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Last-modified: 2017-03-02 (木) 16:56:45

ヒーローズ解禁記念
ちとグレー寄り注意

 

シャロン「どうもおいでませ!解禁ですよ解禁ですよ!」
ミカヤ「…私…こたつで寝てたんだけど…」
自宅で寝てたら急に寒気を感じ…気が付いたら知らん奴の家にいた。
眼の前の少女が言うには召喚とかいうのらしい。
不意にレスキューされたようなもんだが、よりタチが悪いのはマップ外でも友軍で無くても、
呼ばれる側の意思ガン無視で呼び出されるという事だろうか。
メサイヤで呼ばれるゾンビの気持ちがちょっとわかった気がする。

 

ミカヤ「んでいきなりなんなのよあんたは」
シャロン「解禁嬉しくてテンション上がってますシャロンです。私があなたを呼びました。どぉです?」
そいや最近よくわからんが次元がどうとか異界がどうとかいう怪しい連中が紋章町に増えたらしい。
定期的に人が増える。数年前に白夜の鎖国が解けたり暗夜が加盟したりした時以来か。
ミカヤはため息をついた。
ミカヤ「はいはーい。よーこそ。じゃ帰る」
シャロン「え、ちょ!?早すぎでしょう!?まってくださいよ!オーブあげるから!ほんとはリアルマネー取る貴重品です!」
ミカヤ「この歳になると欲なんて大して無くなるのよ。おこたで寝たいんだってば」
シャロン「……ババくさいです…」
ミカヤ「はいはい。否定しませんとも」
アルフォンス「あ!こ、こら!無暗に人を召喚したらだめでしょ!あの娘みたいに!…ども、どうもすみません!うちの妹がご迷惑かけまして…」
シャロン「ううう…だってぇ…この町の中心的グループって有名な兄弟さんちの長女さんにご挨拶したかったんですもの…」
ミカヤ「それはどーも。でも挨拶ってそちらが訪ねてきてするものよ」
シャロン「し、システム!システムのお披露目を!」
ミカヤ「ヒーローズはうちの兄弟もやってるみたいだけどー…よく考えたら自分の世界で生活してたら突然飛ばされてこっちのために戦え!よ。二つ返事でOKする方がふつーは稀よ。みんなよく承知してること」
アルフォンス「それを同意無しでやってしまう人もいるんですよ…」
ミカヤ「ん、ん?さっき言ってた…あの娘…の事?」
アルフォンス「ええ…まあ…」

 

なんか嫌な予感がする。

 
 

さて、噂のあの娘の屋敷。
灰色の髪をした、まだあどけないローティーンの少女は家中の扉を開けっ放しにしていた。
閉めない。誰が閉めるものか。開けるのがアスク家の者たちなら閉めるのはエンブラ家の者たち。
だが彼女は閉める事をやめてしまった。「英雄」を我が物にするために。
ヴェロニカ「来て来て。レア英雄来て。☆5来て。私のものにしてあげる」
幸い家が金持ちの彼女は課金力の貧弱なアスクの連中と違って好きなだけ課金ができる。
ろくに学校にも行かないで彼女はソシャゲ三昧の暮らしをしていた。
あけっぱの扉が歪む。空間が繋がり……英雄が引き寄せられようとしている。
相手の都合?ガン無視です。
そいつが寝てても飯食ってても風呂入ってても少女の知った事ではない。
だが……これは予想してなかったかも知れない。

 

エフラム「ミルラ…っ……ミルラっ……っ今…お前の…中に……っ」

 

現れた覇王は逞しく引き締まった裸体で雄々しい槍をつき出していた。

 

ヴェロニカ「………………………え?」
エフラム「……ミル…………………え?」

 

……アポも取らず、先方の様子も知らずやたらめったらランダムで呼び出すのだ。
…………オタノシミの真っ最中ということがあっても…おかしくはないのだった。
そして。

 

覇王の槍は放たれた。
眼前の少女の顔に。

 

…え……ぁ………! ! ! ぎ ゃ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ………………………………

 

ややあって………

 

裸体のまま土下座するエフラムと、すっかり不貞腐れたヴェロニカの姿があった…
あれから大変だった。顔を洗って…洗ったはいいが髪に飛び散ってからみついたものを落とすのはそれはそれは大変だった。
というか精神的ダメージが深い…深すぎる。
…自業自得と言えば自業自得なのだが。
しかしマリアの時と同様、不可抗力なれど嫁でもない少女にこんな真似をしてしまったエフラムの選択は土下座あるのみ。
ヴェロニカ「椅子……」
エフラム「……む…」
ヴェロニカ「人間椅子になって。お茶にするから…気分が悪いし口直しするわ」
エフラム「わかった。それでお前の気が済むなら」
…嫁達と愛し合っている最中に無理やり召喚された言わば被害者なのだが彼はそんなことを考えもしなかった。
裸体のまま四つん這いになり、その上に少女が腰を下ろす。
なかなか屈辱的な光景でありマゾでもなければ耐えられるものではあるまいが、
しかし覇王の精神は鋼鉄仕立てなのかも知れない。
さて、優雅で倒錯的なティータイム。
少女はエフラムの背中に座ったまま呼び鈴鳴らすと、片手のスマホを弄り始めた。
従者でも呼んで茶の用意をさせるのだろうか。
しかし…

