったら///」
ソレイユ「じゃあ、またね」チュ
ララ「うん、またね///」
ソレイユ「ん〜、ララちゃんも仕事行っちゃったしこれからどうしようかな〜……ん?」
エイリーク「〜〜♪」
ソレイユ「あ、凄い可愛い、ねぇ、そこのお姉さん」
エイリーク「え、私ですか? 何でしょうか?」
ソレイユ「ちょっと時間あるかな?」
エイリーク「え? その、申し訳ありません、人を待っているのですが……」
ソレイユ「その人ってお友達? 」
エイリーク「いえ、そうではなく……あら?」
ソレイユ「ん、アタシがどうかした?」
エイリーク「いえ、どこかで見かけたような……」
エフラム「エイリーク、すまない、待たせたか?」
エイリーク「兄上、いいえ、少しだけです」
ソレイユ「あちゃー、男連れだったか、呼び方からして兄妹かな?」
エフラム「そうか、ん、そちらの彼女は?」
エイリーク「兄上を待っている間声をかけていらして……」
エフラム「む、ひょっとしてナンパか?」
ソレイユ「そうですね、でもご安心を、お相手のいる人にちょっかいかける気ありませんから、このまま退散しますね」
エフラム「そうか……む?」
ソレイユ「ん、どうかした?」
エフラム「どこかで見たと思ったんだが……思い出した、妹、リンに度々話しかけていた子だったな」
エイリーク「ああ、そうでした、その子でした」
ソレイユ「ええっ!リンちゃんのお兄さんとお姉さんだったんですか!?」
エフラム「ああ、改めて自己紹介するがリンの兄、兄弟家のエフラムという」
エイリーク「リンの姉でエイリークです。」
ソレイユ「アタシはソレイユです」
エフラム「そうか、ならソレイユ、少し話したい事があるのだが時間は良いか?」
ソレイユ「え、あのーひょっとしてアタシを逆にナンパ? デートの最中じゃ………」
エフラム「すまないが大事な話だ、すまないエイリーク、埋め合わせは今日必ずするから、買い物はもう少し後で良いか?」
エイリーク「大丈夫です、私も少しお話ししたいので」
エフラム「じゃあ少しそこで話そう」
ソレイユ「な、何が何だか……」
喫茶店
エフラム「突然すまないな、話なんだが、リンの事だ」
ソレイユ「あ、はい、ひょっとして近づくなとか?」
エフラム「そうではないんだが……うむ、単刀直入に言うとだな、余りあいつを泣かせる事をしないで欲しいんだ」
ソレイユ「アタシが……泣かせてる……んですか?」
エイリーク「貴女があの子に対しては先ずは友人として接しているのは解るんです。
でもあの子は、それに対する嫌悪感がとても強いから」
ソレイユ「そう………ですか………どうすればいいんだろう」
エフラム「諦めるとは、言わないんだな」
ソレイユ「この際だから言っちゃいますけど、アタシは女の子が大好きですし、そんな関係になりたいと思っています。
だけど、そこまで嫌がるなら無理はしないし、あくまで友達で止める事も多々あります」
エイリーク「なら何故、リンには度々繰り返したのですか?」
ソレイユ「………はっきり言うと、本気だからです」
エフラム「本気……か?」
ソレイユ「自慢じゃないですけど、アタシ、自分のコミュニケーション力には自信があるんです。
だから、どんな女の子でも次々落としてきたし、友達も一杯います。でも、リンちゃんは違いました、嫌悪感が強かった訳だけどあたしを拒否しました」
エフラム「そこまで拒否されて、何故?」
ソレイユ「始めは、意地でした、あんなにすっぱり拒否されたの始めてで、絶対落としてやるって……
でも、そうして接してるうちに、リンちゃんの色々が見えて来て、リンちゃんの強いところも、可愛いところも。
それで気付いたらアタシが夢中になってたんです、そこまで進めなくてもいい、友達になりたいって………」
エイリーク「ソレイユさん………」
エフラム「それを、リンに伝えないのか?」
ソレイユ「さっきも言ったけど、意地だったんです、今まで、ナンパなんて簡単で、すぐに落とせたプライドがあって……だからここまで拗れて……バカですよね、アタシ……」
エイリーク「……………」
エフラム「……………」ナデナデ
ソレイユ「ふぇ!突然何を!?」
エフラム「ああ、すまん、だがソレイユなりに色々頑張って来たんだな、と思ってな」
ソレイユ「何でそんなに優しくしてくれるんですか?
本当は嘘かも知れませんよ?リンちゃんに近付く為利用するとか」
エフラム「これでも人を見る目には自信があるつもりだ、ソレイユが嘘をついている様子は見えん」
エイリーク「それに、嘘だったら、どうして、泣かれているのですか?」
ソレイユ「え?」ポロポロ
エフラム「……使うといい」つハンカチ
ソレイユ「え、あ、ありがとうございます」
エイリーク「ソレイユさんは、優しい方なんですね」
ソレイユ「そ、そんな、アタシは……」
エイリーク「今もリンのために真剣に考えているじゃないですか」
ソレイユ「ですけど、アタシの自分勝手でリンちゃんを傷つけちゃってたし……」
エフラム「ソレイユ、もし、真剣に友人として関わりたいなら、俺達も手伝おうか?」
ソレイユ「ええ!何で!?」
エフラム「あくまで、誤解を解くくらいに話す程度だ、そこからは、ソレイユ次第になる。
もし、強引に関係を迫るなら、また元に戻ってしまうぞ」
ソレイユ「いえ、そうではなく、さっきも言いましたけど何でアタシにこんなに優しくしてくれるんですか?
