62-243

Last-modified: 2017-07-05 (水) 23:12:28

アカネイア地区、マケドニア家

 

 当主であるミシェイルとその妹ミネルバの前でマルスは頭を下げていた。
 彼らの末妹であるマリアを嫁にするために願い入れる為だ。

 

ミシェイル「冗談ではない、よりにもよって貴様などにあの天使を渡せるか!!」
ミネルバ「私も、ハーレムの一員と言うのは流石に……」

 

 激昂するミシェイルと困惑するミネルバ、それもそうだろう、2人は彼女を溺愛している。
 そしてミシェイルは過去に因縁から争った事もあり、仲が良いとは言えない。
 逆にミネルバは友人だが、彼女からしても可愛い妹がハーレムの一員と言うのは戸惑う物があった。

 

マルス「それでも、僕は彼女の事が欲しいと思っています」
ミシェイル「馬鹿を言うな!そんな事、許せるものか!帰れ!!」
ミネルバ「私も……話なら他の方と別れてから……」

 

 この場にマリア当人はいない、彼女がいれば間違いなくマルスに味方し、2人に対し「大嫌い!」といい放つ事で片がついただろう。
 マルスとしてもそれは情けないし、2人もそれは嫌だったので話合いの間外に出て貰った。しかしそれが間違いであったと知る。

 

キャー!!

 

マルス「な、何!?」
ミシェイル「マリアの声!」
ミネルバ「何があった!」
マルス「クッ!」ダッ

 

 少し時間を巻き戻す、話合いの間、マリアは外で待っていた。
 覚悟を決めた顔で兄姉を訪ねたマルス、ひょっとしてと言う期待を持って兄達の言う通り話合いから離れ、散歩していた。
 もし、兄達が強硬に反対するなら家出してでもと考えたところで声をかけられる。

 

リーフ「やぁ、マリアじゃないか、いいところで」
マリア「葉っぱ君……」

 

 顔が引きつるのを感じた、相手はリーフ、通称葉っぱ……ロリから熟女まで巨乳であれば見境なくナンパする「変態」だ。
 ただナンパするだけならただの女好きでここまで嫌われなかっただろう。
 だが彼は相手が嫌がってもしつこく付きまとい触ろうとし果てにはルパンダイブをしかける、彼に関われば貞操の危機に陥る程なのだ。
 マリア自身も年齢不相応な程の巨乳で彼に狙われている、いつもなら彼女と仲のいい幼女仲間が守ってくれるのだがタイミング悪く今日は1人だった。

 

リーフ「そんなに嫌わなくても良いじゃないか、僕はマリアと仲良くしたいだけなんだからさ」
マリア「私は葉っぱ君と仲良くしたく無いよ、近づかないでよ」
リーフ「そんなツレナイこと言わないで」

 

 そう言うも彼の目はマリアの胸に釘付けだった、それを理解するとまた不快であり、自分の身を抱き締める様に後退りする。

 

リーフ「良いじゃないか、彼氏が欲しいなら僕が立候補するから、ね?仲良くしようよ」
マリア「こ……来ないで!」
リーフ「まぁまぁせっかくなんだし、僕と仲を深めようよ!」

 

キャー!!

 

 あまりのしつこさに悲鳴を上げたの直後、彼は衣類を脱ぎながらのルパンダイブ繰り出す。
 珍しくいいところまで邪魔が入らないため調子が良かったのだろう、その顔は嫌らしく歪んでいた。もうだめかと思ったとき……

 

マルス「でぇい!!」
リーフ「アー!!」

 

マルスが間一髪で駆け付け、リーフを斬りつけた。

 

リーフ「マルス兄さん!!」
マリア「マルス様!」ギュ
マルス「マリア、大丈夫かい?」
マリア「ええ、マルス様が助けてくれたから……」
マルス「無事なら良かった……リーフ、随分好き勝手してたね」
リーフ「い、良いじゃないか、マリアには彼氏がいないんだから僕が立候補したって。
    それにさっきのだって、恋人としてのコミュニケーションだよ」
マリア「そんなのやだもん、葉っぱ君となんて絶対嫌!」
マルス「リーフ、彼女は僕の恋人候補だよ、勝手に手を出さないで欲しいな」
マリア「!!!」
リーフ「嘘でしょ!兄さんはシーダさん一筋で………
    まさか別れたの!?」
マルス「そんなわけ無いだろう」
リーフ「良いよ隠さなくても、よし、それなら早速傷心のシーダさんを慰めに行かないとね、シーダさんも巨乳だし一晩中かけて……あれ?」
マルス「ふふふ……流石に調子に乗りすぎかな?………覚悟しなよ」
リーフ「あ……ちょ……待って………アーコノヒトデナシー!!!」

 

 ボロボロのリーフを放置し涙するマリアを抱き締める。その近くで共に追い付いていたものの、マルスの迫力に様子見をしていた兄姉が見守っていた。

 