 

エフラム「そろそろ日付が変わるころだしスマホやってていいのか?明日は学校だろう?」
ヴェロニカ「知らない。行かないもの」
様子を伺う。夜更かしに慣れて…というか…昼夜逆転の暮らしでもしてるのか。そういう空気がある。
部屋の様子をよく見ると…コンビニ弁当の箱やらコーラの空き缶が適当に放置されている。
そして付きっぱなしの数台のPCでは複数のソシャゲが起動しており、時折少女は思い出したようにガチャを回していた。
これはよもや話に聞く…ネトゲ廃人というやつ…か?
ヴェロニカ「あーぁ…リアルでガチャが回せると思ったのに…最低…」
エフラム「…それで俺を呼んだのか?」
ヴェロニカ「…そうよ。記念する第一号だったのに。私のコレクションにするの。なのにこんな…」
何度も髪を気にしている。
大分念入りに洗いはしたのだがそれは気になるだろう。
エフラム「なぁお前…学校行ってないのか?」
ヴェロニカ「…かんけーないでしょ」
エフラム「しかし…」
いいかけて言葉を切った。背中を抓られたのだ。
…少女の力では痛くも痒くもないが。
そこに…戸を潜る者がいた。異次元とか異空間ではない。文字通りの意味だ。
先ほどの呼び鈴で呼ばれた者だろうか。
マークス「呼んだかね…む、エフラム君?」
エフラム「マークス義兄上!?なぜここに!?」
姿を見せたのはエフラムの妻の一人エリーゼの兄、マークスだった。
ヴェロニカ「遅いわ先生。紅茶。茶葉はアールグレイ。心持ち薄めに」
マークス「あ…ああ、少し待っていたまえ」
義兄は部屋を見回し……散らかしっぱなしのコンビニ弁当に小さく溜息をつくとゴミを纏めた。
マークス「……自炊のやり方は教えただろう。君の歳でこんな生活を送るものではない」
ヴェロニカ「……かんけーないもの。先生が頼んでもいないのに面倒見に来てるだけでしょ。だから望みどおりに使ってあげてるの。お茶」

 
 

……夜半遅くまでソシャゲ三昧の時間を過ごしたヴェロニカは、朝方近くになってようやくベッドに入った…
その肩に布団をかけるとマークスはエフラムを促す。部屋の外についてこいということだろう。
……いまだ全裸なので寒い。寒いのだが男物の服などない。やむをえまい。

 

マークス「察しはつくと思うが…あの子は私の生徒の一人だ」
エフラム「の…ようですね。マークス義兄上…しかしあの有様は」
マークス「ああ…俗にいう引き籠りだ…ろくに学校に出てこないので幾度か家庭訪問したのだが…家庭の問題は教師には関係ない!…の一点張りでな…
     ならば懐に飛び込んで解決せんとエンブラ家の従者のバイトに志願した」
エフラム「……貴方は教師の鑑だ…」
マークス「よしてくれ。解決は道半ばなのだ…」
エフラム「む…で、家庭の問題とは?俺も力になれるならば」
マークス「…問題…とは。ヒーローズのメインストーリーの続きが配信されねばネタの書きようがない」
エフラム「……………」
マークス「そ、そんな顔をしないでくれたまえ!仕方ないのだ!彼女の継母は多忙な人物らしくてな。ここに潜り込んで一か月ほどたつが…一度も帰ってきていないのだ」
エフラム「…円満でなさそうというのは察しがつきますが」
マークス「とにかく、私の生徒が迷惑をかけてすまなかった。マントを貸すから風邪をひかないうちに帰り給え。
     …奥方たちも待っているだろう」

 

どこか釈然としないものを感じながらエフラムは帰途についた。
…ミルラたちも心配しているだろう…

 

〜 エフラムの部屋 〜

 

壁の方を見て体育座りしてる少女が一人。無言で。
もうちょっとで一緒に達せたのに。体の中に槍の感触が残ってる気がするのが切ない…

 

ミルラ「……………」
サラ「MAP外…別MAPみたいね。レスキューでも探知できない……」
ノノ「明日は一番に愛してもらいなよ。ノノも譲るから…」
ファ「おねえちゃんかわいそう……おにいちゃんとあいしあうの…きもちよくってしあわせなのに…」

 
 
 

〜 アスク家 〜

 

シャロン「ソシャゲは用法用量そして金額を守って遊ぶぶんには素晴らしいものなんです…ですけど…それに心を囚われ、他のすべてを投げてしまう人がたまにいるんです」
アルフォンス「…現実が満たされない者が…心を閉ざしてる者の逃げ道になってしまっては…ずぶずぶと泥沼に沈むようなもので、時とお金とを失い続け…」
ミカヤ「んー…私の若い頃はソシャゲどころかファミコンも無かったけど…逃げ道っていえばお酒か賭博くらいだったけど、選択肢も増えたもんねー」

 

果たしてヴェロニカはもう一度学校に来るのか?
ヴェロニカの継母とは?

 

本編の続きが来ることを待とう。

 

終わり