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Last-modified: 2017-04-04 (火) 21:47:19

夕日差し込む放課後の教室。
数人の男女が文字の書かれた紙を机に置いて囲んでいた。
紙の上には10G硬貨が置かれている。

 

スカサハ「なぁ…本当にやるの?」
ラクチェ「くどいわ!やるっつったらやる!これでセリスちゃんより可愛い店の看板娘になる方法お尋ねするのよ!」
セリス「う…うん?よくわからないけど一緒に指置けばいいんだよね。この10Gの上に」
ユリウス「いいのかよ。何が起きても知らないぞ…」

 

怪談の定番。危険極まる交霊術とされる…そう、コックリさんである。
ラクチェにぐいぐい押されて拒み切れなかったセリスたちはやむなく硬貨に指を置いた。
ラクチェ「こっくりさんこっくりさん、おいでください…」
3人「おいでください…」

 

3人は静かに呪文を唱え始め……
ラクチェ「お出でくださいましたか?お出でならはいとお答えください」

 

10G硬貨は4人が指に力を入れんでも、はい、の文字の上に……!?

 
 
 

―――――――いったりする事はなく、教室の扉が開いた。

 

キヌ「やっほー呼んだ?呼んでくれた?来たよーアタシが!」

 

セリス「あ、キヌ義姉さん」
ユリウス「……おい、なんだこりゃ」
スカサハ「え、なに?ふつうに歩いてくんの?」
キヌ「うんっ、歩いてくるよ♪神霊飛ばしたりなんてすっごい神にしかできないもん。アタシも体動かす方が好きだしね♪」
ユリウス「…コックリさんって悪霊の類だって聞くんだが…」
キヌ「失礼だなー、悪霊じゃないもん。稲荷だもん。狐の霊的存在だから根は似たようなものなんだって。
   …ってアサマが言ってた。よくわかんないんだけどさ。でさ。なんの用事?」
ラクチェ「そ、そうそう!質問に応えてくれるんでしょ!?いろいろ」
キヌ「まっかせなさ〜い♪白夜八百万の知の力、あてにしてね♪」
ラクチェ「じゃあっ!どうすれば私、セリスちゃんより可愛くって人気のある看板娘になれるの!?」
キヌ「…………ご、ごめん…思いつかないよ……セリスすっごい可愛いもん…」
ユリウス「なら僕が聞こう。妹たちの焼きもちなんとかすれ!ナーガはきつい!どうすればいいんだ!」
キヌ「え…うーん…ごめん、焼きもちってあんまりわかんないや。エフラムはみんなを可愛がって大事にしてくれるし、あたし、サラたちも大好きだし」
スカサハ「んじゃ俺が。妹の陰に隠れがちなのはどうすればいいのかな」
キヌ「アルムがそういう人の里を作ったんだって。行ってみれば?」
セリス「最後に僕から質問いい?…逞しくってムキムキで髭の生えた男らしい男になるにはどうすればいいんだろ」
キヌ「え、ええ!?そういう趣味なの!?…せ、性転換手術するしかないんじゃないかなー」

 

ユリウス「…大していい知恵授けてくれねーじゃん」
ラクチェ「ダメじゃん」
キヌ「が、がーんっ!?一生懸命考えたのに!?…アサマが言うみたいにお勉強もしなきゃだめなのかなー…くすん」
セリス「責めちゃだめだよう。せっかく来てくれたんだから。ありがとうキヌ義姉さん」
キヌ「セリスちゃんはほんといい娘だねっ…癒されるしっ」

 

…コックリさん…
白夜交霊術の代表。

 

呼んでみればどこぞの稲荷が質問に応えてくれるかも知れないし応えてくれないかも知れない…

 

セリス「女の子と間違われる事も多いしヘクトル兄さんみたいに男らしくなりたいし、
    男っぽくなるには形からって思って男度の高そうな角刈りとか五分刈りにしようと思ったらみんながやめてくれと必死に止めるし
    普通中学くらいになったらちょっとづつ髭生えてくるのにちょっとも生えないし、ロイですらはじめて顎に一本髭生えたって騒いでたのに僕はまだだし、
    男と書いて漢と呼ぶ男塾みたいな男オブ男になるにはどうしたらいいんだろう?」
ユリウス「ならんでいい。お前はそのままで…い、いや、なってもらえば僕はもう迷わなくて済むのか…」