マリア「マルス様……怖かったよぉ」
マルス「もう大丈夫だよ」
ミネルバ「マルス殿、マリアを助けてくれたこと、感謝致します」
ミシェイル「まぁ……感謝はしてやる」
マルス「いいえ、こちらも、リーフが迷惑かけて」
ミネルバ「パオラ達から聞いていましたが、マリアをあの変態から守るには、やはり、兄弟の嫁にするしかありませんか」
ミシェイル「おい、ミネルバ!」
ミネルバ「わかっているさ、私だって完全に納得できた訳じゃない。
     だがあの子の安全と幸せの為なら」
ミシェイル「だが!」
ミネルバ「だからわかっている。
     マルス殿、貴方に試練を課します、それを越えたなら、マリアを迎えること、私は認めます」
マルス「試練……ですか、それは?」
ミネルバ「私達と戦って頂きたい」
マルス「そうですか」
ミネルバ「ですが模擬戦ではありません、武器はそれぞれ普通、戦いの結果命を失うものです。
     むろん、復活の方法は用意しますが」
マルス「…………」
ミネルバ「例え復活できるとしても己の命をかけた真剣勝負、お請けしますか?」
マルス「…………受けます」
ミシェイル「成程、よく言った。
      解っているだろうが手加減はせん、我が手で貴様を切り裂いてやる」
マリア「マルス様………」
マルス「大丈夫だよ……心配しないで」

 

 かくして、マケドニア家竜騎士兄妹との真剣勝負を受けることになったマルス。
 彼は勝負に打ち勝ち、マリアを迎えることができるのか?

 

続く

 

おまけ

 

サナキ「今回は少し危なかったのう」
サラ「ええ、マルスがいなかったらどうなっていたかと思うわ、全く油断も隙もない」
サナキ「取り敢えず義弟殿じゃが」
サラ「私がワープさせるわ」ワープ
サナキ「どこに飛ばしたのじゃ?」
サラ「AKJ本部」
サナキ「なぜそこに?」
サラ「今回のやり方は流石に酷すぎたもの、ナンナ達のお仕置きでも生温いからジェミーに容赦なくしてもらおうと思って……」
サナキ「そうか、ならばまぁよかろう」
   (そう言っておるが多分過去に度々義弟殿や義兄に攻撃を仕掛けられた報復じゃろうな。
    何だかんだ言うても、こやつは身内に甘く、敵に容赦無いからのぅ。
    まぁ、それを言うと私達もアイクに攻撃を仕掛けられているからとやかく言う気は無いが)
サラ(ティニーには悪いことしたかもだけど、後でお詫びにBL小説でも贈っておきましょうか)

 

 送られたAKJ本部側では突然のワープに戸惑っている内にリーフが目を覚まし、立ち絵から中々のものを持っているプリシラとルイーズの娘故に将来性抜群なクラリーネ相手に暴れ回り、ジェミーを始めとした幹部4人にボコられたのは言うまでもない。
 そしてSに次ぐ敵対人物Hとしてブラックリスト登録をされる事となり、2人には攻撃の際恍惚の表情を見せたことで少々のトラウマとなった。

 
 

クロム「リーフ、俺はポリだ。悪人悪党アウトロー、まあそういう人種と接する機会は多い。
     その俺に言わせるとお前はれっきとしたアウトサイダー、そして痴漢」
リーフ「急にまたどうしたんだい兄さん」
クロム「だが……ルパンダイブしつつも一度も成功したことがない。
     強い巨乳ならともかく弱い巨乳もいるのにだ。これは妙だ。
     つまり…自分の手に負えない相手にはド突かれてM心を満たし、弱い相手には邪魔の入るタイミングを見計らってダイブしてないか?」
リーフ「やだなあ。何言ってるのさ。たまたまだって」
クロム「下心エロ心は当然あるだろうが…そうして悪役を引き受け、助けに入った者と狙われた子のフラグが成立するようキューピッド役を」
リーフ「買いかぶりすぎ!ナンパが上手く行って童貞もらってもらえればいいなってだけさ」
クロム「それもそれで本音なんだろうがな…」
ジェミー「あーっ!いた!葉っぱ野郎!誰が帰っていいっつったコラ!」
リーフ「げっ!?な、何さ!?制裁ならもう済んだでしょ!?」
ジェミー「足りないなあ。もっともっといたぶってやんないと懲りないでしょ?
     ナンナやミランダだっけ?あいつらのじゃ優しすぎるくらいだしぃ〜〜」
リーフ「どこがさ!?トロンやら大地の剣やら…」
ジェミー「そんなんフツーじゃん。お嬢ちゃんの制裁はお上品だねぇ。変態にはこれっしょ…つ、ぶ、れ、ろ…!」
リーフ「!!!!!!!!!!!!!」
クロム「た、躊躇いなく金的に膝をぶち込んだ!?…なんて恐ろしい事を…
     こ、子供が作れなくなったらどうするんだ!」
ジェミー「いんじゃね?性欲消えて変態やめるかもよ?」
リーフ「…………!!!」
クロム「コノヒトデナシー…言う余裕すらなく泡噴いてる…」

 

アルム「なんだかんだ言っても君も結構出来る方だよね、かなり昔の話になるけど君が最初に出た大乱闘では一角の英傑として数えられたろ?」
マルス「申し訳ないけど大乱闘の話はNG、まぁ…それなりに戦える様じゃないと詰む要素があったりなかったりだし多少はね?新紋章とか高難易度になればなるほど育成必須にもなるし」
アルム「制圧する機械ではいられない、か…必要ならバレンシアにおいでよ、鍛練に使える場所には事欠かない所だからね、ダゴン漁とか」