言っちゃなんだけど、アタシ貴方達の妹さんを泣かせて、怒られたり拒絶されても仕方ないと思うんですけど……」
エフラム「む、何と言えばいいか……」
エイリーク「……結局、兄上自身の気質ですね」
エフラム「む?」
エイリーク「泣いている子や頑張っている子を見かけたら手を差し伸べずにはいられない、兄上の困った気質です」
エフラム「すまん、お前に迷惑を掛けて来たか?」
エイリーク「クスッ、いいえ、それで私自身何度も助けられましたから。
でも他の子にそう易々とされると、嫉妬してしまいます」
エフラム「む……すまない」
ソレイユ「あの〜、いきなり目の前でイチャつかないでほしいんですが……」
エフラム「む……すまん」
エイリーク「ご、ごめんなさい///」
ソレイユ「い、いえ……(あれ〜、目の前の二人、兄妹だよね?)」
エフラム「それでだ、俺達にできるのはリンにはソレイユがあくまで友人のつもりで接していると話すくらいだ」
エイリーク「後は、話し合いの場を設ける位は」
エフラム「それ以降は、ソレイユ次第になる」
ソレイユ「そこまでして頂けてとてもうれしいです。 ありがとうございます」
エフラム「リンに友人が増えるなら、喜ばしい事だ、頑張れよ」ナデナデ
ソレイユ「あ……ありがとうございます。えへへ、こんな頭を撫でられたのって兄さんに昔撫でられて以来かな?」
エフラム「お前も兄がいるのか?」
ソレイユ「はい、でも……今は、ちょっと疎遠気味ですかね」
エイリーク「あら、喧嘩でもしてるのですか?」
ソレイユ「う〜ん、そこまでは、でもちょっとした、擦れ違い……ですかね」
エフラム「そうか、人様の家庭の事だ、俺達は深くは言えんが、ソレイユが良ければ、話し合って見るのも良いのではないか?」
エイリーク「そうですね、兄妹仲が悪いのは、悲しいと思います」
ソレイユ「ありがとうございます、そうしてみます……あの」
エフラム「ん、何だ?」
ソレイユ「今日、お二人に会えて、色々お話出来て、凄く有意義でした。
できれば、またお話したいので、アドレス教えて貰えませんか?」
エイリーク「私達の……ですか?」
エフラム「俺も含めてで、良いのか?」
ソレイユ「はい、エイリークさんもエフラムさんも、初めて会ったアタシにここまで親身になってくれて……
だからアタシ、お二人とこれからも仲良くなりたいです。
アタシと、友達になって貰えませんか?」
エフラム「……俺などで良ければ」
エイリーク「私も、良いですよ?」
ソレイユ「ありがとうございます」
ソレイユ「あ、兄さん、帰ってたの?」
ラズワルド「ソレイユ、お帰り」
ソレイユ「母さんは?」
ラズワルド「仕事、大事な公演だって」
ソレイユ「あ、ララちゃんもそう言ってたっけ、同じ公演かな?」
ラズワルド「そうなんじゃない? しかし、相変わらずお盛んだね、今日はナンパ失敗したの?」
ソレイユ「ん?成功したよ」
ラズワルド「は? なのに帰ってきたの?成功したならいつもそのままお泊まりなのに」
ソレイユ「いつもそればかりじゃないよ。今日はアドレス交換だけで済ませたんだ」
ラズワルド「ふぅん、相変わらずモテモテで凄いね」
ソレイユ「アタシは凄くないよ……」
ラズワルド「え?」
ソレイユ「母さんと違って歌は下手だし、兄さんと比べてダンスも全然上手くないんだ、それに剣の腕も兄さんの方がずっと上だしね」
ラズワルド「ソレイユ、どうしたの?」
ソレイユ「色々とね、考える事があったんだ、そしたら
アタシ、色んな人に助けれて、守られてるなって思って……」
ラズワルド「ソレイユ……」
ソレイユ「だからね……うん……ありがとう、兄さん」
ラズワルド「あ、あぁ……」
ソレイユ「じゃあ、アタシ部屋で着替えて来るね」
ラズワルド「わかった、夕飯は母さんが作ってくれたから、温め直せばいいからすぐできるよ」
ソレイユ「ありがとう」
ソレイユ「……………」
部屋に入り取り出したアドレス帳を開く、今日加わった二人分のアドレス、一人は優しく、素敵なお姉さん、そしてもう一人、兄を除く、初めて書かれた男性の名前。
何となく、今日のやりとり、頭を撫でてくれた掌の大きさを思いだすと頬が緩むのを感じる。
恐らく彼に対して感じるのはは兄のような甘えだろう、その思いはこれからどうなるかわからない。
それでも今胸の中にあるこの暖かさはとても心地良かった
リン「何かしら、何だか追い詰められたような……」